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2024年8月2日金曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2024 新日本フィルハーモニー交響楽団


2024-08-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール




ジョナサン・ノット:指揮(井上道義の代打)
新日本フィルハーモニー交響楽団

マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」









日高氏のHrがいつもながら安定感。
それ以外には格別感心するところはなかった。
何たって、急な指揮者交代。ミッキーではリハはやっていなかったろう。ノットもせいぜいゲネプロ入れて2-3回だろう。
初顔合わせで、リハ
も十分でないのがアンサンブルの乱れによく出ていたよ。
新日フィルはすみとりではもっと良い演奏を聴かせるね。


FSMuzaが始まって今日で4回目。ずっと定点観測しているが、一番出来が悪かった。

まあ、この7番ていろんなオケで(ノット+東響も)聴いているが、どれも感心したものはないよ。
そもそも構成感に欠け、魅力的な旋律もなく、コケ威のような強奏が多く、無駄に長いから、どこが演っても楽しめない。

Twitterをちらちら見たが、終曲した瞬間の歓声について非難するものは見られなかったが、あれっていいのかね。
全く余韻に浸るまもない。たった1人の自己主張で音楽全体が決められてしまっやような気がしたよ。傍迷惑也。

♪2024-112/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2024年7月27日土曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2024 東京交響楽団 オープニングコンサート 昨年の衝撃を再び! ノットXチャイコフスキーⅡ

2024-07-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調 op.17
「ウクライナ(小ロシア)」[1872年初稿版]
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op.74「悲愴」





FSMuzaは十数年欠かしたことがないが、訳あって、オープニングだけは18年を最後にずっとパスしていたが、今年はこだわりを捨て最初から聴くことにした。ノット+東響は1年8月ぶりだ。

それにしても、以前もそうだったが、夏祭のオープニングなのだから、祝祭的な明るくて賑やかな曲をやれば良さそうなものなのに、チャイコの小ロシアと悲愴ってどういう感覚だろう。

第2番小ロシアの初稿版は初めて。
尤も、改訂版の方も耳に馴染むほど聴いている訳ではないので比較はできない。この初稿版も、ウクライナ民謡がふんだんに取り入れられてなぜか郷愁を唆る。

今回の標題は「ウクライナ(小ロシア)」となっていた。ロシア侵攻以前は「小ロシア」だけだったと思うが。

6番か…。
可もなく不可もなく。

♪2024-107/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05

2022年11月27日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第89回

2022-11-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
アンティエ・ヴァイトハース:バイオリン*

シューマン:「マンフレッド」序曲 作品115
シューマン:バイオリン協奏曲 二短調 WoO23*
ベートーべン:交響曲第2番ニ長調 Op.36
--------------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第2番から「サラバンド」*



1曲目目開始直前の客席トラブル(何かを床に落としたらしい音あり。指揮台のノットは一度客席を振り返った。)で指揮者とオケが共有していた気脈が一旦断たれたように思った。そうでなくとも休符から始まる「マンフレッド序曲」の音の流れが受け止めづらく、過去に東響を含めいろんなオケで聴いているが、今回も入口で躓いた感。

バイオリンのA.ヴァイトハースは初聴き。
使用楽器が2001年製の某というので興味深く聴いたが、なかなか明瞭な音で、高域は鋭く中低域は豊かに鳴る感じ。アンコールの無伴奏で特に楽器としての真価を発揮したように思う。

シューマンの協奏曲は大変な難曲らしく、過去に生で聴いたのは1回(郷古廉)のみ。

まあ、素人にはメンデルスゾーンであれチャイコフスキーであれ、同じように難しそうに聴こえるから、このシューマンの遺作が1980年代までシューマンが書いたオリジナルどおりには演奏されなかったと読んで驚いた。


メインがベートーベン交響曲第2番。
これが実に良かった。
この頃、ミューザも少し響が硬い。冬の音だろう。
それがこの音楽にはお似合いだった。

ノットのナヨナヨした指揮ぶりに似合わず、音楽の方は、シューマンの難解なオーケストレーションの霧を晴らしてシャキシャキとして、気持ちが良い。そして、やはりベートーべンの音楽の力強さに改めて思い至った。

