2023年2月17日金曜日
東京シティフィル第357回定期演奏会
2022年11月12日土曜日
名曲全集第181回 次世代を担う2人がベルリオーズ&ラヴェルの傑作を披露
2022年9月6日火曜日
石田泰尚スペシャル 熱狂の夜 第5夜《コンチェルト》グラス&マルサリス
2022年3月5日土曜日
神奈川フィル創立50周年記念公演 〜川瀬賢太郎常任指揮者退任公演〜 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第375回定期演奏会
2021年12月17日金曜日
神奈川フィル巡回主催公演 フューチャー・コンサート「第九」❷
2021-12-17 @藤沢市民会館
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
プロ歌手による神奈川フィル第九合唱団(28人)
小林良子:ソプラノ
林美智子:アルト
清水徹太郎:テノール
宮本益光:バリトン
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
その市民会館は、多目的ホールとして設計されているのだろう。響きがデッドで音楽向きではない。舞台は狭くセリもないからひな壇を重ねられない。
それでやむを得なかったのか、オケはなんと10型!
10型と言ってもVc6、Cb5という低域重視(日フィルは5-4)。
とはいえ、オケも合唱も小粒に変わりない。
しかし、全体としては、シャキシャキと引き締まった音楽だった。処々、川瀬流のコブシが回ったが嫌味はない。
合唱団・独唱は最初から着座しており、楽章間休止も短く(特にⅢ⇒Ⅳは2秒?)、きびきびとしてムダがない。
残響の短さを逆手に取ったような弦のTuttiの歯切れの良さも好印象。
プロ合唱団はマスク無し!数は少なくとも迫力は十分。
終演後は弦奏者達が椅子を下げて指揮台周りにスペースを作り、奥で歌った独唱者等を舞台前に招いてお客の拍手を受けさせたのも良かった…と言うか当然こうすべきなのだが。
2021年11月26日金曜日
東京二期会オペラ劇場 NISSAY OPERA2021提携 オペレッタ『こうもり』
2021-11-26 @日生劇場
指揮:川瀬賢太郎
演出:アンドレアス・ホモキ
管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団
舞台美術:ヴォルフガング・グスマン
照明:フランク・エヴィン
合唱指揮:根本卓也
演出助手:上原真希
原語指導:佐々木典子
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:加賀清孝
アイゼンシュタイン⇒小林啓倫
ロザリンデ⇒木下美穂子
フランク⇒杉浦隆大
オルロフスキー⇒成田伊美
アルフレード⇒金山京介
ファルケ⇒加耒徹
ブリント⇒大川信之
アデーレ⇒雨笠佳奈
イダ⇒内山侑紀
フロッシュ⇒森公美子
台本:カール・ハフナー、リヒャルト・ジュネー
原作:アンリ・メイヤック、リュドヴィク・アレヴィ『レヴェイヨン(夜食)』
作曲:J.シュトラウスⅡ
ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演
オペレッタ『こうもり』
全3幕(日本語字幕付原語(ドイツ語)歌唱/日本語台詞上演)
歌は原語、セリフは日本語というのがやりにくい?2017年の初演時ももどかしかったことを記憶している。
歌唱力ではなく喜劇役者としての力量を求められるフロッシュ(森公美子)の独擅場も気持ちが乗らず。無駄に話が長かった。
そのフロッシュが上司フランク(杉浦隆大)にお喋りが「長いっ!」と叱られたのは芝居の台詞というより本音のようでおかしかった。
抜群の歌唱力を見込んで木下美穂子:ロザリンデの日を選んだが、珍しく不発。ファルケ(加耒徹)もオルロスキー(成田伊美)もアデーレ(雨笠佳奈)もダメ。
アイゼンシュタイン:小林啓倫は健闘していた。
演技力のある歌手が集まり、良い演出のもとで歌えば、本当に傑作なのだから、今日のは残念無念。
2018年新国の「こうもり」は目下「マイスタージンガー」出演中のAエレートがアイゼン〜役で、実に面白かった。同じ演出でも昨年版は弾けず。歌だけじゃないのが難しいな。
♪2021-140/♪日生劇場-06
2021年4月17日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第367回定期演奏会
2021-04-17 @県民ホール
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
プッツ:交響曲第2番「無垢の島」<日本初演>
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調(ノヴァーク版第2稿)
今日は、プッツという名の現代作家の交響曲と久々のブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」。
前者はもちろん初聴きだった。
ミニマル風だが違和感なく楽しめた。
弦は12型(低域増強)だが、打(鍵盤含)部門が賑やかで、迫力十分。
管弦打全て良く5連勝!
