2023年9月8日金曜日
未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら特別公演 通し狂言「妹背山婦女庭訓」
2021年6月9日水曜日
6月歌舞伎鑑賞教室
2021-06-09 @国立劇場
●解説 歌舞伎のみかた
●三遊亭円朝=口演
竹柴金作=脚色
尾上菊五郎=監修
人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)二幕四場
国立劇場美術係=美術
序 幕 第一場 本所割下水長兵衛内の場
第二場 吉原角海老内証の場
二幕目 第一場 本所大川端の場
第二場 元の長兵衛内の場
●「解説 歌舞伎のみかた」
解説 中村種之助
●『人情噺文七元結』
左官長兵衛 尾上松緑
女房お兼 中村扇雀
和泉屋手代文七 坂東亀蔵
鳶頭伊兵衛 中村種之助
娘お久 坂東新悟
和泉屋清兵衛 市川團蔵
角海老女房お駒 中村魁春
ほか
本家落語版では、なんと言っても名人志ん朝の「文七元結」が大好きだ。何十回も聴いているが、おかしくて、ほろっとさせられる。
落語は時空が噺家の自在になるが、芝居ではそうもゆかないので、落語の話を少し端折ってあるが、うまく繋いであるので少しも違和感がない。
この芝居、昨年菊五郎ほか豪華版で楽しんだが、今回は主役長兵衛を松緑に譲り(初役)、菊五郎は監修に回った。
やはり松緑こそ実年に近く味わいもピッタリだ。菊之助では長兵衛は務まらない。
毎回、こんなバカな話はないぞ、と思いながらも惹き込まれ、ホクホク、ウルウルしてくる。
娘が身を売って拵えた50両の大金を、長兵衛は店の金を無くして身投げ寸前の文七に逡巡の挙げ句人の命にゃ変えられない、とやってしまう。
長兵衛の女房(お兼=扇雀)はどうせ博打で擦ったのだろうと大喧嘩。この扇雀も巧い。2人の絡みの面白さで話に説得力が生まれ、バカな話もありそうな話になってくる。
今月(来月も)は観賞教室として開催されているので、中・高生の団体がたくさん入っていて、2階最前列の好きな席は取れなかったが、その後取り消しが相次いだようで、結局、2階はガラガラだった。よほどか、空いてる席に移りたかったが、ま、それはじっと我慢して後ろの方で観ていたよ。
本篇に先立って恒例の歌舞伎案内を今回は種之助が務めた(本篇も)が、手際良く、滑舌良く、上手だった。
♪2021-051/♪国立劇場-04
2021年3月9日火曜日
3月国立劇場 歌舞伎公演
2021-03-09 @国立劇場
令和3年3月歌舞伎公演『時今也桔梗旗揚』
《歌舞伎名作入門》
●入門 歌舞伎の“明智光秀”
●四世鶴屋南北=作
中村吉右衛門=監修
時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)三幕
序 幕 饗応の場
二幕目 本能寺馬盥の場
大 詰 愛宕山連歌の場
●「入門 歌舞伎の“明智光秀”」
ご案内 片岡亀蔵
●『時今也桔梗旗揚』
武智光秀 尾上菊之助
小田春永 坂東彦三郎
光秀妻皐月 中村梅枝
森蘭丸 中村萬太郎
光秀妹桔梗 坂東新悟
森力丸 中村鷹之資
山口玄蕃 中村吉之丞
住職日和上人 片岡亀蔵
連歌師宇野丈巴 河原崎権十郎
安田作兵衛 中村又五郎
ほか
光秀が信長のパワハラに我慢ならぬと謀反を起こす物語。
初見だったが楽しめた。
主人公光秀役の菊之助(初役)のほかに信長役の彦三郎、片岡亀蔵、又五郎、梅枝、新吾などいずれも口跡の良いシャキシャキした中堅と若手が清新に舞台を引き締めた。
重鎮は一人も配役されていなかったが、役者の気合十分で、緩むところがなかった。
菊之助は白塗りがよく似合う。
彦三郎はホンに憎らしや!
