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2026年5月6日水曜日

バレエ「こどものためのバレエ劇場 2026 エデュケーショナル・プログラム 白鳥の湖」

2026-05-06 @新国立劇場



【指揮】冨田実里
【振付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト
【プロダクション原案】マリオン・テイト
【音楽】チャイコフスキー
【美術・衣裳】フィリップ・プロウズ
【照明】ピーター・タイガン

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


【オデット/オディール】米沢唯
【ジークフリード王子】福岡雄大
【ナレーター】見寺剛


バレエ:チャイコフスキー「エデュケーショナル・プログラム 白鳥の湖」
予定上演時間:約1時間5分
(休憩なし)





エデュケーショナルなので、子供の為に全幕を1時間強にまとめて、物語とマイムについて解説が付く。

面白くない解説だったが、もう、客席は子供だらけだし、ガキンチョは満足していたようだ。

僕も、「白鳥の湖」の中で好きな黒鳥の片脚32回転(fouetté(フェッテ))と4羽の白鳥の踊りが見られたので満足だったよ。




それにしても1週間前に「ライモンダ」で観たばかりの米沢唯と福岡雄大が今日も主役を踊った。

子供向けでも手を抜かずスター級が出演して、オケも引き続き東フィルが担当した。
豪華な学習会だったよ。

♪2026-049/♪新国立劇場-11

2026年4月29日水曜日

バレエ「ライモンダ」

2026-04-29 @新国立劇場



【指揮】アレクセイ・バクラン
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【振付】マリウス・プティパ
【演出/改訂振付】牧阿佐美
【音楽】A・グラズノフ
【美術/衣裳】ルイザ・スピナテッリ
【照明】沢田祐二

ライモンダ⇒ 米沢唯
J・ド・ブリエンヌ⇒ 福岡雄大
アブデラクマン⇒ 渡邊拓朗
ライモンダの友人
 クレメンス⇒ 金城帆香
 ヘンリエット⇒ 花形悠月
 ベランジェ⇒ 森本昆介
 ベルナール⇒ 中島瑞生


バレエ:グラズノフ「ライモンダ」
全3幕

予定上演時間:約2時間55分
プロローグ/第Ⅰ幕 60分
  休憩25分
第Ⅱ幕 35分
  休憩20分
第Ⅲ幕 35分







りくりゅうペアを見て以来、バレエはアイス・スケートに敗北したかと思いつつあったけど、今日の「ライモンダ」は、そのような妄念を吹き飛ばした。

実に美しく、これこそ「ザ・バレエ!」だ。

一応「筋」はあるけど、これほど軽んじられる作品は珍しいのでは?
次から次へと手を変え品を変え休む暇もなくバレエが繰り出される。

古典バレエの総決算的な作品らしい。
客席の盛り上がりも半端じゃなかった。
カテコの長いこと…。


♪2026-049/♪新国立劇場-10

2026年4月6日月曜日

オペラ「椿姫」

2026-04-07 @新国立劇場



【指揮】レオ・フセイン
【演出/衣裳】ヴァンサン・ブサール
【美術】ヴァンサン・ルメール
【照明】グイド・レヴィ

合唱⇒新国立劇場合唱団
管弦楽⇒東京フィルハーモニー交響楽団

【ヴィオレッタ】カロリーナ・ロペス・モレノ
【アルフレード】アントニオ・コリアーノ
【ジェルモン】ロベルト・フロンターリ*
【フローラ】谷口睦美
【ガストン子爵】金山京介
【ドゥフォール男爵】成田博之
【ドビニー侯爵】清水宏樹
【医師グランヴィル】久保田真澄
【アンニーナ】花房英里子

*98年『セビリアの理髪師』フィガロ/02年『ルチア』エンリーコ/15年『トスカ』スカルピア/23年『リゴレット』リゴレット/23年『シモン・ボッカネグラ』シモン・ボッカネグラ



オペラ『椿姫』/ジュゼッペ・ヴェルディ

La Traviata / Giuseppe Verdi
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間45分
 第1幕・第2幕1場  75分
  休憩30分
 第2幕2場・第3幕  60分




