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2024年3月2日土曜日

第127回N響オーチャード定期 東横シリーズ 渋谷⇔横浜 <ブラームス・チクルス>

2024-03-02 @みなとみらいホール



アンドレアス・オッテンザマー:指揮
NHK交響楽団
ダニエル・オッテンザマー:クラリネット*

~オール・ブラームス・プログラム~
大学祝典序曲 作品80
クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 作品120-2(コンツ編)*
ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
ハンガリー舞曲集から
 第1番、第3番、第4番、第6番
2つのワルツ イ長調(コンツ編)*
 ワルツ作品39-15
 ワルツ集「愛の歌」作品52から
 第6曲「かわいらしい小鳥が」
ハンガリー舞曲集から
 第7番(コンツ編)*
ハンガリー舞曲集から
 第2番、第5番



ブラームス・チクルス全5回中、最も期待できない回だったが、期待どおり?だった。

元々、Aオッテンザマーが弾(吹?)き振りをするはずだったが、体調を壊して指揮だけになり、兄さんのDオッテンザマーがクラリネットを引き受けた。その経緯もしっくりこないけど、プログラムが細かすぎる。

ハンガリー舞曲をやるならを全21曲をやることもできたのに、1〜7番の7曲だけ。その間に極端に短い2曲のワルツが挿入されるなど、構成意図が分からなかった。

冒頭の大学祝典序曲の出来がよろしくなかったことも、最後まで尾を引いて気分が乗れなかった。

管弦のアンサンブルにズレを感じたし、全体がゲネプロかと思うほど残念な出来だった。

N響は過去Pヤルヴィやデュトワなどでみなとみらいでは何度か名演を聴かせてくれたのに、今回は史上最悪の出来だった。

余談:
ティンパニーに神奈川フィルの篠崎くんが客演していた。
コンマスがマロさんだったら親子共演と兄弟共演になったのに。

♪2024-034/♪みなとみらいホール-06

2022年7月3日日曜日

名曲全集第178回 ベルリン・フィル首席の貴公子が初登場!

2022-07-03 @ミューザ川崎シンフォニーホール



アンドレアス・オッテンザマー:クラリネット独奏*&指揮
東京交響楽団


モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K. 385「ハフナー」

メンデルスゾーン(オッテンザマー編):無言歌集から(クラリネットと弦楽合奏版)*

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲

ブラームス(ベリオ編):クラリネット・ソナタ 第1番ヘ短調 op. 120-1(管弦楽版)*




クラリネット兼指揮のAオッテンザマーは才人だ。色んな楽器で国際コンクール制覇級の腕前らしいが、あいにくこれまでクラリネットしか聴いたことがない。

今回は、加えて指揮と編曲の才能も披露したがそれが成功していたのかどうもよく分からない。

最初の「ハフナー」で僕は躓いた。

冒頭のTuttiが弦より管が大きくて違和感の始まり。
古楽的アプローチだったのかもしれないが、それでもあんな始め方は納得できないな。

そこで印象悪くして、どれも気分が乗らなかった。

無言歌はやっぱりPfで聴きたい。
Clソナタも原曲がよろしい。

彼にとっては楽しいひと時だったろうけど。

余談ながら、今回もコンマスのGニキティンの表情が冴えない。
それが気になったよ。

もう一つ。
相変わらず演奏中のマスク着用者が多い。

最近の他のオケの例では、昨今少なくなって弦奏者の1割〜多くて2割だが、東響は5割以上だ(先日の都響のマーラー6番では弦16型=60人でマスク着用は6人)。

ミューザはウィルスが飛び交っているのか?と心配になる。


♪2022-096/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22

2019年7月7日日曜日

読売日本交響楽団第218回マチネーシリーズ

2019-07-07 @東京芸術劇場大ホール


小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
アンドレアス・オッテンザマー:クラリネット*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番ヘ短調 作品73*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88
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ハンガリーの民謡*
ドボルザーク:交響曲第8番第4楽章から終結部

響きに不満があるので、余程のことがない限りこのホールでは聴きたくないが、今回は、横浜定期が他の用事とダブったために仕方なく藝劇の公演と振り替えてもらった。
振替えの場合は席を選べない。同じランクの中で空いている席があれば振り替えてもらえるという仕組みなのでとやかく言えないが、その振替席は、ここでもS席かと思うような場所だった。

前から10番目はかろうじて許容できるが、Lブロックでしかも壁際から2席目だ。やや舞台中心方向に傾けて並べてあるブロックであるとは言え、それでも背もたれに背中をつけてまっすぐ前を見ると第1バイオリンの第4プルト(前から4列目)が正面だ(指揮者の背中を見るのが理想。)。つまり、オーケストラの左端近くに座っている訳だからバランスが実に悪い。

音のバランスだけでなく、目はどうしても指揮者に向かうので、身体は自然とねじれてくるし、よくまあこんな席でもS席で売るものだ、いや、買う人がいるのが不思議。

と、心中さんざの悪態をつきながら開演を待ったのだけど、ねじれはともかく、演奏が始まってみるとこれが、案外良い感じで聴こえてきた。「雨の日はホールが良く鳴る」とは僕の仮説だが、今日も、藝劇でも、正しかったようだ。

