ラベル リムスキー=コルサコフ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル リムスキー=コルサコフ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年6月7日土曜日

NHK交響楽団2039回A定期 06月公演

2025-06-07@NHKホール



フアンホ・メナ:指揮
NHK交響楽団
ユリアンナ・アヴデーエワ:ピアノ*

リムスキー=コルサコフ:歌劇「5月の夜」序曲
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43*
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」 
--------------------------
チャイコフスキー:18の小品作品72-第5曲「瞑想曲」*





フェドセーエフの病休による代理がフアンホ・メナ。悪くはなかったけど、できたらフェドとアヴデーエワで聴きたかったよ。

リムスの5月の夜序曲は全然良くない。冒頭のオーケストレーションが悪いのでは?
チャイコ6番も最近(5番も)楽しめなくなった。
アンサンブルが、さすがはN響というところがなかった。
マチネの日フィルの方とどっこいどっこいかな。

しかし、2番手だけは別格官幣大社だよ。
アヴデーエワが下手袖から一歩登場しただけで、客席は引き締まる。もう全員の関心を一手に攫った。

演奏中も超絶技巧を弾きこなしながらオケに気配りして一緒に音楽を作っているのが分かる。

終演後のステージ態度も好ましい。大物の貫禄を漂わせながらも愛想が良くてつい惹き込まれてしまう。

まあ、彼女を聴いただけで十分だったな。

ところで、今日の演奏はBS4Kで生放送だった。もちろん録画しておいたので、帰宅後再生すると、音もいいし、アンサンブルも纏まっている。

音楽は”生でなくちゃ”主義だけど、最近はTVの音もすごく進歩したので、時には、生でがっかりして帰るより家でTVなどで鑑賞した方がいいと思える場合も増えてきたよ。

だんだん老化が進んでいるのかもな。


♪2025-074/♪NHKホール-05

2023年11月25日土曜日

NHK交響楽団1997回A定期 11月公演

2023-11-25 @NHKホール



平石章人〇/湯川紘惠●:指揮
NHK交響楽団

スヴィリドフ:小三部作〇
プロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」-「ワルツ」(第2場)〇
A. ルビンシテイン:歌劇「悪魔」のバレエ音楽-「少女たちの踊り」〇
グリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」-「クラコーヴィアク」〇
リムスキー・コルサコフ:歌劇「雪娘」組曲〇
チャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」●





フェドセーエフの代役若手2人のN響デビュー。この措置についてはN響は失敗したと思う。若手の育成も大事だが、本人たちに不要な重圧をかけない場所を用意すべきだった。加えて、払い戻しもセットすべきだった。
批判が殺到したらしい。だいぶ遅れて、言い訳がHPに掲載された。

ま、こうなれば、N響としては、本番を頑張るしかない。

失敗は許されないから、多分、普段以上にリハを重ねるだろう。成功は間違いない、と思っていたが…。

今日のN響。
みんな下を向いて、楽譜と睨めっこ。誰からも笑顔は無し。
こんな面白くない音楽を聴いたのは何十年ぶりか。
教科書どおりに演奏しましたという感じだ。
生演奏ならでは、本番ならではの丁々発止のやりとり、想定外に生まれる感興などとは無縁。
学習発表会だったよ。

前半はブラボーも聞こえなかったな。指揮者もオケも能面の如く。

やっと後半の女性の方がむしろ捌けていて、少しずつ音楽になってきた。それでもやはり、なかなかオケ自身が音楽を楽しんでいる風ではない。

重荷を背負わされた若い人が気の毒だった。
そして、やっぱり、キャリアを重ねた老練な指揮者がいかにオケをうまく操っているかを感じさせる演奏会だった。

明日は、肩の荷が降りて、もうちょっと良くなるだろう。

余談①:「眠りの森の美女」の10曲目くらい?が終わった時に上手から多分1人だけの確信的拍手が聞こえたが、あれは何だったんだろう?あまりに堂々としていたので、終曲と間違えた風には思えなかったなあ。

余談②:1階中央寄り前方しか分からないが、いつもより客席が空いていたと思う。僕の前の列もその前もパラパラ穴が空いており、座っている人が定期会員ではない席も僅かに確認できた。僕のお隣も初めて見る顔だった。