「椿姫」はなかなかよくできている。物語に無理がないし、アリアは名曲の釣瓶打ちだし、とても満足度が高い。

でも、これで新国立劇場の「椿姫」は5回目(同じ演出・美術)だけど、いつも3幕の演出と舞台装置がしっくりこない。

広い舞台を円形にくり抜いて狭く使い、何より紗幕がヴィオレッタとアルフレード達とを遮るのが過剰演出だと思うよ。

幕の内側から、手を出したり顔を出したりしても滑稽なだけだ。あれは何とかならんものかと思うよ。

ヴィオレッタ役のCLモレノはまるでトランペットのようなソプラノでよく通るというより、つんざくような鳴り方だ。好みではコルネットくらいの柔らかさが欲しいけどな。
アルフレード役のAコリアーノは、ちょいと頼りなかったよ。特に1幕。
ジェルモン役のRフロンターリは、新国立劇場の常連で、何度も聴いているせいか、安心・安定の名バリトンだった。

2年に1度くらいの割で上演しているが、次の機会には新演出でお願いしたいよ。


♪2026-039/♪新国立劇場-09

2026年3月22日日曜日

バレエ「マノン」

2026-03-22 @新国立劇場



【指揮】マーティン・イェーツ
【振付】ケネス・マクミラン
【音楽】ジュール・マスネ
【編曲】マーティン・イェーツ
【美術・衣裳】ニコラス・ジョージアディス
【照明】沢田祐二
【監修】デボラ・マクミラン


【管弦楽】東京交響楽団

マノン⇒  柴山紗帆
デ・グリュー⇒   速水渉悟
レスコー⇒ 木下嘉人
ムッシューG.M.⇒ 中家正博
レスコーの愛人⇒  山本涼杏 
物乞いのリーダー⇒ 上中佑樹
娼家のマダム⇒ 湯川麻美子
看守⇒     渡邊拓朗 



バレエ:マスネ「マノン」
全3幕

予定上演時間:約2時間45分
第Ⅰ幕 45分
  休憩25分
第Ⅱ幕 45分
  休憩25分
第Ⅲ幕 25分




「マノン」と言えばオペラ「マノン」(マスネ)と「マノン・レスコー」(プッチーニ)は観たこともあるけど、バレエは初見。
音楽は、マスネのオペラからではなく(わずかは使っているらしいが、多くは)マスネの他の楽曲を使っているようだ。耳馴染みのものはなかったが、バレエ音楽としてはには何の違和感もなし。

バレエ鑑賞歴は長いけどとても浅いので、今回の「マノン」にはバレエとして初体験が2つあった。

振り付けがとてもアクロバティックで、りく・りゅうペアのアイス・スケートを彷彿とさせる部分が数回あった。主演の2人はとても高度な技量が要求されるのではないか。


もう一つは、ヒロインが最終幕でひどく汚れ役だった。
沼地の設定とは言え、化粧も衣装も泥だらけ。こんなヒロインは見たことがない。
紗帆ちゃんは、可愛らしい顔貌なのに泥を塗りたくってまことに気の毒。当然その姿のままCCにも登場するのだもの気の毒なことだ。


どうせ絵空事なのに、ヒロインはきれいなまま最後を迎えてほしいよ。

まあ、感情移入の難しいドラマだけど、ダンスには一目置こう。


♪2026-034/♪新国立劇場-08

2026年3月10日火曜日

オペラ「ドン・ジョヴァンニ」

2026-03-10 @新国立劇場



【指揮】飯森範親
【演出】グリシャ・アサガロフ
【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ
【照明】マーティン・ゲップハルト

【ドン・ジョヴァンニ】ヴィート・プリアンテ*1
【騎士長】田中大揮
【レポレッロ】フランチェスコ・レオーネ*2
(交代⇦ダニエル・ジュリアニーニから)
【ドンナ・アンナ】イリーナ・ルング*3
【ドン・オッターヴィオ】デイヴ・モナコ
【ドンナ・エルヴィーラ】サラ・コルトレツィス
【マゼット】近藤圭
【ツェルリーナ】盛田麻央