鶴屋南北の作品には珍しくないみたいだが、寂しくもあり、一方で科白劇として分かり易かったのかもしれない。
本編に先立って、解説を片岡亀蔵が面白おかしく勤めたが、これもなかなかの見もの・聴きもので、夏の鑑賞教室のような構成だ。
それにしても、平日昼間なので、もとより観客層は限られるが、空席が目立った。こんな面白い芝居をもったいないことだ。
♪2021-022/♪国立劇場-03
2019年12月4日水曜日
12月歌舞伎公演「近江源氏先陣館―盛綱陣屋―」/「蝙蝠の安さん」
①近松半二=作
『近江源氏先陣館』(おうみげんじせんじんやかた)
「盛綱陣屋」(もりつなじんや)一幕
国立劇場美術係=美術
佐々木三郎兵衛盛綱⇒松本白鸚
高綱妻篝火⇒中村魁春
信楽太郎⇒松本幸四郎
盛綱妻早瀬⇒市川高麗蔵
後室微妙⇒上村吉弥
四天王⇒澤村宗之助
四天王⇒大谷廣太郎
竹下孫八⇒松本錦吾
伊吹藤太⇒市川猿弥
和田兵衛秀盛⇒坂東彌十郎
古郡新左衛門⇒大谷友右衛門
北條時政⇒坂東楽善
ほか
②チャールズ・チャップリン生誕130年
チャールズ・チャップリン=原作『街の灯』より
木村錦花=脚色
国立劇場文芸研究会=補綴
大野裕之=脚本考証
大和田文雄=演出
『蝙蝠の安さん』 (こうもりのやすさん)
国立劇場美術係=美術
花売り娘お花⇒坂東新悟
上総屋新兵衛⇒市川猿弥
井筒屋又三郎⇒大谷廣太郎
海松杭の松さん⇒澤村宗之助
お花の母おさき⇒上村吉弥
大家勘兵衛⇒大谷友右衛門
ほか
高麗屋一門による「近江源氏先陣館―盛綱陣屋―」/「蝙蝠の安さん」。国立にしては珍しい2本立て。
「盛綱陣屋」はいかにも義太夫歌舞伎らしい本格派。
彌十郎がかっこいい。
「蝙蝠の安さん」はチャップリン「街の灯」を翻案した異色作だが、案外と良くできていた。
幸四郎と猿弥のやりとりの場面で、幸四郎のちょび髭が落ちてしまった。慌てる幸四郎に猿弥が「髭なしで何か面白いことをやれ」と囃し立てる。この場面は客席も大笑いだったが、てっきり、そういう演出だと思って観ていたが、実はそうではなく、髭が落ちたのは予期せぬ事故だったが、猿弥も幸四郎もアドリブで乗り切ったのだという。まあ、喜劇だから、どんな失敗が起こっても笑って済ませるからいいが、「盛綱陣屋」で白鸚のカツラが落ちたりしたらどうにも取り繕いもできないだろうな。
♪2019-193/♪国立劇場-15
2019年7月16日火曜日
令和元年6月 第96回歌舞伎鑑賞教室「菅原伝授手習鑑ー車引」/「棒しばり」
解説 歌舞伎のみかた 坂東新悟
竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 一幕
―車引(くるまびき)―
国立劇場美術係=美術
吉田社頭車引の場
岡村柿紅=作
棒しばり(ぼうしばり) 長唄囃子連中
(主な配役)
「菅原伝授手習鑑 -車引- 」
舎人松王丸⇒尾上松緑
舎人梅王丸⇒坂東亀蔵
舎人桜丸⇒坂東新悟
舎人杉王丸⇒中村玉太郎/尾上左近(交互出演)
藤原時平⇒中村松江
ほか
「棒しばり」
次郎冠者⇒尾上松緑
太郎冠者⇒坂東亀蔵
曽根松兵衛⇒中村松江
ほか
7月は短篇2本。菅原伝授手習鑑から「車引」。
三ツ子の兄弟の出会い・睨み合いを描くだけでこれといって面白い話ではないが、歌舞伎の荒事・和事・実事を隈取りや車鬢、衣装、小道具などで描き分ける点で入門にも相応しい。
松緑の松王丸、亀蔵の梅王丸やよし!
