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2025年2月16日日曜日

小林美樹&小林有沙 デュオリサイタル

2025-02-16 @リリスホール



小林美樹:バイオリン
小林有沙:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番へ長調 Op.24「春」
武満徹/森山智宏編:さようなら~恋のかくれんぼ~めぐり逢い
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
R.シュトラウス/フバイ編:4つの歌から「明日の朝」Op.27-4
R.シュトラウス:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18
-------------------
マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ




小林美樹は、2014年に神奈川フィルのフレッシュコンサートで初めて聴いて以来、オケとの共演の他にもリサイタル、室内楽などでずいぶん多く聴いている。横浜出身というせいか、市内の小ホールでも聴く機会が多い。数えてみたら今日で14回目だった。
石田組長には遠く及ばないが、よく聴いていると思っていた神尾真由子より3回多い。てことは女性Vnでは1番かも。

今日のリリスホールは彼女が初めて本格的なリサイタルを開いたところだそうだ。お姉さんの有沙さんとの共演も2回目で、前回はブラームスのソナタ全曲@文化小が素晴らしかった。

今回のプログラムは、超有名曲と初めて聴く曲が混在していたが、さらっとやってのける超絶技巧が相変わらず正確で安定感があり、艶っぽい。

♪2025-024/♪リリスホール-01

全席指定 1階 F列 14番 3,000円

2023年7月29日土曜日

横濱音楽物語1️⃣

2023-07-29 @フィリアホール



バリトン:坂下忠弘(加耒徹から急遽交代)
ピアノ:實川風
バイオリン:小林美樹
バイオリン:毛利文香
ビオラ:有田朋央
チェロ:門脇大樹

ドボルザーク:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.51より 第1-3-2楽章
【小林(1st)、毛利(2nd)、有田、門脇】
 ※当時のプログラムの記載通りに、楽章抜粋・演奏順を変更して演奏します。
ワーグナー:レチタティーヴォとロマンス
 ~楽劇『タンホイザー』第3幕から「夕星の歌」(「優しき夕星よ」)
【坂下、實川】
グリーグ:バイオリン・ソナタ第3番ハ短調 Op.45
【小林、實川】
シューマン:
 ひそやかな涙 ~12の詩 Op.35から第10曲
 献呈 ~歌曲集「ミルテの花」Op.25から第1曲
【坂下、實川】
ブラームス:ピアノ四重奏曲イ長調第2番 Op.26
【毛利、有田、門脇、實川】




日本の近代化は横浜で始まった。西洋音楽も然り。
フィリアホールが企画した5年がかり計6回の「横濱音楽物語」の今日は第1回目。今回は黎明期のクラシック演奏会を再現しようとするもの。

山手の丘に今も名前を残すゲーテ座で、1907年(明治40年)、居留民の演奏による居留民の為の演奏会が行われた。
今日のプログラムは、それをそっくり再現したもの。

ドボルザーク、ワーグナー、グリーグ、シューマン、ブラームスと並ぶと、現代人にとってはなんの違和感もないプログラムだが、116年前の人たちにとっては、ほぼ《現代音楽》が並んでいるというところが興味深い。

早く亡くなった順で一番のシューマンこそこの演奏会の51年前に亡くなっているが、ワーグナーは24年前まで生きていた。ブラームスは10年前、ドボルザークは3年前まで生きていた。グリーグは生存中だ。

今の日本に引き直すと、伊福部昭、早坂文雄、久石譲、吉松隆などの作品集を聴くようなものか。

僕も116年前に戻ったつもりで、音楽を聴いてみた。
とはいえ、もう、耳馴染みばかりなので、これらを現代音楽として聴くことは難しかったのだけど、無理無理明治人になり切ってみると、少なくともシューマン、ブラームス、ドボルザークにはそれまでの古典派にはみられない奏法やフレージングに、な〜るこの辺は新しいな、と思ったりもして良い経験ができた。

