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2025年4月5日土曜日

東京シティ・フィル第378回定期演奏会

2025-04-05 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
大谷康子:バイオリン

ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「ボルト」より抜粋
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」




今日の東京シティ・フィルの定期コンサートは、客演バイオリンが大谷康子。
この人も間も無く70歳。デビュー50周年。

シティ・フィルのコンマスも長くやっていた(13年間。その後東響のコンマスを21年。)。

現役のオバサマ・バイオリニストでは一番好きな人。

昨日も聴いたメン・コンを今日も聴いた。

こう言っちゃなんだけど、昨日と比べると、(オケの実力も違うんだけど)格段の差があるな。
楽器もストラディでよく鳴るし。

ツィゴイネルワイゼンも演奏した。
生でも何十回と聴いてきたが、多分、うち、彼女の演奏がこれまで一番多かったと思う。

シティ・フィルも50周年。大谷康子も50周年。
それを記念したか、メインは「春の祭典」。

なかなか強烈だった。よく鳴るホールだから打楽器の爆裂音が容赦ないよ。

でも、新国立劇場でダンス版を観たからには、オケだけではこの頃物足りない。


追記:
4/4に小笠原伸子の四大協奏曲(ベト・ブラ・メン・チャイ)を空前絶後〜などと書いたが、忘れていたっ!

今日シティ・フィルに客演した大谷康子も10年前に四大協奏曲(ビバ・メン・プロ・ブル)を弾いたのを思い出した。おまけにENCでチャールダッシュを客席を回って弾いてくれたよ!ミューザの1階席から、2CAに通ずる階段も弾きながら上り下りするのには驚いたよ。
もう、お歳を考えたらやめた方がいいね。

この時も指揮者は高関健だった。

♪2025-044/♪東京オペラシティコンサートホール-04

2025年2月16日日曜日

小林美樹&小林有沙 デュオリサイタル

2025-02-16 @リリスホール



小林美樹:バイオリン
小林有沙:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番へ長調 Op.24「春」
武満徹/森山智宏編:さようなら~恋のかくれんぼ~めぐり逢い
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
R.シュトラウス/フバイ編:4つの歌から「明日の朝」Op.27-4
R.シュトラウス:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18
-------------------
マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ




小林美樹は、2014年に神奈川フィルのフレッシュコンサートで初めて聴いて以来、オケとの共演の他にもリサイタル、室内楽などでずいぶん多く聴いている。横浜出身というせいか、市内の小ホールでも聴く機会が多い。数えてみたら今日で14回目だった。
石田組長には遠く及ばないが、よく聴いていると思っていた神尾真由子より3回多い。てことは女性Vnでは1番かも。

今日のリリスホールは彼女が初めて本格的なリサイタルを開いたところだそうだ。お姉さんの有沙さんとの共演も2回目で、前回はブラームスのソナタ全曲@文化小が素晴らしかった。

今回のプログラムは、超有名曲と初めて聴く曲が混在していたが、さらっとやってのける超絶技巧が相変わらず正確で安定感があり、艶っぽい。

♪2025-024/♪リリスホール-01

全席指定 1階 F列 14番 3,000円

2025年1月25日土曜日

とつかニューイヤーSpecialコンサート2025 〜今年は「10周年スペシャル!」〜

2025-01-15 @さくらプラザホール



遠藤香奈子:Vn
遠藤和歌子:Pf*

1 宮城道雄:春の海
2 山田耕筰:からたちの花
3 パガニーニ:ラ・カンパネッラ
4 ドビュッシー:月の光*
5 メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲 ホ短調から第1楽章
6 マスネ:タイスの瞑想曲
7 スペシャルコーナー(3挺のVnの音色当て問題)
8 サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
------------------------
9 ドボルザーク:ユーモレスク



◀️感想省略▶️

♪2025-015/♪さくらプラザホール-01

2024年6月27日木曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ≪バイオリン名曲の旅≫徳永二男 バイオリン・リサイタル