終演後、コンマスのG.ニキティンの表情に(2/24以後消えてしまった)笑みが少し戻ったのはまさしくベートーべンの音楽の力だろう。

♪2022-180/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-43

2022年10月22日土曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第88回

2022-10-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

シェーンベルク:5つの管弦楽曲 op.16
 Ⅰ予感
 Ⅱ過ぎ去りシコと
 Ⅲ色彩
 Ⅳ急転回
 Ⅴオブリガート・レチタティーヴォ

ウェーベルン:パッサカリア op.1

ブルックナー:交響曲第2番ハ短調*
 Ⅰモデラート
 Ⅱスケルツォ:適度に速く
 Ⅲアンダンテ
 Ⅳフィナーレ:急速に

*当初の告知から、第1稿による楽章順に変更。一部は第2稿も取り入れるなど独自解釈



今日の3曲(シェーンベルク/ウェーベルン/ブルック ナー)がどういうコンセプトで繋がるのか分からないところがノットらしい。

前半の2曲は、プログラムに挟み込まれた刷物を読みながらぼんやり聴いていたが、存外面白く、演奏も良い出来だった。

後半のブルックナー交響曲第2番は、リハーサルの最中にでも急に思いついたか、ノヴァーク版2稿から1稿に変えて楽章順を変更し、部分的には2稿も使うという趣旨(原文が悪いのか訳が悪いのか両方なのか、実に分かりにくい文章)の別刷が挟んであった。急いで複写したのか、文面が傾いていたな!

モーツァルト「レクイエム」にリゲティの作品を挟みこむ際の最初の告知〜本番までの方針変更に比べりゃ即断即決だったかも。

それにしても、よく、いろんなことを思いつく人だよ。それも急だから、オケも事務方も容易じゃないな。

そもそもブルックナーは好みじゃないし、中でも2番は聴く機会が少ないが、手持ちのCD2種はいずれも2稿だし、パーヴォ・ヤルヴィ+N響で聴いたのも2稿だった。

ま、どっちもありなんだろうな。
2稿⇒1稿による楽章順の入替なんか、そもそもこの曲に馴染んでいないからでもあるが、何の違和感もなかった。

また、最近良い響きを出している東響がなかなかの熱演で好感した。ブルックナーも悪くないぞ、という感じだったのは収穫。


♪2022-157/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-41

2022年10月16日日曜日

名曲全集第180回 ノット X 渾身のショスタコーヴィチ!

2022-10-16 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
安川みく:ソプラノ*

ラヴェル:「鏡」から 道化師の朝の歌(管弦楽版)
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」*
 1アジア、2魔法の笛、3つれない人
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調 op. 43


前半のラヴェル2曲は聴いたことがある…どころか道化師の方は何度も。歌曲集「シェエラザード」もミューザで最近聴いている。
でもほとんど印象に残っていない。
ま、今日聴いても面白い音楽ではない。
オケは良い出来だったが、ソプラノの声の線が細くて訴求力不足。

それにしても、ラヴェルとショスタコの組合せって「梅干しと蛸」程遠い気がするが、ノットのセンスにはどうせ付いてゆけないので考えない事に。

そのショスタコ4番、東響では2度目で19年にウルバンスキで聴いている。その時書いた備忘録に「カップリングがモーツァルト:バイオリン協奏曲で意味不明」と記している。
音楽監督殿のアイデアだろう。

因みに、鑑賞記録を残すことを始めた14年以降、東響でショスタコ交響曲を聴いたのは7回で全オケ中最多。
ウルバンスキでは7番も聴いたがこちらの方がずっと良かった記憶が。