演奏するのは、今、まさに匂い立つような旬の中堅どころ。全員、横浜に縁のある演奏家ばかりだというが、我が小林美樹❤️以外は横浜とどういう縁があるのか知らない。

Brの加耒徹が不都合で急遽坂下忠弘に変わったが、当然、プログラムに変更はなく、「夕星(ゆうずつ)の歌」と「献呈」が聴けたのも嬉しいことだった。

♪2023-132/♪フィリアホール-03

2022年10月18日火曜日

横浜音祭り2022 横浜18区コンサート 〜藤木大地 & みなとみらいクインテット〜

2022-10-18 @県立音楽堂


藤木大地:カウンターテナー
みなとみらいクインテット
 バイオリン:成田達輝/小林美樹
 ビオラ:川本嘉子
 チェロ:中木健二
 ピアノ:松本和将

シューマン:ピアノ五重奏曲から第1楽章*
J.シュトラウスⅡ:お客を招くのが好き(喜歌劇「こうもり」から)
ベートーべン:アデライーデ
シューベルト:魔王
フォーレ:リディア
マーラー:私はこの世に忘れられた
ブラームス:鎮められたあこがれ**
ドボルザーク:ピアノ五重奏曲第2番から 第1楽章*
モリコーネ:ネッラ・ファンタジア
アーレン:オーバー・ザ・レインボー*
ヴュータン:アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」*
小林秀雄:落葉松
木下牧子:夢みたものは***
村松崇継:いのちの歌
------Enc------------------
木下牧子:鷗***
加藤昌則:もしも歌がなかったら

無印は加藤昌則編曲によるCTn+ピアノ五重奏曲版
*印はオリジナルのピアノ五重奏曲版
**印は木下牧子編曲によるCTn+ピアノ五重奏曲版


横浜18区コンサートの一環。
これまでは各区の区立文化センターの小ホールだったけど、今回は千人超の音楽堂で。これが満席だった。

90分の予定が140分。その後の予定がなくて良かったよ。

悪いけど藤木ファンじゃない。みなとみらいクインテットという怪しい方が目当て。

成田達輝/小林美樹/川本嘉子/中木健二/松本和将ってなかり好みの面子が揃って嬉しや。
しかし、ピアノ五重奏はシューマンとドボルザーク2番から各1楽章のみと「ヤンキー〜」だけで寂しかったが、藤木の歌唱には1曲を除きすべて五重奏で伴奏した。

一番良かったのは最初のシューマンのピアノ五重奏曲。
ブラームスと並んでこのジャンルの最高傑作だと思っている。

それが第1楽章だけって悲しい…が、天の采配だね。明日、横浜シンフォニエッタで全曲聴くので楽しみだ。

「ヤンキー〜」では第1バイオリンを担当した成田が殆ど曲弾きの体で先輩たち4人を引っ張った。これは盛り上がった。

みなとみらい五重奏団と藤木は来年2月にも同面子で演奏会あり。早速、同日昼夜2公演を通しでチケ購入した。

昼の部は今日と全く同一メンバーだが、夜の部は長原幸太/辻彩奈/川本嘉子/辻本玲/萩原麻未とこちらも期待できる。


♪2022-154/♪神奈川県立音楽堂-09

2022年3月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第374回横浜定期演奏会

2022-03-19 @県民ホール



大植英次:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

小林美樹:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲 ホ短調 op.64*
マーラー:交響曲第1番《巨人》 ニ長調
--------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第1番サラバンド


今月は神奈川フィル定期に続いて2回目のマーラー1番。27日にも東響で聴くから1月に3度とは珍しい。

今日は、大植英次の指揮で。

彼の人間性に魅力を感じているので、彼がやりたいようにやってくれたらそれで満足。
今日のようにテンポは自在(過ぎ!)で、歌はベタベタとくどくともOK。

終曲までの道中の各所に大植印を撒き散らした。

あまりに独自色が強くて音楽としてついてゆけないけど、そこも大植流の面白さ。

民族臭プンプンの舞曲集のような軽い俗っぽさをこれでもかと聴かせるのは、案外、マーラーの本質なのかもなあと思いながら聴いた。

前半は小林美樹のメンコン。
冒頭の音が硬くて驚いたが、そのうち普段の柔らかさ、力強さを取り戻した。空調が徐々に本気を出してきたからだろう。

「雨の日はホールの響きが良い」…と言う仮説が、久しぶりに当たった。
こちらは大植流独自色も封印され、品よく正統的メンコンを楽しんだ。

♪2022-039/♪県民ホール-05

2022年3月13日日曜日

ブラームス 室内楽マラソンコンサート第3部

2022-03-13 @東京オペラシティコンサートホール



諏訪内晶子、マーク・ゴトーニ、米元響子、小林美樹、小川響子(バイオリン)
鈴木康浩、田原綾子、村上淳一郎(ビオラ)
辻󠄀本玲、中木健二、上野通明(チェロ)
阪田知樹(ピアノ)
金子平(クラリネット)


