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2024年5月17日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ≪クリスタル・ヴォイス≫森麻季 ソプラノ・リサイタル

2024-05-17 @みなとみらいホール



森麻季:ソプラノ
山岸茂人:ピアノ(*ピアノソロ)

プッチーニ:私のお父様 ~歌劇「ジャンニ・スキッキ」から
プッチーニ:私が街を歩くと/ムゼッタのワルツ ~歌劇「ラ・ボエーム」から
ベートーべン:ピアノソナタ第8番ハ短調 作品13《悲愴》から 第2楽章*
山田耕筰:この道
山田耕筰:からたちの花
越谷達之助:初恋
フォーレ:ノクターン第4番変ホ長調 作品36*
ドビュッシー:星の夜
リスト:夢に来ませ
プッチーニ: 私の名はミミ ~歌劇「ラ・ボエーム」から
プッチーニ:ドレッタの夢 ~歌劇「つばめ」から
ベッリーニ:おお!幾たびか ~歌劇「カプレーティとモンテッキ」から
ショパン:ノクターン第2番変ホ長調 作品9-2*
プッチーニ:お聞きください、王子様 ~歌劇「トゥーランドット」から
プッチーニ:海にも陸にも春風はそよぎ ~歌劇「蝶々夫人」から
プッチーニ(ホジャイノフ編):《蝶々夫人》から ハミングコーラス*
プッチーニ:ある晴れた日に ~歌劇「蝶々夫人」から
-----------------------
シューベルト:アヴェ・マリア
マスカーニ:アヴェ・マリア



森麻季を聴く機会は多かったけど、リサイタルは初めて。
アンコールを含め15曲を歌った。

きれいで可愛らしく、スタイルもそこそこスリムで、白雪姫のようなピカピカドレスがかくも似合う人は少ないのではないか。

P席や袖上の席のお客さんにもクルクル回りながら顔を見せ、声を通し、サービスに努め、愛想を振りまいた。
プログラムはうち8曲はプッチーニの馴染みの名曲揃い。その他も親しみやすいものばかり。

前半、イマイチ聴きどころが少なかったが「ミミ」で覚醒したかのような拡声が大ホールに轟いた。

後半は、すっかり喉の調子が良くなったか、《クリスタル・ヴォイス》とやらが本領発揮。ステージングも控えめなMCだがとても好感を与えて満足度の高いリサイタルだった。

…とここで止めておけばかわいいのに、やはり正直に書いておこう。

歌い方に独特の癖がある。
これまでは「第九」やオラトリオなどドイツものを中心に聴いてきたので、気付かなかったが、うんと近くで15曲も聴くと嫌でも森節が耳に付く。

フレーズの頭がポーンと出ない。
とても小さな声で始まり、半拍かそのまた半拍か遅れてぬ〜と声が出てくる。
そうでない歌い方も2曲くらいあったが、ほとんどが、さぐり歌いのような、歌い方で、これは気持ちが良くない。
こんな歌い方をするオペラ歌手は他に知らない。

それに、コテコテと飾りすぎる。歌の表情が濃厚すぎて違和感を覚えるのだ。もっと、フツーの歌い方で聴きたい。

2024-065/♪みなとみらいホール-015

2024年1月11日木曜日

尾城杏奈ピアノリサイタル

2024-01-11 @さくらプラザホール


尾城杏奈:ピアノ

ジャン・フィリップ・ラモー:
 新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)ガヴォットと6つのドゥーブル
 新クラヴサン組曲集 第2番(第5組曲)エジプトの女
セザール・フランク:
 プレリュード、コラールとフーガロ短調
クロード・ドビュッシー:
 喜びの島イ長調
オリヴィエ・メシアン:
 (幼子イエスにそそぐ20のまなさし>から
  第1曲<父なる神のまなざし>
  第2曲<星のまなざし>
  第10曲<喜びの聖霊のまなざし>
  第15曲<幼子イエスの口づけ>
  第20曲く愛の教会のまなざし>
-----------
スクリャービン:ワルツ作品38
リスト:ラ・カンパネラ



