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2022年2月11日金曜日

第1952回 NHK交響楽団 定期公演 池袋C-1

2022-02-11 @東京芸術劇場大ホール


鈴木雅明:指揮
NHK交響楽団
鈴木慎崇:ピアノ*

ストラヴィンスキー:組曲「プルチネッラ」
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシカ」(1947年版)*


古楽の大家がストラビンスキー2本を振る。
コロナがなけりゃ永久に有り得なかった組合せかも。

しかし、見事なもので、これは指揮者の功績なのか、N響が本気を出したのか、両方か。

自宅でも聴きたい…ような作曲家ではないけど、そこが定期演奏会というお仕着せの良いところだ。
僕が選ばずともオケが好んで演奏するので「プルチネッラ」も「ペトルーシカ」も数多く聴いている。
おかげで、最近では楽しんで聴けるようになった。

2本中、何と言っても「ペトル」が面白い。

管弦楽による煌びやかな色彩のマジック。
管楽器は難しそうだが、ほぼノーミスだったし、14型の弦も繊細さ・透明感を維持した。

これ程の美しい見事なアンサンブルなら、無調であれミニマルであれ、何だってずっと聴いていたくなる。さすが充実のN響サウンド。

昨日のサントリーホールでのショスタコ2本(特に5番)にがっかりした身としては、SNSでの評判が余りに高いので我が耳が故障していたのかと不安に思っていたがそうではなかったよ。
あいにくながら、昨日の読響と今日のN響では雲泥の差と言っていい。

♪2022-018/♪東京芸術劇場大ホール-01

2021年7月27日火曜日

フェスタサマーミューザ2021 読売日本交響楽団 ≪これはサプライズだ!鈴木雅明の熱い夜!≫

2021-07-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



鈴木雅明:指揮
読売日本交響楽団

ボロディン:交響曲第2番 ロ短調
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27


昨日の都響も良かったけど、今日の読響のアンサンブルの厚さは一段と強力。

鈴木氏がBCJを振る時とは身体の動きが全然異なるのは音楽の違いもあるけど、本人自身がロマン派の音楽をとても楽しんでいるように思う。


1曲目は、記録を手繰って数えてみると4年に1回の割合でしか聴いたことがないボロディンの交響曲第2番。


バロックの対極とも言える俗っぽく泥臭く大袈裟で映画音楽のようだ。

しかし、多彩なオーケストレーションで聴いていて面白い。

読響の巧さを楽しんだ。


問題は2曲目のラフマニノフ交響曲第2番。

先月東フィルで聴いたのが仲々良かった。

今日の読響も中盤迄はとても良い感じだったけど、あの美しい第3楽章辺りから徐々にモヤモヤ感が募ってきた。


この長大曲は、相当複雑らしい。

第1楽章に第3楽章の切れ端を感ずるし、第2楽章には「怒りの日」が引用され、終楽章は前3楽章を引用してある。つまりよく計算された有機的構造を持つようだ(聴いていてそれと分かる程立派な耳は持っていないけど。)。


それだけに、縦横揃えて透明感を維持するのがどんなオケでも難しいのかもしれない。

加えてボロディン交響曲第2番との組合せがキツかったかな。好物とはいえ天ぷらの後にフライを出されたようなものだ。


♪2021-075/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-017

2021年7月9日金曜日

新日本フィル:#40ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2021-07-09 @すみだトリフォニーホール






鈴木雅明:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

ベートーベン:交響曲第4番変ロ長調 op. 60
ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 op. 55 「英雄」
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ベートーベン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」作品43から”終曲”


前々回が鈴木秀美:指揮による交響曲第5番ほか全ベトプロ。

今回はその兄、鈴木雅明による交響曲4番と3番。


これで新日フィルの今季を通じた7回にわたるベートーベン全交響曲が完結した。尤も僕は2番だけ聴いていないけど。


鈴木雅明は、最近はバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)だけでなく、N響や他のオケとの共演も聴く機会が増えたが、いつもえらく楽しそうに振っている。


バロックより古典派、古典派よりロマン派の方が、本当は性に合っているのではないかと、背中を見ていると思ってしまう。


2曲とも重くならない調子の良いテンポで、特に新奇な色付けは感じず、4番はあっさりと感じて終わったが、3番は冒頭2小節の気合の入った強奏の美しさで瞬時に惹き込まれた。