♪2023-202/♪NHKホール-08

2023年6月8日木曜日

日本テレビ 読響プレミア

 2023-06-08 @ミューザ川崎シンフォニーホール

















米田覚士:指揮
読売日本交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:パガニー二の主題による狂詩曲*
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
------アンコール-------------------
ドビュッシー:月の光*
チャイコフスキー:弦楽セレナードハ長調 作品48 第2楽章 ワルツ



開演時間に十分間に合うように家を出たが途中電車が止まって動かない。結局開演時刻には間に合わなかったので、2曲目から4F席で聴くことになった。普通なら、曲間に入れてくれるが、今日はTV収録コンサートということもあってか、前半は4Fで、後半を1Fの自席で聴くことになった。何しろ無料なんだし遅参したのだから文句は言えない。

長らくミューザに通っていても4Fは座ったことがなかったので、どんな響きがするのか、むしろ、楽しみだった。

しかし今年6回目の「パガニー二の主題による狂詩曲」はさっぱりだった。あまりにも音源が遠すぎる。角が取れて真ん丸になったオケは気の抜けたビールの如し。ピアノはもうピアノとは思えない。あまりに音が酷くて鑑賞に値しない。

後半の本来の指定席も良い席とは言えなかったが、さすがはミューザの1F。やっと精気のある音を聴いた。左翼だったので見た目のバランスは悪いけど、音は許容範囲だ。ミューザは懐が深い。

でもコンマスの背中を斜め後ろから見ながら聴くのは落ち着かない。読響の魅力が伝わることはなかった。

♪2023-101/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2023年2月5日日曜日

名曲全集第184回 祝・ラフマニホフ生誕150周年企画第2弾! 「ピアノ協奏曲第2番」

2023-02-05 @ミューザ川崎シンフォニーホール



アレッサンドロ・ボナート:指揮
東京交響楽団
金子三勇士:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op. 18*
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35
--------------------------
J.S.バッハ:G線上のアリア*



先月に続いてラフマ150年企画第2弾。
前回の上原彩子:パガ・ラプは実に素晴らしかった。
その前日、小菅優-日フィル:Pf協2番も大満足で、そう何度も続かないだろうとCOOLに構えていたが、この日のPf協2番も金子三勇士の緊張感漲る冒頭和音に引摺り込まれた。

1楽章の主題が2回目に登場する時のフレージングに違和感を感じたが、独自解釈か、オケとリズムが合わなかったのか、音楽の勢いというものかもしれない。

この楽章が終わった後に1F席のお客に挙動不審があり楽章間休止が間延びしたのは残念。
しかしその後はホンにピノピアノとオケの協奏に興奮!

終曲後、直ちにブラボーの声あり。
もう最近は野獣の咆哮ではなく”ブラボー”だ。
この日のミューザは満席完売だったようだが、(見える範囲で)最上階も鈴生りの盛況。カーテンコールは大いに賑わった。

アンコールがG線上のアリア。
もうなんだかありがたい神様のお告げのように聴こえたよ。

前回の名曲全集はメインのエルガー:交響曲第2番がイマイチ楽しめなかったが、今回は「シェエラザード」だ。初聴きのAボナードの棒が東響と性に合っているのか、Pf協よりさらなる名演を引き出した。小林壱成はじめ、あちこちに散りばめられたソロがうまい。
弦の透明感もまずまず。

何と言っても最大の功績はThe Brass!だ。Rコルサコフの管弦楽法の巧さでもあると思うけど、美しい音色で自在な色彩をつけてゆく。
で、今月は2本ともたらふく満足できた。

それにしても、何故、こんなにお客が入ったのだろう?
チケ完売といっても、ここまで賑わったことはないと思うなあ…。


♪2023-022/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-04

2023年1月28日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第384回横浜定期演奏会

2023-01-28 @みなとみらいホール



カーチュン・ウォン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
小菅優:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 op.30*
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 op.27
---------------------------------
ショパン:練習曲 Op25-1 エオリアン・ハープ*
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行




次季首席指揮者カーチュン・ウォンの登場。
初めて聴いたのは2017年6月の神奈川フィル定期。
その時も、それ以降もずっと「カーチュン・ウォンに外れなし」だ。
凡人には分からないとんでもない才人なのか?
人柄がオケとの良い関係を築く?
長編2曲をいずれも暗譜で。

