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2023年11月26日日曜日

藤沢市民オペラ:ロッシーニ「オテッロ」

2023-11-26 @藤沢市民会館



園田隆一郎:指揮
管弦楽:藤沢市民交響楽団
合 唱:藤沢市合唱連盟

オテッロ⇒宮里直樹Tn
デズデーモナ⇒砂川涼子Sp
エルミーロ⇒妻屋秀和Bs
ロドリーゴ⇒小堀勇介Tn
イアーゴ⇒山本康寛Tn
エミーリア⇒中島郁子Sp(中島本来はMs)
ルーチョ/ゴンドラ漕ぎ⇒石井基幾Tn
総督⇒平尾啓Tn

藤沢市民オペラ50周年記念
G.ロッシーニ『オテッロ』全3幕(オテロとも)
(演奏会形式・原語上演・日本語字幕付)  

予定時間 3時間50分(休憩込み)
1幕
 休憩(20分)
2幕
 休憩(15分)
3幕





ヴェルディの「オテロ」は新国立劇場ほかで数回観ているし、7月の東フィル定期の演奏会型式もまだ記憶に新しい。

しかし、今回は、ロッシーニの「オテッロ」である(タイトルくらい同じにしても良さそうなものだが。)。
これは観たことも聴いたこともない。放映機会も少ないので録画もない。それで予習せもせずぶっつけ本番に臨んだ。

演奏会形式ということもあり、客電が完全消灯ではなかったので、時にプログラム参照も可能だったのは助かったが、色々と面食らうところがあった。

ヴェルディ版に比べ、登場人物(カッシオが登場しない。エルミーロ[デズデーモナの父]が登場する。)や役柄、小道具、場所の設定などの違いもあるが、一番大きいのは、ベルカント・オペラであること、加えてテノールTn偏重というところか。

ヴェルディではイアーゴはBrが歌うが、ロッシーニではTnだ。ということは、主要な3人(オテッロ/イアーゴ/ロドリーゴ)がすべてTnだ。ほかにもTnの役は3人あるので、6人(今回は内2人の役を1人が歌ったので実際は5人)ものTn歌手が登場するのだ。そしてBrはなし(代わりにBs)。

Tnが3人も重要な役で登場するのは、興行的な事情らしいが、Tnの中でも高中底が使い分けられるなどの工夫は施されている。

No.10まで付されたアリアは、やはりベルカントの親玉(といっても初演時24歳!)の作らしく、多くは細かい装飾を纏っている。

全体に歌唱重視だがドラマとしてはヴェルディより軽い感じがしたが、初めてなので、見逃し・聴き逃しもあったと思う。

最後のNo.10アリアは第3幕が全曲10番なのにも驚く。その中心は「柳の歌」(ヴェルディのとは当然違う。)だが、実際は、多くの歌で構成される。それらはアリアという位置付けではないのか。

歌手は健闘。特にデズデーモナの砂川涼子❤️はやはりベルカントが得意なんだなと思わせる。彼女の「柳の歌」を聴けて良かった。オペラ本体同様「柳の歌」もヴェルディ版の方が圧倒的に有名だと思うが、初めてのロッシーニ版で聴いたナマ「柳の歌」はどこか懐かしく、過去、何度も聴いたことがあると思ったけど、錯覚だったろうか?
オッテロの宮里直樹もガンガン響かせて聴き応えあり。

藤沢市民オペラは前回の「ラ・ボエーム」が本舞台形式で格別の出来だったが、今回どうして50周年記念にも関わらず演奏会型式にしたのだろう?ちょいと惜しいことではあった。


♪2023-203/♪藤沢市民会館-1

2023年2月28日火曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 珠玉のオペラ合唱名曲コンサート 〜神奈川フィル合唱団創立20周年を讃えて〜

2023-02-28 @みなとみらいホール



現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル合唱団#

大久保光哉:バリトンBr
鈴木玲奈:ソプラノSp
山本康寛:テノールTn

●ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」から
「序曲」/「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」#
●マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から
「オレンジの花は香り」#
●ヴェルディ:歌劇「椿姫」から
第1幕への「前奏曲」/「あの人から遠くはなれていては」Sp/「ああ、そは彼のひとか〜花から花へ」Sp/「乾杯の歌」Sp/Tn/#
●ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から
第3幕への「前奏曲」/「婚礼の合唱」#
●ワーグナー:歌劇「タンホイザー」から
「夕星の歌」Br/「歌の殿堂を讃えよう」#
●エルガー:行進曲「威風堂々」第1番#







神奈川フィル専属のアマチュア合唱団。創立20年ということで、合唱団が主役のコンサート。
主としてオペラの合唱曲主体だが、ソプラノやテノールのプロ歌手の独唱も。
全て、聴き馴染んだものばかりで楽しめた。

合唱団は、名簿を数えたら凡そ女声60、男声30。

P席全部とRA・LAの一部を2人空けの拡大市松模様で並んだが、男声が上手側にちんまり収まったのはどうも迫力を欠いた気がする。
スカスカ配置だから、アマチュアといえども全員NoMaskだ。

