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2018年11月25日日曜日

平成30年度(第73回)文化庁芸術祭協賛 平成30年11月特別企画公演 正蔵 正蔵を語る10

2018-11-25@国立演芸場


落語          金原亭駒六⇒手紙無筆
落語          林家たま平⇒高砂や
曲芸          翁家勝丸
落語          林家正蔵⇒一眼国
落語          柳家権太楼⇒猫の災難
    ―仲入り―
紙切り        林家正楽
落語           林家正蔵⇒小間物屋政談

今回は、寄席の定席(じょうせき)ではなく、特別企画公演だ。平成20年からほぼ毎年1回開催されていて、今回がキリ良く10回目。
ということは、これまで何度も機会があったのに見逃していたとは残念無念。定席(月2回の上席と中席)だけでは、好みの噺家も1男に1度くらいしか聴くことができないので、民間の寄席を回るとかホール落語などを調べてみるとかすればいいのだろうが、なかなかその暇が無いのでアル。

正蔵は初代三平の長男。若い頃は失策多く芸も評価が低かったようだが、襲名後は正統派古典落語で(こぶ平時代の落語を聴いたことがないが)腕を上げたようで巧い。しかも、巧さを感じさせないのがいい。好きな噺家の一人だ。
できたら、もう少し大掛かりな作品を聴きたかったな。「文七元結」とか「唐茄子屋政談」など。「柳田格之進」なども正蔵がやればどんな感じだろうか。是非とも聴いてみたいものだ。


権太楼もベテランの格別の味でおかしい。初めてではないけど、こんなにうまい噺家だとは思っていなかった。寄席に通う楽しみが増えた。


♪2018-155/♪国立演芸場-18

2017年6月5日月曜日

平成29年度6月上席

2017-06-05 @国立演芸場


落語 春風亭朝太郎⇒真田小僧
落語 春風亭一左⇒鈴ヶ森
落語 春風亭三朝⇒粗忽の釘
奇術 マギー隆司
落語 隅田川馬石⇒安兵衛狐
落語 柳家小里ん⇒不動坊
~仲入り~ 
講談 宝井琴調⇒寛永三馬術
落語 林家彦いち⇒反対俥
紙切 林家正楽
落語 春風亭一朝⇒井戸の茶碗

言うまでもなく前座は下手だ。二ツ目だってあまり感心できるのはいない。真打ちだって面白いとは限らない。
同じ話なのに何故面白くないのか。
せめて技量に合った話し方をすりゃいいのに、ひよこが親鶏のように鳴こうとするからお客も乗れない。

とは言え、前座〜二ツ目〜真打ちと進むに連れ、まあ、だいたい腕は良くなる。
今回も小里んから調子が出てきた。

林家彦いちの「反対俥」は初めて聴いたが元気の良い人力車夫が上野までの客を勢い余って青森県五所川原まで乗せてゆく途方もなさに大いに笑った。
何故、五所川原なのか明らかではないけど、五所川原というのが実におかしい。

林家正楽の紙切りはいつもながら感心する。
お客のリクエストにも答えてくれるので、いつか大きな声で注文してみたいものだ。


トリは春風亭一朝がいつものように「イッチョウ懸命に努め」てくれた。
演目が「井戸の茶碗」となると、志ん朝の名人芸には及ばぬ。

及ばぬながら、一朝の噺もしみじみ良かった。
いずれも正直者の屑屋・浪人親子・若侍が我が身にふりかかった思いがけない大金を巡ってそれぞれがバカ正直で見事に誠実な意地の張り合いをするのがおかしくて笑いながらも、彼らの心持に感動する良い噺で、清々しく演芸場を後にした。

2017-097/♪国立演芸場-09

2016年7月20日水曜日

国立演芸場7月中席

2016-07-20 @国立演芸場


落語 春風亭朝太郎⇒子ほめ
落語 春風亭朝也⇒たらちね
落語 春風亭柳朝⇒唖の釣
音曲バラエティ 東京ガールズ
落語 五明樓玉の輔⇒お菊の皿
落語 柳家三三⇒粗忽の釘
―仲入り―
奇術 マギー隆司
落語 三遊亭歌る多⇒桃太郎
紙切り 林家正楽
落語 林家正雀⇒紙屑屋

全体にそこそこという感じだったが、また聴いてみたい・見てみたいというのを拾うと、二ツ目の春風亭朝也(ちょうや)は将来有望株だと思った。若手の芸は形をなぞるばかりで間合いが取れていないというのか、呼吸が悪いというのか、名人・上手と同じ噺を同じように喋っていてもイマイチ気持ちが乗れないことが多いが、この人は結構その気にさせてしまう。2005年に二ツ目昇進しているから真打ちはまもなくだろう。

東京ガールズのHPから
「高齢化社会のアイドル」、東京ガールズは、和服を着たお姉さん(50歳代?)二人組が三味線を弾きながら漫談風に笑わせてくれる。この古風な形が楽しかったね。

柳家三三の「粗忽の釘」は有名な古典だけど彼にかかれば全く新しい作品のようで、大筋は古典をなぞりながら換骨奪胎している。それがおかしいのだけど、器用すぎるのが難点かなあ。

林家正楽の紙切り芸はテレビでは見たことがあったけど、今日は間近で見て、一筆書きのように巧みに操るハサミ使いに驚いた。リクエストにも応じてくれるのだけど、まあ、頼む方も出来そうなのを頼むのだろうが、客席から4人の声が掛かり全部きれいに仕上げてちょっとした感動モノだった。

トリの林家正雀。初めてナマで聴いた。最初のうちは上手には思えなかったが、だんだん調子が出てくる。この「紙屑屋」という噺は、単に話し上手だけでは勤まらない。新内、清元、都々逸などの古典音曲の芸も必要なので、相当ベテランでないと演れない作品だが、これが上手で落語の語りとの落差が大きくて実におかしい。


♪2016-101/♪国立演芸場-07