後半のブルックナー。
弦は前半と同じ編成だが、気合が入ってとても12型とは思えない。
金管パートに処々瑕疵があったのが若干興趣を殺いだ。
これでブラスに透明感が出たら素晴らしい演奏になっていたのに残念。
しかし、近年の神フィルは相当レベルを上げた。
○響や△フィルより上等だ。
♪2021-039/♪県民ホール-05
2021年3月20日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第10回
2021-03-20 @県民ホール
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
二期会合唱団*
青木エマSP*
高野百合絵Ms*
大山大輔Br*
加耒徹Br*
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」から"間奏曲"
シュミット:歌劇「ノートルダム」から"間奏曲"
ベートーベン:ウェリントンの勝利 Op.91
音楽劇による「レ・ミゼラブル(ヴィクトル・ユゴー原作)」~若者たちの60分のレ・ミゼ~*
構成台本:田尾下哲 Les Misérables
①大橋晃一編曲:ラ・マルセイエーズ
②ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」から"Nemico della partia"
③グノー:歌劇「ファウスト」から“宝石の歌”
④ミュージカル「レ・ミゼラブル」から"A heart full of love"
⑤ミュージカル「レミゼラブル」より “On my own"
⑥ミュージカル「レ・ミゼラブル」から “One day more"
⑦ミュージカル「ジキルとハイド」から“This is the moment"
⑧プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から“ハミングコーラス"
⑨レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」から “Lippen schweigen"
⑩マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から“間奏曲”
後半に<若者たちのレ・ミゼ〜>って一体どういうコンセプト?と思ったが、
前半は「レ・ミゼ〜」の世界の雰囲気作りというかなり強引な構成。
後半はミュージカル「レ・ミゼ〜」の3曲を含む色んな歌劇のアリアの寄せ鍋。
…と書くと不満があるように読めるけど、聴いてみれば大傑作だった。
まずは神フィルは今年に入って4連勝だ。
いずれの回も素晴らしい演奏が続いているが、今回はとりわけ見事。管打も良かったが、今回はゲストコンマス(東フィルから三浦文彰のパパ、三浦章宏)の起用が奏功したのか、いつになく、弦の透明感が高く美しい。
「ウェリントンの勝利」は先月同じ賢太郎氏が都響で振ったが、演奏は神フィルに軍配。
尤もべートーベンにしてはつまらない曲だが。
後半が4人の歌手に8人の合唱が加わって、演出家の田尾下によるコゼット、エポニーヌら若い世代を中心に「レ・ミゼ〜」の物語を新たに構成した音楽劇。
パッチワークのような作品だったが、Brの大山大輔が歌のほか語りも務めて分かり易く、あちこちから寄せ集めた音楽も不思議と違和感なく一つの物語に溶け込んでいた。
これなら、いっそ前半の音楽も物語に組み込んで「60分のレ・ミゼ」ではなく100分版をやってくれたらもっと感動できたかも。
それはともかく、「音楽の力」、「歌の力」を強く実感して高揚した気分で県民ホールを後にした。
♪2021-025/♪県民ホール-03
2021年2月11日木曜日
東京都交響楽団 都響スペシャル2020 02月公演
2021-02-11 @サントリーホール
川瀬賢太郎:指揮
東京都交響楽団
バイオリン:金川真弓*
ベートーベン:《ウェリントンの勝利》(戦争交響曲)op.91
ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 op.61*
ベートーベン:交響曲第8番ヘ長調 op.93
「ウェリントンの勝利」は初聴き。
英仏両軍を象徴するトランペット、太鼓、大砲、小砲の計7人からなるバンダ(別働隊)が2組。2Fバルコニーに登場して喧しいの何の。どうせなら朝霞駐屯地から大砲借りてきて空砲をぶっ放して欲しかったよ。スピーカーから出る轟音て白けてしまう。
本日の聴きモノはバイオリン協奏曲。
初お目見えの金川真弓の独奏。
出番を待つオケ前奏での佇まいからして惹きつけるものがあった。
