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2025年7月9日水曜日

かなっくの響きを楽しむチェンバーミュージック 「奏」Vol.1

2025-07-09 @かなっくホール



新日本フィルハーモニー交響楽団チェロ部門
 弘田徹:Vc
 飯島哲蔵:Vc
 佐古健一:Vc
 佐山裕樹:Vc
 サミュエル・エリクソン:Vc
 多田麗王:Vc
 山内創一朗:パーカッション*


[第一部]
パッヘルベル:カノン
ワーグナー:エルザの大聖堂の入場
ポッパー:レクイエム
ビゼー:カルメンメドレー

[第二部」
フンク:組曲二長調
J.シュトラウス:皇帝円舞曲*
メタリカ:Master of Puppets*
(編曲:鈴木隆太、弘田徹)
ビートルズ:Let it be*
(編曲:山口尚人)
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アメリカン・パトロール




新日フィルVcの弘田徹クンはかなっくHとの付き合いは長いが、今年度からはのクリエイティヴパートナーに任命されて、早速の自主企画を開催することにしたそうだ。

かなっくHの響の良さを新日フィルのメンバーにも知って欲しい、神奈川県下で演奏機会の少ない新日フィルを横浜のお客様にも親しんでいただいて新規のファンを獲得したい、というような趣旨らしい。

新日フィルからVcが5人とティンパニストがかなっくに集合した。

前半は、Vc6人だけ、後半の3曲とEncにパーカッション(ドラムセット)が入った。

同じ楽器の6重奏となると、表現力の面で不足に感じやすいものだけど、Vcは高域も低域も頃良い音域なので、成立するんだろう。Vn6人じゃ面白くないけどVcなら12人でも音楽になる。

とは言え、良い編曲に恵まれないとその良さは発揮できない。
今回も、物足りないものもあったが、概ね、同一楽器の合奏とは思えない多彩な響きを聴かせてくれた。
演奏面では、ちょっと音程の怪しい部分もあったけど。

「奏」Vol.1というからにはVol.2もあるんだろうな。

♪2025-093/♪かなっくホール-09

2020年1月16日木曜日

ともよあずさ 〜ニューイヤーコンサート2020〜

2020-01-16 @みなとみらいホール


堀部ともよ:ピアノ*
中村梓:マリンバ**

モーツァルト:バイオリン・ソナタ第25番ト長調  K301
ドビュッシー:ベルガマスク組曲*
シューマン:幻想小曲集 Op.73
ゴリンスキー:ルミノシティ**
ミヨー:スカラムーシュ
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ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op68
* ** はソロ演奏

ともよさんのピアノと梓さんのマリンバという珍しいデュオ。
みなとみらいホールで毎年リサイタルをやってもう15年とか。
その前はかなっくホールで演ったそうだ。おいおい地元だよ。
それにしてはつい最近までこのデュエットの存在すら知らなかった。

マリンバもいろいろ種類があるのだろうが今日のはえらく大きくて実に豊かな低音が出るので、スタインウェイにも負けない位だ。
音域もかなり広く、音色も木のぬくもりがアコースティックに響くので非常に魅力を感じた。
ピアノとは相性が悪いのではないかと思っていたが、むしろ良すぎて溶け合ってしまいがち。
編曲に工夫が必要か。或いは、1曲中部分的にマレットを変えても良かったのではないか。

両者1曲ずつソロを弾いた。
ともよはベルガマスク組曲で丁寧で美しい。
梓はゴリンスキーのルミノシティ。これは作曲家も作品も全く初めて。楽器として歴史の浅いマリンバのオリジナルといえばどうしても現代音楽になってしまうが、これが結構面白かった。

とても心地よい演奏会だったがもう少しお客が欲しい。
このコンビもMC入れるとか、もう少し観客心理にアプローチした方がいいね。

♪2020-006/♪みなとみらいホール-02

2019年6月30日日曜日

華麗なるコンチェルトシリーズ〜宮田大《チェロよ歌え!》

2019-06-30 @みなとみらいホール


粟辻聡:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

宮田大:チェロ
高木慶太:チェロ(読響団員)*

ブルッフ:コル・ニドライ
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
ソッリマ:チェロよ歌え!〜2つのチェロと弦楽のためのバラード〜*
フォーレ:チェロと管弦楽のためのエレジー ハ短調 作品24
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
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三枝成彰:チェロのためのレクイエム

華麗なるコンチェルト・シリーズ。
と言っても今回は協奏曲は無しでオケ伴奏付きチェロ小品集。

ソッリマの現代曲以外は全部馴染んでいるつもりだったがブロッホのヘブライ狂詩曲「シェロモ」はスコットランド狂詩曲と勘違いしていたか、初聴きだった。
ブルッフの「コル・ニドライ」に輪をかけたヘブライ色濃厚でまるでミクロス・ローザの映画音楽を彷彿とさせて面白い。

これまでの経験で、「宮田大に外れなし」。

今回も、明瞭で美しいチェロの音に感心したが、とりわけ後半のフォーレ「エレジー」とポッパー「ハンガリー狂詩曲」は、普段聴き慣れているピアノ伴奏版とは違いオケ版で一層音楽が豊かに広がり、大海に漕ぎ出したようにチェロも朗々と歌い切った。