2024-06-27 @みなとみらいホール



徳永二男:バイオリン
坂野伊都子:ピアノ

ヴィターリ:シャコンヌ
フランク:バイオリン・ソナタ
サン=サーンス:ハバネラ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリツィオーソ
チャイコフスキー:メディテーション
ヴィエニャフスキ:ポロネーズ第1番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
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マスネ:タイスの瞑想曲
マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ
モンティ:チャルダッシュ



徳永二男を特に好んで聴いている訳ではないけど、アフタヌーン・シリーズではもう3回目だし、単独のリサイタルもピアニストの方に魅力を感じて聴きに行くこともあり、熟練男性バイオリニストとしてはよく聴いている方だ。

ただ、19年までのリサイタルでは感じなかったが、この年以降は毎回音程が甘いように思う。そういう思いで聴いているとますますそんな気がしてくる。

それは彼の衰えなのか(今年喜寿)、そんなことにこだわらない音楽性の発展途上なのか、単に僕の耳が衰えてきたのか。

ま、気にしないでおけば瞬間に通り過ぎてゆくような微細な瑕疵で、おおらかな気持ちで聴いておればいいのだけど。

そんな構えでおれば、今日のプログラムは副題に「名曲の旅」とあったように、まさしく、大ホールリサタルの定番のような名曲揃いてとても楽しめた。

この手のリサイタルだとピアノの独奏を挟んだりするものだけど、超絶技巧も多いプログラム全曲に登場して、大サービス。

N響時代はおっかない顔付きで、話も聴いたことがなかったが、リサイタルでは案外の好人物ぶりで親しみが持てる。


2024-091/♪みなとみらいホール-22

2024年5月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第20回「嗚呼、昭和のレトロ・クラシック!」

2024-05-25 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
松田理奈:バイオリン*
松下美奈子:ソプラノ**
池辺晋一郎:司会

【第1部】
スッペ:喜歌「軽騎兵」序曲
ケテルビー:ペルシャの市場にて
レハール:ワルツ「金と銀」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」から<第2幕への間奏曲>
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」から<時の踊り>

【第2部】
ヘンデル:歌劇「セルセ」から<オンブラ・マイ・フ>**
池辺晋一郎:大河ドラマ「黄金の日日」からテーマ
エルガー:愛のあいさつ*
クライスラー:中国の太鼓*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」から<モルダウ>
-------------------------------
オッヘンバック:喜歌劇「天国と地獄」から<カンカン>




クラシック音楽自体が、そもそもレトロで”クラシック”なのだから、今回の企画は”変”ではあるけど、確かに、平成以降ほぼ聴かなくなったような音楽もあったな。

加えて、前半の<時の踊り>以外の4曲はいずれも中・高時代に吹奏楽で演奏したものなので、実に懐かしかった。

昭和マニア?の沼さんと昭和の生き字引のようなダジャレの池辺さんによる漫談擬の話も面白くて、客席も舞台も大いに盛り上がった。

後半の選曲は特に<昭和>は無理があったね。トリを飾った「モルダウ」なんて神奈川フィルで3月に「我が祖国」全曲を聴いたばかりだけど、しかし、しみじみと美しい音楽だと思ったよ。

♪2024-073/♪県民ホール-2

2024年5月10日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#23










2024-05-10 @すみだトリフォニーホール



大友直人:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
前橋汀子:バイオリン*

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
エルガー:愛のあいさつ Op.12* 
マスネ:タイスの瞑想曲*
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソイ短調 Op.28*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20*
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」 
ラヴェル:クープランの墓
 Ⅰプレリュード
 Ⅱフォルラーヌ
 Ⅲメヌエット
 Ⅳリドーゴン
ラヴェル:ボレロ
---------------------------
丸山貴幸編:懐かしの青春メドレー*
 テネシーワルツ〜愛の讃歌〜川の流れのように
*バイオリン独奏とオケの共演