ノットでは15番(この時もリゲティの100台メトロノームを聴かされてうんざり。やはり意味不明。)に次いで2度目。

て事で、東響というオケはタコ好きかも。

オケ編成はショスタコーヴィチの交響曲全15曲中最大で、弦編成は22型を作曲者自身が指定しているそうだ。まさかそんな編成は舞台に乗らないだろう。

今日は、昨日のN響と同じ。16-16対抗配置-12-10-8と大編成。
この曲も楽しい音楽ではないけど、多彩な楽器を配して管弦楽の面白さがある。

演奏面では、管に残念数か所あり。一方、バイオリンだけでも32人を擁する大所帯の弦5部がその割には纏まり良く美しかった。

東響も今月から終演時カーテンコールの撮影ができるようになった。


写真OKのせい?か、全弦奏者中マスク着用者は前回までの約9割から5割程度に減ったのは同慶也。

尤もN響でも新日フィルでもマスク着用率は1割程度だけどね。
ノットも今日は入場時を除いてノーマスクだった。

♪2022-152/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-39

2022年5月22日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第86回

2022-05-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
東響コーラス

ペーター・ヤブロンスキー:ピアノ*
トランペット:澤田真人(東京交響楽団首席奏者)**
バリトン:ジェームズ・アトキンソン

R.シュトラウス:ドン・ファン op.20
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調* **
ウォルトン:ベルシャザールの饗宴
------------------------
ショパン:マズルカ 第47番 (遺作) Op68-2*




豪華3本立てで、しかもいずれも上出来で素晴らしかった。

先ず「ドン・ファン」冒頭の弦4部がゴニョゴニョと上昇し管と合流する僅かな間に惹き込まれてしまった。

弦は16型。ざわざわしそうなものだが、音楽自体が強烈なので大編成の利点は十分効果的だった。

次のショスタコーヴィチピアノ協奏曲第1番は初聴き。
独奏ピアノ以外はトランペット1本のほか12型の弦5部のみというコンパクト編成。4楽章休止なし20分。

ピアノの響きが久しぶりに美しい。舞台周辺の客席を封鎖していたせいかも。
トランペット独奏も上手。

ショスタコ27歳の作だそうだが、若者が全編軽く遊んでいる感じ。

ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」も初聴き。

これはたまげた。

オケは、弦16型にオルガン含む鍵打管盛りだくさん+7人のバンダが2組。東響コーラス130名が舞台周りに並び視覚的にも壮観。これにBr独唱も加わる。

なんと言っても感心したのは合唱。全曲35分とはいえほぼ出ずっぱり。それを暗譜で通した。

ホールの鳴りも良かったが、オケも合唱も独唱も力演。いつも気になる高域弦の金切り声も今日はかき消された如くまったく気がつかなかった。

派手な音楽を力で弾き切った感じもするけど、全体的にどこと言って瑕疵が見当たらないばかりか、圧倒するような音楽であり、演奏だった。

オルガンは移動コンソールではなく、本来の席で弾いて欲しかったよ。

♪2022-075/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-18

2022年5月15日日曜日

名曲全集第177回 ノットX直球ブラームス!

2022-05-15 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
大木麻理(ミューザ川崎シンフォニーホール・ホールオルガニスト)*

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
デュサパン:オルガンとオーケストラのための二重奏曲「WAVES」(日本初演)
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 op. 90
---------------
マーラー:交響曲第1番「巨人」から 花の章


4日連続5ステージ目。それに昨日までの新日フィル・神奈川フィル・日フィルの出来がいずれも良かったので、そうそう名演は続くまいと期待せず、オルガンとオケによる日本初演作品(WAVES)に興味を絞って臨んだ。

ところが、結果的には逆にWAVES以外を楽しんだ。

オケとオルガンで”二重奏”って、どうも飲み込めない。
二重奏というならオケの使い方が独奏的であるべきと思うがそうでもなかった。

それに一昨日の新日フィルの”二重奏”中のオルガンがあまりにきれいだったが、まあ、あれは特別だったのだろう。比べちゃいけないな。

他のホールでもこの”二重奏”でお互いが引き立て合うことは稀で、オルガンはややもするとオケに埋没しがちだ。

舞台上の移動式コンソールで演奏された。
利点も多いのだろうけど、僕としては、舞台奥の鍵盤を弾いてほしい。手足の動きから確実に弾いているのが分かる。
するとオルガンを聴き分けようと耳が働くのだが。

