2023年12月6日水曜日

第1999回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2023-12-06 @サントリーホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団
アリス=紗良・オット:ピアノ*

ハイドン:交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.Ⅰ-100
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調*
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ作品132
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サティ:グノシエンス第1番*





先月のA1定期ではみんな死んでいたのに、今日は生き返って、N響らしいアンサンブル。が…、

今日のハイドンがどうもしっくりこない。
N響でもハイドンを演奏する場合は、大抵弦編成は8-10型の小編成が多かったように思うが、5月Bのルイージ98番は今日と同じ14型だった。彼の好みなのか?
弦が大規模で悪いという訳ではないけど、厚みと透明感を備えた弦の響きが洗練されすぎてこれはハイドンなのか?と内心で葛藤していた。
「ルーテ」という珍しい打楽器が使われたが、プログラムでは言及がなかった。これが「軍隊」を表現する小道具の一つなのだが。


アリス=紗良・オットは3回目。N響では2回目。
これまでとは印象がずいぶん変わった。真っ赤なパンタロンドレス?の裾を翻して足捌きも軽やかに登壇すると、その後の所作がすべて軽快そのもの。CCもさっぱりしていてステージングの巧さは、むしろルイージを引っ張っていた。

演奏は、まあ、良かったのだろうが、いつも響の悪いサントリーのPfが、今日はもう信じられないくらい最悪だ。
オケの短い前奏の後にPfの強烈のフレーズが続くが、なんて酷い音だ。木か石を叩いているようで、こりゃPfじゃないよ。
弾いている本人は直接Pfの音を聴いているから何とも思わないかもしれないが、少し離れて聴けばこの酷さには気がつくはずなのに、一向に改善されないのはどうして?

僕の席はど真ん中で、Pfの屋根には88組の弦がそっくり写っているのだから角度も良し。この席でこんなに酷いなら、他の席ではどんな音に聴こえるのだろう?案外フツーに聴こえるのだろうか?
他のホールでも同じような席で聴いているが、こんなに酷いPfの音を聴いたことがない。ゆえに僕の耳の問題ではない。Pf本体の問題でもなく、奏者の問題でもない。

一番不思議なのは、誰も指摘してないことだ。
まるでサントリーホールは「裸の王様」だ。


レーガーは編曲ものが多く、作曲ものを聴く機会が少ないが、今日は珍しく作曲もの(…と言っても変奏曲だが)で、不思議なことに、明日の都響でもレーガーの作曲ものが続く。

前半で気分が落ち込んでいたせいもあって、この作品には面白みを感じなかった。彼の代表作らしいが、ラフマニノフのパガ狂18変奏みたいな、驚きの工夫はどこにも感じらなかった。

♪2023-209/♪サントリーホール-25