2024年2月27日火曜日

MUZAランチタイムコンサート 2月 タンゴか否か!? バンドネオン×ピアノDUO

2024-02-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール



バンドネオン:早川純
ピアノ:須藤信一郎

♪A.ビジョルド:エル・チョクロ
♪G.マトス・ロドリゲス:ラ・クンパルシータ
♪J.プラサ:ノクトゥルナ
♪早川純:失われし時のワルツ
♪須藤信一郎:回想
♪A.ピアソラ:オブリビオン(忘却)
♪E.ルイス:サン・メレ(混血)
-----------------------------
♪A.ピアソラ:リベルタンゴ



ミューザのランチタイムコンサートは、セット券で買っているので1回450円という格安。ということもあって、他とだぶらなくとも、忙しかったり体調不良ですぐパスしてしまうので、今回は今季の11回目だが聴きに行った公演としては4回目(4/11)だった。つまり7回もサボっている。

行けば、純クラシックからはみ出たものも多く、どれもそれなりに面白いのだけど、空席を作って申し訳ないことだ。

今日は、10月以来となった。
ピアノとバンドネオンのデュオ。

バンドネオン自体が珍しく、この10年で4回目。
ピアノデュオは初めて。
だけど、全然そんな気がしなかったのは、放送などで聴く機会が多いからか。

バンドネオンのチャッチャッという軽快なリズムとメロディーが良い感じだ。やはり、エル・チョクロやラ・クンパルシータなど南米タンゴの王様のような音楽は軽やかで哀愁を帯びてよろしい。

♪2024-032/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-01

2024年2月23日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第19回「男の宿命ミュージカル!」 ~豪華オーケストラと魅せるドラマティックライフ〜

2024-02-23 @県民ホール



齊藤一郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
上原理生:テノール/バリトン
加耒徹:バリトン
吉田孝:ナレーター

映画「バックドラフト」からテーマ
映画「007シリーズ」からテーマ
映画「ゴッドファーザー」から"愛のテーマ"
映画「ロッキー」から"テーマ"
映画「シンドラーのリスト」から
映画「スターウォーズ」から"帝国のマーチ"、"ヨーダのテーマ"、"メインテーマ"
ベッリーニ:歌劇「清教徒」から"ラッパを吹き鳴らせ、勇敢に、私は高らかに拳を突き上げる"
ミュージカル「ㇾ・ミゼラブル」から"Stars"
ミュージカル「ラ・マンチャの男」から"見果てぬ夢"
ミュージカル「オペラ座の怪人」から"The Music of the Night"
ミュージカル「ジキルとハイド」から"This is the Moment"
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」から"タイボルトの死"
ミュージカル「エリザベート」から"闇が広がる"
ミュージカル「レ・ミゼラブル」から"民衆の歌"



「男の宿命ミュージカル!」
なんてアナクロな副題。
本当はソプラノも呼びたかったけど集められなかったから”男っぽい”ミュージカルナンバーばかりになったのではないか?
…か、どうかは知らないけど、今時男だの女だのって大丈夫なの?

でも、始まってみると、耳馴染みの音楽ばかりで楽しめた。客席の様子も普段の定期とはだいぶ違ってノリが良かった。
上原理生という歌手は全く知らなかったが、ミュージカルの方では売れっ子なのだろうか?

これといって不満はなかったけど、強いて言えば、せっかく、2,500人の客席で舞台も十分広いのだから、弦は12型ではなく16型の大編成で聴きたかったよ。音圧に不足はなかったけれど、16型ならもっと迫力があったろうな、と思ったね。

♪2024-031/♪県民ホール-2

2024年2月22日木曜日

東京フィル第996回サントリー定期シリーズ

2024-02-22 @サントリーホール



チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

ベートーべン:交響曲第6番「田園」
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
第1部 大地の礼賛
  序奏
  春の兆し(乙女たちの踊り)
  誘拐の儀式
  春のロンド
  敵部族の儀式
  長老の行進
  長老の大地への口づけ
  大地の踊り
 第2部
  生贄の儀式
  序奏
  乙女の神秘的な輪
  選ばれし生贄への賛美
  祖先の召還
  祖先の儀式
  生贄の踊り
----------------------
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」から「大地の踊り」




まずは、「田園」が穏やかで、品のある良い出来だった。
チョンさんの時は、いつもこんな雰囲気が漂っている気がする。オケとの息がとっても合っているんだろう。
できれば弦12型で(14だった)聴いてみたい気がした。
後半の「春祭」(16型)との違いがどんなふうになるのかと思ったから。