ブラームスは、”直球”にしてはスローボールだなと思ったが、進むに連れ、違和感は消えてしまった。

アンコールがマーラーの花の章って、どういう繋がりか分からないけど、モーツァルトにリゲティが挟まれることに比べたらおかしくもないのだろう。

花の章は、昨年末のN響、3月の名曲全集と最近聴く機会が増えた。

♪2022-071/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

2021年12月11日土曜日

モーツァルト・マチネ第47回「雲外蒼天」

2021-12-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

ハイオリン:グレブ・ニキティン(コンサートマスター)*
ビオラ:西村眞紀(首席ヴィオラ奏者)*
バイオリン:水谷晃(コンサートマスター)**
チェロ:伊藤文嗣(首席チェロ奏者)**
オーボエ:荒木奏美(首席チオーボエ奏者)**
ファゴット:福士マリ子(首席ファゴット奏者)**

モーツァルト: バイオリンとビオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364(320d)*
ハイドン:協奏交響曲変ロ長調 Hob.Ⅰ:105**



今季のモーツァルト・マチネは各回のテーマ?が4文字熟語で表されている。
今回は「雲外蒼天」。雲の向こうには青空だ。

ノットが指揮する回だから「吃驚仰天」でも良かったな。

1曲目はモーツァルト:バイオリンとビオラと管弦楽の二重協奏曲。軽快で良し。普段忘れているけど第2楽章を聴くと、ああ、これこれ、と思い出す。しっとりして好きな曲だ。

2曲目はなぜかハイドン。
メインがハイドン。
これじゃ「ハイドン・マチネ」だ。

そのハイドンはバイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットと管弦楽の協奏交響曲。これも軽快だし、4人のフレーズの受け渡しもよく「見えて」面白い。

しかし、管楽器の独奏も入れたいというなら、モーツァルトにもクラリネット、ホルン、オーボエ、ファゴットとの協奏交響曲などあるのに。
いつもながら、ノットのこだわりは理解できない。

ま、新発見もあった。
普段奏者は座っているが、こういう独奏扱いとなると舞台前に出て立奏するので、木管奏者はお尻を沈めてテンポをとることがよく分かった。

♪2021-151/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-41

2021年12月5日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第84回

2021-12-05 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

ゲルハルト・オピッツ:ピアノ

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.83
ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲



本来、独創ピアノはNアンゲリッシュという人だったが、体調不良とやらでオピッツに代わった。

アンゲ氏はまったく知らない人だが、オピッツは15年にSゲッツエル指揮神奈川フィルで聴いた。

その時も今日と同じブラームス2番だった。


過去の記録に、その時の印象を

「指はほとんど鍵盤に向かって突き立てることがなく、まるで鍵盤の上を雑巾がけでもしているような動きだ。力みがまるでなく感情を込めるといった様子もなく、淡々と職人芸を聴かせるといった風だ。」