尾城杏奈は21年に神フィル・新人演奏会で聴いた。その時もラヴェルのPf協。
この春芸大院卒業予定を機に地元でのリサイタル。
本篇は徹頭徹尾もの。この姿勢が立派。

初聴きのメシアン大作(40分)も案外聴きやすい音楽で楽しめた。

♪2024-004/♪さくらプラザホール-01

2023年12月6日水曜日

第1999回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2023-12-06 @サントリーホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団
アリス=紗良・オット:ピアノ*

ハイドン:交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.Ⅰ-100
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調*
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ作品132
-------------------
サティ:グノシエンス第1番*





先月のA1定期ではみんな死んでいたのに、今日は生き返って、N響らしいアンサンブル。が…、

今日のハイドンがどうもしっくりこない。
N響でもハイドンを演奏する場合は、大抵弦編成は8-10型の小編成が多かったように思うが、5月Bのルイージ98番は今日と同じ14型だった。彼の好みなのか?
弦が大規模で悪いという訳ではないけど、厚みと透明感を備えた弦の響きが洗練されすぎてこれはハイドンなのか?と内心で葛藤していた。
「ルーテ」という珍しい打楽器が使われたが、プログラムでは言及がなかった。これが「軍隊」を表現する小道具の一つなのだが。


アリス=紗良・オットは3回目。N響では2回目。
これまでとは印象がずいぶん変わった。真っ赤なパンタロンドレス?の裾を翻して足捌きも軽やかに登壇すると、その後の所作がすべて軽快そのもの。CCもさっぱりしていてステージングの巧さは、むしろルイージを引っ張っていた。

演奏は、まあ、良かったのだろうが、いつも響の悪いサントリーのPfが、今日はもう信じられないくらい最悪だ。
オケの短い前奏の後にPfの強烈のフレーズが続くが、なんて酷い音だ。木か石を叩いているようで、こりゃPfじゃないよ。
弾いている本人は直接Pfの音を聴いているから何とも思わないかもしれないが、少し離れて聴けばこの酷さには気がつくはずなのに、一向に改善されないのはどうして?

僕の席はど真ん中で、Pfの屋根には88組の弦がそっくり写っているのだから角度も良し。この席でこんなに酷いなら、他の席ではどんな音に聴こえるのだろう?案外フツーに聴こえるのだろうか?
他のホールでも同じような席で聴いているが、こんなに酷いPfの音を聴いたことがない。ゆえに僕の耳の問題ではない。Pf本体の問題でもなく、奏者の問題でもない。

一番不思議なのは、誰も指摘してないことだ。
まるでサントリーホールは「裸の王様」だ。


レーガーは編曲ものが多く、作曲ものを聴く機会が少ないが、今日は珍しく作曲もの(…と言っても変奏曲だが)で、不思議なことに、明日の都響でもレーガーの作曲ものが続く。

前半で気分が落ち込んでいたせいもあって、この作品には面白みを感じなかった。彼の代表作らしいが、ラフマニノフのパガ狂18変奏みたいな、驚きの工夫はどこにも感じらなかった。

♪2023-209/♪サントリーホール-25

2023年7月28日金曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 東京都交響楽団 耳から納涼♪ 北欧名曲選

2023-07-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール



大野和士:指揮
東京都交響楽団
久末航:ピアノ*

ニールセン:狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想旅行」
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16*
 第1楽章 アレグロ・モルト・モデラート
 第2楽章 アダージョ
 第3楽章 アレグロ・モデラート・モルト・エ・マルカート
シベリウス:交響曲第2番ニ長調 Op.43
 第1楽章 アレグレット
 第2楽章 テンポ・アンダンテ,マ・ルバート
 第3楽章 ヴィヴァーチッシモ
 第4楽章 フィナーレ アレグロ・モデラート
-------アンコール--------------------------
リスト:「巡礼の年」第1年スイスから第4局泉のほとりで*


FSMuzaの嬉しいところは、在京オケを次々と定点観測できることだ。そしてほとんどのオケで首席・音楽監督級が登壇する。
都響も、Muzaで聴けるのはこのお祭りだけだ。

