2021年4月3日土曜日

東京・春・音楽祭2021 ブラームスの室内楽Ⅷ

 2021-04-03 @東京文化会館




バイオリン:加藤知子、矢部達哉
ビオラ:川本嘉子、横溝耕一
チェロ:向山佳絵子

ブラームス:
弦楽五重奏曲 第1番 ヘ長調 op.88
クラリネット五重奏曲ロ短調 op.115(ビオラ版)


東京・春・音楽祭の「ブラームスの室内楽」シリーズは、Ⅳから聴き始めて大いに心動かされたので、音楽祭の中でもワーグナー・オペラ、ベルリン・フィルの室内楽とともに3大楽しみの一つだった。

一昨年Ⅵの内容が素晴らしかったが、昨年は中止に。

今回もワーグナーもベルリン・フィル〜もなくなったので、これにかける期待は大きかった。

当然毎回演奏作品が変わるから楽器編成も異なる。

しかしビオラの出番のない回はない…というか、バイオリン・パートでも今回のようなクラリネット五重奏でも川本嘉子がそのパートをビオラで演奏するので、彼女を中心とする室内楽シリーズとなっている。

今年は弦楽五重奏1番とクラリネット五重奏曲。

前者がとても良かった。

後者も悪くないがどうしてもクラリネットの音色でインプットされているので違和感を覚えるのと、ビオラでは弦のアンサンブルの中に埋没気味だ。ここはやはり本物のクラリネットを入れた方が安心して聴けたのに残念に思う。

メンバーは毎回少しずつ変わるが実力者揃いで、彼らの息のあったアンサンブルは本当に心地良い。

彼らのブラームスを聴きながら、先日聴いたドボルザーク(ピアノ三重奏曲《Dumuky》)と比べると(演奏の良し悪しは関係なく)、作曲家として、ブラームスの力量は格違いだと思った。

ところで、一昨年がⅥで、昨年は公演がなかったのに、なぜ今年がⅧなのか分からないが、是非とも長く続けて格調高いブラームスの本格的な室内楽を聴かせて欲しいものだ。

♪2021-33/♪東京文化会館-03