因みに、その初回もラフマニノフ特集で2番の協奏曲(ピアノ:松田華音)と交響曲は今日と同じ2番だった。多分、ラフマニノフを得意としているのだろう。

今回のピアノは小菅優。
彼女の前回は昨年5月のN響Bだったが、サントリーホールのピアノは聴くに耐えないので楽しむどころではなかったが、今日はみなとみらいホールの好環境で、江戸の敵を横浜で討った。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は2番に次いで聴く機会が多い。結構馴染んでいる曲だけど、今日は、とても新鮮だった。へえ〜こんな音楽だったか!という思いを何度か味わった。

交響曲第2番はラフマ印があちこちに刻まれて美しい音楽だ。第3楽章の馴染みの旋律を聴く度に何かと酷似しているなあ…とおもうのだが思い出せない。

♪2023-017/♪みなとみらいホール-03

2022年8月7日日曜日

フェスタサマーミューザ2022 東京フィルハーモニー交響楽団 ≪名コンビとともにアラビアンナイトの世界へ!≫

2022-08-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ダン・エッティンガー:指揮(東京フィル桂冠指揮者)
東京フィルハーモニー交響楽団
バイオリン:服部百音*

ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
--------------------------
パガニーニ:無窮動*
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲から スイス軍の行進


ダン・エッティンガー、ワンマンショー!
3曲演ったが最後のリムスキ〜「シェエラザード」が圧巻。
彼の指揮を聴くのは3回目だが、今回を含め、毎回テンポ・強弱・フレージング…etcが大袈裟で独自だ。
これを嫌味にとる人もいるだろうけど、僕は、毎回楽しんでいる。

前回が19年のフェスタサマーミューザで同じく東フィルだった。
やっぱり相性がいいのか。
それに最近の東フィルは実に素晴らしい。管・弦とも美しく、繊細な弱音から最大音圧のtutti迄非の打ち処なし。驚くような歌わせ方にもオケはぴったりついて行ってエッティンガーと共に高級な遊びを楽しんでいる風だ。
(尤も、ベートーベンやブラームスでこんな指揮をしたら強制送還だな。)

前2曲では”ほぼ”正統的だった。
メンコンでは服部百音がこれまでにない力強さ。
面白いのは、オケも協奏するというより、競争しているみたいに自己主張して遠慮がない。
それでVnのフレーズの末尾がオケに飲まれる部分もあったが、どちらも、自己主張した結果なのでこれはこれでヨシと思う。

メンコンも上出来だったが、Encで弾いたパガニの無窮動(初聴)は最後の2小節を除き全曲超速♬♬の連続で圧倒されたね。腱鞘炎にならねば良いが。

オケもびっくりのEncサービス。
ウィリアム・テル序曲からスイス軍の行進〜冒頭のトランペットの音色の美しさに思わず惹き込まれた。これも超速で駆け抜けた。

ロッシーニに始まってロッシーニに終わる。心憎し。

♪2022-115♪ミューザ川崎シンフォニーホール-028

2022年8月4日木曜日

フェスタサマーミューザ2022 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ≪チック・コリア トリビュートVol.1 ジャズとスペインを巡る音の饗宴≫

2022-08-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

クラリネット:リチャード・ストルツマン*
マリンバ:ミカ・ストルツマン**
ジャズ六重奏**:
 宮本貴奈(ピアノ)
 井上陽介(ベース)
 高橋信之介(ドラムス)
 中川英二郎(トロンボーン)
 本田雅人(サックス)
 小池修(サックス)

コープランド:クラリネット協奏曲*
チック・コリア:スペイン~六重奏とオーケストラのための**
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
レスピーギ:交響詩「ローマの松」


好感の好漢、藤岡幸夫の指揮ぶりを楽しみにしていたが、前半は楽しめず。
コープランドのクラリネット協奏曲は、多分技術的に相当難度の高い作品のように思うが、Rストルツマンの音が全然美しくない。特に高域は音程も怪しく聴き苦しい。

…世界の一流になんて事を!

