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2021年11月13日土曜日

NISSAY OPERA 2021「カプレーティとモンテッキ」

2021-11-13 @日生劇場


指揮:鈴木恵里奈
演出:粟國安彦
美術:横田あつみ
照明:大島祐夫
衣裳:増田恵美
舞台監督:山田ゆか
演出助手:橋詰陽子
合唱指揮:大川修司

ロメーオ⇒山下裕賀
ジュリエッタ⇒佐藤美枝子
テバルド⇒工藤和真
ロレンツォ⇒須藤慎吾
カペッリオ⇒狩野賢一

台本:フェリーチェ・ロマーニ
作曲:ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
歌劇『カプレーティとモンテッキ』
全2幕(原語[イタリア語]上演・日本語字幕付)


本作は生どころかビデオ映像さえ見たことがなかったが、シェークスピアの「ロメオとジュリエット」と元の話は同じであるとは知っていたので、初見でもすんなり頭に入った。

暗い話だけど、初めて聴く音楽は心地よく、大いに楽しめた。


ベッリーニはベルカントの作曲家として括られることが多いが、9歳年長のロッシーニと比べると遊戯のような超絶技巧はなく、ベルディ作品と言われても何の違和感もない感じだ。


また、オペラはややもすると音楽優先でドラマに無理があったりするが、この作品は理路整然としてストレスを感じさせない。


主要な5人の歌手のうち、佐藤・工藤・須藤はお馴染みだが、ロメーオ役の山下裕賀とカペッリオの狩野賢一は、多分、初聴き。いずれも朗々と歌って気持ちがいい。

特にズボン役の山下はベテラン佐藤相手に健闘。


Wキャストで明日も公演がある、各人1日しか出番がないとは勿体無い。


舞台美術や照明も良かった。

日生劇場の狭い舞台を有効活用して単純だが重厚感のある舞台装置。衣装も手抜き感なし。

ハーフミラーを使った演出も奥行きを感じさせるとともに、客席を舞台の中に取り込んだような不思議な感覚も面白かった。


♪2021-127/♪日生劇場-05

2021年6月25日金曜日

NISSAY OPERA 2021「蝶々夫人」

2021-06-25 @日生劇場

台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
作曲:ジャコモ・プッチーニ
歌劇「蝶々夫人」全2幕(イタリア語上演・日本語字幕付)


指揮:鈴木恵里奈
演出:粟國安彦
再演演出:久恒秀典
振付:立花寶山

テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
藤原歌劇団合唱部

蝶々夫人⇒小林厚子
ピンカートン⇒澤﨑一了
シャープレス⇒牧野正人
スズキ⇒鳥木弥生
ゴロー⇒松浦健
ボンゾ⇒豊嶋祐壹
ヤマドリ⇒相沢創
ケート⇒𠮷村恵
神官⇒立花敏弘


3月の新国立劇場「ワルキューレ」でジークリンデ役の小林厚子がとても良かったので「蝶々夫人」はとても楽しみだった。

オペラは演出次第だが、藤原歌劇団の粟國安彦版はこれまで観た中で(海外ものも含め)一番具体的・写実的で全く違和感がないので入り込みやすい。


小林も良かったが、観劇前は眼中になかった他の歌手達もいい。

ピンカートン(澤﨑一了)、は知らない歌手だったし、シャープレス(牧野正人)も初めてではなかったもののこれまで記憶には残っていなかった程度だったが、この2人が予想外に良かったし、何よりスズキを歌った鳥木弥生の巧い事。これ迄、新国立のオペラや「第九」等で何度も聴いていたが、良い役での彼女の演唱に出会えて良かったよ。


「蝶々夫人」にはいつも感心するが、プッチーニの日本風・味付けの巧さ。台本がいいのだろうけど、和のセンスをよく理解した人物造形。

一方で、気楽には聴いておれない。

無垢な15歳の少女の夢を踏み躙ったのは誰なのか。


終幕近くになると鼻を啜る音がそこここに。

僕とても、毎回泣かされてしまうよ。


♪2021-061/♪日生劇場-04

2019年4月28日日曜日

藤原歌劇団公演オペラ『蝶々夫人』

2019-04-28 @テアトロ・ジーリオ・ショウワ


指揮:鈴木恵里奈
演出:粟國安彦

管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
合唱:藤原歌劇団合唱部

蝶々夫人⇒迫田美帆
ピンカートン⇒藤田卓也
シャープレス⇒市川宥一郎
スズキ⇒但馬由香
ゴロー⇒井出司
ボンゾ⇒田島達也
ヤマドリ⇒柴山昌宣
ケート⇒吉村恵
神官⇒立花敏弘

ジャコモ・プッチーニ:『蝶々夫人』
全2幕<イタリア語上演/字幕付>
予定上演時間:約2時間50分
第Ⅰ幕60分
 --休憩25分--
第Ⅱ幕85分

平成最後の鑑賞を大傑作で締めることができて嬉しい!

海外プロジェクトの蝶々夫人は合わないなカツラに妙な着付け。立ち居振る舞いもなっておらん。何もかも違うぞーっ!という思いが先に立ち、イマイチ違和感拭えず、満足した事は無かったが、やはり純国産は没入できる。

今日が実質デビューという指揮者(鈴木恵里奈)も蝶々夫人(迫田美帆)も見事な演奏・歌唱で信じられない上出来だった。

演出も良かった。
いやほんの一部に他にやり用はなかったかと思う場面もあったが全体としてとても自然で説得力あり。
特に最後の場面の意表を突く暗転にやられた!

この頃涙脆い僕は2幕からずっとウルウルしっ放しだった。
できれば号泣したいくらい。
今、思い出しながらも目が潤んでくるよ。

古手の日本男子としては、蝶々さん(設定は15歳〜18歳)のように可愛くて、純粋で、疑いを知らず、でも利発で、矜持を持つ女性を理想的に見てしまう。こういう女性こそ男性から一歩退き乍ら実は<男を育てている>のだが、そういう点は近頃捨象され、女性蔑視と批判されがちなのは残念。

6月に新国立でも観るが非常に楽しみ。今度は遠慮せず泣こう!

♪2019-056/♪テアトロ・ジーリオ-01