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2023年11月15日水曜日

第1996回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2023-11-15 @サントリーホール



ユッカ・ペッカ・サラステ:指揮
NHK交響楽団
ペッカ・クーシスト:バイオリン*

シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112
ストラヴィンスキー:バイオリン協奏曲ニ調*
シベリウス:交響曲第1番ホ短調 作品39
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フィンランド民謡:コプシン・ヨーナス*




経験上1年に一度くらいはサントリーホールがいい響になるが、今年は10月-11月の東フィルが2回続けてこの幸運を消費してしまったので、今日は通常モードに復帰してしまった。

指揮者も独奏者もフィンランド人でペッカさん。
いずれも聴くのは今回が3回目で、6回すべてがシベリウス+αというプログラム。得意なお国物をやれということなんだな。ちょいと気の毒に思うよ。尤もクーシストの方は全2回がシベリウスVn協だったが、今回はストラヴィンスキーと、個人的には極端にレア物になった。
でも、オケは編成を小さくしていたにも関わらず、ざわざわとして透明感に欠ける。独奏Vnも響いてこない。

そもそも、タピオラからしてイマイチ。
弦もすっきりしなかったが、ClとFlの二重奏では音が濁っていたよ。およそN響とは思えない。
最後の交響曲1番でようやく、そこそこ本領を発揮した感あり。

クーシストのEncに聞き覚えがあった。
『チューニングか試し弾きか…と思っていたらいつの間にか蚊の鳴くような音で土着臭ぷんぷんの彼の地の民謡…』。
1月の都響との共演の際のEncと同じだった…のでその時のTweetの一部をコピーして済ませた🤪!

♪2023-195/♪サントリーホール-24

2018年7月20日金曜日

N響「夏」2018

2018-07-20 @NHKホール


ユッカ・ペッカ・サラステ:指揮
NHK交響楽団

バイバ・スクリデ:バイオリン*

シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
シベリウス:バイオリン協奏曲ニ短調 作品47*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
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アンコール
ヴェストホフ:バイオリン・ソナタ第3番から第3曲「鐘の模倣」*
シベリウス:「鶴のいる風景」作品44-2(管弦楽)

指揮のユッカ・ペッカ・サラステは3年前のN響定期で聴いた。その時もシベリウスの作品を2本とバルトークだった。フィンランド出身なので、シベリウスを得意としているのは当然だろうが、1本毛色の異なるのを入れて実力の程を見せようという意図か。

バイオリン独奏のバイバ・スクリデは2年前の読響で聴いた。この時はベートーベンの協奏曲だったが驚いたのはアンコールに弾いた作品で、バイオリンの無伴奏作品だが、てっきり現代作品だと思ったところ、バロック時代のものだった。
それが、なんと今日も同じ曲をアンコールで弾いたのだ。最初はよく分からないし、やはり現代曲のような気がしていたが、そのうち、ひょっとして2年前のあれか!と気がついたが、作品名も作曲家の名前も思い出せなかった。ヴェストホフと言うんだ。次回は思い出すかな。

ところで、本題。

「アンダンテ・フェスティーヴォ」は弦楽合奏+ティンパニ版だが、期待したほど美しくはない。透明感も厚みも中途半端な感じだった。

次のバイオリン協奏曲は(読響で聴いたベートーベンがそこそこ良かったので)期待していたが、どうしたものか線が細い。せめて終楽章のリズミカルでメランコリックな展開に期待したが、どうも響いてこなかったな。

休憩後のブラームス第1番。
それまでの弦の編成は14型だったが、ここで16型に膨れ上がった。ブラームスをやるのにコンバス8本も必要なのだろうかと思ってしまうが、結果的にはこの大きな編成が物を言った。
そもそもこの曲が大好き!ということもあって聴く心構えが違う。期待を込めて待ち構えているのだから。

指揮台にひょいと乗ったサラステは、躊躇なくタクトを下ろすとティンパニーの刻みに乗って弦が抑えきれない感情をぐっと抑えてのたうち回るような旋律が始まった。この最初が勝負どころだ。
サラステのテンポはかなり速めだった。帰宅後手持ちのCDなどで8人の指揮者の、この冒頭部分を聴いてみたが、一番テンポが早いスウィトナーとほぼ同じくらいだ。この早めのテンポのせいか、全体が引き締まったように感じた。

弦楽合奏は厚みもあって、力強い。
最初に気持ちを掴まれたので、あとは心地よく続いた。
終楽章は前半かなり焦らされるが、クララに宛てて書いたとか言われるアルペンホルンの主題が出てからは、もうまっしぐらにクライマックスだ。充実したカタルシスを得て堂々と終曲した。
サラステ渾身の1曲だったと思う。

