ラベル モーツァルト の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル モーツァルト の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年7月19日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第406回

2025-07-19 @みなとみらいホール



シュテファン・ヴラダー:指揮/ピアノ
神奈川フィルハーモニー管弦楽団


モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297「パリ」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
-----------------------
シューベルト:4つの即興曲 作品90-3 変ト長調 アンダンテ



随分久しぶりに大江くんが古巣に戻って客演でコンマスを務めた。それで良かったかどうかは分からないけど、オール・モーツァルト・プログラムを楽しんだ。

この手の企画はそう珍しくもないけど、全部が良かったというのはそうそうない。

指揮兼ピアノのシュテファン・ヴラダーは、以前シティ・フィルで「皇帝」を聴いたが、良い印象は残っていなかった。ピアノがどうこういうよりオケとピアノのアンサンブルに疑問を感じた…と7年も前の感想に書いてあった。

しかし、今日の演奏は、これは神奈川フィルが良かったのか、2者の相性が良かったのか、いやいや大江くんのリードも良かったのかもしれないが、弦12型のコンパクトな編成で、小気味良い演奏だった。

欲を言えば、Pf協が残念。
弾き振りなので、やむを得ないかもしれないが、Pfを縦方向に置き、屋根を取り払って、お客さんに尻を向けて弾いたり、振ったりだ。

尻を向けるのは構わないけど、屋根がないPfはこれまでも何度も経験しているが、音が良くない。客席に響いてこない。
P席とか舞台周りの客席には好都合だろうけど、1階席では音が飛んでこない。演奏はとても好ましいものだったが、その点が残念だ。
モーツァルトのPf作品だもの、普通に横に向けて屋根をつけて演奏しながら指揮もできたのではないか。

ピアノで弾き振りする場合は、是非ともその方法を開拓してほしいよ。


♪2025-098/♪みなとみらいホール-21

2025年7月11日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会114回 〜イタリアの輝き

2025-07-11 @みなとみらいホール



横浜バロック室内合奏団
 Vn:小笠原伸子、鈴木絵由子、橋本弥香、犬飼美奈
 Va:河野理恵子
 Vc間瀬利雄
 Cb:大西雄二
 Cemb:林則子

ピアノ:堀由紀子

ビバルディ:合奏協奏曲集作品3「調和の霊感」から
 第1番 4つのバイオリンの為の協奏曲二長調 RV549
 第8番 2つのバイオリンの為の協奏曲イ短調 RV522
 第10番4つのバイオリンの為の協奏曲口短調 RV580
 第11番 2つのバイオリンの為の協奏曲ニ短調 RV565
ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」から作品8-2ト短調「夏」RV315
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(弦楽四重奏伴奏を元に)
-------------
モーツァルト:メヌエット




◀️感想省略▶️


♪2025-094/♪みなとみらいホール-19

2025年6月20日金曜日

横浜弦楽四重奏団 横浜みなとみらいホール定期演奏会 Vol.08

2025-06-20 @みなとみらいホール



横浜弦楽四重奏団
 Vn:小笠原伸子、有馬希和子
 Va:百武由紀
 Vc:間瀬利雄
Pf:堀江真理子*


モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩」
フォーレ:ピアノ五重奏曲第1番ニ短調 作品89*
ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 作品10
------------------
ラヴェル:水の戯れ*
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女(SQ版)





モーツァルトは定番だが、今日は珍しくフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルとフランスものがメインだった。

モツ「狩」の出来も良かったが、客演ピアニストを招いたフォーレのPf五重奏曲第1番が素晴らしかった。
初めて生で聴いたが、魅力的な音楽だこと。

ピアノの堀江真理子さんは初めてだったが、演奏者、教育者というだけではなく、フォーレに関しては相当な専門家?らしい。上手い下手は分からないけど、冒頭の柔らかいアルペジオが実に美しく、それにVn2が主題を載せるのだけど、これも良い感じで、もう最初に引き込まれてしまうと、大抵最後まで良い感じで終わるものだ。