後半は「棒しばり」。
狂言から移された松羽目物。
オリジナルの狂言は若い頃に観ているが歌舞伎版は初見。
遠い記憶と照らしてはほぼ同じように思ったが…。
主人の留守中、悪さをせぬようにと次郎冠者は棒に両手を縛られ太郎冠者は後ろ手に縛られるが、二人協力して酒の壺から大酒する様のおかしさ。こちらも松緑と亀蔵が大活躍。
松江が前半では藤原時平、後半では大名(曽根松兵衛)の役で舞台を締めるはずだけど、イマイチ貫禄不足かなあ。この人は真面目一方な感じで(実際は知らないけど…)ハッタリが不足している。
♪2019-101/♪国立劇場-10
2018年10月4日木曜日
十月歌舞伎 通し狂言「平家女護島」
近松門左衛門=作
国立劇場文芸研究会=補綴
国立劇場美術係=美術
通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)三幕四場
序 幕 六波羅清盛館の場
二幕目 鬼界ヶ島の場
三幕目 敷名の浦磯辺の場
同 御座船の場
(主な配役)
平相国入道清盛/俊寛僧都⇒中村芝翫
俊寛妻東屋⇒片岡孝太郎
瀬尾太郎兼康⇒中村亀鶴
能登守教経/丹左衛門尉基康⇒中村橋之助
俊寛郎等有王丸⇒中村福之助
上臈松ヶ枝⇒中村梅花
海女千鳥⇒坂東新悟
越中次郎兵衛盛次/丹波少将成経⇒中村松江
後白河法皇⇒中村東蔵
ほか
所謂「俊寛」に前後の段を加えた通しとして演じられた。できるだけオリジナルを復元して次代に伝えようという姿勢で、これが国立劇場の魅力だ。
しかし、先月秀山祭@歌舞伎座で吉右衛門が「俊寛」を演ったせいか、2ヵ月続いて「俊寛」では誰が演じてもお客は呼べないだろう。
僕は、秀山祭は昼の部だけを観て夜の部の「俊寛」をパスし、今月の国立での通し狂言「平家女護島」に期待をしていた。
しかし、というか、案の定というべきか、厳しい状況で、芝翫が吉右衛門にかなうはずもなし。
今日のお客の入りは全館で五分〜せいぜい六分の入りか。
舞台は芝翫親子が熱演しているのだけど、空席の目立つ客席は緊張がシカンしていた。
芝翫の息子たち、橋之助・福之助兄弟はそれぞれに出番の多い役で頑張っていたが、舞台にも生まれる緊張の隙間を埋めるには到底心もとなく、お稽古教室の感があった。
鬼界ヶ島で俊寛に斬り殺されてしまう悪役・瀬尾太郎兼康を中村亀鶴が演じていた。亀鶴という役者をこれまで何度も観てきているが、その都度忘れてしまう、まあ、あまり存在感のある役は振られていなかったように思うが、今回の役はなかなか良かった。元気な悪党ぶりが頼もしかった。これで当分覚えているだろう。
♪2018-123/♪国立劇場-014
2018年7月3日火曜日
平成30年7月 第94回歌舞伎鑑賞教室「日本振袖始」
解説 歌舞伎のみかた 坂東新悟
近松門左衛門=作
戸部銀作=脚色
日本振袖始(にほんふりそではじめ) 一幕
〜八岐大蛇(やまたのおろち)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)〜
二世藤間勘祖=振付
高根宏浩=美術
野澤松之輔=作曲
出雲国簸の川川上の場
(主な配役)
岩長姫実ハ八岐大蛇 ⇒中村時蔵
稲田姫 ⇒坂東新悟
素戔嗚尊 ⇒中村錦之助
ほか
先月の鑑賞教室は「連獅子」で、歌舞伎の舞踊を鑑賞するという趣向だったが、今回もどちらかというと舞踊に近い作品だった。
物語は、記紀に描かれた岩長姫と木花開耶姫の婚姻譚や素戔嗚尊の八岐大蛇退治を基にして、なんと近松門左衛門が人形浄瑠璃として書いたものだそうで、すぐさま歌舞伎にも移されたとある。
「時代物」でも、よほどか古い時代の話だが、登場人物の衣装は、少なくとも2人の姫は江戸時代の衣装だ。まあ、そんなことは頓着しない。面白ければそれで良し。
主要登場人物は3人。と言っても稲田姫は生贄で活躍の場もなく大蛇に飲み込まれてしまう。一番活躍するのが岩長姫(実は大蛇)だ。生贄をいただく前に、その周りに置いてあった大きな8つの甕に入っていた酒をたらふく飲んでから稲田姫を飲み込んでしまう。
お酒には素戔嗚尊が毒を仕込んでおいたので、徐々に毒が身体に回わったところで、正体を明らかにした八岐大蛇は素戔嗚尊と切り結ぶことになる。この辺の所作が激しいものの舞踊を見ているようでもある。
8つも頭がある大蛇をどう表現するのか、と心配していたが、そこは分身の術で7人の大蛇が加わって、計8人の大蛇との戦いになるが、もちろん、素戔嗚尊が勝利して、切り裂いた腹の中から生きたままの稲田姫と宝剣を取り返す。
岩長姫は当然女であり、女方の時蔵が演ずるが、八岐大蛇という正体を表してからは、衣装が早変わりで金の鱗模様(これは蛇の印)となり、顔には女方としては非常に珍しい隈取をして恐ろしい形相での大立ち回りが見どころだ。
♪2018-078/♪国立劇場-11
2016年8月16日火曜日
八月納涼歌舞伎 第一部
2016年7月27日水曜日
平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来」(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい) (平成28年度神奈川県歌舞伎鑑賞教室)
2016年7月3日日曜日
平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来」(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
2015年12月8日火曜日
12月歌舞伎公演「東海道四谷怪談」
だからとても良い。
染五郎は別としてほかにも良い味を感じた役者が何人かいた。