♪2018-086/♪NHKホール-07

2015年5月9日土曜日

N響第1808回 定期公演 Aプログラム

2015-05-09 @NHKホール


ユッカ・ペッカ・サラステ:指揮
クリストフ・バラーティ:バイオリン
NHK交響楽団

シベリウス:「クオレマ」から
 「鶴のいる情景」、「カンツォネッタ」、「悲しいワルツ」
バルトーク:バイオリン協奏曲 第2番
シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 作品43
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アンコール(バイオリンソロ)
イザイ:無伴奏ソナタ第2番から第1楽章


指揮のユッカ・ペッカ・サラステとは初耳。フィンランドの人だそうだ。
つい先日NHKクラシック倶楽部がエサ・ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団の来日コンサートを放映していたが、名前が似ているとおり、こちらもフィンランド人でやはりシベリウスの「トゥネラの白鳥」や「交響曲第5番」を取り上げていた。

また、日フィルの現在は首席客演指揮者で次季(2016-09)から首席指揮者に就任予定のピエタリ・インキネンもやはりフィンランド人だ。小さな国から多くの優れた指揮者が日本で活躍している。

今年はシベリウス生誕150年ということもあって、そうでなくともシベリウスの作品を聴く機会が多いが、それをフィンランド人の指揮で聴くのは、もちろん母国の音楽だと言ってもそれはひとつの解釈にすぎないけど、でも、シベリウスの思いはより濃厚に反映されるだろうから、興味深いことだ。

最初のシベリウスの小品3曲は、まあ、腕鳴らしみたいな感じで、いつもなら、第一声からN響らしい弦の美しい響を感ずるのだけど、今日はいまいち集中できなかった。


バルトークからが本領発揮で、ソロのクリストフ・バラーティは、バルトークと同じハンガリーの出身で、これもいわば正統な演奏なのだろう。僕には多分初耳だったが、ショスタコの音楽に似た節回しだなあ、と感じながら聴いていた。
ハンガリー民謡風な部分と無調の12音技法的な要素が混ざって、ついて歌えるようなメロディーには乏しいが、なかなかエキゾチックな香りがする。ソロヴァイオリンは終始弾きっぱなしでかなり技巧を要するようだ。第1楽章の終盤にバイオリンのカデンツァがあるが、ここもバルトーク自身が書いているそうだが、聴いている最中には全く分からなかったけど、半音の半分、四分音まで駆使されているそうだが、多分、もう一度聴いても聴き分けられないだろうなあ。楽譜では四分音をどのように記譜しているのだろう。


本日のメインイベントはもちろん、シベリウスの交響曲だ2番だ。
シベリウスは全部で8曲の交響曲を書いているらしが、僕は第2番と5番しかCDを持っていないし、生でもこの2曲しか聴いていないと思う。
中でも2番が一番ポピュラーで、おそらく全8作品中一番よく知られている作品だろう。
個人的にも、かつてアマチュアオケで演奏したことがあるので、思い出深い特別な1曲だ。


この曲ではもう出だしからゾクゾクさせる。
管弦の混ざり具合の美しいこと。やはり、いつも、聴くたびにN響は巧いなあと納得させてくれる。
知る限りにおいてシベリウスの曲に共通する北欧のフィヨルドを思わせる冷たくてとんがった楽想が続くけどこれが妙に心地よい。
エキゾチックという表現はぴったり来ないかもしれないけど、ドイツ音楽とは明らかに異なる旋法なのだろう。ロシアの音楽とも微妙に異なる。
慣れていない人には緩徐楽章である第2楽章がダントツに長いのに閉口するかもしれないけど、そこを集中して第3楽章を待つ価値がある。もう、第3楽章からクライマックスは準備され、徐々に興奮が高まり、ついに第4楽章に切れ目なくなだれこむといよいよ盛り上がってゆくが、ベートーベンやブラームスなどに比べると構造性は弱いというのか、敢えてこの形なのか、盛り上がっては鎮まり、また盛り上がっては鎮まり、何度も繰り返しながらラストに向かって徐々に気分が高揚するようにできている。
これを下手に演奏すれば無駄に長い印象を与えるかもしれないけど、さすがにN響だし、指揮は本場のマエストロだ。
集中力を切らさずにラストのクライマックスに突入し大きなカタルシスを得た。

♪2015-46/♪NHKホール-04