*1『フィガロの結婚』21年アルマヴィーヴァ伯爵
*2『ラ・ボエーム』23年コッリーネ
*3『椿姫』17年ヴィオレッタ/『ルチア』21年ルチア/『シモン・ボッカネグラ』23年アメーリア


オペラ『ドン・ジョヴァンニ』/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

Don Giovanni / Wolfgang Amadeus Mozart
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間25分
 第1幕   95分
  休憩25分
 第Ⅱ、Ⅲ幕 85分



新国の「ドン・ジョヴァ」はもう長く演出が変わっていない。そして観る度におかしいと思い、納得できないのは、場所を原作のスペインからベニスに変えていることだ。
演出家はモデルにしたと思われるカサノヴァの生まれ育った場所がベニスだからだと変更の理由を説明しているが、それで全幕無理なく通るのならいいけど、早々のカタログの歌で破綻する。この歌では明らかに今、居る場所はスペインだと歌うのだからおかしい。

冒頭ゴンドラが登場するのでベニスだと分かる。
その後背景にもう一度ゴンドラが登場するが、ベニスだからというだけでそれ以上の意味はない。

最初にここがいつも引っ掛かる。
ベニスだ、ゴンドラだというなら、その後の物語の進展にそれが生かされなくてはとても不自然だ。
例えば地獄落ちは運河に引き摺り込まれるとか、工夫をしなくちゃ演出家の自己満足に終わっている。

緻密な物語ではないから、本当は、いくつかアリアをカットしても良いのではないか…などと大胆な提言だけど、無駄に長いと思う。二幕とも平均90分もあるのだもの。

それに内容が、世の女性たちがよく腹を立てて公演禁止を訴えないものだと思うが(「コジ・ファン・トゥッテ」はもっとひどい)、最後は地獄に落ちるからいいのかな。

とはいえ、若い頃は好きになれなかったモーツァルトのオペラも、年老いて、あまり抵抗がなくなり、加えて、どんどん馴染んできたせいもあって、繰り出される軽快なアリアの連射は、心地良いものだ。

お得意の四重唱〜七重唱(実質)も、オペラならではの楽しみに溢れている。

♪2026-028/♪新国立劇場-07

2026年3月1日日曜日

新国立劇場バレエ研修所公演 エトワールへの道程 2026 -新国立劇場バレエ研修所の成果-

2026-03-01 @新国立劇場



冨田実里:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団


新国立劇場バレエ研修所公演
エトワールへの道程 2026
-新国立劇場バレエ研修所の成果-

約2時間35分
第1部 35分
 休憩  20分
第2部   35分
 休憩  20分
第3部   45分


オープニング~『タンホイザー』行進曲から~
音楽:R.ワーグナー
出演:研修生、ジュニアクラス生

『En Bateau』
振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:クロード・ドビュッシー
出演:
Ⅰ.桑山奈那子 寺沼優 美濃大和 
Ⅱ.富加見 優 前上友希 松田昂祐
Ⅲ.三國日々音 末吉慶次
Ⅳ.人見紗来
*自作自演作品は録音音源を使用します。



『Urban Pulse』
振付・出演:桑山奈那子
音楽:ニコライ・カプースチン

『Warmth』
振付・出演:富加見 優
音楽:アベル・コジェニオウスキ

『タリスマン』からパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリーゴ
出演:
山本梨々香(1日) 森本晃介(ゲスト)

白鳥の湖』第3幕から黒鳥のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:
【オディール】宮脇沙來
【王子】石山蓮(ゲスト)

『眠れる森の美女』第3幕より
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:
【オーロラ姫】廣沙帆子
【デジレ王子】小寺夏鼓
【国王】森本晃介(ゲスト)
【王妃】三國日々音
【リラの精】三瓶桜子
【青い鳥とフロリナ王女】富加見優 美濃大和


バレエ研修所の卒業生による発表会という訳だけど、各期6人くらいしかないようだ。
その6人のために中劇場とはいえ、ピットに東フィルを入れて、舞台装置や照明もそれなりに準備があって、豪勢なものだ。