しかし、P.メイエの独奏CDを持っていて、たまにカップリング曲のついでに聴くが、もっとずっと滑らかな音色で聴きやすい。

2曲目はなんでジャズ6重奏+マリンバ+オケなのか。
編曲者不明だが、何を狙ったのだろう。
むしろジャズプレイヤー7人だけで聴きたかった。
或いはオケと協奏するのはピアノとマリンバだけで良かったような…中途半端感に隔靴掻痒。

という事情や楽曲の性質上、前半は弦楽器の活躍が限られて東京シの実力が感じられなかった。

オケを弦14型に拡大した後半のリムススキーコルサコフの「スペイン奇想曲」とレスピーギの「ローマの松」は、前半と打って変わって本来の管弦楽の面目躍如。

十分楽しめたが、欲を言えば、弦高管低で特に木管にもう少し迫力が欲しかった。
とはいえ、バンダも2組登場し、オルガンも加わった「アッピア街道の松」は、いつもながらカタルシスを与えてくれる。

♪2022-114♪ミューザ川崎シンフォニーホール-027

2022年5月25日水曜日

第1958回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2022-05-25 @サントリーホール


ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団

小菅優:ピアノ*

メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」作品27
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調*
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
------------------------
メシアン:前奏曲集ー第1曲「鳩」*



5日前のC定期ですばらしいアンサンブルを聴かせた同じメンバーとは到底思えなかった。

でも、これはN響のせいではない。
サントリーホールは、そもそもあまり音響的に良いホールではないけど、この日は特に鳴らなかった。
だから弦は潤いがなくキンキンシャリシャリ。

ピアノは石を叩いているようで輝きがない。

独奏ピアノの音の悪さはサントリーホールが首都圏随一!だろう。
許容範囲に収まる時もあるが今回は酷かった。

語源的には”ミューズの技”を意味するらしいが、それに「音楽」という漢字を充てたのは先人の達見。
先ずもって「音」を楽しめなくては「音楽」に非らず。

♪2022-077/♪サントリーホール-06

2022年1月21日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#4

2022-01-21 @すみだトリフォニーホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
反田恭平:ピアノ*

ベートーベン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73 「皇帝」*
リムスキー=コルサコフ:シェエラザード op. 35
---アンコール
----------------
ショパン:マズルカ#33 ロ長調 Op.56-1*
J.シュトラウスⅡ:ポルカ「雷鳴と稲妻」


ホールそばまで着いたら、これまで経験したことがない行列。

整理員が大勢出て4列でお願いしますーっと大声。

え?何が起こったのか、と思ったら、そうそう、水際対策で入国できない牛牛の代演が反田恭平なんだ。いや、驚きだよ。


客席は満席。


開演前に佐渡裕氏が登場して来季のミュージック・アドバイザー就任と来来期の音楽監督就任予告の挨拶やら、反田くんとのエピソードなどを紹介していやが上にも会場のテンションは上がる。


反田効果は客席を満席にしただけでなく、それもあって、オケも高揚していたように思う。


「皇帝」は反田・佐渡・オケが一体となってパワフルで明瞭な演奏だった。

後半の「シェエラザード」も見事な演奏で、管弦楽の面白さを堪能した。

暮れの「第九」も名演だったが、このところ上出来続きだ。


♪2022-009/♪すみだトリフォニーホール-01

2021年9月25日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第370回横浜定期演奏会

 2021-09-25 @県民ホール



梅田俊明:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:小山実稚恵*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30*
チャイコフスキー:幻想序曲《ロメオとジュリエット》
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
-----アンコール-----
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48から第2曲「ワルツ」


全ロシアものプログラム。

といっても、ロシア臭はほぼ無い作品ばかり。


前半にラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番という重量級。

マチネが延びた為に開演時間にギリギリ到着したので呼吸を整えながら聴く。

実稚恵先生、もう随分前から「今が旬」を維持しているやに聴こえる。まったく驚嘆だ。


オケは12型だったが、双方とも力を出し合った横綱相撲の感。

約40分の大曲で、音楽を聴く、というより体験するという感覚。


後半は弦14型に拡大してチャイコフスキーのロメ・ジュリ、更に打楽器を4人加えてリムスキーコルサコフのスペイン奇想曲といずれも管弦楽技法の粋を集めたような絢爛豪華な重量級が続いた。


昨日の新日フィルも管弦楽の魅力を十分聴かせたが、今日の日フィルはこれを上回る(音楽が全然違うので)迫力を楽しんだ。


こういう重量級の音楽は、やはり、音が塊で突撃してくる(?)県民ホールのようなプロセニアム付きの大ホールが似合うなあ、と思いながら聴いていた。


これだけやればもう十分、なところ、アンコールでチャイコフスキー:弦楽セレナーデから「ワルツ」のサービス。


♪2021-102/♪県民ホール-09

2020年2月1日土曜日

東京交響楽団 川崎定期演奏会 第74回

2020-02-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ヘルムート・ライヒェル・シルヴァ:指揮
東京交響楽団