10連休明けのコンサート。
冒頭、オケの腕鳴らし「セヴィ理序」の出来がとても良い。11日前のN響よりずっと良い。ロッシーニの管弦楽化がうまいのか高域弦の嫌な音が全然しないので驚いた。
あとはどうかな?と思ったが今日は最後まで良いアンサンブルだった。

前半は、序曲の後はずっと前橋汀子によるバイオリンの小品集で全てオケ伴付き。御歳80とは全然見えない。テクニックもオケをバックにした音圧も十分。
もう、見栄も外連もありませんというような、大ベテランが到達した音楽をしみじみ味わった。

大友ちゃんは、1曲毎指揮台から降りて前橋の後ろに立って大先輩に敬意を表し拍手をリードしたが、これが見ていても心地良かった。

後半は、シャブリエとラヴェル2曲。全て上出来。
特に「ボレロ」の完成度が高かった。

ちょうど2年前に新日フィル@墨鳥でミッキーの「ボレロ」が狂乱する色彩という感じで面白かったが、今日は正統派で丁寧な演奏を噛み締めるように味わった。

2024-062/♪すみだトリフォニーホール-04

2019年11月8日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 〜名曲の花束&弦楽セレナード

2019-11-08@みなとみらいホール


プラメン・デュロフ:指揮
ソフィア・ゾリステン

リヤ・ペトロヴァ:バイオリン*

J.S.バッハ:G線上のアリア
ドボルザーク:ユーモレスク
チャイコフスキー:弦楽セレナード op.48
エルガー:愛のあいさつ*
サラサーテ:カルメン幻想曲*
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークから第1楽章
ハイドン:セレナード
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
J.S.バッハ:幻想曲 BWV542
パガニーニ:ラ・カンパネラ*
シューベルト:アヴェ・マリア*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
------
*はペトロヴァがゾリステンとともに独奏者として参加した曲

ちょうど3年前に同日・同所で聴いている。
13人の弦楽合奏に3年前と同じVn独奏リヤ・ペトロヴァが曲によって加わった。
演奏曲はホンに「名曲の花束」だ。
腕の確かな職人集団の仕事ぶりで、綺麗なアンサンブルに、独奏Vnも美しく安定した弾きっぷり。

別に指揮者がいたが、その必要もないのではないか。
また、曲目も3年前とほとんど同じ(12曲中9曲)なのはちょいと芸がない。

綺麗な音楽を上手に聴かせてくれて、なんだか、癒された感じもするが、物足りなくもある。もう、この手の名曲コンサートはパスしたいが「みなとみらいアフタヌーンコンサート」というセット券
で買っているので仕方がない。

♪2019-171/♪みなとみらいホール-50

2019年5月31日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019前期 「ロマ音楽&タンゴ」徳永二男バイオリン・コンサート

2019-05-31 @みなとみらいホール


徳永二男:バイオリン
坂野伊都子:ピアノ(ジプシー)*
京谷弘司:バンドネオン
淡路七穂子:ピアノ(タンゴ)
田辺和弘:ベース

ヘンデル:バイオリン・ソナタ第4番ニ長調 Op1-13、HWV371*
ブラームス:ハンガリー舞曲第5、6、7番*
ラヴェル:ツィガーヌ*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガルデル:想いの届く日
ガーデ:ジェラシー
滝廉太郎:荒城の月
京谷弘司:シエンプレ・ア・ブエノスアイレス
アストル・ピアソラ:アディオス・ノニーノ、チキリン・デ・バチン、タンガータ
---------------------
ラ・クンパルシータ

前半、ヘンデルのバイオリン・ソナタ第4番にロマ音楽という組み合わせは、本人曰く、いきなりロマ音楽はやりにくいのでヘンデルを最初に弾いたというが、納得できる説明ではないね。
まあ、どうでもいいのだけど。