その「春祭」。
オケは両翼に拡張した。
16型でも普通Vn1は6プルトで折り返して残りは内側に入る場合が多いと思うけど、今日は7プルトまで並んだ。
見た目もステレオフォニックだが、実際、今日は、その効果が遺憾無く発揮されていた。
例えが丸切り逆だけど、まるでDolby atomosの空間オーディオの如し。生なら当たり前、の域を超えて特大オーケストラが広い空間を埋め尽くした感じだ。センターで聴くからこそこの拡がりを感じられるのだろう。

狂乱する祭典かと思いきや、こちらも実に品のいい演奏だった。
6日前に久石譲+新日フィルで聴いたばかりだが、アンサンブルの見事さは東フィルに一日の長を感じた。
しかし、どちらをもう一度聴きたいか、と問われたら、新日フィルのド迫力を選ぶ。

チョンさん、2曲とも暗譜。
「春祭」に登壇した際にコンマスと戯れていたようだったが、始まってみると最初のファゴットの旋律がえらく間延びするので驚いた。これは遊びなのだろう。

Encに「大地の踊り」が演奏されたが、打ち合わせがうまくいっていなかったか、一部奏者の準備ができてなくて、間延びして始まった。こちらは予定された遊びではなかったようだが、チョンさんの苦笑が客席の笑いを誘った。

♪2024-030/♪サントリーホール-06

2024年2月17日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第392回定期演奏会

2024-02-17 @みなとみらいホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ニュウニュウ:ピアノ*

グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 Op.16
マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」




客席内に入った時からクリアな音の予感が。
ニュウニュウの第一打が見事に美しくて、これぞStwの音。
オケも美しい。いつも響の良いホールではあるけど、今日は格別だった。
音を聴いているだけで楽しい、ってこれが本当の「音楽」。

今日、このホールでピアノを聴いた人のほとんどは、日頃サントリーでもピアノを聴いているだろうけど、格違い・桁違い・雲泥の差に絶望しなかったろうか?
僕はサントリーでもお仕着せの定期でピアノ協奏曲などは聴くけど、ピアノリサイタル@サントリーは完全に拒否している。料金無料でも聴きたくない。

とにかく、クリアだった。
そのせいで、後半の、好きでもないマーラーを80分も聴くのは苦痛だと思っていたけど、意外に楽しめた。管・弦・打鍵の交わりの楽しさがあった。


ところで、この曲ではテナーチューバが活躍する(とプログラムに書いてある。)が、初めて聴く呼称ではないものの馴染みが少ない。形はワーグナー・チューバと同じに見えるが、それなら下手Hrセクションにいてもいいはずなのに今日は上手バストロやチューバの低管セクションで吹いていた。

で、調べてみたら、そもそもテナーチューバは楽器の名前ではなく、担当する音域のことで、担当する楽器名としてはテナーホルンやワーグナーチューバ、ユーフォニウムなどがそれに当たるらしい(手持ちのスコアにはテナーホルンと書いてある。)。

因みに、過去のプログラムの編成表を、読響、N響、東響、都響で調べたら、いずれもテナーホルンと書いてあり、P.ヤルヴィN響では指揮者の意向でユーフォニウムを使用と書いてあった。
では、テナーホルンとワーグナーチューバか同じかというと、構え方の違いで前者はチューバと、後者はホルンと同じ向きにレバーが付いているみたいだ。それで今日は上手に位置していたのだろう。

♪2024-029/♪みなとみらいホール-05

2024年2月16日金曜日

東京都交響楽団 第994回 定期演奏会Bシリーズ

2024-02-16 @サントリーホール



エリアフ・インバル:指揮
東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団*
児童合唱:東京少年少女合唱隊*

ジェイ・レディモア:語り*
冨平安希子:ソプラノ*

ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70
バーンスタイン:交響曲第3番「カディッシュ」*(1963)
(オリジナル版テキスト/日本語字幕付き)






ショスタコ9番は初聴き。
冒頭から肩透かし。
冗談音楽かと思わせるような軽さ。
これでもソ連共産党は難癖を付けたというから、彼らの判断基準を学びたいものだ。

「カディッシュ」はインバルの都響再演だという。どうして僕は聴いていないのか、今となっては分からないが、こちらも初聴き。
超長尺ではない(45分)が、演奏規模は特大だ。
混成合唱に児童合唱にソプラノ独唱。
それに全編を案内する”語り”も加わり、オケは当然弦16型。管打鍵楽器も多種多様。