「第九」の合唱のように高域で声を張り上げる曲がなかったせいか、全て良くできました!感じ。

定期演奏会ではなく1回券なので、久しぶりに…調べたら、2016年11月の独カンマーフィル以来だから6年3月ぶりに2階席で聴いてみた。正面最前列。

やはり1階席中央とは様子が違う。
遠い。
生々しさがない代わりにぼんやりとまとまりがいい。

評価のレンジは2-4という感じ。安全に聴けるというところか。
僕の好きな、1階席中央の中央だとレンジは1-5だ。非常に良い時もあるがひどい時もある。その僅かな5の機会を求めて席にこだわっている。

♪2023-038/♪みなとみらいホール-09

2022年2月19日土曜日

オペラ「ミスター・シンデレラ」全2幕

2022-02-19 @新宿文化センター



大勝秀也:指揮
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

台本・演出:高木達
作曲・音楽監修:伊藤康英

伊集院正男⇒山本康寛
伊集院薫⇒鳥海仁子
垣内教授⇒山田大智
伊集院忠義⇒江原啓之
伊集院ハナ⇒きのしたひろこ
赤毛の女⇒鳥木弥生
卓也⇒松原悠馬
美穂子⇒神田さやか
マルちゃんのママ⇒鈴木美也子
マミ⇒山邊聖美
ルミ⇒高橋香緒里
ユミ⇒遠藤美沙子

オペラ:伊藤康英「ミスター・シンデレラ」
全2幕〈日本語上演/日本語字幕付〉

予定上演時間:約2時間20分
 第Ⅰ幕   55分
  休憩   20分
 第Ⅱ幕   65分


出演している鳥木女史からSNSで「ねえ、みつばち先生〜」と歌いますよ、と言われて観に行った。
登場人物に蜜蜂の研究をしている教授がいて、その彼を誘惑するのが鳥木女史の役柄。そして、たしかに「みつばち先生」は、バスルームから悩ましくも呼ばれたのである。

チケ取りが遅かったので、好みの良席は残っていなかった。
案の定、音圧・響などに不満があったが、席のせいというより、このホールがアコースティックに向いていないように思った。
また、話の内容が大ホール向きではないし、オケが必要なのか、とも思った。
つまり、小ホールで室内楽程度で、客席とも親密に環境ならもっと没入できたかもしれないが。

男が、間違って、女王蜂の性ホルモンからできた秘薬を飲んで、潮の干満に合わせて女になったり、男に戻ったりする。
浮気していると誤解した男の妻との間がややこしいことになる。彼女自身もそんな亭主より上司に気持ちが傾き、亭主の方も、女になっているときに妻の上司を誘惑しようとする。
すったもんだの挙句、元の鞘に。という話だが、初演が20年も前だそうで、内容的にも今日のジェンダー問題を意識しているとは思えない。
今や、男が女になる…という話であれば、避けて通れない性自認の問題に関して、プログラムには後付けの説明が書いてあったが、そうじゃないだろ、という感じ。

♪2022-022/♪新宿文化センター-01

2018年6月17日日曜日

日生劇場会場55周年記念公演 NISSAY OPERA 2018 モーツァルトシリーズ『魔笛』

2018-06-17 @日生劇場


指揮:沼尻竜典
演出:佐藤美晴


管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:C.ヴィレッジ・シンガーズ

ザラストロ:伊藤貴之
タミーノ:山本康寛
パミーナ:砂川涼子
夜の女王:角田祐子
パパゲーノ:青山貴
パパゲーナ:今野沙知恵
モノスタトス:小堀勇介
 ほか

モーツァルト作曲 オペラ『魔笛』全2幕
(ドイツ語歌唱・日本語台詞・日本語字幕付)

予定上演時間:約3時間
第Ⅰ幕 70分
 --休憩20分--
第Ⅱ幕 90分

日生オペラは制約(料金が安いから制作費なども多くは取れない。また、詳しいことは知らないけど舞台機構も大型のせりや回り舞台は無いのではないか。)の大きい中で舞台や衣装等も工夫が凝らされているのにいつも感心する。

今日の魔笛も、主要な舞台装置は中央に一つきり。それがくるくる回転して、照明を受けて、いろんなシーンを形作る。
役者の衣装もあまり豪華とは言えない。パパゲーナの靴などもっといいのを履かせてあげたいと思ったよ。

それでも、いつも概ね楽しめる舞台を作り上げるのは大したものだ。

今日も楽しんだが、なんと言っても一番良かったのはパミーナ役の砂川涼子。役のせいもあるけど「祭りの準備」の頃の竹下景子そっくりでカワユイ!もちろん歌も素晴らしい。
今回、砂川涼子のほかには伊藤貴之(ザラストロ)、青山貴(パパゲーノ)くらいしか覚えのある歌手は見当たらなかったが、若干の不満はあったものの、みんな上手にこなしていたと思う。

ところで、オペラ一番人気とも言われる「魔笛」だが、ストーリーは難しいというか、ザラストロや夜の女王の本質は何か、まあ、よく分からない。専門家がいろんな解釈を提供しているが、今回の演出でもよく分からなかった。

この作品(だけではなく、物語として首を傾げるものは少なくない。)は、もう、おもちゃ箱をひっくり返したような、次々登場する耳慣れた、それゆえ心地良い音楽の砲列を楽しむのが一番かな、と思っているけど、どうか。

新国立劇場では来シーズンの幕開けが「魔笛」だ。これを楽しみにしている。

♪2018-072/♪日生劇場-01