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2025年7月4日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#30

2025-07-04 @すみだトリフォニーホール



熊倉優:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
小林愛実:ピアノ*

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 op.11*
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95 B.178「新世界から」
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ショパン:夜想曲第20番嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッショーネ」遺作*





2年半ぶりに小林愛実を聴く。ショパンPf協第1番。
これが期待以上に良かった。好みに合っているというか。

以前は感情過多で表情も八の字眉毛。音楽がコッテリした印象だったが、聴く度に余計なものが取れて、今日なんか若くして枯淡の境地か。
淡々と奏でて表情も殆ど平常モードだ。Encのショパン夜想曲20番なんか叙情的にしようと思えば、もうデレデレにでもできそうだが、情緒を抑えてとてもサッパリと弾いて、これも良かった。

後半の「新世界から」は熊倉くんが、こちらも情緒を煽るようなこともなく淡々とオトナの構成だった。そもそも、楽譜どおりで十分粘着質なので殊更に表情を付けなくとも良いのではないか。

オケは昨日のシティと同じような印象だった。
破綻はない。そこそこ良い出来だ。さりとて透明感に欠ける。強奏では各パートの音色が団塊に聴こえてしまいがち。

2025-088/♪すみだトリフォニーホール-03

2023年1月28日土曜日

東京シティフィル第357回定期演奏会

2023-01-28 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:小林愛実*

ベートーべン:「献堂式」序曲 作品124
ベートーべン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40



ベートーベン「献堂式」序曲は初聴き。
作曲の経緯を読むとあまりやる気を持った書いたとは思えないし、実際、聴くと内容的にもとてもベートーべン作とは思えない。
演奏の方もリキが入らず、冒頭の和音5強打中2回目迄は前打音付きかと思うくらいTuttiがズレていた。

小林愛実は昨年2月に都響と協演したベートーべン4番が、それまでの印象を変えて(以前よく聴いた曲種との違いにすぎなかったかも)、とても堂々として情緒を抑えたような様子が好ましいと思ったが、今日のベートーベン協3番でも、磨きをかけているな、という感じがした。
お腹が大きいせいかアンコールなし。

ここでは、オケも本来の力を発揮して好感!

メインが「英雄の生涯」だったが、これを聴いていると日フィル定期に間に合わないので諦めたが、高関氏は当然ここに焦点を合わせていたはずなので残念無念。

まことに余談:
ミーハーの目線では彼女と反田くんの結婚は、釈然としないね。

https://bunshun.jp/articles/-/60361

♪2023-016/♪東京オペラシティコンサートホール-01

2022年2月28日月曜日

東京都交響楽団 第944回 定期演奏会Aシリーズ

2022-02-28 @東京文化会館


大野和士:指揮
東京都交響楽団
小林愛実:ピアノ*

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調 op.93
----アンコール-----------------------
ショパン:24の前奏曲 op.28-4 ホ短調 Largo*


水際対策で入国できなくなった外国人演奏家の代打で登場した小林愛実はヒットどころかホームランをかっ飛ばした。

ショパンコンクール、ファイナリストと4位の違いか。
確実に以前とは一皮剥けていた。
自信に満ちて、それでいて丁寧に音楽に寄り添って、ベートーベンがもし聴いていたら、頭に雷が落ちたように驚いたのではないか。俺はこんな美しい曲を書いたのか⁉︎と。

弱音の早いパッセージも正確で美しい。ま、その位プロなら当たり前だろうけど、コロコロ転がりながら音楽の生成を感じた。

オケとピアノの「音楽」の受渡しが絶妙!

以前は、演奏中の感情・表情過多が気になったが、今日は、作品故かもしれないが、入魂しながらもほぼ無表情で通した。

協奏する「音楽」の面白さを十分に見せ・聴かせてくれた。

都響のサポートがこれまたイツニナク見事。大野の求心力の大きさもあったのだろう。

アンコールは当然ショパン。
前奏曲集からホ短調を選んだのは無論、偶然であって、後半のショスタコ10番ホ短調を意識していた訳じゃあるまい。

とにかく、お見事。

ただ、音楽を”聴く”というより”体験する”という滅多に得られない至福の時間を文化会館ではなく音楽堂で過ごしたかったなあと聴きながらずっと思っていた。文化会館大ホールでは今日のレベルが限度だろう。ピアノの音の美しさはこんなものではないもの。

後半のショスタコーヴィチ交響曲第10番。
弦は前半の14型から都響”得意?”の16型へ。

管弦楽技法の違いが如実に演奏にも表れ、1楽章は苦戦。
2楽章以降持ち直した…というか、高域弦の出番が少なくなったから瑕疵が目立たなかった。
3楽章以降はまとまったが格別の感興得られず。

