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2017年2月3日金曜日

チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ 演奏会

2017-02-03 @みなとみらいホール


武藤英明:指揮
ホルンソロ
P・ヴォイタ(ケルン放送響首席)
M・バラノウスキー(フランクフルト放送響ソロ)
K・ヤブルコヴァ(チェコフィル次席ソロ)
Z・ヴァシナ(チェコフィル)

チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ

新垣隆:弦楽オーケストラとフルートのためのFNM(世界初演)
シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック 作品86
ベートーベン:交響曲第7番イ長調作品92
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アンコール
ドボルザーク:スラブ舞曲 作品72 第2番(作品46と通し番号で第10番)
ヨーゼフ・シュトラウス&J.シュトラウスⅡ:ピチカート・ポルカ


「チェコ国立室内管弦楽団パルドビツェ」なんて知らなかった。
チェコで名の通ったオケと言えば、何と言ってもチェコ・フィルだろう。次いでプラハ室内管弦楽団かな…。いずれにせよナマで聴いたことはないが。
「パルドビツェ」はプラハの近くの町の名前で人口9万足らずの田舎町?らしい。そこを本拠にしているオケという訳だが、そんな都市の存在も知らなかった。
指揮の武藤英明という人のことも知らない。チェコで活躍している人だそうだ。

安っぽいプログラムにはオケのことも指揮者のこともなんにも説明がないのには驚く。

まったくもって有名ではない指揮者とオケだが、ホール主催のシリーズ物の一コマではなく、単体の演奏会だ。お仕着せのプログラムではなく、自分の好みでチケットを買ったのだ。
なぜか。

室内管弦楽団で、ベートーベンの7番を聴いてみたい、という興味があった。それにわざわざチェコからやってくるのだし、それも国立のオケなのだから下手な訳はないだろうという希望的観測があったから。

パーヴォ・ヤルヴィ率いるドイツ・カンマー・フィルが52人前後だったが、このオケはそれよりさらに少なくて4人のホルン奏者とオケ36人、計40人くらいだったと思う。この規模だと音楽のスケルトンが目で見えるような感じさえする。

で、実際の演奏を聴いてみたら、なかなかいい。
新垣隆氏の世界初演という作品はタイトルの意味も分からないしあまり面白い音楽ではなかったけど弦楽合奏が美しいので、これはかなりの実力者集団だろうと思った。

次のシューマンは珍しい作品でCDは持っているが、ナマで聴くのは初めて。4本のホルンのけたたましいファンファーレから始まって、ホルン奏者にとっては面白くも相当な難曲のようだ。
全3楽章が続けて(アタッカで)演奏される。
これを聴いて管楽器のレベルの高さが分かる。


そして最後のベートーベン。
第7番は初演時に80人を超える規模で(弦5部で69人)演奏されたそうで、今も普通のオーケストラの演奏ではだいたいその程度の規模だと思うが、初演当時としては驚くような大編成だったのだろう。
それが、半分程度の室内楽オケなので音楽の響は軽量級なのだけど、先に書いたように音楽的構造が分かりやすくて面白い。
深刻ではなく、重厚ではなく、お友達のようなベートーベン。これも一興であった。

楽団員が楽しそうに演奏しているのも良かった。
アンコールでは、母国チェコの作品、スラブ舞曲全16曲の中でも最もメランコリックな第10番を取り上げた。なかなか心に沁みる演奏だった。
ラストのピチカート・ポルカではひょうきんな演出もあって、観客も大笑いしながら聴いた。

♪2017-015/♪みなとみらいホール-05

2015年4月26日日曜日

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集 第106回

2015-04-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール


秋山和慶:指揮[桂冠指揮者]
半田美和子:ソプラノ(スキャット)*
堀江一眞:ナレーション*
東京交響楽団

E.シュトラウス:ポルカ「テープは切られた」op.45
J.シュトラウスⅡ世 :ポルカ「観光列車」op.281
ヴィラ=ロボス:カイピラの小さな列車(ブラジル風バッハ第2番より)
ロンビ:コペンハーゲンの蒸気機関車のギャロップ
オネゲル:パシフィック231
青木望:組曲「銀河鉄道999(スリーナイン)」*


今日のプログラムはどういうコンセプトか、といえば、「列車の旅」だ。
東響桂冠指揮者の秋山和慶マエストロが大の鉄道ファンということで、選曲されたそうだ。

そういう観点から音楽を聴いたこともないから、知らない曲が多かった。

ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」は、たぶん第5番の第1曲「アリア」が突出して有名で、初めて聴いた時は20世紀の音楽でもこんなきれいな旋律を書く人がいるのかと驚いた。
でもこれはナマで聴いたことがない。ソプラノと8本のチェロという編成だからめったに公演で取り上げられないのだろう。
ところで、今日の「ブラジル風バッハ」は残念ながら第2番の第4曲だ。

ブラジル風バッハのCDを持っているから、「アリア」を聴くついでにこの曲も何度か耳にしているのだけど、いちいち曲名(<オーケストラのための>ブラジル風バッハ第2番 IV. トッカータ: カイピラの小さな汽車)を確認せずに垂れ流し状態だから、列車の動きを描写しているとは知らなかった。なるほど、蒸気機関車が重々しく動き出すところから始まっている。
パーカッションの多彩さは半端ではない。全く見たことも聴いたこともない楽器が並んでいた。
ガンザ、ショカーリョ、ヘコヘコなど…。
そういう音楽だとは知らなかったが耳には馴染んでいるせいもあってなかなか楽しい曲だった。


オネゲルの「パシフィック231」はかつて聴いたことがあったのでそのタイトルも覚えていたが、まあ、初めて聴くに等しかった。
楽しいとは言えないね。

休憩を挟んで、後半が青木望という人の作品だけど、知らない人だ。でも「銀河鉄道999」は知っている、というか、マンガは読んだ(見た?)ことがないし、アニメも観たことがない。組曲「銀河鉄道999」という作品があることも知らなかった。
全8曲で構成され、演奏時間50分という大作で、演奏に当っては各曲の前にナレーションが入って物語を説明してくれたが、あまり惹きこまれなかった。
途中、ソプラノのスキャットが入るのだけど、ステージには歌手の姿が見えない。それに肉声ではない。舞台袖などでマイクを使って歌っているのだろうと思ったが、3階のバルコニーで歌っていたらしい。気が付かなかった。
マイク、スピーカーなんてどうかとも思うけど、この会場とオーケストラの規模からして肉声では管弦楽に埋没してしまうだろう。このスキャットがとてもよい感じだった。


東響はいい音を出している。今日はホームグラウンドのミューザだけど、時々サントリーでも聴くがどこでも変わらない響だと思う。
特に管楽器、とりわけ音がひっくり返りやすいホルンも抜群の安定性がある。クラリネットもうまかった。
ただ、今日の演目ではしかたがないけど、弦楽合奏の響が物足りなかったな。

♪2015-34/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07