北欧の3曲。
ニールセンは9年ぶりに聴いた。前に東響@ミューザで聴いたが、これは明らかに東響の方が良かった。
まあ、腕鳴らしみたいなものだろう。

グリーグからだんだん良くなってきた。

2Wほど前まではどのホールもそれなりに鳴りが良かったが、猛暑のせいか、最近は少し響きが硬くなっている。ミューザにしても同様だ。
てきめんに分かるのがPfの音で、広域は煌めくような輝きがあるが、中〜低域がやや硬い。尤も、全域にわたって美音が鳴りわたるのは滅多にないから、今日(一昨日も)の音でも十分美しい。特に、六一のPfに比べたら、そりゃもう、べらぼうに美しい。

2楽章の終盤にオケと噛み合っていないようなところがあって、ひやっとしたけど、気のせいだったか…。弦12型ではあったけど、オケに埋もれるところもあってやや不満が残った。

メインのシベ2が良い出来だった。都響のことだから16型に拡大するかと思ったが、14型だった。それでも迫力は十分。

この曲は、美味しいところをほとんど管楽器、特に金管が攫っていく。それで、弦の上手側がモヤモヤとして存在感がはっきりしなかったけど、それがシベリウスの狙い所なのだろうか。次にこの曲を聴く時は、弦の中低域に着目してみよう。
なんだかんだ言っても、よくできた音楽だなあと、いつも思う。

♪2023-131/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-15

2023年7月2日日曜日

読売日本交響楽団第127回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-07-02 @みなとみらいホール



アレクサンダー・ソディ:指揮
読売日本交響楽団
反田恭平:ピアノ*

〈生誕150年記念〉
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
-----アンコール--------------
リスト(シューマン):献呈*



前半:反田恭平のピアノでラフマニノフ協奏曲第3番。
僕の経験が乏しいのか、4つある協奏曲中1番と4番は多分ナマでは聴いたことがない。2番と3番だけ。それも2番が7割で3番が3割だ。僕の好みではなく、各オケが定期演奏会で取り上げる割合でもある。せっかくの記念年なのに普段聴けない1番や4番をどこか演奏してくれたらいいのに。

3番は、ラフマ印が刻印されているとはいえ、2番に比べると相当現代的で、実験的だと思う。ピアノの技術をことん追求して、これでもかと超絶技巧を聴かせるのは、それ自体面白い。でも、管弦楽作品としては、オケの聴かせどころが見当たらず、協奏曲というよりピアノの為のオケ伴奏曲か。

気になったこと:普通、独奏者は登壇時、終演時、カーテンコールやアンコール演奏で出入りする時などのいずれかの機会に、コンサートマスター(CM:今日は長原幸太)と握手したり、会釈をしたりするものだが、今日の反田は、何度も出入りしたのに、CMには一瞥もくれなかった。これは見ていて気持ちの良いものではないね。

アンコール演奏が、リスト編:シューマンの「献呈」で、これは大好物。昨日、「おんがく交差点」で小林沙羅の歌う原曲を聴いて幸福感に浸っていたが、不思議な偶然だ。

後半:昨日、N響で聴いたばかりのチャイコフスキー交響曲第4番。
聴きながら思ったのは、N響が、響のよくない葛飾ホール(偶々昨日だけの現象だったかもしれないが)での演奏だったが、なんと力強い熱量を孕んだものであったかを今にして思い返した。今日の読響も、いつもの力を発揮したと思うが、どうも、昨日のN響が頭に残っていて、響が薄いというか、熱量が足らん、と思えて仕方がなかった。
ようやく来たか、と思えたのは終楽章クライマックスだ。読響ブラス!も咆哮し、やっと人心地ついた。

♪2023-116/♪みなとみらいホール-24

2023年5月25日木曜日

ランチタイムコンサート〜音楽史の旅 2023年① リストの超絶技巧曲

2023-05-25 @かなっくホール



倉田莉奈:ピアノ(ホール/レジデンスアーティスト)
司会・解説:飯田有抄(音楽ファシリテーター)

リスト:3つの演奏会用練習曲から「ため息」
リスト:パガニーニ大練習曲集から「ラ・カンパネラ」
リスト:バラード第2番
-----------------------------
リスト編:シューマン「献呈」



今年度はリストにFocus。リストといえば超絶技巧ピアノ。
ということで、レジデンスアーティスト倉田莉菜の演奏・飯田有抄の解説で超絶なのを3曲+1を楽しんだ。

かなっく「音楽史」は大抵いつも楽しめるが、今回は特に僕の好奇心を刺激し、琴線に触れて素晴らしいレクチャー付き演奏会だった。

まずは、飯田女史の解説がとてもいい。草稿が練られているのか、頭が特別にいいのか、論理的で分かり易く、しかも、聴きながら生ずる、それならあれはどう?という疑問を既に織り込んで組み立てられていて、次はその点に話を運ぶ、といった調子で、わくわくさせた。実はもっと”解説”を聴いていたかった。

