2017年11月11日土曜日

N響第1870回 定期公演 Aプログラム

2017-11-11 @NHKホール


マレク・ヤノフスキ:指揮
NHK交響楽団

フルート:甲斐雅之
オーボエ:青山聖樹
クラリネット:松本健司
ファゴット:宇賀神広宣
ハープ:早川りさこ

ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
ヒンデミット:木管楽器とハープと管弦楽のための協奏曲
ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」

マレク・ヤノフスキを初めて聴いたのは16年ぶりにN響に客演した3年半前のブルックナー第5番だった。その時に初めてブルックナーがいいなあと思った。
次に聴いたのが今年4月の「神々の黄昏」(演奏会方式・文化会館・N響)で、これはもう、こう言っちゃ悪いが、誰が振ったって素晴らしいのだけど、特にN響の演奏が引き締まっていたのはやはり、ヤノフスキの力なのかもしれない。

ヒンデミットの2曲は初めて聴いた。つまらない。
2曲めは木管4本が指揮者の前で、ハープが指揮者の後ろで5人が指揮者を取り囲むように円陣を組んだ。彼らが独奏だから当然だ。
でも、彼らの後ろのオケには木管が一人もいない。この作品のオーケストレーションにおいて、木管は4種4管しか使われていないのだから、後ろで吹いていても音楽に変わりはないのだけど、一応独奏だから、「晴れ舞台」に出したのだろうな。

この木管が指揮者を取り囲むスタイルは、昨秋のウィーン・フィル(+ズービン・メータ)がシューベルトの交響曲第8番で初めて見て驚いた。今日のヒンデミットは一応協奏曲なのだから独奏楽器を前に配置するのは納得できるが、交響曲で木管パートを全員(8人)最前列で円陣を組ませるというのは一体何の意図だったか、未だに分からない。ま、一定の距離をもって聴く分には木管が舞台のどこに配置されていようとあまり音楽に関係ないのだと思うが。
でも、関係ないなら、定位置でやってほしかったな、と今頃までウィーン・フィルへの恨み言。

プロの演奏でベートーベン「英雄」を聴くのは昨夏の日フィル以来。ヤノフスキのテンポが良かった。速やめだ。これが好きだ。速いけど、オケは隅々まで神経が行き届いていてがさつさは無い。
第3楽章が終わると、間髪入れず第4楽章に入った。これがいい。ここをゆっくり休憩などしていると緊張感が損なわれてしまう。
ヒンデミットなどの退屈音楽を聞いた直後に正々堂々のベートーベンで大いに気分を持ち直した。やはり、ベートーベン。何と言ってもベートーベン。よく考えて音楽が作ってあるなあ、と感心する。

ところで、この日の編成はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットはベートーベンの指定の≪倍管≫で各4人ずつだった。
これも迫力があって良かった。

2017-177/♪NHKホール-10