♪2019-091/♪みなとみらいホール-27

2018年9月17日月曜日

華麗なるコンチェルト・シリーズ第8回 長谷川陽子〜超絶のチェロ、郷愁のチェロ!〜

2018-09-17 @みなとみらいホール


永峰大輔:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

長谷川陽子:チェロ

モーツァルト:歌劇「皇帝ティートの慈悲」序曲 K621<管弦楽のみ>
パガニーニ:モーゼ幻想曲
ブルッフ:コル・二ドライ 作品47
ポッパー(M・シュレーゲル編):ハンガリー狂詩曲 作品68
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から前奏曲

前半は神奈川フィルをバックにチェロ名曲集などのCDでよく見かけるチェロ定番の小品3曲。
とはいえ、ポッパーのハンガリー狂詩曲は昨年のみなとみらいホールでの30周年リサイタルで陽子さん本人の演奏を聴いているけど、他の2曲は生で聴くのは初めてだった。

独奏チェロの音色の美しいこと。何度もこのホールで彼女の演奏を聴いているけど、今回は特に良く鳴っていた。

CDでこれらの曲を聴く時は、どれほど難しいのかということは何にも感じないで聴いているが、ナマで聴くとその超絶技巧ぶりがよく分かる。
モーゼ幻想曲の倍音奏法が難しそうだった。
つまり、部分的にだけど、御本人も満足できる出来ではなかったと思う。

後半のドボルザークの協奏曲ではオケが時に陽子さんの音に覆いかぶさったりオケと独奏がちぐはぐな部分もあって、協奏曲演奏の難しさを感じたが、それにしても久しぶり(2年2ヵ月ぶり)のドボコンの(構成は巧いと思わないし長すぎるが、)ホンに郷愁を誘うメランコリーな民謡風の美しいメロディーが山のように盛り込まれていることを改めて感じた。

今日のコンサートのサブタイトルが≪超絶のチェロ、郷愁のチェロ!≫だが、なるほど納得のコピーだ。

♪2018-114/♪みなとみらいホール-25

2018年8月28日火曜日

MUZAナイトコンサート60 音と語りで楽しむ「セロ弾きのゴーシュ」

2018-08-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール

チェロ:山崎伸子*
ピアノ:寺嶋陸也+
語り:青池玲奈#

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から*
 前奏曲、サラバンド、メヌエット
ドビュッシー: 前奏曲第1巻から第10曲「沈める寺」+
ドビュッシー:チェロ・ソナタ*+
林光(編曲:青島広志):チェリストのための童話「セロ弾きのゴーシュ」*+#
ポッパー:ハンガリアン狂詩曲*+
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サン=サーンス:白鳥*+

子供向けのようなタイトルの演奏会だが、しっかりと大人向けの充実したプログラムだった。

J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」から始まって、ピアノ独奏ドビュッシーの「沈める寺」、同「チェロソナタ」、林光のチェリストのための童話「セロ弾きのゴーシュ」など。

林光の「セロ弾きの〜」は初聴き。
原曲はオペラらしいが、今日の演奏はチェロ、ピアノ、語りの3人で演奏されるように編曲されている。尤も、オペラの方はオーケストラはピアノ1台だそうだから、今日の簡略版の方が編成は豪華だ!
全9曲で構成されていて、どれも面白いが、この中にもバッハの無伴奏組曲1番前奏曲が組み込まれていたが、ここでは無伴奏ではなく、チェロのアルペジオ風の音楽にピアノによる美しい旋律がかぶる。しばらくするとこれが逆転してピアノがチェロのパートを弾きこれにチェロがメロディーを載せる。
ちょうど、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集の第1曲にグノーが美しい旋律を載せた所謂「グノーのアヴェ・マリア」の趣向と同じことを林光はチェロの無伴奏組曲の第1曲でやった訳だ。無伴奏は単独で演奏されるものだから、邪道かもしれないけど、あまりにうまくメロディが嵌っているので新鮮な驚きがあった。

語り手は第5曲「カッコウのドレミファ」では自らカッコウになって歌うほか、第6曲「子狸のデュエット」では打楽器でも参加しするので、ただ朗読がうまいだけでは務まらない。変形ピアノ・トリオのようだ。

林光を聴く機会はめったにないが、こんなに楽しくて親しみやすいのを作曲しているとは知らなかった。

チェロのベテラン山崎伸子も初めて聴いた。還暦は過ぎていてチラシの写真とのギャップが大きいが、さすがにケレンなく軽ろやかで安定感があり非常に心地良かった。

♪2018-102/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-16

2017年6月10日土曜日

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017前期 ≪4Cellos!≫

2017-06-10 @ミューザ川崎シンフォニーホール


横坂源、辻本玲、伊藤文嗣、上森祥平:チェロ

J.S.バッハ:コラール集から「まぶねのかたわらに立ちて/われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」*
クレンゲル:4つの小品 作品33 「無言歌」、「ガボット」、「子守唄」、「マーチ」*
ポッパー:演奏会用ポロネーズ 作品14*
ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調*
マルコ・ストロッパ:それが厄介なのだ<上森solo>
オッフェンバック:チェロ二重奏曲イ短調 作品53-2<辻本&伊藤>
ヨセフ・ヨンゲン:4本のチェロのための2つの小品 「伝説」、「ダンス」*
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第2番BWV1004から第5曲「シャコンヌ」*
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アンコール
パッヘルベル:カノン*
*印はチェロ四重奏