技術の方は、全く観る目がないよ。みんな上手いから。
大劇場の主役級とどう違うか分からないけど、彼・彼女たちにとっては、プロの道が、今始まったところか。

プログラムに書いてあった、研修所の履修システムを見ると、1年生に入所するだけでも大変な競争の様だけど、中で、数次の審査を経て4年生で卒業し、それから、専科が待っていて…いったいいつ正規の新国立劇場バレエ団に入れるのだろう?その間にたくさんの脱落者が出るのだろうな。

いやはや大変な世界だよ。

演技終了後、6人が1人ずつマイクを持って卒業の弁を述べた。なかには感極まって嗚咽するものもあり、客席も、思わずもらい泣き。


♪2026-025/♪新国立劇場-13

2026年1月3日土曜日

バレエ「くるみ割り人形」

2026-01-03 @新国立劇場



指揮】冨田実里
【振付】ウィル・タケット(レフ・イワーノフ原振付による)
【音楽】チャイコフスキー
【編曲】マーティン・イェーツ
【美術・衣裳】コリン・リッチモンド
【照明】佐藤 啓
【映像】ダグラス・オコンネル

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱】東京少年少女合唱隊

【クララ/金平糖の精】柴山紗帆
【ドロッセルマイヤーの助手/くるみ割りの王子】井澤駿

バレエ:チャイコフスキー「くるみ割り人形」
全2幕

予定上演時間:約2時間10分
第Ⅰ幕 50分
  休憩30分
第Ⅱ幕 50分



毎年3日は「くるみ」で鑑賞始め。
楽しみにしていたが大いに失望‼️

今回から演出が大幅に変わった。
これが意味不明。物語に入ってゆけない。

冒頭舞台上で児童合唱が加わるなど(バレエだぞ!)音楽も多少変更されている。

一幕最高の見何処・聴き処の雪の精の踊りがあっけらかんとして神秘性ゼロ‼️
従来のバルコニーからの天使のヴォカリーズが無い‼️
ピットで歌ったようだ。
残念無念。

二幕は元々ドラマは取って付けたようなものだけど、美旋律で世界の踊りの釣瓶打ち。

しかし、国際色消してコックやウェイターの踊りになっている。なんで泡立て器持って踊るのか?
最後は夢オチで強引な幕引き。

余談:終演後のCCが撮影OKだったと知ったのは終わってホワイエに出てから。
「シンデレラ」ではアナウンスや張り紙で周知徹底されていたが、きちんとアナウンスしろ‼️


♪2026-001/♪新国立劇場-01

2025年11月18日火曜日

新国立劇場オペラ「ヴォツェック」

2025-11-18 @新国立劇場



【指揮】大野和士
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団
【演出】リチャード・ジョーンズ
【美術・衣裳】アントニー・マクドナルド
【照 明】ルーシー・カーター
【ムーヴメント・ディレクター】ルーシー・バージ
【舞台監督】髙橋尚史


【ヴォツェック】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【鼓手長】ジョン・ダザック*
【アンドレス】伊藤達人
【大尉】アーノルド・ベズイエン
【医者】妻屋秀和
【第一の徒弟職人】大塚博章
【第二の徒弟職人】萩原潤
【白痴】青地英幸
【マリー】ジェニファー・デイヴィス*
【マルグレート】郷家暁子
 *は初顔

アルバン・ベルク:「ヴォツェック」
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約1時間40分(途中休憩なし)



本舞台は初めて。
放映録画では23年のエクサン・プロバンス音楽祭や20年のMETを見ているが、どれも面白かったとは言えないが、今作が一番入り込めなかった。

精神に問題を抱えるに至った人間による殺人劇そのものが衝撃的ではあるが、その必然性が理解できないし、音楽はほとんど無調なので、意表を突く大音量などを別にすれば、何か人間の情感を表現しているとは思えない。

それで、どうしても舞台美術によって、理解しようと試みるのだが、あまりに具体的なセットなので、物語や音楽の抽象性と全然ピッタリこなくて、大いなる違和感のまま終始した。

無調だの調性拡張だの12音だのがそもそも好きじゃないけど、劇伴としての存在意義に疑いは持っていない。時に、調性などない方がピッタリくる芝居もある。

でも、今回は、新国としては僅かに3回目の公演なのになぜ、演出を変え新制作なのかも疑問だった。前演出を練っていったも良かったのでは?