巧い、のはチャイコ4位の実力からして当然だろうが、それだけではない新鮮な魅力に溢れていた。
ケンタロー指揮の都響も纏まり、良く金川をサポートして渾然一体。カデンツァはベートーベンがこの曲をピアノ協奏曲版に編曲した際に自作したティンパニ入りのカデンツァのピアノパートをシュナイダーハンがバイオリン用に編曲したもの**を演奏した。
これも珍しくて面白かった。
バイオリン協奏曲の出来が良かったので、最後の交響曲8番は聴く方の集中力が途切れてしまった。
弦は14型に拡大し、処々都響らしい分厚い(特に中・低弦)アンサンブルが良かったが、纏まりという点では少し雑な感じだった。
ま、本日のスター、金川真弓に注目してゆこう。
**パーヴォ・ヤルヴィ指揮:N響+クリスティアン・テツラフの時は、ピアノパートからバイオリンパートへの編曲はテツラフ自身のものだった。他にもいくつか異なる版があるようだ。
♪2021-010/♪サントリーホール-02
2021年1月23日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽堂シリーズ第18回定期演奏会
2021-01-23 @県立音楽堂
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
モーツァルト・シンガーズ・ジャパン*
[タミーノ:望月哲也、パミーナ:文屋小百合、夜の女王:針生美智子、パパゲーナ:鵜木絵里、パパゲーノ・構成:宮本益光]
魔法の鈴(ダンス):作本美月*
語り:長谷川初範*
魔法の笛(フルート):山田恵美子*
イベール:モーツァルトへのオマージュ
チャイコフスキー:組曲第4番ト長調Op.61「モーツァルティアーナ」
モーツァルト:歌劇「魔笛」K.620(MSJ版)*
前半にイベール「モツ〜オマージュ」。これが先ずは良かった。
久しぶりの音楽堂。「雨の日のホールは良く響く」という僕の思い込みが当たって、とても良い響きだ。
元々少し硬めだけど音楽堂はよく鳴る。
下手なオケは一層下手に、上手なオケは一層美しく響く。
今日の神奈川フィルは後者。
今日は振替につき席が選べず、選択可能なら絶対に座らない席だったが、やはり良いホールだ。期待せず座った席でも実にクリアに響いてくる。特に弦が美しい。
2曲目のチャイコ「モーツァルティアーナ」は第3曲は度々聴くが、全曲は初めて。凝った作りでコンマス、Clにソロの妙技あり。
何と言っても「モーツァルト・シンガーズ・ジャパンMSJ」によるMC付き70分版「魔笛」が素晴らしかった。そのMCに若干難点を感じたが、5人の歌手による名歌の連射が聴いている者をぐいぐい幸福の沼に引き摺り込む。音楽に溺れる幸せ。
神フィルの演奏も文句なしで、これを1度きりとは実に勿体ない。
♪2021-007/♪県立音楽堂-01
2020年11月28日土曜日
日本フィルハーモニー交響楽団 第362回横浜定期演奏会
2020-11-28 @みなとみらいホール
川瀬賢太郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
竹澤恭子:バイオリン*
ベートーベン:序曲《レオノーレ》第3番 op.72b
ベートーベン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
ベートーベン:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.61*
----ENC----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのための組曲第2番からサラバンド*
前半は「レオノーレ第3番」と「交響曲第8番」。
これがいずれも出来が悪く、全然集中できなかった。
各パートは決められた音を出しているのだろうが、呼吸が合っていない。
一斉強奏(Tutti)はそこそこ綺麗だが経過部がふにゃふにゃだ。
まるで明日のサントリーの為のGP(ゲネプロ=本番直前の最終リハーサル)みたいで悲しい。
独奏者は何といっても豊かな音量が求められるが、彼女の発する音は実に明瞭で迫力がある。
どんな場面でもオケに埋没しない。
音楽に対する集中力が半端ではない。
先月の日フィルは辻彩奈でバッハのバイオリン協奏曲等が素晴らしかったが、今日の竹澤恭子を聴くと、辻彩奈も優れた才能の持ち主だと思うが、まだまだ道は遠いぞとも思う。
竹澤恭子はこれまで室内楽しか聴いたことがなかったが、オケを従えた彼女は佇まいにオーラがある。
昨日の前橋カルテットに引き続き、今日も音楽に肉薄する渾身の演奏に出会えた幸せ!