2曲とも、オケがいつになく?きれいに響いて見直した。

ホルン首席の日高氏は客員首席から正式首席になったようで、こちらはいつものように見事な嘶きぶりだった。


アンコールが洒落ていて、交響曲第3番4楽章の主題の元となったバレエ音楽「プロメテウスの創造物」から”終曲”が演奏された。


余談だが、完全に記録を残している2014年以降の7年半で聴いたベートーベンの交響曲を数えてみたら計124曲(回)で、断トツの9番に次いで5-3番、6-7番、8-4-2番、1番の順だった。


定期以外で聴くことが多い9番以外は、ほとんど定期の押し着せプログラムなので、この順番はオケが演奏会に取り上げる頻度を表している。


♪2021-071/♪すみだトリフォニーホール-04

2020年10月28日水曜日

NHK交響楽団 10月公演

 2020-10-28 @サントリーホール


鈴木雅明:指揮
NHK交響楽団

シューベルト:交響曲第2番変ロ長調 D.125
シューベルト:交響曲第4番ハ短調 D.417「悲劇的」


シューベルトの交響曲2番と4番。18歳と19歳の作?

2番は曲のせいか演奏のせいか、各パートが明瞭でなくいまいち入り込めなかった。

この作品に限らず、シューベルトはオーケストレーションが雑な感じがするよ。

4番は演奏に破綻なく、音楽の完成度も高くまずまず楽しめた。

それにしても、2本合わせて演奏時間はちょうど60分。N響定期(代演)でこんな軽いの2本なんて残念だ。しかも、定期会員でも割引なしの7千円(S席)はC/Pが悪い。

でも、最近は、コロナを嫌ってか、客足が鈍くいつも良席が取れるのは嬉しい(尤も僕の方も良席を取る為に相当努力はしているけど。)。今回も9月の席と全く同じ席で、前回の都響@サントリーでも少し前だが、いずれも甲乙つけがたい良席で、こんなところで聴けるのは誠にありがたい。

さて、ゲストコンマスの好漢白井圭も、こういう古典派から脱していない音楽ではあまりリードするところもなかったようだ。

彼には、浪漫が豪快に波打つ音楽をぐいぐい引っ張って欲しいな。


♪2020-056/♪サントリーホール-05

2019年4月19日金曜日

バッハ・コレギウム・ジャパン第132回定期演奏会

2019-04-19@東京オペラシティコンサートホール


鈴木雅明:指揮
バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)
ソプラノ:キャロリン・サンプソン
ソプラノ:松井亜希
アルト:ダミアン・ギヨン
アルト:クリント・ファン・デア・リンデ
エヴァンゲリスト(福音史家)/テノール:櫻田亮
テノール:ザッカリー・ワイルダー
イエス/バス:クリスティアン・イムラー
バス:加耒徹

J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244

2015年春以来のBCJの「マタイ」だった。
その間に聴いた聖トーマス教会合唱団+ゲヴァントハウス管弦楽団による至高の「マタイ」が一種の物差しになっているのは不幸な事かもしれない。

とはいえ、前回のBCJと比べてとても好感した。
テンポは早めでアッサリと小気味良い。
全曲中一番有名な「神よ憐れみたまえ」も泣かせたりしない。福音史家役が大活躍をするが、この肝心のテノールに人を得た。素晴らしくよく通る美声だった。

不満といえば、どうしてアルトにカウンターテナーを使うのか。やはり、女声で聴きたい。
「マタイ」に限らずこれまでにカウンターテナーで満足したことがないのは僕の経験不足だろうが、そもそも不自然ではないか。
児童合唱でなく女声合唱を使うのならソロも女声で良かろう。

また、席がイマイチだった。センターを取ったが、BCJを聴くには席が遠かった。
前方1/3で聴くべきだった。
チケットが取れず後方1/3で聴いた。

オケを聴く席として悪くはないが、この編成(管弦楽30人足らず。声楽25人くらい?)には遠かった。
前方1/3なら良い「音楽体験」ができたろうが、後方1/3では澄まして「音楽鑑賞」だった。やはり没入度が違う。

それにしても武満ホールはとても自然な響だ。縦長シューボックスが良い効果を齎しているようだ。

♪2019-050/♪東京オペラシティコンサートホール-02