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2023年4月5日水曜日

東京・春・音楽祭2023 ブラームスの室内楽Ⅹ

2023-04-05 @東京文化会館



バイオリン:矢部達哉、水谷晃*
ビオラ:川本嘉子、横溝耕一*
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ヤン・リシエツキ

ブラームス:弦楽五重奏曲第2番ト長調 op.111*
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調 op.26
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ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 終楽章
*水谷、横溝は五重奏曲のみ出演





弦楽五重奏曲第2番とピアノ四重奏曲第2番というの重量級組合せ。

ブラームスは室内楽を少量多品種作曲していて、弦楽五重奏曲は2曲。ピアノ四重奏曲は3曲。

どのジャンルも1番はよく演奏されるけど2番はなかなか聴けない。
今日の2曲はいずれも生では2回目という貴重な経験。

尤も、家で聴く際は大抵1ジャンル全曲続けて流し聴きしているので、2(3)番も馴染んでいるつもりだ。

ところが、今回、弦五は生で第一声を聴くとまるで違う曲のように聴こえて態勢を立て直すのに暫く要した。家で緊張感ゼロで聴いているといっぱい聴き逃しているのを思い知った。

緩徐楽章も第3楽章も哀切溢れ、終楽章は民謡舞曲風なのは他の曲もだいたい同じだ。

後半のピアノ四重奏曲は1人少ないがピアノが加わるのでやはり表現力が段違い。

冒頭の動機部分は約50分の大曲の幕開けにしては心許ないが、これも計算し尽くしているのだろうな。気を持たせながら本当にチビチビと盛り上がる。

これまで気づかなかったが、今回、第2楽章中間部にチャイコも驚くような哀愁の迸りを発見。
終楽章はお約束の?民謡舞曲風に盛上がって幕。

帰宅後気がついたが1〜4楽章の順に演奏時間が短くなっている。完全な頭でっかちだ。

アンコール演奏があった。その冒頭を聴いてすぐ分かった。ピアノ四重奏曲第1番の終楽章だ。2番の後で聴くとやはり1番はいい。

♪2023-057/♪東京文化会館-05

2022年3月26日土曜日

東京・春・音楽祭 ブラームスの室内楽Ⅸ

2022-03-26 @東京文化会館


バイオリン:辻󠄀彩奈
ビオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
コントラバス:佐野央子
フルート:上野星矢
オーボエ:荒木奏美
クラリネット:三界秀実
ファゴット:皆神陽太
ホルン:福川伸陽
ピアノ:阪田知樹

ブラームス(オズグッド編):セレナード第1番ニ長調 op.11(九重奏版)
ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番ハ短調 op.60


この音楽祭で楽しみにしているのシリーズの一つが、ブラームスの室内楽シリーズだ。不動の川本嘉子に向山佳絵子(チェロが登場しない回もあったが。)を中心に、他は毎回異なる。
今回はピアノ四重奏の前に、記憶にある限り最大編成の九重奏を演奏。これが何と初聴き!

でも、聴きながら変な編成だと思った。
弦が4本に管が5本て、どうもしっくりこない。
帰宅後調べたらブラームスのオリジナルはオーボエの代わりにクラリネットが2本らしいが、今回は各1本ずつ。
いずれにせよ、妙な編成だ。

ブラームスがどこやらの領主に仕えた時期の作品で、スポンサーへのサービスなのか。
その後オーケストラ用に編曲し、併せて室内楽版は廃棄したそうだ。

それで、後年、何人かが九重奏に編曲し直しているらしい。

初めて聴く音楽でも、すーっと入ってゆけるものは多いし、特に大好物のブラームスなので何の警戒心も持たなかったが、残念!馴染めなかった。

管楽器奏者にとっては重要な作品だろうけど、聴く側としては心構えが難しい編成だと思う。

後半はピアノ四重奏曲第3番。
こちらはもう、慣れたもので、やはり、ブラームスはこうでなくちゃ。

溢れる叙情がこれでもか、と襲い掛かるようで、しかし、冷静さを失わない。このストイズムがブラームスの根本的な魅力だ。

昨日に続き、阪田くんのピアノの音の明瞭な事。辻彩奈・川本・向山の弦のアンサンブルも美しく響いた。

♪2022-043/♪東京文化会館-06

2022年3月11日金曜日

第8回被災地復興支援チャリティ・コンサート ~オルガンとチェロで奏でる祈り~

2022-03-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール


秋山和慶:指揮*
オルガン:松居直美◇
司会:山田美也子
チェロアンサンブル:
 山崎伸子、菊地知也、向山佳絵子、長谷川彰子、
 大友肇、横坂源、藤原秀章、矢部優典、
 上野通明、水野優也、森田啓佑、築地杏里


●オルガン独奏
J.S.バッハ:前奏曲変ホ長調 BWV 552/1
-----《黙祷》-----
●オルガン&チェロアンサンブル
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
J.S.バッハ:主よ人の望みの喜びよ