エリック・ミヤシロ:トランペット*
ラファエロ・アギーレ:ギター**

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
天野正道:ウナ・オベルテューラ・エスパニョール・ファルサ
「エル・ジャルダン・デ・ロス・レクエルドス」(管弦楽版初演)*
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲**
ファリャ:バレエ「三角帽子」第2組曲
-----------------
スタンリー・マイヤーズ:映画「ディア・ハンター」から”カヴェティーナ”**
ファリャ:「はかなき人生」から”スペイン舞曲第1番”

定期演奏会とは思えないような短編盛合せだがテーマはスペイン。この熱い国の音楽はなぜか楽しめる。賑やかな中にもセンチメンタルが漂うからか。

いずれの作品も満足度が高かったが、天野正道作の、元は吹奏楽の為に作ったという無闇と長いタイトルの管弦楽版初演が傑作だった。

似非スペイン風序曲・らしいが、全篇スペイン音楽のエッセンス〜既聴感ある旋律で構成されているが、トランペット協奏曲風でもあり、エリック・ミヤシロによる<かつて聴いたことのない超絶ハイトーン>がけたたましくホールの空気を震わせたが、聴衆の心も確実に震わせた。

アランフェスでは集音マイクにモニターを兼ねた小さなSPが舞台上に置かれた。
このPA装置の絶妙な音量調整がすばらしい。
まるでアコースティックな音としか思えず、しっかりと爪弾きも聴こえ興を損ねることはない。
アランフェスで満足できたのはホンに久しぶりだ。

♪2020-013/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-03

2019年11月23日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第352回横浜定期演奏会

2019-11-23 @みなとみらいホール


大井剛史:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

朴葵姫:ギター*

【リムスキー=コルサコフ生誕175年プログラム】
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》 op.35
-------------
タレルガ:アルハンブラの思い出*
リムスキー=コルサコフ:歌劇「雪娘」から”軽業師の踊り”

リムスキー=コルサコフの2曲、特にシェヘラザードが力演。
弦のアンサンブルはほぼ完璧。
オケってこんなに調子が良い時があるのかと思うほど。
管楽器も明るくて強力で特にバストロンボーンとテューバの響きに痺れた。

日フィルの実力を遺憾なく発揮。大井剛史氏、丁寧な指揮ぶりだが、テンポ遅すぎ?

中に挟まったアランフェスが酷い。演らない方が良かった。

オケは、弦を24人に絞った上にギターはマイク集音SP付き(指揮者用?)だが、電源入れ忘れ?と思う程音量が小さい。
かき鳴らす音は聴こえるが旋律線が弱くて話にならない。
1F中央でも聴き取るのが大変だったが、2、3Fでは聴き取れたろうか。

♪2019-186/♪みなとみらいホール-47

2019年6月24日月曜日

読売日本交響楽団第112回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2019-06-23 @みなとみらいホール


大植英次:指揮
読売日本交響楽団

日橋辰朗:ホルン(読響・首席)*

バーンスタイン:ディヴェルティメント
パウエル:ホルン協奏曲*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

大植英次は読響には16年半ぶりの登場だそうな。
僕も前回と言えば3年強前に日フィル(この時は日フィルとの初顔合せ)で聴いて以来ナマは久し振り。日本人ながら日本ではなかなか聴けない指揮者だ。
超個性派で熱血漢。
前に超個性的なドボルザーク「新世界から」を聴いているので読響で振るシエラザードが超楽しみだった。

前半の2曲は独自性の発揮しようもない音楽?でまあ肩慣らしか。

問題起こしそうな「シェエラザード」は、これが案にたがって全くもって正統的だった。
「楷書」の音楽で、トメ・ハネがキッチリして独自色を排したのが独自的か。

しかし…
終曲の最後の音を長く長く引っ張った。
まだ終わりたくないと言っているようになかなかタクトを降ろさない。

管楽器はもう息が切れている。
弦楽器はもう弓が足らない。
が、彼の頭の中では鳴り続けていたのだろう。
長い沈黙に客席からフライングが無かったのも良かった。
漸く大植の腕が下がった途端の大喝采と拍手。
その後のカーテンコールは得意満面で何度も出入りを繰り返したが、この辺りは正に大植節の独自色。

