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2025年6月5日木曜日

東京都交響楽団 第1021回 定期演奏会Bシリーズ

2025-06-05 @サントリーホール



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
大木麻理:オルガン*

モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297(300a)<パリ>
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための<響>*(1986)
【芥川也寸志生誕100年記念】
R.
:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30






帰宅後、録画済みの今日放送の「クラTV」を観た。
今日は「ブラームスを味わう」で、解説極少で断片だがブラームスの固め撃ちに痺れた。そして、サントリーで過ごした2時間がえらく空疎なものに思えてきた。

小泉氏は好感度高い。
でも、都響はイマイチだった。最初のモツ31番で出鼻を挫かれた。弦が美しくない。
芥川の<響>は意表を突くのが身上の面白くない音楽だ。
演奏はこちらの方が良い出来だったが。

まあ、楽しみにしていたツァラトゥストラは、大規模編成の管弦楽を楽しむには(オルガンも入って)もってこいの作品だが、やはり、高域弦に難あり。音楽自体、賑やかなだけで心の響く類のものではない。

余生はベートーベン、シューマン、ブラームスだけあればいいか…とクラTVを観ながら思ったよ。

♪2025-071/♪サントリーホール-06

2024年1月27日土曜日

神奈川フィル フレッシュ・コンサート Vol.18未来を奏でる新星たち

2024-01-16 @県立音楽堂



横山奏:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
トランペット:三村梨紗♭
ソプラノ:中野亜維里◇
バリトン:宮下嘉彦◆
バイオリン:ステラ・チェン#

フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調 WoO.1(S49)♭
グノー:歌劇「ファウスト」から「宝石の歌」◇「出征を前に」◆
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「私は町のなんでも屋」◆「今の歌声は」◇
芥川也寸志:弦楽のための三楽章
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63#





<神奈川縁の新星>と神奈川フィルの共演…とコピーがついている年もあるが、今年「神奈川」が抜けたのは19年エリザベート・コンでの優勝者ステラ・チェンが加わったからだろう。他の3人は横浜と川崎の住人らしい。

今回は18回目。その9回目に(阪田知樹と共に)登場した大江馨が今日は神奈川フィルのコンマスとして新星をサポートした。

今回は、Tp、Sp、Br、Vnと4人も登場したが誰も知らない人ばかり。みんな素晴らしい演奏・演唱で、これはいい!と思ったら、次の奏者で感動が更新されてしまう具合。

中で、一番の好みはBrの宮下くん。いやはやよく通るデカイ声だ。
「〜町の何でも屋」では歌の冒頭を、扉は開けてあったが姿の見えない袖から歌った。一瞬どこにいるのか分からず姿を舞台に探したが、そのうち袖から顔を出したので、袖で歌っていたことが分かった。それにしても、まるで舞台の真ん中で歌っているようだった。これは、彼の声量もさることながら、音楽堂の響の良さを再認識したことであった。

神奈川フィルの演奏では、単独で演奏した芥川也寸志の「弦楽のための三楽章」が音楽堂ならではのソリッドな響で美しかった。この曲は以前、読響定期にかかったが遅刻して聴き逃したので、今回が初聴きだった。これは実に名曲だと思うよ。

https://youtu.be/NDL3VfPv1ic?si=GPoh-HMxzudDTp1Y

♪2024-016/♪神奈川県立音楽堂-01

2019年8月6日火曜日

フェスタサマーミューザ2019 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ≪人気作曲家の意欲作を今ふたたび!≫

2019-08-06 @ミューザ川崎シンフォニーホール


藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*

シベリウス:「レンミンカイネン組曲」作品22から第4曲『レンミンカイネンの帰郷』
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104*
芥川也寸志:交響曲第1番
-----------------
ソッリマ:ナチュラル・ソング・ブック第4、6番*
エルガー:夕べの歌

好漢・藤岡幸夫の采配が楽しみだったが…。
チェロ独奏のソッリマのドボルザークの協奏曲はスリリングで良かったが、むしろアンコールに弾いた自作の無窮動風超絶技巧曲が床を足でふみ鳴らし、お客に手拍子を求めて大いに盛り上がった。