が、倉田嬢の方も、素晴らしい演奏に加え、ピアニストの立場から、実演を交えてリストのピアニズムを解説してくれたのが、これまた面白い。目から鱗で大いに納得できた。

最後のアンコール演奏にも感激。
リストが編曲したシューマンの「献呈」だ。
アンコールピースの定番みたいだが、リストのピアノ音楽をちょっと深掘りできた後にこれを聴くと一層心に沁みた。

シューマンの幸福に満ちた時期の小品だが、その後の人生を思いやれば、胸が締め付けられるようでもう、ウルウル。

♪2023-090/♪かなっくホール-08

2023年4月16日日曜日

佐渡裕音楽監督就任記念 佐渡裕×辻井伸行×新日本フィル 横浜特別演奏会

2023-04-16 @みなとみらいホール



佐渡裕:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
辻井伸行:ピアノ*

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲 P. 172
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 op. 43
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 「新世界から」
---------------------------------
リスト:ラ・カンパネラ*
ドボルザーク:スラブ舞曲ト短調 Op46-8






4/15のすみだトリフォニーホールと同内容の演奏会。
すみだ〜でもほぼ満員だったが、みなとみらいでも満員盛況だ。

佐渡裕人気も少しはあるかもしれないが、大半は辻井くん目当てだ。
すみだ〜は定期演奏会だったが、横浜では特別演奏会なので全員が1回券を買ったお客ばかり。圧倒的に女性が多い。

僕の席は、どちらも似たような位置だけど、まず、みなとみらいホールは1階席にしっかりと傾斜があり、客席も舞台も明るい。
すみだ〜は舞台を見上げる感じになり、客席内色彩も黒っぽく舞台照明もあまり明るくない。その違いが、すみだ〜の響を暗い印象にしている。

すみだ〜での公演では「新世界から」の終盤のテンポ変更に一瞬音楽がばらけた感じになってしまった。
当然、横浜では修正して臨むだろうと思っていたが、案の定。不自然さがなくなっていた。

そしてやはり、みなとみらいホールの明るい豊かな響に包まれて新日フィルの巧さが一層光った。

上岡ちゃん時代同様、年に数回のみなとみらいホールでの公演を期待するよ。

♪2023-065/♪みなとみらいホール-14

2022年11月5日土曜日

第75回 全日本学生音楽コンクール 全国大会入賞者記念コンサート

2022-11-05 @かなっくホール



●フルート部門
【中学校の部】豊田翼⇒尾高尚忠:フルート協奏曲 Op30bから第2、第3楽章
【高校の部】鈴木義了⇒尾高尚忠:フルート協奏曲 Op.30bから第1、第3楽章
●声楽部門
【高校の部】板戸耀央⇒ヴェルディ:6つのロマンスから「墓に近寄らないでほしい」/モーツァルト:歌劇「フイガロの結婚」から『もう飛ぶまいぞ、この蝶々』
【大学の部】上村誠一⇒フレスコバルディ : そよ風が吹けば/ヘンデル:《ロンバルディア王妃ロデリンダ》HWV19から「暴君よ、生きろ ! 」
●バイオリン部門
【小学校の部】富樫音葉⇒エルンスト:夏の名残の薔薇<庭の千草>による演奏会用変奏曲
【中学校の部】中原梨衣紗⇒サン=サーンス(イザイ編):ワルツ形式の練習曲による奇想曲 Op52/6
【高校の部】金子芽以⇒フバイ:カルメン・ファンタジー
●チェロ部門
【高校の部】西田翔⇒フランク:バイオリン・ソナタイ長調 FWV8から第3、第4楽章(チェロ版)
【大学の部】井上帆乃香⇒カサド:無伴奏チェロ組曲 第1、第3楽章
●ピアノ部門
【小学校】佐藤史悠⇒ショパン作品2曲(本番で変更。聞き取れず)
【中学校の部】朴沙彩⇒リスト:超絶技巧練習曲第5番「鬼火」、第10番へ短調
【高校の部】大山桃暖⇒ショパン:ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 Op 44