♪2020-086/♪みなとみらいホール-22
2019年12月6日金曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第354回
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から“第一幕への前奏曲”
B.A.ツィンマーマン:ユビュ王の晩餐のための音楽
ムソルグスキー(ストコフスキー編):展覧会の絵
ワーグナーとムソルグスキーの間に置かれたツィンマーマン「ユビュ王の晩餐のための音楽」が初聴き。全篇自作多作の引用で出来上がっているという。パッチワークのような作品だ。
変形しているが馴染みの音楽がちょっとずつ埋め込まれている。冗談音楽のようなものだ。
そこに、ワーグナー「マイスタージンガー前奏曲」もムソルグスキー「展覧会の絵」も埋め込まれてこの作品が前後両者を繋ぐ仕掛けだ。
「展覧会の絵」はラヴェル以外に色々編曲があるがナマオケではヘンリー・ウッド編。変わり種はEL&P版も渋谷公会堂のライヴで聴いた。今日はストコフスキー版でこれもだいぶ昔に聴いたことがある。
ラヴェルは管弦楽技法の名手だが、一方ストコフスキーはオケの響を知り尽くしているからには面白くない訳がない。
第一、ド派手で楽しい。
4管編成にHr8本。オルガンも加えて壮大な絵巻物に仕上がっている。
因みにヘンリー・ウッド版はかなり変わった編曲だったと記憶している。
♪2019-198/♪みなとみらいホール-56
2019年7月30日火曜日
フェスタサマーミューザ2019 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ≪名ギタリストも参戦のスペイン・プロ≫
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
渡辺香津美:ギター*
ボッケリーニ(ベリオ編曲):マドリードの夜警隊の行進
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲、第2組曲
-アンコール--------------------
ビゼー:「カルメン」からトレアドール
一昨日の新日フィルがロシアもの、昨日の都響がイタリアもの、に続いて今日の神奈川フィルはスペイン尽くし。
ギーターの「アランフェス協奏曲」ではジャズギターの大御所・渡辺香津美のソロ。ギターはフル・アコースティック・ギターで臨むと書いてあったが、実際に使われたのは、フル・アコースティックタイプのエレキギターで、足元にアンプとスピーカーを置いていた。ジャズの世界では電気拡声するものでもアコースティックというらしいが、世間の常識とは違うようだ。
電気増幅しているので、音は大きくて、オーケストラにかき消されることはなかったが、なにしろピックを使う奏法なので、いくら名人でも5本指にはかなわないか、拍の間の細かいフレーズが潰れた感じでだった。やはり、クラシックギターで聴きたいね。
オーケストラとしての白眉は当然「三角帽子」で、これはメリハリつけた熱演だった。弦14型でも十分迫力があり、かつ纏まりが良かった。
また、このフェスタサマーミューザにはどのオケも主力コンマスを出しているが神奈川フィルは石田・﨑谷2人を投入。この2人がトップに並んで競うように、時に腰を浮かせてバリバリ弾きまくる姿にも一種の感動があり。
N響名物コンサートマスターのマロ氏の息子氏(今春入団)も気合の入ったティンパニーで盛り上げた。
昨日の都響よりも良い出来だったなあ。
♪2019-111/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08
2019年6月28日金曜日
ハチャトゥリアン・コンチェルツ
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
石坂団十郎:チェロ
佐藤卓史:ピアノ
郷古廉:バイオリン
