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2023年12月3日日曜日

第14回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル2023 桐朋学園大学/洗足学園音楽大学

2023-12-03 @ミューザ川崎シンフォニーホール


指揮:
桐朋学園オーケストラ/尾高忠明
洗足学園音楽大学管弦楽団/秋山和慶

桐朋/ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27
洗足/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47



アマオケをプロオケのように響かせる魔法の箱ミューザが、今日は響が硬かった。
前半の桐朋を聴いて、”実力”しか発揮できない桐朋オケの”実力”を聴いてがっかりした。
音は濁っている、弦高域の不快な軋みも聴こえる。終始ザワザワして透明感がなく、アンサンブルの妙味などどこにもない。本来、極めて情緒的で美しいはずの第3楽章も乾いて潤いがない。ま、終楽章が元気に終えられてまあ良かったが。

ホールの響の助けがなければやはり音大オケといえどもこの程度か、とがっかりした。

ところが、後半、同一条件下にあるの洗足を聴いたら、響の硬さは変わらないが、オケの出来が全然違う。

桐朋は弦16型だったが洗足は14型。このサイズの違いはあまり関係なかったと思う。弦がそれなりに美しいし、管打鍵も実力発揮。ちゃんとアンサンブルが成立している。秋山御大の求心力に向かって音楽が収斂してゆく。

これまで、音大フェスはかなりの確率で聴いているので各音大オケを何度かずつ聴いており、その実力に有意差があるとは感じてこなかったが、これはどうした?

おそらく、一つは桐朋の選曲ミス。
ラフマニノフの2番て、聴いていても合奏力を要する音楽だと思う。緊張感を維持するのが難しそうだ。
もう一つは、リハーサルが十分ではなかったのではないか。
「♪〜稽古不足を、幕は待たない」で本番を迎えてしまったな…と思ったよ。

♪2023-207/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-26

2021年11月23日火曜日

第12回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル2021[東邦音大/桐朋音大]

2021-11-23 @ミューザ川崎シンフォニーホール


大友直人:指揮 東邦音楽大学/東邦音楽大学管弦楽団
沼尻竜典:指揮 桐朋学園大学/桐朋学園オーケストラ

東邦⇒チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64
桐朋⇒チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74 「悲愴」


音大オーケストラ・フェスティバル、1回目の今日は東邦(大友直人:チャイフスキー交響曲第5番)と桐朋(沼尻竜典:チャイコフスキー交響曲第6番)だった。


チャイコの5番は10月以降今日で4回目だ。25日もN響で聴く。来月も他のオケで聴く予定だ。この音大フェストでは27日の昭和音大も演奏することになっている。何でこんなに、いろんなオケがこの秋に集中して演奏するのかは分からない。


さて、音大オケはどこも巧いね。

特にミューザのように響きがいいとプロのように聴こえる。


チャイコ6番「悲愴」の方は昨夏・読響以来。

コロナ禍じゃ洒落にもならないからか、取り上げるオケは少なかった。

その時の読響の弦の規模は12型だった(コロナ感染対策として楽員同士の距離を取らなくればならなかったから。)。

そんな小編成の「悲愴」は初めてだったが、今日の桐朋オケは何と!16型。

これじゃ高域弦が喧しいのではと心配したが、しっかりと透明感を保って、16型の迫力を見せつけ(聴かせ)た。


学生オケ同士だからどちらが巧い…とかは憚るが、トーホーの方がちょっと上手だったかな😜。


音大フェスティバルは全4回。27日の昭和音大(チャイコ5番)も聴くつもりで4回通し券を買ったが、行けなくなったのが残念。


♪2021-136/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-39

2021年10月8日金曜日

若き音楽家たちによるフレッシュ・オペラ ヴェルディ:ラ・トラヴィアータ(椿姫)

