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2021年10月3日日曜日

トップコンサートPart33 第37回かながわ音楽コンクール 入賞者が奏でる協奏曲

2021-10-03 @県立音楽堂



上野正博:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

加藤亜咲美:ピアノ
堺日和:フルート
杉山和駿:バイオリン

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
バーバー:バイオリン協奏曲 作品14
ジョリヴェ:フルート協奏曲第1番


37回かながわ音楽コンクール入賞者+神奈川フィルの協奏曲演奏会。才能のある若い人の音楽を聴くのはとても楽しい。

驚いた事が幾つか。

独奏者3人のうち、2人が参加した全国学生音楽コンクール全国大会に僕も横浜市民賞選定委員(希望すれば大体OK)として聴きに行き、審査をしたのだ!

当時の高校生の演奏を、大学/院生となった今再び聴くことになるとはうれしい縁である。今後もこの楽しみが続きますように。

最年少はピアノの加藤嬢、17歳。
YAMAHAが協賛している事もあり、今日のPfは同社のC3X espressivoという新製品で、まあよく鳴ること。でも、最高級というわけではないらしい。中低域の響きに物足りなさもあったが、十分、良い音で、特に音楽堂の良い響が一層輝かせた。


ジョリヴェのフルート協奏曲は初聴きだ。現代の作家らしい。
オケが弦8型の計23人のみの編成。そこにフルートが良い対比を聴かせた。

ラフマニノフのピアノ協奏曲とバーバーのバイオリン協奏曲は弦10型+管打等。

つまりオケは3曲とも小編成だった。

神奈川フィルは石田コンマスを始め精鋭を揃えて見事なバックアップ。
弦が美しいと管がダメにする事があったり、その逆も。
しかし、今日の神フィルはなんて巧いのだ!
管弦の交わりも美しく、処々の管楽器のソロもミスなく(特にラフマニノフ1楽章のホルンのきれいな事)、聴いていてホンに気持ちが良かった。

神奈川フィルは、最近…と言ってもここ数年、本当にレベルを上げていると思うが、今日の演奏は首都圏オケの中でも3-4を争う上出来だったのではないか。今後が益々楽しみだ。


♪2021-106/♪神奈川県立音楽堂-06

2015年4月17日金曜日

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.66 ドビュッシー、ジョリヴェ・・・音色の魔術師たちを訪ねて

2015-04-17 @みなとみらいホール


山崎祐介(ハープ)
小林明子(東京都交響楽団ビオラ奏者)
小池郁江(東京都交響楽団フルート奏者)

ジャック・イベール:2つの間奏曲 Fl、Vla、Hp
ガブリエル・ピエルネ:奇想的即興曲 Hp
フランツ・シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821から第1楽章 Vla、Hp
アンドレ・ジョリヴェ:クリスマス・パストラーレ Fl、Vla、Hp
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アンコール(トリオ)
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調から「ポロネーズ」


2015年上半期シリーズの最初のコンサート。
ハープ、フルート、ビオラという変わった組合わせのトリオだ。
プログラムに並んだ作曲家を見てもシューベルト以外は初めてお目にかかる名前・曲目ばかり。

説明を読むと、シューベルト(ウィーン)以外は全員フランス人。
このフランス人たちはいずれも19世紀後半から20世紀初頭に生まれ、活躍したのは当然20世紀で、一番若いジョリヴェは1974年に没したというから、まだ半世紀も経っていない。

つまり、<現代フランス音楽>という訳で、ハープやフルートという楽器もいかにもの感じがする。

しかし、ジョリヴェに若干の新しさ(現代音楽風味)を感じたけれど、イベールもピエルネも、癒し系イージーリスニングぽい音楽で大変耳ざわりの良いものだった。

ちょっと洒落たサロンミュージックという感じ。

一味違うのはもちろんシューベルトだ。
アルベジョーネ・ソナタは本来アルペジョーネ(6弦の小型チェロだが、ギターのようにフレットがある。)とピアノのための作品だが、アルペジョーネという楽器が短命であったためにいまではほとんどチェロに取って代わられており、たまにビオラなどの他の楽器で演奏されるそうだが、今回は、ビオラとハープという超珍しい組み合わせで聴いた。ビオラにせよチェロにせよ、元々6弦楽器用に書かれたものだから4弦で演奏するのは相当難しいようだ。

冒頭から泣かせるベタ甘の旋律だが、大好きな曲だ。
今日の楽器の組合わせも悪くない。これはこれで楽しめる。
サロンミュージック風アルペジョーネ・ソナタだ。

でも、やっぱり、きちんと聴くならチェロとピアノでガリガリと弾きまくってほしいな。

司会進行を兼ねたハーピストがアンコール曲を紹介するときに、最後は音楽の王道を演奏します、と言って曲名を言わなかったので、何だろ、と思ったら、バッハの管弦楽組曲第2番のポロネーズだった。第2番は全曲にわたってフルートが大活躍するが、とりわけこのポロネーズが心にしみて美しい。

洒落た現代フランス音楽もいいけど、やっぱり、ドイツ・オーストリアのクラシックこそ本当に音楽の王道だなあ、と納得するの巻だった。


♪2015-31/♪みなとみらいホール-13