海外の人気グループ2CELLOSの向こうを張った訳ではないらしいが気鋭の若手4人のチェリスト(横坂源、辻本玲、伊藤文嗣、上森祥平)によるアンサンブル。
「4Cellos」という名前は正式なものではなく、主催者側が便宜的に付けたものらしい。このメンバーでの公式な演奏会は2回めだそうだが、今回ミューザという一流の大ホールで「4Cellos」のリサイタルができることをみんなとても喜んでいた。

チェロ4本用に編曲されたバッハコラールなどで始まったが、やはり、低弦ばかりの4重音は美しくないな、と思っていたが、ハイドンのチェロ協奏曲第1番から面白くなった。独奏部分はそのままに3人がオケ伴に回って、協奏曲を1曲完奏した。
この4人協奏曲が、編曲が良いのだろうな。最初からこういう作品かと思えるほど違和感なく楽しめた。

その後、ソロや二重奏を挟んで最後もバッハだった。

これまでとは逆に独奏の原曲を4人用に編曲した作品だ。無伴奏バイオリン組曲第2番の第5曲「シャコンヌ」。
これを1本のバイオリンならぬチェロで聴くのは経験済みだが、複数楽器での演奏は初めて。
4人で分割している分、30回も続く変奏の構造が分かりやすく、新鮮な感覚で興味深く聴くことができた。
欲を言えばアクロバティックなのにも挑戦してほしいな。

♪2017-098/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-10

2017年5月26日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート ≪四季X四季≫新イタリア合奏団

2017-05-26 @みなとみらいホール


新イタリア合奏団

ピアソラ(デジャトニコフ編):ブエノスアイレスの四季
ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」
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アンコール
ポッパー:ガヴォット
ゴルターマン:ラ・フォイ

新・イタリア合奏団というのはかつてのイタリア合奏団を21世紀に入って衣替えしたものだそうだ。結構有名だったのにSMAPみたいな事情があったのかな。
チェンバロと弦のみ12人の編成で、新旧の「四季」を2曲聴いた。


最初はピアソラの「ブエノスアイレスの四季」。その中の「夏」や「秋」は単独で、いろんな編成で聴いた事があるが全曲は初めてだった。もちろん今回のような編成も初めてだ。あまりタンゴっぽくなかったが、弦楽アンサンブルはきれいだ。


後半にビバルディの超有名なバイオリン協奏曲「四季」全4曲。みんなフツウに上手で、個人的には今や環境音楽みたいになっているので、不覚にも「夏」の途中から夏休みに入ってしまった。
でもアンコールはしっかり聴いたよ。

ビバルディの「四季」と言えば、一昨年の熱狂の日で聴いたA・M・スタシキェヴィチが独奏Vnで指揮振りしたポーランド室内管弦楽団の演奏が忘れられない。あの格闘技のような手に汗握る「四季」をもう一度聴いてみたいものだ。

♪2017-091/♪みなとみらいホール-21

2017年4月26日水曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート 2017前期 ≪アニヴァーサリー・チェロ 長谷川陽子≫ デビュー30周年記念チェロ・リサイタル

2017-04-26 @みなとみらいホール


長谷川陽子:チェロ
仲道祐子:ピアノ

ポッパー:ハンガリー狂詩曲 作品68
E・エルガー:愛の挨拶
J.S.バッハ:G線上のアリア
ベートーベン:モーツァルト「魔笛」から
 ”娘か女か”の主題による12の変奏曲
メンデルスゾーン:歌の翼に
ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番から
 プレリュード
ドボルザーク:わが母の教えたまえし歌
ドビュッシー:月の光
リチャード・ロジャース(加藤昌則編):
 サウンド・オブ・ミュージック・メドレー
サン=サーンス:白鳥
ピアソラ:リベルタンゴ
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アンコール
ポッパー:ガヴォット
ゴルターマン:ラ・フォイ

ピアノに仲道祐子を迎えて長谷川陽子30周年記念リサイタル。高校3年生でデビューしたそうだから、現在47歳のはず。でもそうは見えないな。
プログラムは、ソナタなどの大曲はなく、すべてがアンコールピースみたいな馴染みの曲ばかりだったが、それだけに聴いている方はリラックスの極地。温泉に浸かっているような心地良さ。

音楽も良かったが、曲間に長谷川陽子の解説や仲道祐子との回顧談なども親しみを感じさせて好感。

加えて、「音楽は眼で聴く」が持論だが、別の意味でも堪能。
休憩を挟んでドレスのお色直しもあり満員の場内にどよめきが。
これは眼福なり。

♪2017-065/♪みなとみらいホール-18