ビデオを含め3種類の演出・舞台美術の中ではMETが一番、それらしい雰囲気を表していたと思うな。

♪2025-152/♪新国立劇場-16

2025年10月9日木曜日

新国立劇場オペラ「ラ・ボエーム」

2025-10-09 @新国立劇場



指揮:パオロ・オルミ
演出:粟國淳
美術:パスクアーレ・グロッシ
衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ
照明:笠原俊幸
舞台監督:髙橋尚史

【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】世田谷ジュニア合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【ミミ】マリーナ・コスタ=ジャクソン
【ロドルフォ】ルチアーノ・ガンチ
【マルチェッロ】マッシモ・カヴァレッティ
【ムゼッタ】伊藤晴
【ショナール】駒田敏章
【コッリーネ】アンドレア・ペレグリーニ
【ベノア】志村文彦
【アルチンドロ】晴雅彦
【パルピニョール】髙畠伸吾

ジャコモ・プッチーニ:「ラ・ボエーム」
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間50分
 第1幕・第2幕     65分
  休憩       25分
 第3幕     30分
  休憩       20分
 第4幕       30分




粟國版「ラボM」は何度も観ているが、無理のない演出で、安心して観ておれる。
強いて言えば、3幕の紗幕は意味がないけど、強い違和感はない。

歌唱陣は全員良い出来だ。
ミミ役のマリーナ・コスタ=ジャクソンが、えらく派手な容貌で、従来のミミのイメージとはだいぶ異なるので、感情移入が難しかったが、ともかく、歌は良かった。


ロドルフォのルチアーノ・ガンチ(23年シモン・ボ〜)を筆頭に、マルチェッロのマッシモ・カヴァレッティもコッリーネのアンドレア・ペレグリーニもみんな素晴らしい。
招聘外人歌手の出来がこんなに揃って良かったのはホンに珍しい。

日本人歌手も大健闘。
ムゼッタの伊藤晴は素晴らしい。

また、東フィルが冴えていたよ。
もう、ピットの存在を忘れるくらいにオペラと渾然一体。

余談だが、マリーナ・C=Jって、新国立劇場には初登場と書いてあったが、どうも聞き覚えが…。

調べたら18年の新国「カルメン」でタイトルロールを歌ったジンジャー・C=Jの妹なんだ。一番下のミリアム・C=Jもオペラ歌手らしい。

♪2025-134/♪新国立劇場-14

2025年8月13日水曜日

新国立劇場オペラ「ナターシャ」 <新制作 創作委嘱作品・世界初演>

2025-08-13 @新国立劇場



指揮:大野和士
演出:クリスティアン・レート
美術:クリスティアン・レート
   ダニエル・ウンガー
衣裳:マッティ・ウルリッチ
照明:リック・フィッシャー
電子音響:有馬純寿
振付:キャサリン・ガラッソ

【ナターシャ】イルゼ・エーレンス
【アラト】山下裕賀
【メフィストの孫】クリスティアン・ミードル
【ポップ歌手A】森谷真理
【ポップ歌手B】冨平安希子
【ビジネスマンA】タン・ジュンボ

【サクソフォーン奏者】大石将紀
【エレキギター奏者】山田 岳



細川俊夫:作曲「ナターシャ」
多和田葉子:台本
<新制作 創作委嘱作品・世界初演>

全1幕〈日本語、ドイツ語、ウクライナ語ほかによる多言語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間35分
 序章〜第4場         70分
  休憩    30分
 第5場〜第7場 55分




不満だらけの新作だった。
そもそも「ナターシャ」と「アラト」は同一価値のキャストでありながら「ナターシャ」というタイトルが既に混乱している。ナターシャにヒロイン性はない。なら、同一に扱って「ナターシャとアラトの地獄珍道中」とでもすべきだった。

津波などで地獄に漂着した二人がなぜ地獄めぐりをするのか分からないし、ナントカ地獄を次々巡るのだが、その意味も分からん。
現代社会の地獄のような様相を切り取って社会批判にもなっているのだろうけど、それが何だよ。
そもそも主人公は漂着しただけで地獄に値する罪は犯していない。いや、なんの罪も犯していないのに、なぜ地獄めぐりなのか?