編成を大きくするのはリスクを伴う。
16型が活かせるかそこが問題だ。

♪2022-027/♪東京文化会館-03

2016年7月30日土曜日

フェスタサマーミューザ2016 NHK交響楽団 ヒーロー・ヒロイン大集合

2016-07-30 @ミューザ川崎シンフォニーホール


広上淳一:指揮

小林愛実:ピアノ*
服部百音:バイオリン:**
平井理央:ナビゲーター

NHK交響楽団

●ジョン・ウィリアムズ:映画「スーパーマン」-スーパーマン・マーチ
●伊福部昭:「ゴジラ」SF交響ファンタジー第1番から
●バリー・グレイ:「サンダーバード」から「オープニング」「トレーシー島」「サンダーバード・マーチ」
●服部隆之:大河ドラマ「真田丸」-テーマ音楽**
●ワックスマン:カルメン幻想曲**
●久石譲:映画「千と千尋の神隠し」から「あの夏へ」*
●久石譲:映画「魔女の宅急便」から「海の見える街」*
●冬木透:「ウルトラセブン」から
●J.シュトラウスII:ワルツ「皇帝円舞曲」
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アンコール
すぎやまこういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅢ」から「そして伝説へ」

N響HPから

映画やTVのスーパーヒーローもののテーマ曲など。
とは言っても、個人的には馴染みのない音楽も多かった。

NHK大河ドラマ「真田丸」の音楽(服部隆之)を娘の百音(もね)が弾いた。TVの方は見ていないけどこのテーマ音楽は何度か聴いたことがある。
小林愛実もジブリ映画の音楽をオーケストラバックで演奏。

今日のN響は、もちろん下手じゃないのだけど、盛り上がらなかった。
独奏バイオリンも小林愛実のピアノも迫力不足の感あり。聴いている席は絶好の場所なのにバイオリンは音圧が低いし、ピアノは、あのカーンと抜けるような快音が響いてこなかった。ミューザで聴くピアノは最高の音だと思ってきたのだけど、僕の体調がイマイチだったのか、あるいは、余り聴きたい音楽ではなかった為に気持ちが集中できなかったからだろうか。

毎年、夏のお子様向けN響コンサートは、どうもぱっとしない。
司会者が頼りなくて、気持ちが乗れないのも原因の一つだ。
以前は高橋美鈴などNHKのアナウンサーが進行を務めていたので安心感があったが、いつから変わったのか知らないけど民放上がりのフリーアナウンサーは、どうもプロ意識が足らないのではないかと思うよ。


♪2016-107/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-18

2016年7月13日水曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート 別刊 小林愛実 ピアノ・リサイタル

2016-07-13 @みなとみらいホール


小林愛実:ピアノ

ラヴェル:水の戯れ
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」から
 3つのペトラルカのソネット第47番、第104番、第123番、  
 ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲
ショパン:24の前奏曲 作品28 全曲
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アンコール(いずれもショパン)
マズルカ 作品17-4
夜想曲第20番嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッショーネ」 遺作


開演前のピアノの調整
昨年のショパン国際ピアノコンクール-ファイナリスト。
ということは順位をつけると7位~10位に相当する訳か。
まあ、どうせ、僕には1位と10位の差も分からないと思うが。

5月下旬にシャルル・リシャール=アムラン(同コンクール第2位)の演奏を同じホールの同じ席で聴いた(セット券を買ったので)。
小林とは演奏曲目が一つもかぶっていないし、2ヵ月近く経っているから印象はぼやけているけど、音量に差があったかなあ。もちろん、アムランの方がダイナミックレンジは広かったような気がする。

開演時間が5分位遅れるのはごく普通のことだけど、彼女の場合は8分も遅れた。観客は完全沈黙で登場を待っているのだけど、5分も過ぎるとさすがに何かあったのかと不審感が拡がり会場が少しざわつき始めたところでようやくのご登場だ。
僕は、少し気分を害して歓迎の拍手を惜しんだのは大人気なかったかも。

登場の際は少し笑顔を見せたが、その後は観客に対してはほとんど無表情だ。
プログラムの節目には頭を下げてくれるのだけど形ばかりで観客との間に共感は広がらない。
それというのも、演奏態度が終始入魂の真剣勝負のようで恰も求道者の如し。コンサート映像などで感情過多の八の字眉毛は知っていたが、そんなに気合を入れなくちゃいけないものか、と不思議に思うくらいだ。だから聴衆のことはなかなか思い至らないのだろう。


素人に彼女の技量のほどは分からないが、7歳でオーケストラと共演し、9歳で国際デビュー。2005年には全国学生音楽コンクール小学校の部で史上最年少(小学4年)で優勝。その後いろんなコンクールで好成績を上げ、14歳でCDデビューも果たしている事情から、非凡な才能の持ち主であることは間違いないだろう。

演奏は、全く手抜き無しの一音一音に気持ちを完全に乗せて弾いているのが良く分かる。彼女の音楽への集中度が観客席にも伝播して、聴いている方も気がつけばかなりの緊張感を強いられているのが分かる。

そういう意味で、中身の濃い演奏会であった。
本篇全曲を弾き終えて退場する際にようやく二度目の笑顔が出た。もう少しゆとりが欲しいが、これでまだ20歳というからこの先どんな傑物に成長してゆくのだろう。


♪2016-097/♪みなとみらいホール-26