普段は響いてこない、特に弦がぼやけがちのホールなのに、10列目というせいもあったろうが、今日は弦がよく響くこと。
指揮者の右側にいるビオラは遠いというデメリットがあるが、チェロやコントラバスは指揮者越しにこちらを向いているので、見た目のせいか低域弦もそこそこ鳴っているのだ。
これで案外管楽器と弦のバランスがうまくいったようで、当初覚悟していたような悲惨な音響的経験にはならずに済んだ。
とは言え、やはり真ん中の真ん中で聴くのが一番いい。

クラリネット独奏のオッテンザマーはベルリンフィルの来日公演でも聴いているので、これでオケの独奏としては3度目か。室内楽でも聴いたように思うが記録していないな。
アンコールで吹いたのがテクニックの披露だったが、本番のウェーバーではあまり音色の美しさは感じられなかった。

ドボルザークの8番はやはりいつ聴いてもいいなあ、と感じさせる。ブラームスが賞賛したというメロディーメーカーぶりが特にこの8番では発揮されているのではないか。全篇がボヘミアぽい哀愁に満ちているのが素晴らしい。
この頃聴くコバケンは遊びを封印してひたすら正統的だ。

尤も、アンコールでは4楽章終結部を思い切り超速で振って、観客サービス怠りなし。

♪2019-096/♪東京芸術劇場大ホール-3

2015年2月20日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団第306回定期演奏会

2015-02-20 @みなとみらいホール


川瀬賢太郎(常任指揮者)
アンドレアス・オッテンザマー (Cl)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番へ短調
チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調 小ロシア
-----------------
アンコール(Cla+管弦楽)
レオー・ヴィネル:2つの楽章から第2曲"Barndance"


ウェーバーの協奏曲を吹いたクラリネットのアンドレアス・オッテンザマー(墺)はマルチプレイヤーというか、マルチタレントというか、クラリネットのみならず、ピアノ、チェロでも国際コンクールの優勝経験があるそうだ。

エージェント?らしいプロアルテムジカの紹介ページをそのまま引き写しておこう。
「1989年、ウィーンにて音楽一家に生まれる。4歳でピアノのレッスンを始め、1999年よりウィーン国立音楽大学にてチェロをヴォルフガング・ヘルツァーに師事。11歳のときにクラリネットに転向し、2003年よりウィーン国立音楽大学にてヨハン・ヒンドラー~に教えを受ける。

 オーストリア青少年音楽コンクールではクラリネット、チェロ、ピアノ、室内楽部門で12度の優勝。2007年、Musica Juventutisコンクールに優勝し、コンツェルトハウスでの受賞者演奏会に出演。

 アメリカ・ハーヴァード大学にてリベラルアーツの勉学に励む中の2009年、ベルリンのカラヤン・アカデミーに入学、ほどなくベルリン・ドイツ交響楽団首席奏者に就任。

2011年3月、22歳の若さでベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者に就任。父エルンストは83年より、兄ダニエルは09年よりウィーン・フィルの首席奏者を務めるという、クラリネットの超名門一家。ソロ・クラリネット奏者としては史上初めてドイツ・グラモフォンとの専属契約を結んだ若きカリスマ。」



ということで、大した才人だ。
「音楽性」はどんな楽器(奏者)にも共有できるけど、各楽器の演奏技術はそれぞれに異なるのだから、彼が「天才」かどうかは別にしても、相当な努力家…くらいにはとどまらない霊感の持ち主なのだろう。


ウェーバーのことはほとんど知識がない。
考えてみると中学時代に「音楽」で学んだ知識を一歩も出ていない(苦笑)。
ドイツ・ロマン派のオペラ様式を打ち立てた作曲家として重要な位置にあるらしいが、オペラはもとより他の器楽曲もあまり演奏されないようだ。我がCDコレクションにも小品3曲数えるのみ。

クラリネットは好きな楽器だったのか、協奏曲が2曲。ほかにクラリネットを含む室内楽作品もいくつかある。

で、この協奏曲第1番。
まるでオペラのようなドラマチックな出だしだったな。
ほかには、低音域と高音域の間を急上昇したり急降下したりの名人芸が駆使されていたやに思う。


チャイコフスキーの交響曲第2番は生で聴くのは初めて。CDでもまず聴くことはないので、コンサートの前に2、3度聴いてみたけど、いまいち楽しめないので本番が不安だったが、やはりナマの音楽は全然違うね。冒頭からすんなりとその世界に入れた。

4番以降の交響曲のような馴染みの旋律は出てこないけど、「小ロシア」のタイトルの理由になったウクライナの民謡が中心に据えてあるので、土着的というか、素朴な味わいだけど、終楽章はその民謡によるお祭り騒ぎのようだ。

♪2015-16/♪みなとみらいホール-06