♪2019-088/♪みなとみらいホール-25

2018年12月19日水曜日

東京都交響楽団 第870回 定期演奏会Aシリーズ

2018-12-19 @東京文化会館


アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

ターニャ・テツラフ:チェロ*
鈴木学:ビオラ*

R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》op.35*
ビゼー:『カルメン』組曲から(アラン・ギルバート・セレクション)
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34

都響の第1バイオリン群にはこのところずーっと不満を感じている。高域がよろしくない。時にキンキン、ゴロゴロするのは、ピッチのズレではないのだろうか。でもプロのピッチが甘いとも考えにくい。N響でも感ずることがあるので、原因は別なのかもしれない。曲によって症状が出たり出なかったりする。もちろん、高域が含まれないような音楽だとなんの問題もないが、作曲家が第1バイオリンに広域を歌わせないはずがない。

曲とホールと聴き手の体調などが重なって、高域が耳につくようになるのかもしれない。ただ、海外の一流オケでは感じたことがないのも確かで、原因は不明。

都響に特に感ずることが多いのも確かだ。

しかし、今日はどういう訳か高域の不快音も気にならずまずまずの出来だった。

また、スペインに材を取ったポピュラーな3曲だったせいか、気楽に楽しむことができた。

尤も、「ドン・キホーテ」では独奏チェロの音質も音量も物足りなかった。文化会館という、残響の少ない硬質なホールなので、朗々と響かないのは仕方がないけど、もう少し存在感が欲しかった。

都響は、年内にもう1回「第九」演奏会をサントリーで聴く。また第1バイオリンを傾聴してみよう。

♪2018-174/♪東京文化会館-07

2018年4月19日木曜日

東京都交響楽団 第854回 定期演奏会Cシリーズ

2018-04-19 @東京芸術劇場大ホール


大野和士:指揮
東京都交響楽団

リムスキー=コルサコフ:序曲《ロシアの復活祭》op.36
ボロディン:歌劇『イーゴリ公』から「だったん人の娘たちの踊り」、「だったん人の踊り」
チャイコフスキー:交響曲第3番ニ長調 op.29《ポーランド》

僕が定期会員となっている6オケのうち4月からシーズンが始まる東響、神奈川フィル、読響、都響はいずれも今月は音楽監督・首席指揮者などそれぞれのトップ指揮者が登場した。
で、都響は好漢大野和士の登場だ。
都響の4月定期はA、Bが同じでマーラーの交響曲第3番。同じ曲を短期間に2度聴ききたいほど好きな曲でもないので、A定期を振り替えたのが、今日のC定期。やはり指揮は大野和士だったが、こちらはオール・ロシアプログラム。

リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」は多分ナマでは初聴きだと思うし、CDも持っていないのに、耳に馴染んだ曲だった。おそらく、若い頃、FMラジオに齧りついていた頃の記憶が残っていたのだろう。

ボロディンの「だったん人の踊り」は記録によれば、10年前にN響で聴いていた。こちらの方はそうでなくとも有名な曲だから始まった途端、あ、これこれ!という感じだが、「だったん人の≪娘の≫踊り」というのまであるとは知らなかった。しかしこちらも聴いたことがあるメロディだった。

前半の2曲(3曲というべきか)は、コンサートで聴く機会は珍しいけど、昔から馴染んでいるという音楽だった。

後半のチャイコの3番は、これもナマでは初聴き。
6曲ある交響曲のうち、ナマで聴いた記憶・記録がないのはこの第3番だけだったので、クラシック歴半世紀超を経てようやくチャイコの全曲を聴き終えたことになった。
もちろん、CDなどでは何度も聴いているのだけど、4番以降ほどには馴染んでいないし、第一、4番以降のように覚えやすいきれいなメロディーが出てこないのでなかなか印象に残らないのだ。

ともあれ、次回、この第3番を聴くのは何年後だろうか、果たして聴くことがあるだろうか。まあ、生きている内に聴けて良かったかな。

ところがどっこい。
今日の都響はイマイチだった。

A、B定期のマーラー第3番でエネルギーを使い果たしたか、どうもぴりっとしない。特にバイオリン群は出がらしのように薄くて濁りのある響だった(これはホールのせいも多少あるとは思う。)。本来なら、もっと華やかな管・弦・打楽の饗宴になるべきプログラムだったが、隔靴掻痒の思いで劇場を後にした。

♪2018-043/♪東京芸術劇場大ホール-02