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2018年4月11日水曜日

国立演芸場4月中席

2018-04-11@国立演芸場


落語   桂夏丸⇒玄関の扉
落語   三遊亭遊雀⇒蛙茶番
落語   桂竹丸⇒西郷隆盛
漫才   Wモアモア
落語   三遊亭圓楽⇒禁酒番屋
    ―仲入り―
落語   瀧川鯉昇⇒千早ふる
俗曲   桧山うめ吉
落語   桂歌丸⇒小間物屋政談

今月の中席はトリに歌丸が登場だ。と言っても前日ではなく、奇数日だけ。健康上の理由かどうかは分からない。何であれ、同じ行くなら歌丸の落語を聴きたい…と思う人が大勢いて、今日初日は満員御礼だった。普段なら、お気に入りの席に座れるのだけど、今回も発売初日の発売時刻からチケットセンターにアプローチしたがその指定席が取れず、だいぶ後ろだった。

歌丸師匠、もう随分前から、高座に上がる際は歩いて登場しない。その前の出し物で一旦幕が降り、その間に前座などに運ばれてくるのだろう。幕があがると、鼻には酸素吸入チューブを付けた骨皮筋衛門のようなちっちゃくなった師匠が、目だけギョロつかせてちょこんと座っている姿も気の毒なくらいだ。


このところ入退院を繰り返しているので、さあ、いつまで持つか、というのが、その日の噺家たちの笑いのネタにされたりしているが、観客の方も、もし今日の高座で他をれたら、記念になるなあ〜などという不謹慎な興味で駆けつけているのも、大入り満席の中にはいるだろうな。

今日の歌丸の演目だけは事前に公表されていて、45分も要する大作「小間物屋政談」だった。ナマで聴くのは初めてだったし、歌丸の飾りっ気のない淡々とした枯れた語り口は好きで、大いに楽しみにしていたが、終わってみると、どうもイマイチのできだった。ご本人も季節の変わり目は特にしんどくて話しづらいと前口上で断っていたが、そんな体調も災いしたのかもしれない。長い話だから、うまくメリハリが付いたら最後の大岡裁きで聴いているものもホッと気持ちが暖かくなる仕掛けだが、どうも淡々とし過ぎたきらいがある。
とはいえ、噺家に定年はないのだから、健康に留意して、まだまだ色んな噺を聴かせてほしいものだ。

他の演目では、
圓楽はいつも下手くそだ。人間性の問題ではないか。
鯉昇はそこそこ面白い。もうこれ以上巧くはならないような気がするが、これくらいなら及第点。
うめ吉姐さんは、語りにはとぼけたおかしさがあるが、肝心の小唄・新内などになると声が小さすぎてダメだ。マイクを使っていても聴き取りにくい。

♪2018-038/♪国立演芸場-06

2017年4月14日金曜日

平成29年度4月中席

2017-04-14 @国立演芸場

落語 三遊亭金の助⇒初天神
落語 瀧川鯉丸⇒かぼちゃ
落語 三遊亭遊雀⇒悋気の独楽
落語 瀧川鯉昇⇒ちりとてちん
漫才 Wモアモア
落語 桂米助⇒落語禁止法
              ~仲入り~ 
落語 桂竹丸⇒西郷隆盛
俗曲 桧山うめ吉
落語 桂歌丸⇒中村仲蔵

歌丸師匠で満席!
瀧川鯉昇は相変わらずうまい。
(物知り自慢の設定が多いが今日は)口の悪い男に腐った豆腐の唐辛子まぶしを台湾みやげの珍品と称して食わせる話。
顔の派手さ大きさを活かして傑作。

中トリ米助の新作?は話が小さくすぼんだ。
うめ吉姐さんは声量不足芸不足。

歌丸師匠の演目は歌舞伎役者の人情噺「中村仲蔵」。
弁当幕と揶揄されていた忠臣蔵五段目に今も続く新工夫を持込んだ仲蔵の芸の苦労話。志ん朝のが好きだが、これ以上枯れようもなくなった歌丸師匠の訥々とした味わいも捨て難い。鼻に酸素チューブを入れたままで高座に上がった姿がますます痛々しいが、声はよく通り滑舌も(前回ほどではなかったが)問題ない。
長生きして欲しいね。