全日本学生音楽コンクールの全国大会がみなとみらいホールで行われるようになってから久しいが、66回大会から72大会までは横浜市民賞(聴衆賞)の選定員(応募・抽選)という形で参加していたので、その後開催される1位入賞者の発表会も毎年のように聴きに行った。

近年、忙しいのと体力不足(長時間拘束がツラい)もあって、遠のいていたが、せめて1位の演奏は聴こうと出かけた。
小山実稚恵、千住真理子、諏訪内晶子、神尾真由子、反田恭平などの後継者達だ。

今日は、ほぼ1年前に開催された第75回の全国学コンの1位入賞者が12名、演奏を披露した。

特に演奏曲が、超絶モノばかり?なので、ただびっくりするばかり。
みんな凄いなと感心して聴いたが、特に印象に残ったのは、声楽大学の部は僕の苦手なカウンターテナーだったが、これが美しい。藤木大地もびっくりか。
チェロ部門は2人とも楽器の音に惚れ惚れとした。もちろん演奏も。

それにしても、弦楽器もピアノも、かなっくホールの響の良さをツクヅク味わったよ。休憩も立たず2時間40分座り詰めで、お尻が痛くなった。

♪2022-166/♪かなっくホール-11

2022年9月16日金曜日

東京フィル第974回サントリー定期シリーズ

2022-09-16 @サントリーホール


アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

リスト(バッティストーニ編):『巡礼の年』第2年「イタリア」から
 第7曲 ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲(管弦楽版)
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調


個人的には10月ぶりのバッティ登場。前回は自作フルート協奏曲/チャイコフスキー交響曲第5番の組合わせ。
今回も似た趣向で、自らの管弦楽編曲でリスト「巡礼の年第2年〜」/マーラー交響曲第5番の組合せ。
前者の原曲は数回聴いているだけで馴染んでいないせいもあって、楽しむに至らず。編曲の巧拙は特に感じず。

マーラー5番は冒頭のトランペット・ソロ〜ホルンの旋律が先ずは聴き処だけど両者とも素晴らしい名演というのはなかなか巡り会えず。今回もトランペットは心配しながら…。ホルンはとても良かった。

さて、全体に《これと言って不満もなかった》が、東フィルの実力を出し切っていないと思ったね。
もっとすごい演奏ができるはずなのに!

いつもマーラーの終曲後はしばし疎外感を味わう。
前にも書いたが、どこのオケでもマーラーを演るといつもカーテンコールで客席は熱狂する。
悪くはないけど、彼の音楽で熱狂するくらいなら、ブラームスやベートーベンならバタバタ卒倒して死人が出てもいいくらいだと…いつも思うので、熱狂の輪に入れない。

♪2022-132/♪サントリーホール-16

2021年11月1日月曜日

東京フィル第960回サントリー定期シリーズ

2021-11-01 @サントリーホール




アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

トンマーゾ・ベンチョリーニ:フルート*

バッティストーニ:フルート協奏曲「快楽の園」(日本初演)*
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64
------------------------
J.S.バッハ:無伴奏フルートのための組曲BWV1013からサラバンド*
リスト(バッティストーニ編):『巡礼の年』第2年「イタリア」からサルヴァトール・ローザのカンツォネッタ

前半のバッティストーニ作:フルート協奏曲(日本初演)は、心配したほどややこしい音楽ではなく、楽器も木製?のような柔らかな音色で、初めて聴いたにしては全体として抵抗感はなかった…が再度聴きたいとは思わない。


チャイコフスキーの交響曲第5番は10月22-23(読響-神フィル)の両日に聴いたばかりでいささか辟易していた。


その前2回と異なり、東フィルの編成は、弦が12-10-8-8-6だった。チャイコの5番をこんなコンパクトな編成で聴いた記憶がない。

その割には音圧は高く、輪郭のはっきりした演奏で好感した。

ただし、終楽章の金管の咆哮に対し、流石に弦高域は厚みに欠けた。


さて、なぜか、チャイコ5番は今月中にあと2回聴くことになっている。1か月の間に5回も同じ交響曲を聴くって、取り憑かれている感じだ。


♪2021-098/♪サントリーホール-12

2021年8月5日木曜日

フェスタサマーミューザ2021 東京ニューシティ管弦楽団 ≪新たなシェフを迎え、楽団の次の時代が始まった!≫

2021-08-05 @ミューザ川崎シンフォニーホール



飯森範親:指揮
東京ニューシティ管弦楽団
ピアノ:金子三勇士*

バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 ホ長調*
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
-----------------------
リスト:コンソレーション 第3番 S.172/3 R.12 変ニ長調*