弦楽五重奏曲:
第1番 ヘ長調 Op.88 (ゴトーニ/小林/田原/村上/上野)
第2番 ト長調 Op.111 (米元/小川/鈴木/村上/辻󠄀本)
クラリネット:
三重奏曲 イ短調 Op.114 (金子/中木/阪田)
五重奏曲 ロ短調 Op.115 (金子/諏訪内/ゴトーニ/鈴木/辻󠄀本)
-----アンコール-----------------
ブラームス:f.a.e.ソナタ第3楽章(諏訪内/坂田)




♪2022-035/♪東京オペラシティコンサートホール-2

ブラームス 室内楽マラソンコンサート第2部

2022-03-13 @東京オペラシティコンサートホール


諏訪内晶子、マーク・ゴトーニ、米元響子、小林美樹(バイオリン)
鈴木康浩、田原綾子、村上淳一郎(ビオラ)
辻󠄀本玲、中木健二、上野通明(チェロ)
阪田知樹、髙木竜馬(ピアノ)
葵トリオ<秋元孝介(ピアノ)、小川響子(バイオリン)、伊東裕(チェロ)>


弦楽六重奏曲:
第1番 変ロ長調 Op.18 (米元/小林/村上/田原/辻󠄀本/中木)
第2番 ト長調 Op.36 (ゴトーニ/諏訪内/鈴木/田原/上野/辻󠄀本)

ピアノ四重奏曲:
第1番 ト短調 Op.25 (鈴木/葵トリオ<秋元-小川-伊藤>)
第2番 イ長調 Op.26 (ゴトーニ/田原/中木/髙木)
第3番 ハ短調 Op.60 (米元/鈴木/辻󠄀本/阪田)

ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 (米元/田原/葵トリオ<秋元-小川-伊藤>)


Ⅰ部はパスしたが、結果的には聴くべきだった。半日聴くのはツライかと思ったが、Ⅱ部&Ⅲ部を通しても案外、平気だった。

終演がEnc含め21:40頃。
13:30開始だから「ラインの黄金」と「神々の黄昏」をいちどきに鑑賞したみたいなものだ。

開演前にBGM代わりにPfの演奏があった。その音が重くて硬くて、近頃どのホールでも経験しているが、都内の大ホールの中では響きの良い武満Hでもこの音じゃ、かなわんな、と思ったが、不安的中、弦六が始まってもやはり硬い。

弦に潤いがないのが悲しい。

ところが、Pf四以降は響きがころっと変わって、明瞭で美しい。
なぜ?
Pfの音まで変わった理由は分からないが、弦については多分、配置が変わったから。
弦6本が半円状に並ぶとどうしても客席から離れてしまう。

Pf四ではPfの前にこじんまりと弦3人が並ぶので弦六の配置と比べて2m〜3m前方になった。さらに弦の後ろではPfの屋根が音を跳ね返す。これで、調子が出た。

前方一桁列のそれも前の方で聴いていたので配置の違いによる響きが如実だったが、遠くで聴いていたらあまり変化は感じなかったかも。

そんな訳でPf四以降は響きに何の不満もなく、全てを楽しんだ。
色々と発見もあった。CD等ではよく聴いているつもりでも、やはり聴き流していることが多い。生演奏が齎す緊張の中に身を置くと、新鮮なフレーズを発見したり、ブラームスが緻密に設計した内声の重音の美しさに気づいたり。

16人が入れ替わり立ち替わり登場した。殆どは何度も聴いているが、初めての人もいた。おそらく今回初顔合わせEnsが多い中で、唯一既成Ensの参加は葵Trioで、Vnの小川響子は以前に凄腕を聴いていたが、Trioとしては初めて(4重奏の中の面子として参加)聴いた。今後は注意しておこう。