そのロマ音楽集は聴き馴染みのものばかり。

後半はタンゴ・バンド(ピアノ、コントラバス、バンドネオン)と共にピアソラのタンゴなど。

タンゴではマイクで集音し、PA(拡声装置)を使ったので音量大きく撥音明瞭。POPsコンサートみたいになった。
生音でも十分だったと思うが。

全体として気楽なコンサートだし、ほぼ満席の観客には大いに受けていた。

しかし、以前は感じなかったのだけど、この日の徳永のピッチの甘さには驚いた。長く音を伸ばすところでは明らかにツボに届いていない。
コンクールなら失格ではないかと思うが、もはや少々の音程の揺れなど気にならない域に達したのかも。

ところで、前半にはラヴェルの「ツィガーヌ」とサラサーテの「ツィゴイネル(ワイゼン)」が共に<ロマ(の旋律)>を意味するということを初めて知った。


♪2019-072/♪みなとみらいホール-21

2019年5月5日日曜日

ラ・フォル・ジュルネ・TOKYO 2019 No.316 〜ジプシー=クレズマー・バンドと若き名手たちが贈る、魅惑の旅物語

2019-05-05 @東京国際フォーラムA


アレクサンドル・スラドコフスキー:指揮
タタルスタン国立交響楽団

ディアナ・ティシチェンコ (バイオリン)
アナスタシア・コベキナ (チェロ)
萩原麻未 (ピアノ)
ラケル・カマリーナ (ソプラノ)
シルバ・オクテット (室内楽)

モルダビア組曲 Jilea din bosanci
サラサーテ:バスク奇想曲 op.24
グラズノフ:ミンストレル(吟遊詩人)の歌
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
サン=サーンス:バッカナール(オペラ「サムソンとデリラ」から)
ベッリーニ:ああ、幾たびか(オペラ「カプレーティ家とモンテッキ家」から)
プッチーニ:私のお父さん(オペラ「ジャンニ・スキッキ」から)
----------------
チャイコフスキー:ティムールの野営

長年皆勤賞を続けてきた「熱狂の日」も今年は忙しくてそれどころではなかったが、ようやく5日になってメドがついたので、最終日5日のプログラムの中から室内楽を中心に面白そうなものを探したが、それらはすべて売り切れ。仕方なくホールAでのコンサートを探したら流石にキャパ5,000人超のホールだ。この日の、ということは3日間を通じても最終プログラムでそこそこの席が空いていた。
前後左右のど真ん中のブロックなので、普通のコンサートホールなら特等席だが、何しろ、ホールAの1階席は縦に47列(中央ブロック)から49列(左右の両翼)もある。中央の中央といっても前から36列目だ。舞台からは遠い。みなとみらいホールやサントリーホールなどのやや大きめのホールと比べても36列目では壁を突き抜けて場外から聴くような距離だ。

そもそもアコースティック・ミュージックを演奏するには広すぎて音響はひどい。しかし、「熱狂の日」は参加することに意義がある、とかなんとか、自分を納得させて出かけた。

〜ジプシー=クレズマー・バンドと若き名手たちが贈る、魅惑の旅物語〜という副題がついていたが、雑多な構成のプログラムで、つまり、ロマやユダヤの音楽を含む、独墺からみるとエキゾチックな民族臭濃い音楽集だ。
興味深いプログラムだけど、あいにく音が悪い。
特にピアノが酷く、高域は耳に届く前にどこかに消えて行くらしい。萩原麻未がどうこういうより、グリーグの協奏曲の冒頭のピアノの強奏もティンパニーに埋もれてしまっていた。その後ももやもやと輝きのないピアノの音が残念だった。ピアノの音がこんなにもくぐもっているということは、オーケストラの音も同じようにぼんやりしている訳だ。

しかし、オケだけになってからの演奏は俄然本領発揮したように思った。もし、もっと前方で聴いていたらのめり込めたと思う。

「タタルスタン」という国名すら知らなかったが、帰宅後調べたらカスピ海沿岸から北に約千キロのロシア連邦内共和国だ。人口380万程度だから横浜市と同じくらい。その国立のオーケストラなのだから、国内随一なのだろうな。かなり高水準の演奏だったと思う。
終盤のサン=サーンスやアンコールのチャイコフスキーでは遠い席からではあったが、十分楽しめた。