東京ニューシティ管弦楽団というのは、僕にとってほとんど縁がない。滅多に聴かない・聴けないオケで、このFSM(フェスタサマーミューザ)ぐらいしか機会はなく、それも3年ぶりだった。


指揮は、僕の好みに合っているので聴いていて「安心・安全」の飯森範親。

彼の指揮は、たいてい喉越し良く、引っ掛かることがない。


今日は、長尺マーラー交響曲第5番の前に、これも珍しいバルトークピアノ協奏曲第3番という大盤振舞い。


弦の編成は12-12-10-8-7。マラ5はともかく協奏曲には大きい編成だったが、金子のPfがコロコロ鳴って良いバランス。馴染みが少ないのでワクワクするような音楽ではないけど、オケがよくコントロールされているなと思った。


2曲全体を通じて、弦が編成の規模の割には爽快な響で聴きやすい。

その弦アンサンブルは、もちろんマーラー第4楽章Adagiettoでその本領を発揮した。


オケの響に加え飯森の自然体の音楽の運びで、時に俗臭芬々になるマーラーが、なにやら清潔感すら感じて不思議な思いだった。

終曲は予定時間を20分も過ぎていた。測っていないが70分では終わらなかったようだ。


演奏は想像していたよりはるかに上出来で楽しめたが、弦5部49人中、演奏中マスクをしていないのはCbの3人だけ。

CMもマスクだ。つまり指揮者と独奏者と管楽器とCb3人以外は46人が全員マスク。


これは不気味でさえある。

きちんと対策をしてNo Maskで演奏してほしいね。


♪2021-080/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-021


2021年7月26日月曜日

フェスタサマーミューザ2021 東京都交響楽団 ≪アジアの新星と都響がミューザで出会う≫

2021-07-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール



カーチュン・ウォン:指揮
東京都交響楽団
岡本侑也:チェロ*

リスト:交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲*
―休憩〔20分〕―
ドボルザーク:交響曲 第9番「新世界から」
-----アンコール-----
カザルス:鳥の歌*
ドボルザーク:スラブ舞曲作品46 第8番


今年はオーケストラ・セット券ではなく、平日昼/夜8公演のセット券と1回券を2公演買った。

僕にとって今日が FestaSummerMuza2021 の第1日目。


カーチュン・ウォンは過去2回聴いていずれも好演だったので、今回も楽しみだった。果たして、第1曲冒頭のアンサンブルの見事なこと!


大いに気を良くして2曲目。

岡本侑也のチェロでロココ風〜がこれまたすごい。

弦の編成は1-3曲が14型だが、ロココだけは10-8-6-5-3と都響には珍しくコンパクトで、これがVcを良く引き立てた。

岡本くんは初聴きだが見事に美しい音色だ。

オケに埋もれることなく悠々たる弾きっぷり。

アンコールの鳥の歌も上等!


