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2022年12月18日日曜日

「第九」2022-❹ 横浜交響楽団 第720回定期演奏会 ”横響・第九演奏会”

2022-12-18 @県民ホール



指揮:鈴木衛
合唱指揮:泉翔士

横浜交響楽団
横響と第九を歌う会合唱団/横響合唱団

鳥海仁子:ソプラノ
高橋ちはる:アルト
土崎譲:テノール
池内響:バリトン

ベートーべン:序曲「レオノーレ」第3番
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱つき」


2019年まで横響の「第九」といえば、16型オケに合唱団が600人と、まるで「千人の交響曲」並みの規模で、2,500席の県民ホールを満席にできる数少ないコンサートだった。
コロナに倒れ雌伏2年。ようやく大規模な「合唱付き」が復活…とまではいかん。いまだ道険し。

それでも、約200名の合唱団が、舞台に並ぶ…かと思ばこれが変則で、これまで見たことも聴いたこともない合唱2分割。
卵サンドならぬオケサンドイッチだ。

舞台に並びきれなかった合唱70弱を客席前方に降ろした。
それで客席側合唱には別に指揮者が付いた。

1階客席は27列?より後ろしか客席に使えなかったので、1階の真ん中の真ん中で聴きたい!と駄々をこねることもできず、僕は2階中央に座らざるを得なかった。まあ、そこでも格別悪い席じゃないんだけど。

それにしても、眼下に合唱別動隊。
合唱本体と独唱は遥か舞台後方に。

こんな形になったのは、舞台上の合唱人数がホール側から制約を受けたからだろう。音楽堂は40名までという話も聞いた。県民ホールはせいぜい120名といった辺りで決着がついたか(ミューザは230人も並んだのに!)。

3年ぶりなので何としてもう歌いたい!という合唱人の為に苦肉の策が捻出されたのだろう。

でも、そこまでして合唱を増やす必要があったのか?
舞台だけでも120人以上居たのだから。
神奈川フィルの「第九」の合唱はプロだが39名で格別不満もなかった。日フィルはアマ合唱で80人強。それを思えば120名も居たら十分だったが、この日の第九はオケの為でもお客の為でもない。合唱団の為なんだものな。

独唱は鳥海仁子Sp/高橋ちはるAlt/土崎譲Tn/池内響Br。

演奏の出来は、残念なところがポツポツ。特に一番おいしい終楽章低弦のレシタでは2-3名ツボを外している人あり。

終演後は、蛍の光の合唱でお客を送り出してくれるのが恒例だ。
ともあれ、ここまで辿り着くには大変な苦労があったのだろう。蛍の光を背中で聞いて、少しうるっとしながら、帰途に着いた。


演奏好感度★60点

♪2022-196/♪県民ホール-18

2016年4月24日日曜日

横浜交響楽団第670回定期演奏会

2016-04-24 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
岩下晶子:ソプラノ
相田麻純:アルト
土崎譲:テノール
大沼徹:バス:
横浜交響楽団
横響合唱団

ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」
モーツァルト:レクイエムニ短調

前半のハイドンは率直に言ってダメだったな。
今日は、曲目に合わせて小編成なので、弦の不揃いがはっきりし、管楽器の頼りなさももろに聴こえてしまう。

最近、横響は腕を上げたと思っていたのに、どうしたことか。

しかし、後半のメインプログラムでは息を吹き返した。というか、オケに数倍する合唱団の迫力の陰で、少々の不揃いが目立たなかったということかもしれない。

声楽ソロは流石にプロだ。きれいな声がよく響き渡る。
横響合唱団もこの曲は歌い慣れているのだろう。全然危なげなかった。
欲を言えば、「トゥバ・ミルム」のトロンボーンソロをもう少しなめらかに決めて欲しかった。

(昨秋の都響とスウェーデン放送合唱団のレクイエムはとにかく素晴らしかったが、その時の「トゥバ・ミルム」のトロンボーンの見事さには大いに驚いたものだ。それを思い出したので、比較してはいけないけど、つい辛い評価になってしまう。)