この作品は、また聴いてみたい。

ピアノの独奏Encがラヴェルの「水の戯れ」。これは聴く機会が多いが、ぼんやりした戯れではなく明瞭な戯れで、ピアノの魅力を味わった。

SQのドビュッシーは、その前の演奏が良すぎて少し曇ってしまったが、EncではやはりそビュッシーのPf極をSQ版にした「亜麻色の髪の乙女」が、これも良かったね。



♪2025-083/♪みなとみらいホール-016

2025年6月14日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第408回横浜定期演奏会

2025-06-14 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
千葉清加:バイオリン*

モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調
-----------------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのためのパルティータ第3版*
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調終楽章最後尾部分



日フィル定期に限らず、どのオケ定期でも席は1階の真ん中だ。しかし、今回は、振替でもないのに席が変わった。
2階席を買った友人が、1階の真ん中で聴きたいというので交代してあげた。僕もミューザ以外の2階席はもう10年近く座っていない。たまには2階(4列目の中央なので、
決して悪い席ではないし、1階よりこの辺が好きだという人も少なくないのではないか?)で聴いてみたくて交代した。

しかし、全然没入できなかった。

最初のモーツァルトVn協は弦が10型だったかな。それに管が6本という小編成で、それはいいのだけど、音がもうか細いのなんのって、悪いけど、千葉ちゃんのVnも蚊の鳴くような音だよ。こりゃ、もう音楽以前だ。よくこんな席で(S席なんだけど)聴いているなあ、と心底驚いた。

後半は流石にマーラーの1番だ。弦は16型に管打が並ぶだけ並びましたと言わんばかりの大所帯。Hr8本、Tp5本、Tb4本、Tympも2組。その他打楽器も多い。

それで、2階席にも十分届いたので、これはまずまず楽しめたが、それでも弱い。1階のいつもの席で聴いていたらどんなにすごかったか、と悔やむこと頻り。

もう2度と2階席はゴメンだ(ミューザを除いて)。



♪2025-069/♪みなとみらいホール-14

2025年6月7日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第771回東京定期演奏会

2025-06-07 @サントリーホール



ガボール・タカーチ=ナジ:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

ミクローシュ・ペレーニ:チェロ*

ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104*
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲変ロ長調 Op.56a*
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
-------------------------
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007から第2曲アルマンド*
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」から第3楽章





ペレーニは初聴き。写真で見るよりずっとおじいさん。
きれいな音だけど、やはり、物足りない。
この頃、管打楽器とPf以外の協奏曲は”生”では無理じゃないかという気がしてきたよ。

自分の聴力の問題だろうか?
そうではないと思う。室内楽じゃなんの不満も感じないもの。2千人ホールではPA付けたらいいと思うがなあ。

タカーチ=ナジは1W前に横浜定期で聴いたばかり。弦をとことん抑えてどうかと思ったが、今日はそうでもなく、日フィルの弦の美しさは健在だ。

横浜では、本編のつまらなさをEncのルーマニア民俗舞曲で一挙に大逆転して満足させてくれたが、Encも正統派でむしろつまらない。

タカーチは陽気な愛想の良い人で、CCが盛り上がる。
いやはや、オケも何度も客席に頭を下げさせられていておかしかったよ。

♪2025-073/♪サントリーホール-07

2025年6月5日木曜日

東京都交響楽団 第1021回 定期演奏会Bシリーズ

2025-06-05 @サントリーホール



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
大木麻理:オルガン*

モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297(300a)<パリ>
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための<響>*(1986)
【芥川也寸志生誕100年記念】
R.
:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30






帰宅後、録画済みの今日放送の「クラTV」を観た。
今日は「ブラームスを味わう」で、解説極少で断片だがブラームスの固め撃ちに痺れた。そして、サントリーで過ごした2時間がえらく空疎なものに思えてきた。

小泉氏は好感度高い。
でも、都響はイマイチだった。最初のモツ31番で出鼻を挫かれた。弦が美しくない。
芥川の<響>は意表を突くのが身上の面白くない音楽だ。
演奏はこちらの方が良い出来だったが。

まあ、楽しみにしていたツァラトゥストラは、大規模編成の管弦楽を楽しむには(オルガンも入って)もってこいの作品だが、やはり、高域弦に難あり。音楽自体、賑やかなだけで心の響く類のものではない。