ドボルザーク交響曲第9番「新世界から」もアンサンブルが美しい。

これがあの都響か?と思う程美しい。

一つにはカーチュン・ウォンの彫琢が行き届いていたのだろうが、ミューザの音響の良さも大いに奏功しているはず。


指揮振りは正統派だが、終楽章に至って、ちょっと独自な美学を発揮した。好みじゃないけど悪くはなかった。


♪2021-074/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-016


2020年3月20日金曜日

佐藤美枝子&西村悟 デュオ・リサイタル

2020-03-20 @みなとみらいホール


佐藤美枝子:ソプラノ☆
西村悟:テノール★
松本和将:ピアノ

神戸孝夫:さくら横ちょう ☆
山田耕筰:からたちの花 ☆
武満徹:小さな空 ★
小林秀雄:落葉松 ★
ブラームス:間奏曲Op.118-2 イ長調 (Pfソロ)
クルティス:勿忘草 ☆
ララ:グラナダ ★
カプア:オー・ソレ・ミオ ☆★
ヴェルディ:「椿姫」より “乾杯の歌” ☆★
ヴェルティ:「椿姫」より “ああ、そは彼の人よ~花から花へ” ☆
プッチーニ:「トゥーランドット」より “誰も寝てはならぬ”★
リスト:リゴレット・パラフレーズ (Pfソロ)
バーンスタイン:「キャンディード」より “着飾ってきらびやかに” ☆
バーンスタイン:「ウエスト・サイド・ストーリー」より “マリア” ★
ヴェルディ:「リゴレット」より “あなたは私の心の太陽” ☆★
-----------------------
カタリ・カタリ★
見上げてごらん夜の星を☆
レハール:メリーウィドウ・ワルツ☆★

☆:佐藤美枝子 ★:西村 悟

テラン実力Sp佐藤美枝子と若手実力Tn西村悟のデュオ。
公演中止が相次いでなんと29日ぶりの演奏会だ。神奈川芸協の英断で払戻しにも応ずる形で開催された。
そんな訳で生憎と4割程度の入りだったが、演奏家も「歌えてとても嬉しい」と挨拶。もう、それで会場は胸熱。

日本歌曲から始まって、イタリア歌曲、オペラのアリア~と幅広い選曲。このデュオを聴くのは初めてなのでいつもはどうなのか知らないが、2人の曲間のおしゃべりも楽しくて予定をだいぶ超過したのではないか。

西村は長身だが、佐藤はとても小柄なのによくこんな声が出るなと思わせる強力な音圧だ。
ドレスを3回着替えて3種類を披露した。
「キャンディード」から“着飾ってきらびやかに”を歌う際は真っ赤で一部がミニスカート風なのはやはり御歳を考えればやや派手すぎたかな。1曲だけで元のシックなドレスに戻った。 

客席は、初めのうちは、1曲終わると拍手という普通のパターンだったが、そのうち1曲毎にブラボー、ブラビーが激しくなった。その気持ちよく分かるが、観客への注意事項では、声を掛ける場合はマスクをしたままでお願いしますと書いてあった。みんな読んでいなかったのだ。右も左もブラボー、ブラビーの連呼で、これはちょっと参ったぞ。やはり、この時期、アナウンスでも徹底しなくちゃいかんなあ。

♪2020-029/♪みなとみらいホール-06

2020年1月31日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 浜松国際ピアノコンクール覇者」ジャン・チャクムル ピアノ・リサイタル 

2020-01-31 @みなとみらいホール


ジャン・チャクムル:ピアノ

D.スカルラッティ:ソナタから
 K208 & K209 イ長調
 k64 & K517 ニ短調
ドメネク:「ピアノのための短編小説」から
 第4曲 ”かくれんぼ”
シューベルト(リスト編):白鳥の歌
「愛の使い」
「兵士の予感」
「君の肖像」
「春の憧れ」
「別れ」
「遠国にて」
「セレナーデ」
「アトラス」
「漁師の娘」
「海辺にて」
「住処」
「街」
「影法師」
「鳩の便り」
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ベートーベン(リスト編):「遥かなる恋人」から”この歌を受け取って”

2018年の浜松国際ピアノコンクールを制したジャン・チャクムルは初めて聴いた。カマキリみたいに痩身で手も脚も長いこと。大甘マスクで終演後はサイン会に長い行列。

メインはシューベルトの歌曲集「白鳥の歌」のリストによるピアノ独奏曲版。

リスト版自体が原曲とは順番が違うそうだが、今日の演奏はリストとも原曲とも異なったが、大筋では原曲に沿っていた。

このクラスになると演奏技術の巧拙は分からないが、真摯な態度でとても好感を持った。
曲解説を自らかなり細かく書いていて(訳文が悪かった。)、チャクムルのこの作品にかける思いが一層伝わった。

シューベルトの3大歌曲集では「冬の旅」が一番好き。次いで「美しき水車小屋の娘」なので「白鳥の歌」は聴く機会が少なかったが、今日改めてピアノ版を聴いてみると歌詞がなくともしみじみと感動した。