♪2022-034/♪東京オペラシティコンサートホール-1

2021年9月25日土曜日

第17回身体にいい音楽会<室内楽演奏会>

 2021-09-25 @リリスホール


泉真由:フルート
宮村和宏:オーボエ
小林美樹:バイオリン
須田祥子:ビオラ
門脇大樹:チェロ


モーツァルト:フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285
J.C.バッハ:五重奏曲ハ長調 Op.11-1

医療講演:小林修三<モーツァルトの音楽と病>

ハイドン:ロンドン・トリオ第1番ハ長調 Hob IV-1
モーツァルト:オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370
ジュースマイヤー:五重奏曲ニ長調 SmWV 602


こんな名前の音楽会シリーズがあるとは知らなかった。

本郷台駅前のリリスホールも初めて。よく鳴るホールだった。

途中に医師の講演が。

これがなかなか良い話で<モーツァルトの音楽と病について>。


話を聴いてモーツァルトの音楽に対する聴き方が変わったように思う。


弦が3人+フルート+オーボエで、トリオから五重奏曲まで全5曲。


冒頭のモーツァルト:フルート四重奏曲第1番は大好きな曲。

後半のモーツァルト:オーボエ四重奏曲は昨日の新日フィル定期でのオーボエ・アンコールでその第2楽章だけ聴いたのを今日、全曲を聴く事ができるたとは良い偶然。


モーツァルトの弟子で「レクイエム」を完成させた事で有名なジュスマイヤーの五重奏曲は初めてだが、その音楽はモーツァルト風というよりハイドン風だった。


やっぱりモーツァルトには哀愁がある。


僅か35年の人生は病との闘いでもあったようだ。

僕のような非力の凡人は、ちょっと体調が悪いともう何にもする気が起こらないが、モーツァルトはそれと闘い、生命を削って美しい音楽を書き上げたと思うと、前述の2つの四重奏曲の第2楽章に心洗われる思いがした。 


彼の「哀愁」は病の中から生まれた厭世観を反映しているのだろうか。


因みに、医学講演の先生はこの会の主催者でもあると同時に、ある有名な音楽家の父君でもある。

初めて謦咳に接し、この父ありてこの娘ありか、と納得した。


♪2021-101/♪リリスホール-01

2021年6月9日水曜日

小林美樹バイオリンリサイタル

 2021-06-09 @東京文化会館


バイオリン:小林美樹
ピアノ:小林有沙

ブラームス:
バイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op.78
バイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.100
バイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108
--------------------
ブラームス:5つの歌曲 Op.105から第1番「歌が導くように」(歌の調べのように)
 



先月もリサイタルを聴いたが、その時はCD発売記念と言うことで収録された小品が中心だったがいずれも素晴らしく、個人的好みを言えば彼女のサン=サーンスのロンド・カプリチオーソを聴くのは初めてでは無かったが益々艶が出てきた。

いずれにせよ、とても充実したリサイタルだった。


今回は、大好物のブラームスのソナタ全曲。期待は高鳴る。


さて、自由席には困ったものだ。ワクチン打った翌日で熱はないのに熱っぽく、良席を求めて並ぶのはしんどかったが、無理して並んだその甲斐あって真ん中のかぶりつき!

この小ホールは良く鳴るので、どこで聴いてもそれなりに聴こえるけど、やはりこういう編成だとかぶりつきたい!


指板を打つ音も聴こえる距離。


大好きな曲なので何度も聴いている。

特にこのリサイタルにゆくことを決めてからはCD、映像Discで暇さえあれば聴いていた。


しかし、実際に、ナマで、実に緻密な音楽の緻密な演奏に接し、これまでのブラームスのイメージは一変した。

僕はこれまでブラームスの何を聴いていたのだろうか?