と書いていたが、今日もそう思ったよ。


もし、小林愛実だったら、どんな悲惨な人生ドラマが起こっているのか、と思わせられたかもしれない。


淡々と弾いて、ブラームスの音楽の大きさ、魅力を感じさせてくれた。


オケは14型対抗配置。

と言っても第2バイオリン以下は16型と同じ。

大きな編成だったが、ピアノが埋もれる場面はなかった。


今日のノットのコントロールが次の曲も含め良かった。


ただ、ピアノの中低域は少し明瞭さにかけるところがあったが、ここはむしろオケと一体化したとでも言っておこう。


ルトスワフスキは滅多に聴けない作曲家だが、「管弦楽のための協奏曲」は過去に東響やN響等で経験済み。

ポーランド民族風味がどこに出ているのか分からないが、弦16型に管打鍵多数で、管弦楽を[生]で聴く楽しさには溢れている。


♪2021-145/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-40

2021年10月24日日曜日

名曲全集第170回 モーツァルト没後230年。祈りを込める「レクイエム」

2021-10-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮

東京交響楽団
新国立劇場合唱団*

ソプラノ:三宅理恵*
メゾソプラノ:小泉詠子*
テノール:櫻田亮*
バスバリトン:ニール・デイヴィス*

デュティユー:交響曲第1番
モーツァルト:レクイエム K. 626(リゲティ:ルクス・エテルナを含む)*




指揮のジョナサン・ノットが来日できなくなった定期演奏会で、事前に指揮ぶりを収録したビデオで東響に(リハではなくお客を入れた本番で)演奏させた事は驚愕だった。


もし彼がベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮するとしたら、このような事をするだろうか?

しないだろうし、オケも受け入れないだろう。

日本のオケやお客をバカにしているのではないか。


そこからノット不信が始まった。


今回、モーツァルト「レクイエム」にリゲティ「ルクス・エテルナ」を混在させた事は、ビデオ指揮とは異なり、音楽表現上の問題だから罪は軽い。否、無罪かもしれないが、彼のコロコロ変わる思いつきがオケ関係者を振り回していることは確かで、この点は微罪処分に相当する。


当初のプログラムにはリゲティは含まれなかった。

1回目の訂正でモツ・レクの後に演奏すると発表され、

2回目の訂正で終曲前に挿入することとされた。


リゲティ「ルクス・エテルナ」は世界的に高明なペーター・ダイクストラ指揮スウェーデン放送合唱団で聴いたことがあり、精緻な和声?に驚き感心したので、モツ・レクとは独立して聴きたかった。


どうせ、モーツァルトの完全作ではないのだから、他人の、現代作品を挿入して演奏するのも、格別気にする事もないのかもしれないが、少なくとも苦労して今日の形を完成したジュスマイヤーには失礼かも。


今回、演奏中、ジュスマイヤーの手にならない2曲(「涙にくれる、その日」とリゲティ「ルクス〜」)の前には仏壇に置いてある鐘?がチ〜ンと鳴らされたのは、ジュスマイヤーよ、化けて出るなよ!というお祓いのようだ。


良い点:弦編成が8-8-6-4-3。声楽は30人程。これはスッキリと聴けた。それに演奏自体悪くなかった。


挿入場所が問題のリゲ「ルクス〜」。

当初は東響コと発表されたが、これも新国合唱団に代わって良かった…と思っていたが、瑞典放送合唱団の透明さと滑らかさには及ばず。

あゝ違うなあ〜と思いながら聴いていたよ。


ブーイングが起こってもおかしくない演奏会だったが、客席はスタンディング・オーベイションで歓迎した。


♪2021-118/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-35

2021年7月18日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第81回

 2021-06-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

チェロ:伊藤文嗣*
ヴィオラ:青木篤子*

R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 op.35*
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82

遠い初台や池袋に遅刻した事は一度もないのに、近くのミューザで遅刻して1曲目のドン・キホーテは間に合わず、聴けなかった。これが今日のメインディッシュなのに。


それが終わった後のカーテンコールが非常に長かったので、なかなか休憩が始まらない。つまり僕は入場できず、オーディトリアムの二重扉の外で、待たされることに。

久しぶりのノット登場(個人的には1年8月ぶり)と独奏2人(東響)だったので拍手も長く続いたのだろう。


後半はシベリウスの交響曲第5番。

冒頭1分強の、管のみのアンサンブルの纏りが悪かった。

この部分はどこのオケでも難しいかも…だが、おかげで気分が乗れなかった。初日黒星の力士がその後も連日負け続けるようなものだ。


オケも前半でエネルギーを使い果たしたのではないか?


