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2025年6月13日金曜日

バレエ「不思議の国のアリス」

2025-06-13 @新国立劇場




【指揮】デヴィッド・ブリスキン
【振付】クリストファー・ウィールドン
【音楽】ジョビー・タルボット
【美術・衣裳】ボブ・クロウリー
【台本】ニコラス・ライト
【照明】ナターシャ・カッツ
【映像】ジョン・ドリスコル/ジュンマ・キャリントン
【パペット】トビー・オリー
【マジック・コンサルタント】ポール・キエーヴ


【アリス】池田理沙子
【庭師ジャック/ハートのジャック】速水渉悟
【ルイス・キャロル/白ウサギ】李明賢
【アリスの母/ハートの女王】益田裕子
【手品師/マッドハッター】スティーヴン・マックレー
 (英国ロイヤルバレエ


バレエ:J・タルボット「不思議の国のアリス」
全2幕

予定上演時間:  約2時間50分
プロローグ・第Ⅰ幕 50分
  休憩 25分
第Ⅱ幕 30分
  休憩 20分
第Ⅲ幕・エピローグ 45分


英国ロイヤル・バレエ・シネマで1月に観て、素人目にも全く新しいバレエだなと印象深かった。

映画版も分かり易くて良かったけど、今日の舞台でやはり生の迫力には敵わないいな、と当たり前のことを実感した。

音楽がポップだ。ピットの中まではよく見えなかったが、オケの半分は打楽器だそうだ。なので、クラシックバレエの雰囲気とは全然違う。

舞台が凝っている。なにしろ「不思議の国」だ。アリスが大きくなったり小さくなったり、それをプロジェクションマッピングなどでうまく見せる。

大きな猫が登場するが、あの造形もユニークだ。何人で演じているのか分からなかったが、体がバラバラになるのも面白い。

バレエ自体も、多分、新しいのではないか。
何しろ、衣装がほぼ普通の衣装で、いわゆるチュチュは全く出てこない。男性もタイツ姿は不思議の国の兵隊などに限られる。バレエというより芝居を見ているような感じだ。

しかし、なんと言ってもバレエが美しい。いつも思うが、特に女性の一挙手一投足が磨き上げられていて美しい。
全3幕もあって、しっかり中身が詰まってCCを含めて3時間の、夢のような、くすぐったいような、時間だった。

バレエ公演はいつものことだが、圧倒的に女性が多いが、今日は、というか、この演目だからかもしれないが特に多かったように思う。因みに、僕が座った列と前の列の計40席中、男性客は5人だったと思う。

♪2025-077/♪新国立劇場-10



2023年2月26日日曜日

バレエ「コッペリア」

2023-02-26 @新国立劇場



【指揮】マルク・ルロワ=カラタユード
【振付】ローラン・プティ
【芸術アドヴァイザー/ステージング】ルイジ・ボニーノ
【音楽】レオ・ドリーブ
【美術・衣裳】エツィオ・フリジェーリオ
【照明】ジャン=ミッシェル・デジレ

【管弦楽】東京交響楽団

【スワニルダ】池田理沙子
【フランツ】奥村康祐
【コッペリウス】中島駿野

バレエ「コッペリア」
全2幕

予定上演時間:約2時間
第Ⅰ幕 45分
  休憩25分
第Ⅱ幕 50分








何十年か前に観たきりで、人が人形と踊る場面位しか記憶にない。新国立劇場でも初めてなので、Youtubeで予習したが、これがいろんな版があってむしろ混乱。ま、出たとこ勝負で出かけた。

これが存外の上出来。
とても楽しめた。

本来3幕を新国版では第2幕と第3幕を合体。

演出(振付)はローラン・プティ。
この演出は独特のものなのかもしれない。

原作の舞台、ポーランドの農村はパリに置き換えられている。能天気な明るさを、まずは舞台設定から排除して、何やら冷たさも漂う灰色の世界。

このバレエは、初めて民族舞踊を取り入れた作品として名高い(そうな)が、もちろん、音楽は原曲どおりだけど、ダンサーは民族衣装を着て民族舞踊風には踊らない。大胆な改変だが、場所をパリに設定したことから、これも違和感がない。


さて、見処は。
まずは、舞台美術が美しい。色彩はパステル調に抑えられ、配色も地味だけどセンスがある。

スワニルダを踊った池田理沙子が実にカワユイ。いや、可愛いだけではないぞ。この役はほぼ全幕踊りっぱなしの大活躍。

スワニルダが本来は主人公なのだろうが、このプティの演出では、むしろ人形コッペリアを作ったコッペリウスが主人公と言っていいと思う。
彼が思いを寄せるスワニルダに似せて作ったコッペリアと踊るシーンの孤独。
その人形と入れ替わってコッペリウスを揶揄うスワニルダ。
なんと残酷な。

最終幕はスワニルダが思いを寄せていたフランツと結ばれてめでたし。しかし、コッペリウスが抱いていた人形コッペリアはバラバラになって足元に転がる。
2幕からは終幕まで、コッペリウスの孤独が溢れている。
どこも悪くない人形師が、若者たちの残酷さに翻弄される様は哀れでならない。

他の振り付けでは、陽気に終わるのが多いようだが…。

余談①:今年になって、新国のオペラ・バレエは3本続いて東響がピットイン。今日のCMはニキティンだった。顔は見えなかったが元気でなにより。2月24日をどうやり過ごしたろうか。

余談②:来月のオペラ「ホフマン物語」でも人形師コッペリウスが登場する…なんという偶然!

♪2023-037/♪新国立劇場-03