ブラームスを大雑把にいえば禁欲のロマンチストというイメージで捉えていた。ま、大抵その括りで音楽を受け止めることができた。


が、今回、「バイオリンとピアノの為のソナタ」全3曲を通してその溢れるエネルギーに圧倒された。そして題名どおり「ピアノの為のソナタ」でもあることを痛感した。


姉妹の丁々発止の掛け合い、合いの手、ヒタと寄り添うアンサンブルの妙。まさしく音楽を聴くという悦びに包まれた100分だった。


ワクチン副反応で内心から熱に浮かされていたのかもしれないけど、滅多に得られない知的な刺激と芳醇な体験を抱えて上気したまま帰途に着いた。


♪2021-52/♪東京文化会館-04

2021年5月4日火曜日

小林美樹 バイオリンリサイタル&トーク 〜Anthology

2021-05-03 @関内ホール


小林美樹:バイオリン
坂野伊都子:ピアノ

ドボルザーク(クライスラー編):スラヴ幻想曲
ブラームス(ハイフェッツ編):5つの歌曲 作品105から 第1番「歌が導くように」
ガーシュウィン(ハイフェッツ編):《ポーギーとベス》から「そんなことはどうでもいいのさ」
パガニーニ:カンタービレ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ヴィターリ:シャコンヌ
ルビンシテイン:2つのメロディ 作品3から第1番「へ長調のメロディ」
首藤健太郎編:さくら変奏曲
武満徹(森山智宏編):武満SONGSから「さようなら」、「恋のかくれんぼ」、「めぐり逢い」
シューマン(アウアー編):《ミルテの花》作品25から 第1番「献星」
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ
---------------------
メンデルスゾーン(クライスラー編):無言歌集から第25番「5月のそよ風」
モンティ:チャールダッシュ

気合の入った演奏会だった。

全曲間に美樹嬢によりMC(解説〜エピソード)が入り、一曲一曲にとても共感を覚えながら名曲と妙技を楽しんで満足度120%!

先日のNHKBSクラシック倶楽部のインタビューでも人柄が偲ばれたが、あれはよそゆきで実際はもっと率直で気さくなのに驚いた。

昨秋発表したCD「Anthology」の発売記念コンサートということで、CD収録曲全11曲+2曲が演奏された。

特に素晴らしかったのは、
ヴィターリ:シャコンヌ、
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ、
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソは心にも腹にも染みわたり満腹状態。

終演後、コロナ禍では珍しく演奏家によるホワイエでのお見送りがあった。

彼女はステージで、サイン会でゆっくりお話ができないのが残念と話していたが、立話はできたので、ホンのごあいさつをしたが、気取りのない態度にますますファン度が昂じてきたよ。

来月のブラームス:ソナタ全曲が楽しみ!

♪2021-043/♪関内ホール-01

2019年7月6日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第349回横浜定期演奏会

2019-07-06 @みなとみらいホール


西本智実:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

小林美樹:バイオリン*

プロコフィエフ:古典交響曲ニ長調 op.25
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲 ホ短調 op.64*
プロコフィエフ:バレエ音楽《ロメオとジュリエット》op.64 から抜粋[西本智実版]
-----アンコール-----
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第3番からラルゴ*
プロコフィエフ:バレエ音楽《ロメオとジュリエット》op.64 から「ガヴォット」


プロコフィエフの2曲に、メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトが挟まれたプログラムってコンセプト不明だが、これがなかなか良かった。
独奏バイオリンの小林美樹は、ほぼデビュー時から聴いているがどんどん巧くなってきた。なんて達者な腕前だろう。
まったく、文句の付けようのない完璧な演奏というのが、むしろ欠点と言いたたいくらい。強いて難を言えば教科書っぽい…かな。ここ数日間で、辻彩奈、樫本大進というスグレモノの妙技を聴いた身には、あまりに健全で、かえって、その音楽性に距離を感じてしまうのだから困ったものだ。

第1曲の「古典交響曲」は腕慣らし。
メインの「ロメオとジュリエット」は組曲版ではなく西本得意のバレエ音楽全52曲からの13曲抜粋版だ(5年前にも同じ日フィル・西本指揮・みなとみらいホールで聴いた)。

指揮者によっては、抜粋版でも曲の組み合わせはまちまちだし、組曲版も種類が多いので、いろんな「ロメ・ジュリ」を聴く機会がある。そして何度も聴いているが、いつまで経っても有名な第13曲「モンタギュー家とキュピレット家」の音楽くらいしか頭に入っていないのだけど、<管弦楽>としては、各曲にいろんなオーケストレーションが駆使されていて面白い。