音楽は12音、無調、変拍子、不気味な不協和音の連続、時に嵐のような音楽。これが絶対音楽作品なら願い下げしたいところだが、オペラや劇伴音楽としてなら俄然面白い。
そして、これはバーンスタインが大編成で描く彼自身の信仰の揺らぎと回復の物語である。

本来(これって変!)の語り手が参加できなかった為に、語りのテキストが改訂版ではなくバーンスタインが書いたオリジナルが使われたが、むしろスッキリしたのではないか。
どうせ信仰心のない者達が演奏し、聴いている方も無信仰なのだから(少なくともユダヤ教は皆無だろう。)、音楽劇として楽しめたら良い。

語りには字幕もついて、ま、言っていることは分かる。最終盤のセリフは理解不能だったけど(それでバーンスタインは書き換えを意図したのか?)。
楽章や3つのカディッシュの初めは字幕で示され迷子にもならなかった。

とにかく、全体の意図は掴めたし、音楽は原始脳を刺激しまくりなので、音楽を聴くというよりバーンスタインの心情に共感しつつ途方もないものを体験したという感じ。
悪くない。

インバルの指揮ぶり。普段のスタイルが記憶にないけど、こんなに下向いてばかりいたかな?再演とは言え編成は大規模だし複雑な変拍子が連続する為か、ずっと楽譜を追っていたように見えたけど、御歳88歳にしては驚異的なエネルギーだ。

♪2024-028/♪サントリーホール-05

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#20

2024-02-17 @すみだトリフォニーホール



久石譲:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

崔文洙:バイオリン
ビルマン聡平:バイオリン
中恵菜:ビオラ
向井航:チェロ

久石譲:I Want to Talk to You - for string quartet, percussion and strings –
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」-2部によるロシアの異教徒の情景
 Ⅰ 大地への崇敬
   序奏/春の予言-若い娘たちの踊り/誘拐の遊戯/
       春のロンド/競い合う部族の遊戯/賢者の行進/賢者/   
       大地の踊り
 Ⅱ 生贄
       序奏/若い娘たちの神秘的な輪/
       選ばれし者への賛美/祖先たちへの呼びかけ/
       祖先たちの儀式/神聖な踊り(選ばれし者)





最初の久石作品は、いわゆるミニマルで、同じフレーズが10分間も繰り返される。面白くはないけど、不快な音が続く訳ではないので許容。

ジュピターはテンポ速目でシャキシャキとして好感。
ただ、速いユニゾンのフレーズ(特に終楽章)がもっと歯切れが良ければいいのにと思いながら聴いていたが、弦12型では無理だろう。いっそ10型以下の編成でガリガリっと駆け抜けられないものか。

本日の白眉。「春の祭典」は新日フィルが眠れる実力を発揮して管弦打鍵のにぎやかな演奏を、乱れぬアンサブルで聴かせた。久石氏は「春の祭典」に関しては、オケに指示をほとんど出すことなく、楽譜と睨めっこして、音楽に合わせて振っていたように見えたが、ともあれオケの実力を引き出した。

新日フィルでは、22年5月のミッキーが振った「風神・雷神」、同6月デュトワのチャイコ5番以来の管弦楽の面白さを味わった。

2024-027/♪すみだトリフォニーホール-01

2024年2月14日水曜日

第2006回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2024-02-14 @サントリーホール



パブロ・エラス・カサド:指揮
NHK交響楽団
アウグスティン・ハーデリッヒ:バイオリン*
吉田珠代:ソプラノ**

ラヴェル:スペイン狂詩曲
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第2番ト短調*
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」(全曲)**
-------------------
カルロス・ガルデル(A.ハーデリヒ編):ポル・ウナ・カベーサ(首の差で)*





純粋にスペイン音楽ばかりではないけど、一応「スペイン」で括ったプログラム。

カサドの好みなのか、オケは繊細で攻撃的なところは微塵もなく、管弦のアンサンブル非常に良し。

さはさりながら、南国スペインの陽気な音楽かと思いがちだが、とんでもない。全て過去何度も聴いているのに、前半の2曲は、こんなに暗い音楽だったのか、とあらためて驚いた。