芥川也寸志の交響曲第1番は初聴きだったが、懐古和風の興趣があって面白かった。
客席には芥川夫人もおられた。

藤岡氏は今年4月に首席客演に就いたそうだ。
今後、情熱的な演奏を聴かせてくれる事を期待するよ。

今日に限っては、オケのは元気はあったが、仕上がりが荒っぽい印象を受けた。
また、今日のミューザは珍しくお客の入りが悪くキャパシティの半数に少し届かなかったようだ。気の毒な気がしたよ。


♪2019-117/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2017年5月27日土曜日

読響第96回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2017-05-27 @みなとみらいホール


尾高忠明:指揮
読売日本交響楽団
グザヴィエ・ドゥ・メストレ:ハープ*

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲(ハープ版)*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
---------------
アンコール
ファリャ:「はかなき人生」からスペイン舞曲第1番*

遅刻していったので芥川作は聴けなかった。
アランフェス協奏曲は、珍しいことにオリジナルのギターに代わってハープが独奏だ。ハープと言えばアルペジオかグリッサンドと決まっている風だが、今回は当然ギターぽく演奏するので超大型ギターの如し。ハープにこんな音も出たのかと驚く。

ブラ1に関しては、ちょうど先週同じ場所でインキネン+日フィルで聴いたばかりで、その際の冒頭の溢れ出さんばかりの切迫感を聴かせるリズムに比べると、尾高師のテンポは熟成した正統派の貫禄を見せた。好みは前者だけど、こちらが本物かも。

ところで、ブラームスの4つの交響曲について、鑑賞記録を残している2013年以降で演奏会で聴いた回数を数えてみたら1番6回、2番10回、3番、4番各1回だ。全体の半数以上を2番が占めている。3、4番も名曲なのにオケはどうして取り上げてくれないのだろ。

♪2017-093/♪みなとみらいホール-22

2014年3月17日月曜日

横響第653回定期演奏会

2014-03-17 @県立音楽堂

飛永悠佑輝指揮:横浜交響楽団

小船幸次郎:第一序曲 Op7
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op47


小船幸次郎という人については知らない人が多いだろうなあ。かくいう僕も数年前に知ったばかり。1907年生まれで1982年まで存命していた人だ。作曲家であり、指揮者であり、教育者で、横浜交響楽団の創立者の1人だ。
その小船氏が31歳の時に作曲し毎日音楽コンクールで1位入選したのが今日の第1曲め「第一序曲」。
管弦楽だけど、多彩な楽器編成で邦楽、雅楽的な要素をたっぷり織り込んだユニークで面白い音楽だった。もちろん初めて聴いた。

2曲めが芥川也寸志(1925~89)が24歳で作曲し、これもNHKの懸賞募集で特賞入選した「交響管弦楽のための音楽」全2楽章。
この作品については、3週間ほど前に、NHKBSpのクラッシク倶楽部が日本人作曲家名作選で芥川也寸志を取り上げた際に演奏され、録画していたので、何度も聴いて事前に耳を馴染ませていた。これも生演奏は初めて聴いたが、やはり、家で視聴するのと生ではこうも違うかと(家のオーディオシステムに)がっかりしたり(だからこそ生で聴く意味があると)得心したり。

3曲目のショスタコーヴィチも小船氏とは1歳違い(1906年~75年)。

つまり、今日のプログラムは現代音楽ばかりなのだけど、いずれも無調音楽ではない(「第一序曲」はそもそも西洋音楽の調性を当てはめるのが無理なのかもしれないが)。
いずれも、少なくともメロディを耳で追えるような調性はあるし、ショスタコーヴィチは作曲した交響曲や弦楽四重奏曲の全部に調号を付けている(今日の第5番はニ短調だ。)。

残された調性のおかげで、十分に現代ぽさを感じながら心地よい刺激がある。

今日の横響はレベルが高かった。
「第一序曲」の管楽器の不協和の重なりが雅楽の興趣を聴かせたり、ショスタコの第3楽章の消え入るような最終音に聖なる世界を響かせたあたり、おお、腕を上げたなあという感じがした。

最後に、アンコールの代わりに3.11から3年ということもあって、「花は咲く」が演奏され、歌詞カードを配られた観客も一緒に歌って、ちょっとうるっと来たよ。


♪2014-21/♪県立音楽堂-07