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2022年12月27日火曜日

「第九」2022-⓫ かんぽ⽣命 presents N響「第九」Special Concert

2022-12-27 @サントリーホール



井上道義:指揮
NHK交響楽団
新国立劇場合唱団/東京オペラシンガーズ

オルガン : 勝山雅世*

ソプラノ:クリスティーナ・ランツハマー
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
テノール:ベンヤミン・ブルンス
バス:ゴデルジ・ジャネリーゼ

ダカン:ノエル集 作品2-第10曲「グランジュとデュオ」ト長調*
ラインケン:フーガ ト短調*
J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV545*

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



井上道義最後になるかもの「第九」だったが、昨日の都響と似たような展開。

弦は16型。合唱・独唱はP席。独唱はP席最前列で。

●声楽の問題
この結果、昨日同様、独唱が弱い。本来は、4人の絡みも楽しみなのだけど。
中で1人バリトンだけがよく通る声を張り上げていた。
先月の新国オペラ「ボリスゴドノフ」のピーメン役だった。今日の方が断然いいが。

この4人が、何故か楽譜を持って立った。
中で世界のメゾだけが1人、楽譜を広げず歌った。それも変だが。

●第1楽章はとても遅く、3楽章もやや長めだった。
が、テンポ設定に違和感なし。
ただ、3楽章Hrソロは独自過ぎて違和感。

3楽章から4楽章の入りはホンの半呼吸。2秒と待たず。

●4楽章に入ってからは問題続出
低弦のレシタティーヴォがピシッとしない。都響も同様だったが、18人もが同じ音符を弾くのだ。それも歌うように!
ところが呼吸が合っていなかった。だから揃わない。

前楽章の否定が終わって歓喜の歌だが、歌うのは専らコントラバスで、チェロはそっとなぞるだけ。音は出てた?
その延長上に、僕が全曲中一番美しいと思っているビオラとチェロ、コントラバスが歌いファゴットが装飾する絡みの妙もビオラの音色が引き立たず。イマイチ。

マーチに入ると、なぜかピッコロが打楽器の隣、下手最後列客席側に立って吹いたので、これがウルサイのなんのって、まるでピッコロ協奏曲の如し。こんな「第九」は聴いた事がない。トルコの行進曲風にというアイデアだったらしいが、独自すぎる!

全曲は71分10秒で秋山「第九」を僅かに超えて最長だった。
ま、長さは構成感が良ければどうでもいい。
その点に関しては、好みには合っていたのだけどな。

今回は、16型で演るにはミッキー流の独自色が強過ぎて一部に消化不良が。
ざわつきが目立つのはホールの消化不良もあるのかもしれないが。

演奏好感度★80点

♪2022-206/♪サントリーホール-24

2021年12月27日月曜日

かんぽ生命 presents N響「第九」Special Concert ❽

2021-12-27 @サントリーホール



尾高忠明:指揮
NHK交響楽団
合唱=東京オペラシンガーズ

オルガン:勝山雅世*

ソプラノ:森麻季
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:櫻田亮
バリトン:大西宇宙

ブクステフーデ:コラール前奏曲「輝く暁の星の麗しさよ」*
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565*

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125


オケの編成では今季最大だった都響と同じく弦14型。

東京オペラシンガーズは60名で都響の二期会より4人多い。

僕が今季「第九」を聴いた8オケの中では最大規模。

コロナ禍ではこれで精一杯?