尤もバレエなしのバレエ音楽は、いつも味気ない思いがするが。

♪2019-095/♪みなとみらいホール-29

2017年8月9日水曜日

フェスタサマーミューザ2017 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪コバケンの幻奏 - 夢・情熱≫

2017-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


小林研一郎:指揮
小林美樹:バイオリン*
日本フィルハーモニー交響楽団

ドビュッシー:
 小組曲〜1小舟にて、2行列、3メヌエット、4バレエ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ*
マスネ:タイスの瞑想曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
-------------
アンコール
クライスラー:レシタティーヴォとスケルツォから"スケルツォ"*
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲

オールフランスものだった(アンコールを除く。)。
冒頭はオーケストラのみによるドビュッシーの「小組曲」。
元々はピアノ連弾曲を友人のビュッセルが管弦楽に編曲した。
これは原曲も今日と同じ管弦楽版も聴いたことがあったが、全4曲の第3曲目を聴くまで思い出せなかった。20歳代の作品なので、「牧神の午後への前奏曲」を機能和声を使って作曲したような音楽で、フランス音楽というよりドイツ音楽ぽく感じたが、ところどころに5音音階らしきフレーズも出てきて、その後のドビュッシーの作品を彷彿とさせる。

続いて、小林美樹と管弦楽によるサン=サーンスとマスネの有名曲。
バイオリン独奏者を迎えても協奏曲ではなくバイオリンが主体の管弦楽小品を聴かせるというのは、過去にもコバケン+日フィルで経験しているので、これはマエストロの好みなのかも。
2曲とも非常に美しいメロディーでこれはこれで楽しめた。

小林美樹を初めて聴いたのは2014年の3月、若手ソリストと指揮者による神奈川フィルとの共演だったが、あれから3年半で、容貌がすっかり大人びて美人になった。腕前の方は、上達しているのだろうけど、元々ヴィエニアフスキーコンクール2位という実力者だ。素人耳では分かるはずもなかろう。とてもメリハリのついた安定感のある音楽だった。

メインが「幻想交響曲」。100人近い特大オーケストラ。
何度もナマを聴いているが、その都度、聴きどころならぬ見どころを忘れてしまっているので、聴く度というか舞台を見る度に発見があって新鮮とも言えるが、ティムパニー2組を4人で演奏する箇所があったんだ。バスドラムも2台同時に、バスチューバも2本同時に演奏するし、なるほど迫力がある訳だ。オーボエのバンダがあることも今日始めて気が付いたが、次回聴く時には忘れてしまっているだろうな。

今日の日フィル、管も弦も高水準で、とりわけ低弦のアンサンブルがぞくぞくするほど綺麗だった。音に色気がある。
いつでも、どのオケでも「幻想交響曲」はハズレがないが、今日の演奏も満足度大だった。時々音楽で遊びが出るマエストロも、今日のプログラムでは遊ぶようなところもなく、正統的解釈を徹底していたように思う。

長崎に原爆が投下された8月9日ということで、アンコールにマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が演奏されたが、これが心に染み込んだよ。

♪2017-136/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22

2015年3月7日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団第307回定期演奏会

2015-03-07 @みなとみらいホール


広上淳一:指揮
小林美樹:バイオリン
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ラーション:田園組曲 Op19
ステンハンマル:2つの感傷的なロマンス Op28
シベリウス:(バイオリンと弦楽のための)組曲ニ短調  Op117
シベリウス:交響詩「タピオラ」 Op112
グリーグ:「ペール・ギュント」第1、第2組曲
--------------------
アンコール
菅野祐悟:「天才官兵衛」(軍師官兵衛から)


3月に入って最初の1週間で、神奈川フィルの定期演奏会が2回。定期外演奏会が1回と、神奈フィルウィークだ。

さて、今日は北欧特集だった。
と言っても、シベリウス(フィンランド。今年生誕150年)、グリーグ(ノルウェー)は知っているけど、ラーションとステンハンマルなんて名前も音楽も聞いたことないぞ!