●チェロアンサンブル
クレンゲル:賛歌 op.57 (12重奏)*
ポッパー:演奏会用ポロネーズ op.14 (4重奏)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」から荘厳なる曲 (8重奏)
チャイコフスキー:弦楽セレナーデハ長調 op.48からワルツ (12重奏)*
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004からシャコンヌ (12重奏)*
---アンコール---------------------
カザルス編:「鳥の歌」(オルガン&チェロアンサンブル)*


11年前の今日、我が家も震度5。さしたる実害もなかったものの怖い数日を過ごした。ミューザは震度5強で天井崩落し、2年の休館を経て、再開後毎年この日にチャリティー・コンサートが開かれるようになって今日は8回目。

荘重なバッハのオルガン曲で始まり、その後、14:46を期して全員で黙祷した。こういう音楽こそ「献奏」というべきか。

オルガンは松井直美。12人のVcはベテラン、中堅、新星をよくまあ集めたものだ。
新日フィルの長谷川ちゃんも、先頃来脚光を浴びている上野くん、お初だが代役登場の築地杏里さんも。

数曲は秋山御大が指揮をとった。

ポッパーの曲以外は静かで鎮魂にふさわしいものばかり。

昨日の東フィルは、音楽外でいささか緊張を強いられたが、今日は、自分でもおかしいくらい素直に音楽を受け止め、音楽を通して被災者の無念に思いを馳せ、彼の地の真の復興を祈念した。

売上と寄付金は全額被災地復興義援金に充てられる。


♪2022-033/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2021年4月3日土曜日

東京・春・音楽祭2021 ブラームスの室内楽Ⅷ

 2021-04-03 @東京文化会館




バイオリン:加藤知子、矢部達哉
ビオラ:川本嘉子、横溝耕一
チェロ:向山佳絵子

ブラームス:
弦楽五重奏曲 第1番 ヘ長調 op.88
クラリネット五重奏曲ロ短調 op.115(ビオラ版)


東京・春・音楽祭の「ブラームスの室内楽」シリーズは、Ⅳから聴き始めて大いに心動かされたので、音楽祭の中でもワーグナー・オペラ、ベルリン・フィルの室内楽とともに3大楽しみの一つだった。

一昨年Ⅵの内容が素晴らしかったが、昨年は中止に。

今回もワーグナーもベルリン・フィル〜もなくなったので、これにかける期待は大きかった。

当然毎回演奏作品が変わるから楽器編成も異なる。

しかしビオラの出番のない回はない…というか、バイオリン・パートでも今回のようなクラリネット五重奏でも川本嘉子がそのパートをビオラで演奏するので、彼女を中心とする室内楽シリーズとなっている。

今年は弦楽五重奏1番とクラリネット五重奏曲。

前者がとても良かった。

後者も悪くないがどうしてもクラリネットの音色でインプットされているので違和感を覚えるのと、ビオラでは弦のアンサンブルの中に埋没気味だ。ここはやはり本物のクラリネットを入れた方が安心して聴けたのに残念に思う。

メンバーは毎回少しずつ変わるが実力者揃いで、彼らの息のあったアンサンブルは本当に心地良い。

彼らのブラームスを聴きながら、先日聴いたドボルザーク(ピアノ三重奏曲《Dumuky》)と比べると(演奏の良し悪しは関係なく)、作曲家として、ブラームスの力量は格違いだと思った。

ところで、一昨年がⅥで、昨年は公演がなかったのに、なぜ今年がⅧなのか分からないが、是非とも長く続けて格調高いブラームスの本格的な室内楽を聴かせて欲しいものだ。

♪2021-33/♪東京文化会館-03

2019年4月3日水曜日

東京・春・音楽祭-2019-ブラームスの室内楽Ⅵ〜小山実稚恵を迎えて〜

2019-04-03 @東京文化会館


バイオリン:竹澤恭子、小川響子
ビオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:小山実稚恵

ブラームス:
 ピアノ三重奏曲第1番ロ長調 作品8
 バイオリン・ソナタ 《F. A. E.》から スケルツォ
 ピアノ五重奏曲へ短調 作品34

ブラームス全曲シリーズ。
今年は小山実稚恵を迎えてのピアノ三重奏は、バイオリンパートを川本嘉子がビオラでやったのが凄い。
5度低いから高い音を演奏するのは難しいはず。
その代わり弦が太く長いのでバイオリンとは別味で迫力がある。そういえば、17年のブラームス:バイオリン・ソナタ第2番でもこれを川本はビオラで弾いていた。

トリはピアノ五重奏曲。
これはもっと凄かった。
先日のベルリン・フィルメンバーによるブラームス:ピアノ四重奏のアンビリーバブルな音楽に肉薄する出来栄え。

中でも竹澤恭子の入魂ぶりに圧倒された。
この様にして音楽は生まれるのだ…と噛み締めながら、手に汗握りながら、立ちのぼる胸の上気を体感。

最前列で至福の時を過ごした。
滅多に経験できることではない。

♪2019-40/♪東京文化会館-03