館内客席も盛り上がって遠来のオケを労うような拍手喝采。
熱狂の日らしい終幕だが、会場を出たのはなんと22時44分だった。

♪2019-057/♪東京国際フォーラム-01

2018年10月1日月曜日

東京フィル 11回 平日の午後のコンサート

2018-10-01 @東京オペラシティコンサートホール


渡邊一正:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

大谷康子:バイオリン*

ロッシーニ:歌劇『ウィリアム・テル』序曲
モンティ:チャールダーシュ*
マスネ:タイスの瞑想曲*
J.S.バッハ:G線上のアリア(管弦楽組曲第3番より第2曲「アリア」)*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
ベートーベン:交響曲第7番
----------------
アンコール
アンダーソン:プリンク・プランク・プランク*

永遠のお姫様、大谷康子が目当て。期待どおりの美音と演奏。軽めの名曲ばかりだが、音楽大好き感一杯で聴く方も幸せに。

このコンサートのシリーズは初めてだが、指揮者(今日は渡邉一正)がMCを務めるというクラシックにはちょいと珍しいスタイルだったが、この渡邉センセイ、話下手で、もっぱら話し上手の大谷康子におんぶにだっこという感じだったが、それはそれで楽しかった。
チャルダーシュは?千回も演奏していると彼女自身が話したが、忘れてしまった。チゴイネルワイゼンは今日で3800回目くらいだ、というのは記憶に留まった。^^;

指揮者から、同じ曲をそんなに何度も演奏する時にはどんな心構えなのですかと問われた彼女の答えに一々納得したが、最後に、すばらしい作品を残してくれた作曲家への感謝の念を以て弾いています、との答えに大谷康子ならでは、さもありなんと聞いて得心。嬉しかった。正に、いつも入魂の演奏だもの。

人間的にも飾り気がなく気さくで、デビュー43年の今でも可愛い天然のお姫様だ。飾り気はない、と言ってもドレスが大好きで、子供の頃に大きくなったらドレスが着られるからと思って一生懸命にバイオリンの練習をしたという話もさもありなんだ。

後半はベートーベンの交響曲第7番。
これが期待以上に上出来。
東フィルは定期会員ではないし、コンサートではあまり聴く機会がないが、オペラにゆくとほとんどの場合ピットに入っているのが東フィルなので、演奏自体はよく聴いているし、いつも巧いなあと思って聴いている。

久しぶりに(7月24日ミューザ以来)舞台上の演奏を聴いたが、重厚なアンサンブルで[管弦楽]を聴く喜びに満ちていた。

どの楽章も美しいが、特に第3楽章終わりから間髪入れず怒涛の終楽章へ。
あ、コレコレ!
こういうの聴きたいんだ。

ところで、オペラシティコンサートホールはとても響がいい。
みなとみらいに比べるとやや乾いた感じだが、弦のアンサンブルがよくまとまって響いてくる。
みなとみらいといい、オペラシティといい、やはりシューボックス形式に利点があるのかもしれないな。

♪2018-121/♪東京オペラシティコンサートホール-01

2018年5月5日土曜日

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018 M326 〜ロマの音楽〜

2018-05-05 @東京国際フォーラムB7


パヴェル・シュポルツル:バイオリン
     &
ジプシーウェイ(伝統ロマ音楽)

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
サラサーテ:チゴイネルワイゼン
シュポルツル:ジプシー・ファイヤー
ピアソラ:アヴェ・マリア
ハチャトゥリアン:剣の舞
ロシアン・ファンタジー
モンティ:チャールダーシュ
---------------
アンコールあり。曲名不詳


所謂ジプシーの音楽、ロマ音楽だ。
曲弾きのようなバイオリンにビオラ、コントラバス、ツィンバロンという4重奏。

ハンガリー舞曲(案内では1番だったが本番では5番を演奏)やチゴイネルワイゼン、チャールダーシュなどほとんど、お馴染みの作品ばかりだ。

思い切りメランコリーで、さめざめ泣いたあとには激しいリズムだ。クラシック音楽には禁じ手の減5度や増2度などもお構いなしに登場して、現代の人間にも残る原初的な感性を痛く刺激して心地よい。