あれやこれやで久々に聴く弦16型だったが、大編成の妙味は感じられず。


また、マスク奏者の多いこと。

驚くべきは指揮者までマスクとは初体験。

東フィルや読響は全員マスクなしなのに。


♪2021-073/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-15

2019年11月24日日曜日

モーツァルト・マチネ第38回「最期」〜東京交響楽団〜

2019-11-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

荒絵理子:オーボエ*

R. シュトラウス:オーボエ協奏曲 ニ長調 AV. 144
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K. 551 「ジュピター」

R.シュトラウスのオーボエ協奏曲は多分初聴き。
聴き慣れた伊バロックの諸作品とは全然興趣異なるも1945年の作とも思えない古風な作り。

でも、モーツァルト・マチネなのになんで?
ノットは自分が指揮する回は大抵趣旨を曲げても自分の選曲を通そうとするからどうかと思うよ。

独奏の荒嬢の白いドレス、この日のために数十万円かけて新調したのか…、友人の結婚式には着て行けないなあなどと妄想している内に終曲😓。

お楽しみはモーツァルト交響曲第41番。
弦編成は第2バイオリン以下5-4-3-2プルトで第1バイオリンも同数5プルト=10人。対抗配置では時々見る形。

すっきりとした小編成で各部の動きが目にも耳にもくっきりで楽しい。

ノット氏、よく踊っていた。
快調な音楽だったが時々見せる意図的な強弱&テンポ変化。

あ、それやめて〜。全ては楽譜に書いてあるだろ、と心中の声。

♪2019-187/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-25

2019年11月17日日曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第72回

2019-11-17 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

ベルク:管弦楽のための3つの小品 作品6
マーラー:交響曲第7番 ホ短調「夜の歌

ベルクなんて嫌い。
ここで居眠りしてマーラー交響曲第7番に備える積もりが、煩くて寝られない。

その7番。
定期ではマーラー中で一番演奏機会が少なく、あえて聴きにゆくこともないので今回3回目。
しかし過去2回はいずれも(読響・N響)熱演で、長尺の割に楽しんだ記憶があったが。

今回は東響の面々の剛腕ともいえる力演にもかかわらず、ベルクで気分を害していたのでそれが尾を引いたり、昨日のブラームス(N響)の余韻が尚も残っていたからか、素直に入り込めなかった。

嫌な部分ばかり気になった。

俗臭芬々。

柴田南雄「マーラー」を読んでみたらやはり7番は褒めるに窮している。

♪2019-181/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-24

2019年10月13日日曜日

名曲全集第150回 ジョナサン・ノットの「未完成」

2019-10-13 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
ヴァーヴァラ:ピアノ*

アイヴズ:答えのない質問
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番*
-------------
ブラームス:6つの小品 作品118から第2曲「間奏曲」*

台風19号の余波で開催が危ぶまれたが、10分遅れでもやったのは良かった。いつもよりお客の入りが悪かったのはやむを得まい。

当初は、アイヴズ作品にシューベルト「未完成」を続けて演奏するという木に竹継ぐような…ノットの悪癖に嫌気がさしていた。真面目にやれ!

しかし、初聴きのアイヴズ「答えのない質問」が予期に反してとても真面目な作品で興味深い。徹底的な弱奏を基調とする中に木管が思いがけない答えを用意する。静に始まり静に終わり…間をおかず「未完成」が始まるとそれはシューベルトとアイヴズの世界の混交状態。聴き慣れた旋律が今日は愛おしい。

不思議な感覚のまま入り込んだ第2楽章など、まさに先ほどのアイヴズが再現されているかのようだ。こんな印象的な「未完成」は初めて聴いた。ノットの外連味が今回に限っては功を奏して静寂で接続された両作品がともに味わい深いものとなった。

ヴァーヴァラ(初聴)の独奏でブラームス:ピアノ協奏曲第1番。協奏曲なのに弦の編成は14型から16型に拡大。

ピアノがえらく力強い。
オケも分厚い。
その分、前半2曲のような精緻な透明感は損なわれた。
協奏曲だし14型のままでも良かったのではないかと思うもののそれではあの迫力は出せなかったかもしれない。