そのラーション(ラーシュ=エリク・ラーション)は1908年にスウェーデンで生まれ、亡くなったのは1986年だからまさに20世紀の人だ。
ベルクに師事し12音技法を学んだと解説にあるから相当難しい音楽かなと思っていたが、「田園組曲」に限っては、後期ロマン派を思わせる分かりやすく(調性もある)、軽妙な音楽だった。3つの部分「序曲」、「ロマンス」、「スケルツォ」でできているが、古典的な意味での「組曲」は舞曲の集まりだから、これはむしろ交響詩のような感じか。

次のステンハンマル(ヴィルヘルム・ステンハンマル)は同じくスウェーデン人で1871年生まれ。ラーションより一世代前だ。でも活躍したのは20世紀。
どんな音楽だろうかと思っていたら、「2つの感傷的なロマンス」もやはり後期ロマン派でも通るような作風だ。
独奏バイオリンと管弦楽によるバイオリン協奏曲風だ。タイトルどおりにセンチメンタルなメロディーをバイオリンが咽び泣くように奏でる。


独奏バイオリンの小林美樹は前回のヴィエニャフスキ国際コンクール(5年に1回)で2位になった人だ。この1年で3回目になるが、舞台度胸も貫禄が出てきたように思う。

次は同じ小林美樹の独奏でシベリウスのバイオリンと弦楽のための組曲。
3つの小品からできていて、いずれも親しみやすい。作品番号から、たぶん最後の作品だが、交響曲や交響詩に見られるようなフィンランドのどんよりした冷気などとは無縁で明るい。
なかなか聴けない曲だと思うので、ようやく見つけたYoutubeのリンクを張っておこう。

タピオラも良い演奏だった。


しかし、一番はやはり本日のメインイベント「ペール・ギュント組曲」だった。

若い時分からこれが好きで、ボロボロに成ったピアノ用スコアを今も持っているが、発行年月日が記載されていないけど、日本楽譜出版社発行で値段は50円。因みに同じ会社の同じスコアは現在540円だ。ああ、いったい何年前の楽譜だろう。


第1、第2組曲計8曲がどれも魅力的だ。
中でも「オーゼの死」や「ソルベーグの歌」は胸かきむしられる甘美で哀愁に満ちている。特に「ソルベーグの歌」は物語を知っているだけに胸に迫るものがあったな。

今日の神奈川フィル。
全く破綻を感じさせなかった。
響がよく統率されているし、管楽器で目立つような部分もなく、久しぶりに大いなる満足を味わった。

日本一忙しい指揮者らしい広上淳一の力量がオケの団員にも乗り移ったか。
シーズンの掉尾(ちょうび)を飾るにふさわしい良い出来栄えだった。

♪2015-21/♪みなとみらいホール-08

2014年5月10日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団第297回横浜定期演奏会

2014-05-10 @みなとみらいホール



小林美樹:Vn
山田和樹:指揮 
日本フィルハーモニー交響楽団

コルンゴルト:バイオリン協奏曲ニ長調Op35
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調Op27


●昨日に引き続きみなとみらいホールだが、昨日は前から2列目という過酷な鑑賞環境だったが、今日は、定期演奏会なので、いつもの3回最前列席正面という、遠いけど、バランスよく音楽が聴こえる席だ。
たしかに、昨日とは全然音の響きが違う。
いくら舞台そばが好きと言っても、近づきすぎては音のバランスが悪い。

●コルンゴルトという作曲家の名前を知ったのはつい最近のことで、今年3月の読響定期で彼のヴァイオリン協奏曲を初めて聴いた。

半世紀にわたるクラシック音楽ファンにして、日本のオーケストラが演奏会で取り上げるような作曲家を(初演は別として)知らない、なんて、ちょっとショックだった。
まあ、もう一度聴く機会は数年間はあるまいと思っていたけど、なんてことはない。1月強で再び聴くことになった。

前回からあまり日が経っていないので、音楽全体の感じはぼんやりと覚えていて、あと数回聴けば自分のテリトリーに入ってくるという感じだ。

元々ハリウッドで映画音楽も書いていたという人なので、ところどころに映画音楽風なメロディーが登場して、現代曲(1945年)ではあるけど、親しみ易い。


●ラフマニノフの交響曲第2番も恥ずかしながら聴くのは初めてだ(厳密には放送で聴いているかもしれないけど、記憶が無い。)。
20歳台に発表した第1番は大コケしたらしく、長くそのトラウマに悩まされながら30代にして満を持して発表した第2番は満場の喝采で迎えられたという。