ハーデリッヒのバイオリンも明るい音色とは言えないし、音量も物足りない。繊細ではあるし一音一音をとても大切にしているのは分かったけど、協奏曲の妙味に乏しい。

後半、やっと本物のスペイン音楽が登場し、オケも繊細さを保ちながら華やいでとても好感した。

♪2024-026/♪サントリーホール-04

2024年2月12日月曜日

みなとみらいランチタイムコンサート 辻彩奈&萩原麻未

2024-02-12 @みなとみらいホール



辻彩奈:バイオリン
萩原麻未:ピアノ

フォーレ:ロマンス 変長調 Op.2

フォーレ:バイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13
 Ⅰ Allegro molto
 Ⅱ Andante
 Ⅲ Allegro vivo
 Ⅳ Allegro quasi presto

フランク:バイオリン・ソナタ イ長調
 Ⅰ Allegretto ben moderato
 Ⅱ Allegro
 Ⅲ Recitativo - Fantasia
 Ⅳ Allegretto poco mosso
--------ENC.------------------
パラディス:シチリアーノ



今期最後のみなとみらいランチタイムコンサートだった。
同時に、最後のランチタイム〜だったようだ。
スタッフに聞いたら、当面は再開予定がないという。

ミューザのランチタイムと比べると3倍以上高価だけど、それでも格安。実に良心的なシリーズだったので、なくなるのはまことに残念。

近頃のみなとみらいホールの運営は疑問が多い。

…という話は置いておいて。

2人とも好きな演奏家で、これまで両者が参加した室内楽は何度か聴いているけどDuoは初めて。
というより、彼女たちにとっても初めてだったそうだが、とても感じのいいコンビネーションだった。

フォーレとフランク。
いずれも魅力的な音楽だけど、やはりフランクのVnソナタが一番聴き馴染んでいるせいか、強く共感できた。

実に繊細に息を合わせ音楽を紡いでいる。

辻彩奈のVnが良く鳴ることはこれまで何度も経験しているが、今日も、蚊の鳴くような音からヤニを飛ばすようなギリギリ震える強音まで自在。麻未ちゃんのピアノも呼応してStwの美音が響き渡った。

響の良いホールでかぶりついて聴く幸せ。

♪2024-025/♪みなとみらいホール-04

2024年2月8日木曜日

新国立劇場オペラ「ドン・パスクワーレ」

2024-02-08 @新国立劇場



指揮:レナート・バルサド
演出:ステファノ・ヴィツィオーリ
美術:スザンナ・ロッシ・ヨスト
衣裳:ロベルタ・グイディ・ディ・バーニョ
照明:フランコ・マッリ

管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ドン・パスクワーレ:ミケーレ・ペルトゥージ
マラテスタ:上江隼人
エルネスト:フアン・フランシスコ・ガテル
ノリーナ:ラヴィニア・ビーニ
ほか

ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間30分
第Ⅰ幕・第Ⅱ
 80分
 --休憩25分--
第Ⅲ幕
 45分





瑕疵ある物語が無理矢理の大団円でねじ伏せられるオペラは少なくない。これもその一つ。
ドン・パスクワーレは、物欲・色欲の爺さんが若者にいっぱい食わされる喜劇として受け取られている向きがあるが、ほぼ笑えない。なぜなら、これは気の良い老人を思いやりのない若者が虐待する話なのだから。

愈々ドン・パスクワーレを同じくらいの年齢として見ると切なくなってくる。

が、音楽的には、久しぶりにベルカントの華やかな歌唱が良かった。耳に馴染んだ幾つかのアリアも「なんというこころよさ」。

新国立劇場としては前回2019年が新制作・初演だが、今回もその時と同じ演出・美術だった。
海外での演出・装置・衣装をそのまま持ち込んだ為か、新国立劇場の天井の高い舞台を生かしきっていない感じもしたが、台所のシーンなど装置にも驚かされるし、アクロバチックなサビースもあって、全体として良くできているなと感心した。

♪2024-024/♪新国立劇場-04

2024年2月7日水曜日

令和6年2月文楽公演第2部

2024-02-06 @日本青年館ホール



第二部 (15:15開演〜17:30)
●艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)
 酒屋の段
 中 三輪太夫/清友
 切 錣太夫/宗助
 奥 呂勢太夫/清治

●戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)
 廓噺の段
   藤太夫・靖太夫・碩太夫/
   燕三・清𠀋・清公・燕二郎

 人形▶丁稚長太⇒玉彦
    半兵衛女房⇒文昇
    美濃屋三勝⇒清十郎
    娘お通⇒和登
    舅半兵衛⇒勘壽
    五人組の頭⇒亀次
    親宗岸⇒玉也
    嫁お園⇒勘十郎
    茜屋半七⇒清五郎
    -----------------------------
    浪花次郎作⇒玉佳
    吾妻与四郎⇒玉勢
    かむろ⇒一輔