2021-10-08 @サントリーホール




指揮:村上寿昭
演出:田口道子
舞台装置:大沢佐智子
照明:西田俊郎(ASG)
舞台監督:幸泉浩司

桐朋学園オーケストラ
サントリーホール オペラ・アカデミー
新国立劇場合唱団

ヴィオレッタ:大田原瑶(ソプラノ)
アルフレード:石井基幾(テノール)
ジェルモン:町英和(バリトン)
フローラ:佐藤路子(ソプラノ)
アンニーナ:三戸はるな(ソプラノ)
ガストン子爵:高柳圭(テノール)
ドゥフォール男爵:宮城島康(バリトン)
ドビニー侯爵:的場正剛(バス)
医師グランヴィル:五島真澄(バス)

ヴェルディ「椿姫」
(全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付)

計3時間10分
第1幕 35分
<休憩20分>
第2幕 75分
<休憩20分>
第3幕 40分


海外キャストを招いた本格的舞台の合間に、舞台セット等利用できるものは利用して、カバーキャスト等で1日だけ開催されたものだ。


これまで、演奏会形式のオペラはサントリーホールを含めあちこちで見ているが、今回は様子が違った。

ホールオペラ®️というサントリーホールの登録商標付きのオペラなのだ。


みんな、本格的な衣装を纏い、演技をし、P席を取り払って簡易な舞台が作られ、照明も、プロジェクトマッピングも駆使して、かなり本物の舞台に近い作りなので、まずは、驚いた。


独唱者達は、中には何度も舞台で聴いている人が数人いたが、ほとんどが初聴きだった。しかし、当然みんな巧い!


ホールオペラ®️はかなり魅力的だ。

1階席からは舞台がやや高い。字幕はもっと高い。

ので、むしろ2階席からの方が楽ちんに鑑賞できるかもしれない。

ともかく、お客には手頃な料金で、若手歌手には得難い舞台経験を与える良い企画だ。

独立公演は無理だろうから今回の様な谷間の利用はとてもいい。


♪2021-108/♪サントリーホール-13

2016年11月23日水曜日

第7回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル2016 桐朋&昭和

2016-11-23 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョシュア・タン:指揮(桐朋)
桐朋学園オーケストラ
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136
バルトーク:管弦楽のための協奏曲
渡邊一正:指揮(昭和)
昭和音楽大学管弦楽団
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

在京9音大のオケが4日間にわたり、ミューザ川崎シンフォニーホールと池袋の芸術劇場で演奏会を毎年開催して今年が7回目だそうだが聴きに行ったのは今回が初めて。
これとは別に各音大の選抜メンバーによる合同演奏会も毎年3月にあり、こちらは前回聴いて異次元の音楽体験だったので来年のチケットも既に購入済み。

各音大が独立して演奏する機会は(昭和音大を除いて)なかったが、全4回9音大すべての演奏を聴くことはできないので、今日の桐朋+昭和と来月の東邦+洗足の回を聴くことにした。

各大学の演奏の前に共演大学の学生が作曲したファンファーレがその大学の学生によって演奏された。エールの交換なのだそうだが、現代的なファンファーレで金管のみ又は金管プラス打楽器という小編成だが、2作ともあまり面白い作品ではなかった。

最初に桐朋のモーツァルトは弦楽のみで、これがなかなかきれいだし結構分厚い音をだすので、まるでプロのようでさえあった。
バルトークは管・打楽器も大活躍で、楽器見本市のような面白さはあるけど、これはオーケストラによほどの熟達した腕がないとバラバラの感じがしてしまう。ま、そんな、今一歩という感じだったが、さすがに東京藝大とともに優れた音楽家を輩出している音大だけにとても学生オケとは思えないレベルの高さを感じた。

それにしても圧倒的に女学生が多く、ディベルティメントは小編成だったので数えてみたら全員で35名(弦のみ)のうち男子学生はわずかに4人だけだった。
2曲めの管弦楽編成になってもその割合は似たようなもので、後半の昭和大学も…こちらははっきりとした記憶はないのだけど、やはり女性が多数を占めていたと思う。

実社会では女性の活躍が期待されているが、音楽の世界ではむしろ男性の活躍が期待されるな。

昭和音大の方は、管弦楽にややまとまりを欠いたように聴こえたのだけど、何と言っても音楽が素晴らしい。管楽器も打楽器もかっこよく大活躍するチャイコの5番が圧倒的な心地よさとカタルシスを与えてくれた。

♪2016-161/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-27