合唱・独唱もP席。全員冒頭着座。


演奏はやはり一歩抜きん出たN響ならではの堂々の風格。


尾高の指揮はゆったり目。外連味なし、嫌味なし、遊びなし。

ま、これが大人の「第九」か。演奏時間も最長の71分強。


問題はあった。

オケも合唱も上出来だったが、独唱が気の毒な状態。

P席の前列に並び、その後ろは合唱が三重に。都響の場合と同じで、これではなかなか声が飛んでこない。


P席に合唱を置けない場合はともかく、独唱は舞台の奥・反響板の前で歌うべきだった(コロナ前は独唱が舞台前方で歌うことも珍しくなかったが、今はそれができない。)。


独唱各人の歌いっぷりに問題はないのに、オケや合唱に埋もれがちだったのが残念。



今季全8回の「第九」が終わったが、総合的にはN響がベストとも言い難し。後日、振り返ってみよう。


カーテンコールは独唱者より、指揮者より、今回で卒団する第2バイオリン首席の大林修子女史への労いの拍手で盛り上がった。


♪2021-165/♪サントリーホール-24


S席 1階 14列 21番 15,750円

2020年12月27日日曜日

N響「第九」Special Consert 「第九」❽

 2020-12-27 @サントリーホール


パブロ・エラス・カサド:指揮
NHK交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ソプラノ:髙橋絵理
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:宮里直樹
バリトン:谷口伸
------------------
勝山雅世
:オルガン*

J.S.バッハ:組曲第3番ニ長調 BWV1068「アリア」(G線上のアリア)*
J.S.バッハ(デュリュフレ編):コラール「主よ、人の望みの喜びよ」*
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125

パブロ・エラス・カサドの指揮は、スペイン人だからなのか冒頭からメリハリの強いシャキシャキした演奏だったが、1拍めの明瞭さに比べて拍の末尾がぼんやりとした印象は最後まで拭えなかった。

1拍目だけでリズムを作る軽快な舞踊曲みたい。

これはドイツ音楽だろうか?

…なんて、大胆な疑念と闘い続けているうちに終わってしまって、カタルシスは得られなかった。

今日のサントリーホールは響きも悪かった。
舞台周り以外はかなり大勢のお客が入っていたせいだろうか?

管弦のアンサンブルも、ホルンの聴かせどころ(とても上手なのだけど)も響きに潤いがない。

自席は、なかなか取れない最良席だった。ここで文句を言っていたら座る場所がない。なのに、響いてこない。

演奏技術とは無関係。

ホールは生き物だ。あるいは自分の体調も影響したかも。

音楽の齎す幸福度で測れば評点80点。

カーテンコールは最後スタンディングオーベイションで盛り上がったが、それ程じゃないよと1人白けていた。

♪2020-100/♪サントリーホール-06

備考:
弦の編成:12-10-8-5-4
合唱:女声20/男声20
演奏時間正味:63分18秒

2019年12月26日木曜日

N響「第九」Special Consert <第九⑩>

2019-12-26 @サントリーホール


シモーネ・ヤング :指揮
NHK交響楽団
東京オペラシンガーズ 

マリア・ベングトソン:ソプラノ
清水華澄:メゾ・ソプラノ
ニコライ・シュコフ:テノール
ルカ・ピサローニ:バス・バリトン
------------------
勝山雅世:オルガン*

ヘンデル:音楽時計のための小品集 ―「天使の飛行のためのヴォランタリー」ハ長調 HWV600、ジーグ ハ長調 HWV589*
アルビノーニ:アダージョ(原曲:オーボエ協奏曲 ニ短調 作品9-2 ― 第2楽章)*
J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ト長調 BWV541*
-----------------
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125

今年最後の鑑賞。今年最後の「第九」。
「第九」は10回も聴いたがN響を最後にしておいて良かった。これまでの9回(うちアマ2回)の不満をほぼ解消してくれる上出来だった。

さすがにN響ではある。
冒頭を聴いただけで格の違いを感じ、愈々本物が始まったと分かった。

合唱は90人と小編成だが、お客を入れないP席に配置される。独唱は指揮者周りに2人ずつ。
弦編成は16型。

見た目にもダントツに高い入場料にふさわしいラグジュアリー感があるが、見かけだけではなかった。
弦の透明感、何よりアンサンブルの美しさは格別だ。

最前列独唱陣は声部の絡みも明瞭だった。

第1、第3楽章の一部にテンポを落とすところがあったが、聴き慣れないもので、違和感を感じた。

過去のN響ではヤルヴィ、ブロムシュテットには及ばないがエッシェンバッハよりは好き。ヤノフスキーと同じくらいか。

今年は217回を数える忙しい鑑賞生活だったが、1年を締めくくるにふさわしい好演だった。

♪2019-217/♪サントリーホール-11