全体として、ハイドンとはうって変わって良い出来だった。
「レクイエム」は名曲ばかりだけど、やはりモーツァルト絶筆となった「ラクリモーサ」(涙の日)が、<歌曲>としては一番心に染みる。

今日は、開演冒頭に横響理事長のあいさつで、いつもどおり「東北震災復興祈念」と冠しているが、今日のコンサートは併せて、いやそれ以上に熊本の被災者に心を寄せて演奏したい、という趣旨のことを述べていたが、舞台のみならず観客も、その点で一つにつながったのではないか。
今日の演目は半年以上前に発表されていたものだが、この時期に大きな震災が起こるとは悲しい暗合だ。

個人的には、今月16日にはヴェルディの、昨日はブラームスのレクイエムを聴き、今日はモーツァルトのレクイエムが続くとはまことに不思議な偶然だ。


♪2016-049/♪県立音楽堂-03

2015年12月19日土曜日

横浜交響楽団第667回定期演奏会

2015-12-19 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮

独唱: 
ソプラノ⇒村元彩夏
アルト⇒秋本悠希
テナー⇒土崎譲
バリトン⇒小林大祐
合唱:
横響合唱団
横響と「第九」を歌う会合唱団

横浜交響楽団

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


横響恒例の「第九」だ。
この日は、単なる定期演奏会とは様子が違って、演奏する側も聴衆の側もテンションが高まっている。

横響自体、歴史のあるオーケストラで、1932年の創立(第1回演奏会は翌年)だが、「第九」演奏会は1950年が最初だそうな。
今日は第667回の定期演奏会だが「第九」演奏会としては66回目になる訳だ。こんな長い歴史を持ったアマチュアオケが他にあるだろうか。

アマオケが年8回も定期演奏会を開いているのもすごいことだが、おり、通常、会場は県立音楽堂だが「第九」だけはキャパ2,500人の県民センターに移す。
この大きなホールが、ざっと見回して満席になる。
県民ホールで開かれるプロ・アマの「第九」演奏会の中で最大集客演奏会らしい。

合唱団もアマチュアで総数600人と聞いた。
ふだんクラシックコンサートに縁の遠い人でも、これだけの合唱団が参加するとなると、その家族や友達が数人ずつ客席に付けばそれだけで満席になるのかもしれない。

そのせいもあって、会場は一種のお祭りのような雰囲気がある。
このテンションの高さがいい。

客席の熱い期待に応えて、横響と声楽ソリスト、合唱団も大いに気合が入っていた。

横響について言えば、前回の定期演奏会で急に腕を上げたという印象を受けたが、今回も見事だった。
ミスの目立ちやすい管楽器もほとんど問題なし。
プロでも時々は変な音を出すホルンは特に第3楽章に聴かせどころがあるが、これがもう完璧。下手なプロよりうまい。

弦もピッチが合うようになってきたみたいだ。今日はほとんど干渉波を感じなかった。
難点は、音の出だしが揃わない。メンバーの中には気持ちが遅れている人がいる。これは僕もアマオケ経験者としてよく分かる。自分だけ飛び出したくないし、つい周りの音を聴きながら弾き始めるので、ナノセコンドの単位かもしれないが、ピシっとは決まらない。

バイオリンパートの相対的音量不足も感じた。

第4楽章の低弦のレシタティーヴォは、ここも呼吸合わせが難しいところだけど、まずは破綻なかった。もう少し力強く、息を合わせて、ガリッと脂を飛ばしてほしいところだが。

まあ、全体としては非常に良い出来。近年にない優れた演奏だったように思う。


終曲後は、これも横響恒例のオケとソリストと大合唱団が「蛍の光」を演奏してくれるのだが、それを聴きながら観客は大いなる満足感で胸をホクホクして帰路につくのだ。

この冬(夏にも聴いたが)、「第九」はあと4回聴くことになっている。
今日はその第1回目。
とても良い出だしだった。
明日も同じ県民ホールで神奈川フィルの「第九」だ。
プロの技を聴かせてほしいものだ。


♪2015-128/♪県民ホール-04