上方落語の名作「地獄八景(ばっけい)亡者の戯れ」を台本にしてこれに音楽を付けて抱腹絶倒のオペラにしてくれたらなあと切に思ったよ。

電子音楽を含むやかましい魅力のない音響。
客席内にはPAが特別に設置されていたらしい。
歌手もなぜかマイクを使って歌う場面もある。
アリアらしいアリアもなく、2人の主人公らしき男女も場繋ぎの役でしかない。



感心したのは、紗幕の使い方だ。3〜4層に幕を張ってそこにプロジェクションマッピングで状況が表現されるのがとてもよくできている。最後のスモークのコントロールも大したもんだなあ。

ま、そういう舞台装置の工夫には好感持った。
ゼッフィレッリの「アイーダ」なんか、全幕に全面紗幕だが全く意味がない。「椿姫」の最終幕に何で全面紗幕が必要なんだ。そういうつまらない紗幕の使い方が多い中で、今日の紗幕はこういうふうに使うんだ、というお手本のような活用法に胸の痞が降りた感じだ。

ああ、ついに今季も終わったか。有終の美は飾れなかったな。いや、そもそも不作の1年だった。

♪2025-112/♪新国立劇場-13

2025年7月11日金曜日

シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.3 消えていくなら朝

2025-07-12 @新国立劇場



【作・演出】蓬莱竜太
【美術】小倉奈穂
【照明】阪口美和
【音響】工藤尚輝
【衣裳】坂東智代
【ヘアメイク】田中順子
【演出助手】橋本佳奈
【舞台監督】下柳田龍太郎

大谷亮介
大沼百合子
関口アナン
田実陽子
坂東希
松本哲也

シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.3
消えていくなら朝
[フルオーディション Vol.7]

Morning Disappearance

予定上演時間:
約2時間5分(休憩なし)





そこそこ売れている劇作家の次男が実家に戻った。
家族全員が揃うのは18年ぶりだ。
次男が次回作で実家の家族模様を描くつもりだと話せば、全員に拒否される。

ぎこちない家族の会話が始まると、表向き平穏な家庭に隠されていたが秘密が次々と白日の下に晒され、我慢も辛抱もつっかい棒が外れ問題が噴出し始める。

全員が心を痛めており、脛には傷、腹に一物。
話せば話す程、絆はバラバラに。
かろうじて保たれていた平和な家族の装いは、逆に身内ならではの容赦ない言葉の礫で丸裸に。




母親はとある宗教に凝り固まっている。
母にとって良い子だった長男は宗教の教えに反して破門・挫折。
一人娘は父親の期待を担って男の子ぶって育ったため、今や女に戻れない!
父親は宗教に準じたかのような母親を許せず離婚を望んでいるが、離婚はその宗教の禁ずるところだ。
そしてその母親は父親のかつての部下男性と親しく付き合っている。
両親のどちらからも疎んぜられた次男はふるさとは遠くに在りて思うものを決め込んでいた。
何の問題もないと思われていた次男が連れてきた唯ひとりの<他人>も、実は問題を抱えていた。

笑える部分も少なからず。しかし、多くは、デフォルメされたこの家族の問題を、身の回りにも見つけ出すことを避けることは出来ない。
笑いつつ、責められ、心には何本もの棘が突き刺ささる。

2018年に観た時の新鮮な衝撃は緩和された(舞台装置・セリフ、演出が変わっていた。)が、傑作であることには変わりがない。



かつて…もう40年以上前に高田馬場の汚い小屋で観たつかこうへい「初級革命講座飛龍伝」(初演)で腸捻転になりそうな笑激に身悶えしつつ、お前はそんな軽い生き方で良いのか!と繰り返し責められ続け、正体なくぼろぼろに泣かされたあの稀有な鑑劇体験はもう二度と得られないと思うが、「消えていくなら朝」は若き日の名作を彷彿とさせるものがあった。


♪2025-095/♪新国立劇場-12