厚切りフィレステーキを食べたような満腹感。
加えてアンコールのブラームス間奏曲118-2が心憎い選曲と名演。

♪2019-155/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-21

2019年7月21日日曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第70回

2019-07/21 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団
東京コーラス**

サラ・ウェゲナー:ソプラノ*
ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー:メゾ・ソプラノ*

J.シュトラウスⅡ:芸術家の生涯
リゲティ:レクイエム*/**
タリス:スペム・イン・アリウム(40声のモテット『我、汝の他に望みなし』)**
R.シュトラウス:死と変容

面白かったのはトマス・タリス(1505-1585・英)の40声のモテット「スペム・イン・アリス『我、汝の他に望みなし』」だ。
イタリアで言えばルネサンス後期に当たるようだ。
この頃に40声部の音楽が作られていたとはなんと斬新な。
尤も終始40声部で歌われたのではなく5声部合唱8組で、完全に40声部の合唱はわずかな部分だったと思うが、それでも壮大なものだ。

これは東響コーラス(総勢120名くらい)のみの無伴奏曲。テキストは聖書から取られたのだろう。短いものだが、多分手を替え品を替え繰り返されて演奏時間は10分強だった。

その対極に位置したのが現代音楽のリゲティの「レクイエム」。
1965年完成の女声独唱が2人と混声合唱とオーケストラによる作品。
これも最大20声部に分かれているそうだが当然聴き分けられるはずもなし。この作品の一部が映画「2001年宇宙の旅」に用いられたそうだが、メロディーラインなどと言うものもないので何十回観た映画であっても全然ピンとこなかった。はっきり言ってつまらない音楽だった。こんな妙ちくりんな音楽では死者もおちおち寝てはおれないだろう。

この声楽(含む)2曲の前と後ろにJ.シュトラウスとR.シュトラウスをサンドイッチのパンみたいに置いたのはどうしてか。

ともかく、今回だけではないが、ジョナサン・ノットの選曲は癖がありすぎて付いてゆけない。僕の理解力では本人だけがご満悦なのだ。

ところで、普段は暗譜で歌う東響コーラスも今日の新旧2曲を楽譜を手に歌った。そりゃやむを得ないだろう。おそらく彼らにとっても初めての作品だったはずだ。

♪2019-104/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05

2018年12月16日日曜日

名曲全集第143回 ノットの英雄の生涯

2018-12-16 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット :指揮
東京交響楽団

甲藤さち:フルート(東京交響楽団首席奏者)*

ヴァレーズ:密度21.5 (無伴奏フルートのための)*
ヴァレーズ:アメリカ (1927年改訂版)
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 作品40

昨日のサントリーでの東響定期でも同じ曲を取り上げて、それが絶好のゲネプロになったはずで、その上で今日の名曲全集に臨んだつもりだろう。

ミューザでは収録用のマイクが天井に6本、舞台上には20本近く据えられていたが、メインの「英雄の生涯」の演奏は残念な出来栄えで、ノットも団員も終演後の表情が大曲を演り終えたという晴れやかさがまるでない。

管楽器の少々のミスは許容範囲だが、第一バイオリンが受け持つ高域がキンキンゴロゴロと唸りを上げて悲しい。

弦は16型の対向配置(Vn1とVn2が両翼に向かい合う。)。これは音楽の立体感を狙ったのだろうか。
管打もホルンは8本を始め賑やかなものだ。

しかし、肝心の第1バイオリンが水谷コンマスの奮闘にも関わらず美しくないので、オケ全体が締まらない。

おそらくサントリーでも録音したのだろう。4月のブルックナー9番のCD化は、サントリーとミューザの両方の録音で合成しているから今回ももしCD化するならそういう形をとるのかもしれないが、休止箇所がほとんどないから、ツギハギは難しいな。

2015年、P・ヤルヴィ+N響、2017年、F・ルイージ+読響(いずれも@みなとみらいホール)の熱演に遠く及ばず。

♪2018-171/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-23