ラフマニノフといえば4曲のピアノコンチェルトが超有名だが、この交響曲の第1楽章だったか、第2楽章だったか記憶が定かではないけど、彼のピアノ協奏曲と同じ楽想の断片も出てきたように思う。

全体が、ラフマニノフ印(ピアノ協奏曲にみられる旋律と類似)で満たされた、どちらかと言うと甘美でドラマチックな音楽だ。
第3楽章のAdajioはラフマニノフらしい癒し系の心地よさがある。
ただし、演奏に60分を要する大曲で、今の僕の感受性では間延び感は否めない。


●さて、バイオリンのソリストは小林美樹。この人の演奏も3月はじめに聴いたばかりだったが、前回(モーツァルト5番)より一段と貫禄を増して別人のようであった。

●今日のゲスト・コンサートマスター白井圭クン。
「熱狂の日」でベートーベンの七重奏曲を聴いた時のバイオリニストで、巧いしメンバーのリードも良かったと思ったが、1週間後にこの大舞台で再会するとはこれも縁だ。今後の活躍に注目していようと思う。

余談だが、ベートーベンの七重奏曲でチェロを弾いていた横坂源クンも、7日早朝に放映されたNHKEテレのクラシック倶楽部で、ブラームスの六重奏を演奏していた(再放送)。優れた若者がキラ星のようにいるんだ。

♪2014-51/♪みなとみらいホール21

2014年3月8日土曜日

神奈川フィル フレッシュ・コンサート Vol.8 ウィーン古典派の名曲に挑む若き俊英たち

2014-03-08 @県立音楽堂
小林美樹(バイオリン)
佐藤麻理(ピアノ)
指揮:杉本優
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
ベートーベン/ピアノ協奏曲第4番
ベートーベン/交響曲第4番

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今日の音楽堂は文字どおりの満席だった。一つの空席も見当たらなかったが、どうやら格安に設定されたシニア料金のせいではなかったか。周りを見回してもご同輩の多いこと。
ご同輩が多くなると休憩時間のトイレが男子用も行列で、とくに今日はかつて見たことがない長さだ!
写真を撮りたかったけどヘンなやつと思われるに違いないからやめたけど。

敬老コンサートみたいだったけど、プログラムはフレッシュ・コンサートで、神奈川県ゆかりの若手指揮者とソリストによる馴染みの名曲が並んでいた。こういう独墺の古典派ないしロマン派の音楽は何を聴いてもまず間違いがない。楽しめる。

今日は、昼間に音楽堂の近くの青少年センターで「建築と音楽」の話を聞いた(つまらなかったけど)こともあり、音楽堂の響について関心を持ちながら聴いてみたが、やはり、音響はとてもソリッドだ。

この音が弦楽合奏には輪郭をピシっと決めて良い感じだが、ピアノにはどうかと思った。残響の長いホールで聴くようなまろやかなキラキラ感が少ない。
しかし、年初に同じホール、同じオケでピアノと管弦楽を聴いているが、そんな感じを受けなかったのは、やはり聴く場所の違いかもしれない。
今日は前から11列目だったのでまるでタッチの音まで聴こえるような明瞭さだが潤いに乏しい。次回ピアノ協奏曲でも聴く機会があれば思い切り後ろの席を選んでみよう。

指揮者とソリストはプロデビューして間もない人たちだけど、いずれも現在ウィーン留学中ということだった。
音を外したり指揮台から転げ落ちたりすりゃ、あ・下手!と思うけど、そんなこともないので(気がつかないのかも)、堂々たる技量だと思う。

特に、若干23歳の指揮者杉本くんには驚いた。大柄なこともあり、背中をみている限りベテラン指揮者のような自信に満ちた指揮ぶりだった。自分より年かさばかりの集団を意のままに動かすには何より音楽性が第一としても魅力的な人間性も備えていなくては大成できないだろう。あの笑顔にはその魅力があると思ったよ。


♪2014-19♪県立音楽堂-06