余生はベートーベン、シューマン、ブラームスだけあればいいか…とクラTVを観ながら思ったよ。

♪2025-071/♪サントリーホール-06

2025年5月31日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第407回横浜定期演奏会

2025-05-31 @みなとみらいホール



ガボール・タカーチ=ナジ:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D759「未完成」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467*
コダーイ:組曲《ハーリ・ヤーノシュ》 op.15
 (ビオラ独奏:安達真理)
-----------------------------
シューマン:3つのロマンスから第2番*
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲





昨日、神フィル室内楽でバルトークとコダーイを聴いた。
コダーイなんて、「ハーリ・ヤーノシュ」くらいしか知らないなあ、と思っていたが、今日、プログラムはすっかり忘れて出かけたら、なんとその「ヤーノシュ」がメインだった。

全3曲とも、珍しく楽しめなかったが、最後の最後のオケEncがなんとバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」で、これも昨日Vn+Pf版を聴いたばかり。
しかし、これが良かった。9回2アウトから満塁ホームランで逆転勝利という感じ。


シューベルトは冒頭のVc(+Cb)の音があまりに弱音すぎて音楽になっていない、と感じた。Vnの刻みも極端に小さい。それでいて、Ob+Clの主題は、弦の序奏に見合うような弱音は出せないので、浮いてしまっている。このアンバランスでもう興醒めした。
その後の2曲でも、弦(特にVc)は極端なほど抑えられている。

モツPf協21番も、弦は10型なのはいいが、弦全体が抑制されているのでモダンピアノが(かなり抑え気味に弾いていたがそれでも)浮いてしまう感じで、全体のバランスが良くない。

オケ自体は、良い演奏だと思ったが、タカーチの独自さについてゆけなかったよ。

しかし、Encが上出来で、終わりよければすべてよし。
ご本人も相当ご満悦で手応えを感じたんだろうな。

♪2025-069/♪みなとみらいホール-13

2025年5月24日土曜日

青山シンフォニーオーケストラ 第37回定期演奏会

2025-05-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール



横島勝人:指揮
青山シンフォニーオーケストラ
町田正行:チェロ*

モーツァルト:交響曲第25番ト短調 K.183
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 Op.85*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 OP.88
-----------------------
カザルス:鳥の歌*
ドボルザーク:スラブ舞曲第10番
ヘンデル:ラルゴ





青山オケって聞いたこともないけどアンタどこのだれ?
という感じで、たぶんアオガク関係者のOBオケだろうなと思っていたが、事前に調べなかったので情報はなく、本番のプログラムにも何に書いてない。帰宅後NETでHPをみて初めて正体が分かったが、予想どおりだった。
アオガクOBオケが母体で、今は、広く同好の士を募っているみたいだけど、青山と名乗る以上、全く無関係では入りにくいだろうな。

定期演奏会は年に1回というから、まあ、多くの弱小アマオケの一つなんだろうな。

チケットを買った当時は、そういう事情も知らなかった。
偏に、エルガーのVc協を聴きたかったからだ。

過去平均では、2.5年に1回の割で聴いている。前回が22年1月都響だったので、まあ、平年ベースなのだけど、最近、この胸を掻きむしられるようでつらくてたまらない激しい音楽に飢えている?というか、なかなか決定版が聴けないのだ。

それで、青山の何たるかはどうでもいいから、聴くことにした。

今日、初めて聴いたオケだが、まずは全体が高水準。
指揮者も初めてだが、ちょいちょい見せる独自解釈が聴き慣れたものとは違うというだけで、あれも悪いとも言えないだろう。ただ、エルガーは、なんかまとまりに欠け求心力がなかった。ドボ8に至れば、一層入り込めなかった。

その、エルガーだが、独奏者はもちろん初めて。華々しい経歴もないけど、主として指導者として活躍をしている人らしい。このオケのトレーナーでもあるという。

久しぶりにスポットライトを浴びたのだろうけ、いやはや上手なものだ。何より、音が美しい。はじめて宮田大を聴いた時の驚きを彷彿とさせる美音の連続。

しかし、いつ、誰を聴いても、問題は、独奏がオケに負けているということだ。

これは、もう、どうにもならないと思うよ。
ピアノ以外、オケと対等に鳴らすなんてできない。

PAを使うのは邪道だけど、協奏曲ではやむを得ない。
思い切って、マイクで拾って生々しい音を増幅してみてはどうだろう。ギターではそういう試みを聴いたことがある。チェロでも(超現代曲ではあったが)PAを使った協奏曲を聴いた。
そりゃあもう安心だよ。
ヤニの飛び散る音を拾って増幅してくれえ!