ただ、惜しいと思ったのは、拡声装置を使っていたことだ。そのおかげで迫力ある演奏を楽しめたのだけど、スピーカーから流れる爆音はナマとは比べ物にならないひどい音だ。
ホールB7は大して広いホールではなく、せいぜい500人程度ではないか。生演奏でも十分音は場内全体に届くはずだ。
2千人規模のホールでもバイオリン独奏を聴くことができるのだもの。ぜひともナマの繊細な弦やツィムバロンの響きで咽び泣く音楽に酔いしれたかったよ。

♪2018-50/♪東京国際フォーラム-02

2017年3月11日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第325回横浜定期演奏会

2017-03-11 @みなとみらいホール


小林研一郎:指揮[桂冠名誉指揮者]
前橋汀子:バイオリン*

日本フィルハーモニー交響楽団

サン=サーンス:序奏とロンド・カプリツィオーソ*
マスネ:タイスの瞑想曲*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
マーラー:交響曲第1番《巨人》
-------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのための組曲第2番から「サラバンド」
マーラー:交響曲第1番《巨人》から終楽章コーダ

前半は前橋汀子を迎えてVnの名曲集。音色がいい。特にチゴイネル〜の弱音器を付けた音が極上の響。

後半はマーラーの巨人。
演奏の出来はイマイチという感じ。指揮者と団員の呼吸が揃っていないのか、構成感が弱く終楽章に向かっての高揚が不足した。
しかし、終楽章コーダではホルンだけでなく金管全員を立たせたのが効果的で、ようやくにして胸のつかえが降りた。
これはコバケン流「震災鎮魂の咆哮」なり。

東日本大震災6年目の夜のコンサート。

♪2017-037/♪みなとみらいホール-11

2016年12月14日水曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後~旅立ちのヨコハマで、午後のX'masコンサート 前橋汀子バイオリンリサイタル

2016-12-14 @みなとみらいホール


前橋汀子:バイオリン
松本和将:ピアノ

エルガー:愛の挨拶 Op.12
J.S.バッハ:G線上のアリア
モーツァルト:バイオリン・ソナタ 第24番 ハ長調 K.296
ベートーベン:バイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調Op.24「春」
ドビュッシー(ハルトマン編):亜麻色の髪の乙女
クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2
クライスラー:中国の太鼓 Op.3
シューベルト(ヴィルヘルミ編):アヴェ・マリア
パガニーニ(クライスラー編):ラ・カンパネラ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28
懐かしの名曲集(丸山貴幸編)
  枯葉/“ウエストサイドストーリー”より「マリア」/イエスタデイ/“オペラ座の怪人”より「オーバーチュア」/愛の賛歌
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アンコール
ドボルザーク(クライスラー編):我が母の教え給いし歌
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン

2012年に演奏活動50周年だったというから、現在は54年か。
これに20歳を加えると彼女の年齢になる。
54年間もステージに立ち続けている大ベテランの演奏を格安で聴くことができるのは「クラシック・マチネ」シリーズのおかげだ。

昨年夏に、音楽堂でJ.S.バッハ無伴奏全6曲の演奏会を聴いて、年齢を感じさせないエネルギーにこちらが疲れるくらいだったが、今回は気楽な小品集。といってもソナタが2曲含まれるけど、いずれも小振りで快活明朗な作品だ。ご本人も楽しんで弾いている様子で何より。

盛りだくさんのプログラムで、アンコールの最後に「ツィゴイネルワイゼン」まで弾いてくれたのには驚いた。

♪2016-175/♪みなとみらいホール-46

2016年7月7日木曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート ベルリン・フィル バイオリンアンサンブル