アラム・ハチャトゥリアン
チェロ協奏曲ホ短調
ピアノ協奏曲変ニ長調
バイオリン協奏曲二短調
石坂団十郎(チェロ)、佐藤卓史(ピアノ)、郷古廉(バイオリン)によるハチャトゥリアンが書いた全協奏曲を一気に聴くという企画だ。
みなとみらいホール館長の池辺晋一郎の企画ということで、開演前の解説も同氏が登壇した。
バイオリン協奏曲はランパルが編曲したフルート版を含め何度か聴いているが、他の2本は初聴きだった。
作曲年代順に明らかに民族臭が露風・欧風に変化したのがよく分かる。
いずれも賑やかな音楽だったが、一番古いピアノ協奏曲(1936)が一番土臭く、派手で面白い。
バイオリン協奏曲(40)は多少馴染みもあったが、改めて聴くと成る程これがアルメニア色かと合点。
一番新しいチェロ協奏曲(46)はむしろショスタコーヴィチ作と言われたら信じてしまいそう。
オケは川瀬賢太郎指揮神奈川フィル。
神奈川フィルは全作品を弦12型というコンパクトな編成で演奏した。これが引き締まってとても良かった。
チェロ協奏曲では金管はホルンとトランペットのみ(編成表はなかったので見た目の判断)。他の2曲にはトロンボーン、チューバも入っていたが、出番はホンに少ない。やはり、独奏楽器を引き立てるための楽器編成なのだろう。
全体として、すこし辟易する感じの田舎臭さで、もうたくさん、という感じもしたが、池辺氏曰く「もう、二度と聴く機会がないであろう<破茶滅茶トゥリアン3部作>」という訳で、まあ、いいか。
ところで、余談:
バイオリン協奏曲で、1楽章カデンツァの途中、郷古の楽譜を賢太郎がめくっていたのには吃驚!
独奏者が楽譜を見ながら協奏曲を演奏する場合において、ピアノ以外の独奏楽器にめくりが付くのは見たことがない。現に、今日はチェロ協奏曲とバイオリン協奏曲が楽譜を見ながらの演奏だったが、いずれにもめくりは付かなかった。
普通、独奏者用の楽譜には自分でめくれるようにページの最後に音楽の休止が来るように書かれているはずだが、今日はそうではなかったらしい。譜面台には2ページ分が見開きで置けるのだから、2ページに収まりきらない楽譜だったのか。
いや、これまでもこの協奏曲は数回聴いているが、譜めくりはつかなかったし、指揮者が独奏者の楽譜をめくる姿は見たことがない。
一体どうしたことだろう?
やっぱり、楽譜はiPadの時代だな。
♪2019-090/♪みなとみらいホール-26
2019年6月15日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第6回 「ロシア」~3大バレエの1つ クラシックバレエの傑作~
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
横浜少年少女合唱団
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」Op.71
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」全曲(作品71)だ。
抜粋8曲で構成された「組曲」(作品71a)ではない。
過去に、何度か、<バレエ音楽>版を聴いたが、2幕だけだったり、全曲から数曲カットしたものだったので、全曲生で聴くのは初めて。90分もある。長い!
それに、そもそも、バレエ音楽をバレエなしで聴くというのは変ではないか。

後半2幕に入るとお馴染みの音楽がぞろぞろ出てくるので興味が鎌首をもたげてきた。それによく聴くと、この日の県民ホールはなかなか良い響き
「雨の日のホールは良く鳴る」という僕の仮説がまた当たった。
硬質な響きなのだけど、その中にも明るさがあり、管楽器の明瞭さも弦アンサンブルも濁らずに綺麗だ。それに演奏においてはほぼノーミス。
まったく、この数年の神奈川フィルは明らかに一歩高みに登った。
で、最後は心地よく聴き終えたり。
この日は小雨の中、次のみなとみらいホールでの日フィル定期へとハシゴした次第。
♪2019-081/♪県民ホール-05