♪2025-067/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05

2025年1月25日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第404回横浜定期演奏会

2025-01-25 @みなとみらいホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
Cocomi:フルート*

武満徹:組曲《波の盆》
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314*
ルグラン:交響組曲《シェルブールの雨傘》
-----------------------------
フォーレ:コンクール用小品*





珍しいプログラムだった。
武満の「波の盆」は9年ぶり。まずまず。
Mルグランの「〜雨傘」は初聴き。これが退屈。
組曲と言っても単一楽章で30分。あの超有名な主題が繰り返し繰り返し登場するが、それを繋ぐ旋律に聴き覚えのあるものがないこともあって、全体の構成が掴めず。

モツ:Fl協2番は良かった。
初聴きのソリストCocomiって、鶏の鳴き声みたいな名前だよ。輝かしい音色とは言えないけど健闘。何より、オケが素晴らしい。

この人、N響の神田寛明の弟子らしいが、前回この曲を聴いたのは、23年のN響定期で、Flは神田寛明だった。
それで、今回選曲したのかもしれないが、その時の弦の編成が8+6+5+4+2で驚いたことを覚えている。
それが、今日は、師匠を上回る(下回る?)さらに小さい8-6-4-3-2という超小型。

しかし、その乾いたような透明感がとても美しくてモーツァルトの時代は、このような響だったのかもなと思いながら楽しんだ。

♪2025-013/♪みなとみらいホール-03

2025年1月24日金曜日

東京都交響楽団 第1015回 定期演奏会Aシリーズ

2025-01-24 @東京文化会館



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
ミシェル・ダルベルト:ピアノ*

フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467*
ドビュッシー:交響詩《海》-3つの交響的スケッチ
-----------------------------------
ドビュッシー:ベルガマスク組曲第3曲「月の光」*




小泉師の指揮を聴く機会はとても多く、完全記録している2014年から数えたら今日で45回目だった。その前は記録がないけど、記憶ではやはり他の指揮者より多かったように思う。

何を聴いてきたか?
圧倒的にベートーベン、ブラームスを軸にした独音楽で、それに若干、チャイコやドボルザークが加わる程度で、フォーレは2度目。ドビュッシーは何と!初めてだった。

いつも、遊びも外連もない正統派がフランス音楽をどう指揮するのか興味があったが、やはり、特別なことはなくて音楽の王道をゆくという感じだった。

これはこれで良かったが、「海」に関してはもっと派手さがあっても良いのではないかと思うけど…。

モツPf協21番が珍しかった。
生では過去2回しか聴いていない。
オケがあまり取り上げないからだ。

しかし、これが良かった。都響にしては珍しい12型の弦が透明感を保って、そこにピアノがコロコロと乗る感じがいい。
よく聴けば、モツというよりベトのような情感を発見して少し驚いた。

しかし、Encの「月の光」はない方が良かった。
この曲は、文化会館のような大きなホールで聴く音楽ではない。

♪2025-011/♪東京文化会館-01

2025年1月10日金曜日

第37回ヨコハマ・ワーグナー祭〜新春わくわくモーツァルト@みなとみらい

2025-01-12 @みなとみらいホール



Pf:泉ゆりの*/南部麻里*+

ヨコハマ・ワーグナー祭室内合奏団
 コンサートマスター:三又治彦#
 Vn:水野佐知香#/青木敦子/谷裕美
 Va:古川原広斉#/安藤美佳
 Vc:森澤泰
 Cb:笠原勝二#
 Fl:山田恵美子
 Ob:杉浦直基+
 Cl:山崎泰子+
 Hr:國井沙織+#/神野了丞#
 Fg:石井淳+