2016-07-07 @みなとみらいホール


ベルリン・フィル/バイオリンアンサンブル

アルビノーニ:アダージョ
J.S.バッハ:2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調  BWV1043
J.S.バッハ(メンデルスゾーン編):シャコンヌ
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲
ベートーベン:ロマンス第1番 ト長調 作品40
ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番、第5番、第6番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20 
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アンコール
エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
スヴェトラーノフ:アダージョ

ベルリン・フィルの弦パートの有志から成るアンサンブルかと思い込んでいたけど、当日会場で受け取ったプログラムの表紙にベルリン・フィルのバイオリン・アンサンブルと書いてある。
アレレ…、そうなのか。でも、バイオリンだけではいくら10本集まっても表現力に乏しいだろうなあ、と思ったが、そこは心配無用で、ピアノが1台入った。

このピアノが1台入ることで、バイオリンだけという単調なアンサンブルに音域の幅が出て、まるでチェロやビオラも入っているような錯覚に陥る。それだけ表現力が豊かになる。
つまりは室内オーケストラ風に聴こえてくるのだ。

まあ、そうでもなくちゃ二十数年もこういうスタイルで音楽を続けることはできないだろう。

バイオリン10本+ピアノという変わった編成の魅力を十分に発揮していたとは思えないけど、さすがにベルリン・フィルメンバーだけにバイオリンの発する音色の透明感の美しさに加え、バイオリンとも思えない中音域の音圧の強さもーこれはピアノとの良い呼吸が作り出しているのだろうがー迫力があった。

とはいえ、演奏された曲のすべてが(アンコールの2曲は初聴きだったが、これらも多分…)このスタイルに合わせた編曲なので、オリジナルを聴き馴染んでいるものだから、どうしても良くできた編曲とか、珍しい編曲モノという印象を拭えない。何か、オリジナルを1曲でも聴いてみたかった。


♪2016-094/♪みなとみらいホール-24

2016年7月2日土曜日

千住真理子&東京交響楽団 華麗なるバイオリン名曲集

2016-07-02 @県立音楽堂


千住真理子:バイオリン*
大井剛史:指揮
東京交響楽団

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492(管弦楽のみ)
モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番イ長調 K219 「トルコ風」 *
エルガー:愛のあいさつ (管弦楽のみ)
クライスラー:「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」*
モーツァルト:ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K334から第3楽章 メヌエット(管弦楽のみ)
ベートーベン:ロマンス第2番 ヘ長調 op.50*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
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アンコール
モンティ:チャールダッシュ*


みなとみらいホールやミューザ川崎シンフォニーホールのような大きな会場ではなく、1100人しか入らない音楽堂でのリサイタルというのが楽しみだった。しかも、前から15列目はバイオリン+ピアノという組合せを聴くには理想的だ(と勝手に思っている。)。
尤も、音楽堂はたいていどこで聴いても音響面でがっかりすることはないから、あまりこだわりはないのだけど。

さて、東響を音楽堂で聴くというのも初めてだった。
オーケストラのみの演奏もあったが、小ぶりの編成でシャキッとした演奏だった。残響が短いホールなので、下手なオケは弦のアンサンブルのまずさがすぐ露呈するが、今日の東響は乾いた糸のような繊細な響が好ましかった。

そして、何より千住の良く鳴るバイオリンに驚嘆。
楽器(300歳の銘器ストラディバリウス「デュランティ」)のせいもあるだろうが、先日、みなとみらいホールで聴いた石田泰尚の音とはまるきり違う。ピンマイクで音を拾っているのではないかと思わせるくらい明瞭で音圧がある。
石田の音も悪くはないが、中3日で千住の音を聴くと比較せずにはおれない。
楽器の違いのほかに会場の違いも大きいだろう。
これまで、みなとみらいホールやミューザでの美女トリオ(長谷川陽子、仲道郁代)でも千住の独奏を聴いていたが、やはり、音楽堂で聴いた音は決定的に違う。