2017-056/♪国立演芸場-07

2016年8月15日月曜日

国立演芸場8月中席 桂歌丸噺家生活六十五周年記念公演

2016-08-15 @国立演芸場


落語 笑福亭茶光⇒色事根問
歌謡漫談 東京ボーイズ
落語 春風亭昇々⇒最終試験
落語 桂文治⇒鈴ヶ森
落語 桂歌春⇒九官鳥
落語 三遊亭小遊三⇒代わり目
―仲入り―
座談
落語 三遊亭圓楽⇒行ったり来たり
ものまね 江戸家まねき猫
落語 桂歌丸⇒江島屋怪談<三遊亭圓朝作 鏡ヶ池操松影から>

今月の中席は桂歌丸噺家生活六十五周年記念公演ということで、チケットは発売初日から殆どが売れていてお気に入りの席が取れなかった。
中席が始まる少し前に持病が悪化して入院したというニュースが流れて心配したが、初日から舞台復帰したので一安心。
今日も満員御礼でおそらく楽日まで席は埋まっているのだろう。

歌丸のほかにも不倫問題でいっとき騒がれた六代目圓楽、小遊三など芸達者が揃った舞台だったが、中身はどうかな。
いまいち乗れなかった。

歌丸師匠の演目は、記念公演ということからか(普段の寄席は始まってみないと演目が分からないのだけど)、全期間を通じて予め演目が決まっており、「江島屋怪談」一本だ。
これは初めて聴いたが、圓朝(牡丹燈籠、真景累ヶ淵などの作者)の作による文字どおり怪談だ。

語り口はうまいね。
病み上がりとも思えない声量がある。発音は丁寧で聴き取りやすい楷書のような日本語だ。
舞台照明も話に合わせて変化し、中盤からは客席の照明も落ちて暗くなり、歌丸師匠が、そのままでも幽霊のような体躯(体重じは35~6Kgだそうだ。)だが、ますますこの世の人ではなくなって一段と気味悪くなってドキッとさせられた。


♪2016-113/♪国立演芸場-09

2016年7月6日水曜日

国立演芸場7月上席 真打昇進披露公演

2016-07-06 @国立演芸場


落語 三遊亭馬ん長⇒元犬
落語 橘ノ双葉⇒タケダ君へのラブレター
落語 三遊亭遊雀⇒堪忍袋
漫才 宮田陽・昇
落語 三遊亭圓馬⇒高砂や
落語 桂歌丸⇒つる
<仲入り>
真打昇進披露口上
落語 瀧川鯉昇⇒粗忽の釘
落語 三遊亭遊三⇒親子酒
奇術 北見伸&スティファニー
落語 橘ノ圓満⇒壺算


今日は満員御礼の大盛況。和服姿のご婦人も多くて驚いた。お目当ては歌丸師匠だろう。

今月の上席では3人の新・真打ちの昇進披露が行われていて、今日はその一人、橘の圓満のお披露目だった。
この人、若い頃から寄席に入り浸りで好きが高じて30歳を過ぎてついに入門したので、真打ちになったのは既に五十路を過ぎという変り種。家は上野の料亭で自身3代続く江戸っ子だが、家業を継がずに噺家になったという。この経歴自体が落語のようでもある。

圓満のブログから
祝儀の意味があるのだろう、今日は園満がトリを務めた。
出し物は有名な「壺算」だ。
瀬戸物屋のオヤジを言いくるめて水瓶大小をタダで持ち帰るというハナシだが、語り口が硬くてまだ修行半ばの感があるが、計算が分かったようで分からないオヤジの心境をなかなか上手に演じていた。

今日の出し物では、遊雀、圓馬の落語が上出来。
宮田陽・昇の漫才もおかしかった。
北見伸&スティファニーの奇術も巧いものでありふれたものだけども全くタネが分からない。助手のピチピチギャルたちも眼福である。

しかし、なによりも誰よりも歌丸の飄々としたおかしさ・巧さには実に驚かされた。昔、TVで観ていた頃はあまり上手いとも思わなかったけど、落語芸術協会会長は伊達じゃないね。
演じた「つる」は、よく知っているハナシだし、ここ演芸場でも前座や二ツ目で何度か聴いたが、おかしさが違う。質が違う。
展開も、オチも、セリフまで分かっているハナシなのに、歌丸がひょうひょうと演ずるともうおかしい。おかしくなる前からおかしい。
館内は大爆笑の渦だ。一緒に行った友人はおかしすぎて泣いていたよ。


♪2016-093/♪国立演芸場-06