アルマヴィーヴァ伯爵⇒土屋広次郎
伯爵夫人⇒柳澤涼子
フィガロ⇒高橋宏典
スザンナ⇒辛島安妃子
ケルビーノ⇒木柳祥子


【第1部】
モーツァルト:4手のためのピアノソナタ ニ長調 K.381* 
モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調
 K.452から第1楽章+
モーツァルト:「音楽の冗談」ヘ長調 K.522#

【第2部】
モーツァルト:「フィガロの結婚」 K.492
 抜粋〜演奏会形式





Wagnerと言っても楽劇のRではない。同時代だが、開国の横浜でクラシック界をリードしたクリスチャン・Wagnerだ。氏の功績を讃えるためのお祭りである。

コンサートでは、時々、こういうことがある。
豪華なディナーでお腹一杯になる、というのではなく、頭の先から尾っぽまで目一杯餡子の詰まった鯛焼きをいただくような満足感。

特に後半など、もう、頬が緩みっぱなし。ホクホクと温かい気持ちが溢れて、ああ、モーツァルトって、鬱散らしの特効薬だな、と思った。
ま、いつもそうとは限らない。
今日はプログラムと言い、超短縮版「フィガロ」の伯爵兼MCを務めた土屋氏の巧妙な話術も気分を大いに盛り上げてくれたからだ。

全モツ・プロで、前半は器楽。
最高に楽しかったのは、初聴きの「音楽の冗談」。
真面目な芸術音楽ではなくタイトル通りの冗談音楽なので、滅多に演奏されないと思うし、僕も初めて聴いた。
この面白さを書くには紙幅が足らない。
彼が仕掛けた冗談は、添付図で。


多くは分かったけど、恥ずかしながら並行5度進行がどこに出てきたのか聴き取れず。もう一度聴いてみたい。



後半が、休憩なしでやっても3時間近く要するオペラ「フィガロの結婚」を55分間で。
オケは前半も担当したPf以外の奏者14人のアンサンブル。
歌手は伯爵・夫人・フィガロ・スザンナ・ケルビーノの5人。

伯爵が筋の解説をしてくれるので、字幕もなく、筋は飛び飛びだが、とても面白く、楽しめた。

実は、指定席だと思い込んでゆっくり出かけたら自由席で、先着の迷惑にならないようにとたまたま空いていた最前列の真ん中で聴いた。舞台まで1mくらい?
歌手の飛沫を浴びながら?ど迫力の名曲を、まるで独り占めしている風に聴いたが、なんて幸せ。

♪2024-005/♪みなとみらいホール-01

2024年12月23日月曜日

神奈川フィル川崎公演「第九」/「第九」⑨ 〜川崎市市制100年を祝う“歓喜の歌” 初演200年!

2024-12-23 @ミューザ川崎シンフォニーホール



大植英次:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川ハーモニック・クワイア

ソプラノ:宮地江奈
メゾソプラノ:藤井麻美
テノール:村上公太
バリトン:萩原潤

モーツァルト:歌劇「バスティアンとバスティエンヌ」K50(46b)序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



大植ちゃんて、いつも何かやってくれそうと期待してしまうが、初めて聴く「第九」で、予想以上の弾け方に降参です。

前座の初聴き、モツ序曲に、まずは驚いた。
弦8型?高域から8-6-4-2-1だ。これにHr2、Ob2という極小サイズの編成に驚く。主題がベト3番の栗卒に驚く。始まったらあっという間に(100秒)終わったのに驚く。

問題は「第九」だ。

まずP席やオケ周りにお客を入れていないので、大合唱団が並ぶのかとも思ったが、合唱席は舞台後方に椅子が並べてある。結局、P席では大植ちゃんの演出が楽しめないから売らなかったのだろうか?