蚊の鳴くようなppから熊も逃げ出しそうなff迄自在に操り音楽堂空間まで楽器にしてしまった。

演奏技術や音楽性の前に、音楽は「音」こそが基本だ。
その「音」があまりに見事なので、素晴らしいテクニックを駆使して演奏してくれる名曲に驚きと感動が一層増幅した。


♪2016-090/♪県立音楽堂-06

2014年8月18日月曜日

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.59 東京フィル首席奏者による室内楽

2014-08-18 @みなとみらいホール


荒井英治(Vn)
戸上眞里(Vn)
須田祥子(Va)
服部誠(Vc)
黒木岩寿(Cb)

ティータイム・クルーズ
~Viva!Rossini!~
G.ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第3番 ハ長調
G.ロッシーニ:チェロとバスのための二重奏曲から第1楽章
G.ロッシーニ(編曲:荒井英治):ファンタジー 変ホ長調
P.de.サラサーテ:ロッシーニへのオマージュ より
G.ロッシーニ:歌劇<どろぼうかささぎ>序曲(弦楽五重奏用編曲)


お手頃価格で気楽に室内楽を楽しめるみなとみらいホール主催のクルーズ。

今日は、東京フィルの弦の各パートの首席が集まってのロッシーニ特集だった。

1曲だけサラサーテがロッシーニにオマージュを捧げて作曲した作品があったが、それ以外はすべてロッシーニの作品。

ロッシーニについては、オペラ作家という知識(それも「ウィリアム・テル」、「セビリアの理髪師」、「泥棒かささぎ」程度)しかなかったし、現に室内楽などの分野では作品が非常に少なく、CDで聴けるものは限られている。

それで、これまでとても縁が遠かった。

しかし、1曲めに演奏された「弦楽のためのソナタ第3番」にすっかり魅了されてしまった。
実に軽妙だ。

ロッシーニは全部で6曲の「弦楽のためのソナタ」を書いているが、いずれも編成が変わっていて、2つのバイオリン、チェロ、コントラバスで演奏される。通常の弦楽四重奏ならビオラが入り、コンバスは入らない。
また、この日の演奏は四重奏だったが、むしろもう少し規模を大きくした弦楽合奏として演奏されることのほうが多いようで、帰宅後すぐにAmazonでチェックしたが、四重奏のものは見当たらず、イタリア合奏団の全曲盤を購入したが、これはバイオリン3+3、チェロ2、コンバス1という編成らしい(書いてないがジャケットの写真からの判断)。これはこれで楽しめるのだけど、好みで言えば四重奏の方が音楽の輪郭がはっきりして好きなのだけど。


驚くべきは、この6曲を、ロッシーニは12歳の時に3日間で書き上げたということだ。

確かに、この日聴いた第3番も、その後CDで聴いた5曲も、すべて天才の<発明>に溢れているような気がする。ハイドンの初期の交響曲などにも通ずる遊び心、旺盛な実験意欲が感じられる。

音楽的にはまずい部分もあるのかもしれないが、聴いていて楽しい。時々稚気も混じった陽気さがいい。

「チェロとコントラバスのための二重奏曲」も傑作だった。
演奏者のアドリブも入っていたようだけど、何しろ、最後の「~序曲」以外は初めて聴く曲ばかりなので、2人の演奏家が遊びながら弾いているのは分かっても、アドリブかどうかは分からない。
低弦2本の掛け合いが、時には名人芸を要求されるような部分もあって、スリリングであり、かつ、おかしかった。

第一バイオリンの荒井氏(東京フィルコンサートマスター)はバイオリンだけでなくピアノの方も”プロ”で、3、4曲目のビオラとバイオリンの伴奏を受け持っていたが余技とも思えない腕前だった。

神童モーツァルトが亡くなった翌年、ロッシーニはその後を継ぐかのように生まれ、その天才ぶりを遺憾なく発揮して、オペラを39曲も書いたが、37歳で作曲をやめてしまい、44歳で音楽界から引退し、しかし、好きなことをやって76歳まで生きたそうだ。

この日のコンサートは僕にとって「ロッシーニ開眼」記念日となった。

♪2014-78/♪みなとみらいホール-31