最後の2曲はシューベルトの順に沿って、壮絶な「影法師」〜明るく愛と希望を歌う「鳩の使い」で締めくくった。

この「鳩の使い」は病床にあったシューベルトの文字どおりの「白鳥の歌」である。それを知って聴くとむしろその明るさに胸を締め付けられた。

♪2020-012/♪みなとみらいホール-03

2019年12月9日月曜日

東京都交響楽団 第893回 定期演奏会Aシリーズ

2019-12-09 @東京文化会館


アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団

矢部達哉:バイオリン*

リスト (アダムズ編曲):悲しみのゴンドラ
バルトーク:バイオリン協奏曲第1番 Sz.36*
アデス:クープランからの3つの習作(2006)(日本初演)
ハイドン:交響曲第90番 ハ長調 Hob.I:90

嫌いな現代曲3本にハイドンって組合せの意図が結局分からなかったが、終わってみれば楽しい演奏会だった。
現代曲もおとなしい作品ばかりで許容範囲。

ハイドンの交響曲90番は家で何度か(緊張感無く)聴いているがナマでは初めてかも。
都響にしては珍しく小編成。

それでザワザワする事もなく、透明感を保った良い響きで「古典作品」の楽しさを味わった。

が、解説を読まなかったので終楽章の仕掛けは知らず、ハイドンとギルバートの悪戯に嵌まってしまったが、拍手する迄は乗せられなかったぞ。😚

その後もビックリ演出が続いて会場は大笑いのうちに終演した。

♪2019-201/♪東京文化会館-10

2019年12月4日水曜日

大村博美リサイタル

2019-12-04 @トッパンホール


大村博美:ソプラノ
中野正克:ピアノ*
*アルベルト・ヴェロネージから急遽変更

リスト:ペトラルカの3つのソネット
トスティ:あなたが望むなら
デュパルク:フィディレ
R.シュトラウス:《5つの歌》Op.39より 第4曲〈解き放たれて〉
アーン:私の歌に翼があったなら
グノー:オペラ《ファウスト》より〈宝石の歌〉
プッチーニ:太陽と愛/そして小鳥は
プッチーニ:オペラ《トスカ》より〈歌に生き、恋に生き〉
ジョルダーノ:オペラ《アンドレア・シェニエ》より〈私の亡くなった母が〉
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マスネ:「マノン」より さようなら、私たちの小さなテーブルよ
グノー:アベマリア

前半は聴いた覚えのない曲ばかり。後半もオペラからは3曲で、全般に馴染みのない音楽が多かった。

間近で見る大村はデカイ。その体軀を生かしたブラスの咆哮の如き声楽は、さすがにオペラ歌手だと納得させた。

が、直前のピアニスト変更が不幸だった。また、周囲の客も騒ぎすぎで、残念也。

♪2019-194/♪トッパンホール -01

2019年11月28日木曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 2台ピアノ/2つの個性・感性が織りなす音楽

2019-11-28 @みなとみらいホール


金子三勇士、中野翔太:ピアノ*

【第1部】
ドビュッシー(デュティユー編曲):月の光*
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタニ長調 K.448*
リスト:ラ・カンパネラ(金子三勇士ソロ)
ミヨー:スカラムーシュ*

【第2部】
ラヴェル:水の戯れ(中野翔太ソロ)
ドビュッシー:小組曲*
ホルスト:組曲「惑星」より”木星”*
ラヴェル:ラ・ヴァルス(連弾)
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チャイコフスキー :「くるみ割り人形」から”こんぺいとうの踊り”
*2台のピアノによる演奏

クラシック・マチネーシリーズ。
雨の日のホールは良く鳴る…法則?が当たって、今日のピアノ2台の音の輝きは見事なものだった。
まずは、その響の美しさに大満足。
そしてソロ・デュエット・連弾によるピアニスティックな作品の面白さの再発見の連続は楽しい!

金子のソロ・闘うカンパネラに圧倒され、中野のソロはホンに水の戯れの面白さ。木星も面白かったが、何といってもドビュッシー小組曲とラヴェルのラ・ヴァルスに刮目した。
いずれも管弦楽でよく聴くが、ピアノ・デュオや連弾によってそれらの音楽の本当の姿に初めて触れた感じ。

2人のMCも和気藹々で楽し。

♪2019-188/♪みなとみらいホール-53