前座が終わった時点で合唱団が入るのかと思ったが、入らない。3楽章の前に入るかと思ったが入らない。4楽章の前に入るのかと思ったが入らないで4楽章が始まった。

先に入ったのは独唱者だ。
もう直ぐBrの出番だという少し前に1人で…。
暫時あってTn。以下1人ずつ登場し、中央の定位置付近に集まってお互いが握手やハグで「おお、友よ!」を演じた。

歓喜のテーマがTpに回ったクライマックスに合わせて合唱団が参加する。独唱者と合唱団はお互いに会えて良かったなあという演技だ。途中、男声は酒盛りの仕草だ。

なんとクサイ…と思いながらも、ちょいと感動的でもある。みていても恥ずかしいくらいの演出だが、面白い。

実は、神奈川フィルは6月の「第九」でも声楽の扱いは同じだった。その時より、所作が練れて不満はなかった。

演奏面では、1楽章ではさほど気にならなかったが、2楽章も3楽章も自在なテンポ設定。
終楽章ではもうやりたい放題で、かつてのコバケン先生の遊びよりスーパーだ。楽譜に書いてないぞ!なんて言っても始まらない。もう、どうか、お好きに、存分にやってください、という気持ち。

到底受け入れられないという人も多いだろうけど、僕は面白かった。
完全に鑑賞記録している過去11年間で「第九」は88回聴いたが、今日の大植「第九」が最もエキサイティングだった。その前にもかくほどの印象を残した演奏は思い出せない。
今年は後2回残しているが、聴かずともこれを超える演奏はないと確信する。

音楽鑑賞史に残る大事件だ。「大植劇場」と名付けよう。

♪2024-181/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-18

2024年12月14日土曜日

かなっくdeクリスマスコンサート 〜森麻季

2024-12-14 @かなっくホール




森麻季:ソプラノ
山岸茂人:ピアノ

菅野よう子:花は咲く
久石譲:Stand Alone
山田耕筰:からたちの花
*ショパン:ノクターン第2番 変ホ長調作品9-2
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から
 むごい女ですって!
 ~いいえ違います、私はあなたのもの
*ドビュッシー:月の光
サティ:Je te veux (ジュトゥヴ)
プーランク:愛の小径
3つのアヴェ・マリア(バッハ=グノー、シューベルト、マスカーニ)
アダン:オー・ホーリー・ナイト
メンデルスゾーン:交響曲第2番<讃歌>から
 すべてのもの、息あるものよ
 ~私は主を待ち焦がれました
*ベートーベン:ピアノソナタ第8番く悲愴>から第2楽章
レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」から
 ヴィリアの歌
ドボルザーク:歌劇「ルサルカ」から「月に寄せる歌」
*ショパン:ノクターン第17番口長調 作品62-1
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」からお聞きください、ご主人様
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」より私が街を歩けば
-----------------------
越谷達之助:初恋
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
聖歌:きよしこの夜
*ピアノ独奏


今年の5月にも、みなとみらいの大ホールでピアニストも同じ人でリサイタルを聴いた。
その時の方が一層かぶりつきだったが、今回も舞台は近い。声楽のリサイタルだものやはり小ホールが親近感があるし、没入もできる。

きれいな声だし、可愛らしいし、愛想いいし、歌手でなければいいのに…って変だが、歌手としてはやはり今回も疑問が残った。「第九」やオラトリオ・ミサ曲などの声楽付きオケ曲なら、おそらく、それに向いた発声をするのだけど、リサイタルの小品では、彼女の本来の歌いたいスタイルが出るのだろう。

その5月の感想の中の厳しい部分を再掲しておこう。


歌い方に独特の癖がある。
これまでは「第九」やオラトリオなどドイツものを中心に聴いてきたので、気付かなかったが、うんと近くで15曲も聴くと嫌でも森節が耳に付く。

フレーズの頭がポーンと出ない。
とても小さな声で始まり、半拍かそのまた半拍か遅れてぬ〜と声が出てくる。
そうでない歌い方も2曲くらいあったが、ほとんどが、さぐり歌いのような、歌い方で、これは気持ちが良くない。
こんな歌い方をするオペラ歌手は他に知らない。

それに、コテコテと飾りすぎる。歌の表情が濃厚すぎて違和感を覚えるのだ。もっと、フツーの歌い方で聴きたい。

♪2024-173/♪かなっくホール-09