4年半ぶりに「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」を観た。
前回は、半七と芸者・三勝(さんかつ)との心中道行があったが、今回は「酒屋の段」のみ。
それで、少し印象が変わったが、これはこれで、むしろスッキリと面白い。

冒頭、店の留守を任された丁稚の能天気さ。
そこに酒を買いに来た子連れの女。
頼まれて酒を運んでやる丁稚。
この謎めいた場面から始まる。

半七の父、半兵衛が代官所から戻り、丁稚がなぜか子供を背負って店に戻る。
そこに離縁されたお半七の女房お園が父親とともに茜屋を訪ねてから話は急展開する。
ただ、この時点でもまだ半七・三勝は登場しないというのが凝った作劇だ。

実話に基づいているというが、誰一人真の悪人はいないのに、歯車が少し欠けたか、登場人物の人生が狂ってゆくさま哀れ也。

♪2024-022/♪日本青年館ホール-2

2024年2月6日火曜日

令和6年2月文楽公演第1部

2024-02-06 @日本青年館ホール



第一部 (12時開演〜14:20)
●二人三番叟 (ににんさんばそう)
  睦太夫・亘太夫・聖太夫/勝平・寛太郎・錦吾・清方

●仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
 山崎街道出合いの段
   小住大夫/清馗 

 二つ玉の段
   希太夫/團七/胡弓:藤之亮

 身売りの段
   織太夫/藤蔵

 早野勘平腹切の段
 切 呂太夫/清介

 人形▶二番叟⇒紋吉
    三番叟⇒玉翔
    -----------------------------
    早野勘平⇒玉助
    千崎弥五郎⇒勘一
    斧定九郎⇒簑紫郎
    女房おかる⇒紋臣
    与市兵衛女房⇒簑二郎
    一文字屋才兵衛⇒簑一郎
    めっぽう弥八⇒玉征
    原郷右衛門⇒文司





昨年12月から文楽公演も漂流しているが、年が改まって初の「国立」文楽は、なんと「青年」の館に爺さん・婆さんたちが集まった次第。

おめでたの「三番叟」に続いて久しぶりの「忠臣蔵」から5段目、6段目の上演。
「二つ玉の段」は落語や最近では芝居でも取り上げられている中村仲蔵が、歌舞伎のこの段で今に伝わる工夫をしたことで有名だが、文楽でもおおよそ踏襲されている。

勘平が暗闇の中、猪と見間違って斧定九郎を撃ち殺し、懐の財布を持ち帰ったが為に狂い出した歯車。
真実は観客のみ知るが、義母も塩谷家中も本人さえも舅を殺して50両を奪ったと思い込み、遂に無念の切腹の悲劇に至る。
この辺の話の運びが、良くできていて、なんて、アナクロだよと思いつつも引き込まれてしまう。

♪2024-022/♪日本青年館ホール-1

2024年2月4日日曜日

横浜交響楽団 第729回定期演奏会 【新春コンサート】

2024-02-04 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団
坂本真由美:ピアノ*

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op54*
シューマン:交響曲第1番変ロ長調 op.38「春」
------------------------
シューマン(リスト編):献呈*



フィガロ序曲にシューマンがPf協と交響曲1番と嬉しいプログラム。
が、フィガロの出来は大いに残念。音楽堂は容赦がないね。ミューザだったらもう少し上手に聴こえたろうけど。

しかし、次のPf協がとても良かった。Pf独奏の坂本真由美って人は名前も知らなかったけど、冒頭の掴みで良いスタートを切ったと思ったよ。3楽章へアタッカで入る手前の間の取り方が独特な感じがしたが、彼女の好みなのか、指揮者の好みなのか。僕の好みではなかったけど、終わってみれば堂々として好感。Stwがキラキラ輝いていた。
オケも、奏者全員取り替えたかと思うくらい、良い出来になった。

Encが渋く、シューマン(リスト編)の「献呈」だった。
この曲、前奏を聴くだけでパブロフの犬状態で、万感胸に迫ってくる。

最後の交響曲1番。これがまた難しそうだった。
特に序盤を緊張感を持って維持するのはプロでも難しいと思うが、バラバラな印象だった。
シューマンは盛り込みすぎだと思うな。

♪2024-021/♪県立音楽堂-02