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2024年7月21日日曜日

読売日本交響楽団第136回横浜マチネー名曲シリーズ

2024-07-21 @みなとみらいホール



エリアス・グランディ:指揮
読売日本交響楽団
マリー=アンジュ・グッチ:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
------------------------
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲からカデンツァ*



みなとみらい大ホールに3日連続して通って明らかになったのは、さすがのみなとみらいも猛暑に弱いと言うことだ…と僕が思い込んでいるだけで真相は違うのかもしれないが。

とにかく、乾燥しすぎ。
それは1番にピアノの音に、2番に弦の高域に現れる(3日ともほぼ同じ場所で聴いた。特にピアノは、同じ場所に置かれた同じスタインウェイを聴いた。)。

ピアノは中低域が重くなり、弦は高域がシャリシャリする(サントリーは天候に関わらずもっと残念な響だけど。)。

神奈川フィルでは、さほど感じなかったのは賑やかな音楽ばかりだったからだろう(ミッキー最後の共演とあってか、演奏も気合に満ちていた!)。

今日は、憧れの、バイオリン界の百済観音、日下紗矢子嬢がコンマスだった(いつもながら背筋がまっすぐでボウイングが美しい。)。眼福である。

第一声から疑問を持ったまま、初聴きのグッチ嬢のショパンは、ぼんやりと聴いてしまった。
アンコールが聴き慣れないはずで、ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲からカデンツァだった。
てことは、左手だけで演奏したのか?
これも見逃しているよ。

ブラームス4番。これはまずまずだったが、やはり弦が美しく無い。とてもいつもの読響とは思えない。

全部がホールの鳴りのせいでも無いだろう。
集中できなかった僕にも問題がある。

♪2024-104/♪みなとみらいホール-30

2023年12月23日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 For Future 巡回公演シリーズ 横浜公演 「第九」演奏会 ❼

2023-12-23 @みなとみらいホール


園田隆一郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:神奈川ハーモニック・クワイア

ソプラノ:迫田美帆
メゾ・ソプラノ:福原寿美枝
テノール:澤崎一了
バリトン:青山貴

ウェーバー:歌劇「オベロン」から序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



「ドイツレクイエム」を唯一の例外として、ほぼイタリアオペラしか聴いたことがない園田ちゃんがベートーベンを、それも「第九」をやるということ自体がビックリで興味深かったが、蓋を開けたら、しっかりベートーベンだ。それも実に小気味の良い「第九」に仕上がっていた。

一つは弦12型ということもあるが、コンパクトでまとまりが良い。特に終楽章の音楽作りには刮目すべきものがあった。昨日の下野節とは全然異なるアプローチで、処々、タメを利かす場面はあったが、全体としてはほぼイン・テンポで駆け抜けた。

全曲の演奏時間は今年の「第九」7回目にして最短。楽章間休止も入れて64分。因みに最長はコバケン日フィルの72分。

低弦のレシタもオペラぽく歌わせるのかと思ったら、いかにもドイツ風で、引っ張り回すことなく軽やかだった。

終楽章は、本来、歌の意味からしても重苦しくなく、あまり荘厳にもならず、明るく突き抜けてほしいと思っていたが、今日の園田節は正に軽快に歌い抜けた。

コンマスはこの頃珍しい組長が就いた。
その弦も組長好みの繊細で美しい響だった。

管打も全く不満なし。
特にHrは4人がそれぞれに良い仕事をした。特に首席の坂東ちゃんの見事なこと!
読響より、N響より冴え渡っていたよ。

合唱団の規模があまりに小さかった(20+20)ので、怖いような音圧の壁は感じられなかったが、さりとて不足とも思わなかった。軽快な終楽章の為にはこの編成には意味があったのだろう。

今日の独唱陣はP席最前列だが客席との間に遮るものもなく、実に明瞭。これでなくちゃ。
やはりNHKホールのように奥行きが深い(その上背後に百人の合唱団)場合は舞台最前列に出るべきだよ。

これで「第九」7回目。
総合点としてN響をあっさり超えて読響と同点1位かな。

ほんに爽快な「第九」を聴いた。

♪2023-225/♪みなとみらいホール-50

2022年12月24日土曜日

「第九」2022-❽ 神奈川フィル「第九」特別演奏会 2022 フューチャー・コンサート厚木公演

2022-12-24 @厚木市文化会館



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
プロ歌手による神奈川フィル合唱団

砂川涼子(ソプラノ)
八木寿子(メゾソプラノ)
笛田博昭(テノール)
青山貴(バリトン)

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



神奈川フィルの「第九」は三ツ橋敬子指揮@ミューザで既に聴いたが、今回は、沼さんの指揮。

独唱陣も異なって、
砂川涼子❤️Sp
八木寿子Ms
笛田博昭Tn
青山貴Brだ。

これは聴かねばなるまいと、遠路厚木まで出かけた。

厚木市は人口22.4万人。財政力指数県内1、関東で5位という豊かな街だそうな。さぞや立派な文化会館かと思いきや小都市にどこにでもあるような多目的のフツーの造作だった。

が、キャパ1400のこじんまりしたホールは残響は少なめだが明るい軽やかな響きだった。

弦は10型(低域12型風)は昨年同様。

合唱は男女とも14人の計28人。

今年12回聴く「第九」の中で、あと4回を残すものの、オケ・合唱とも最小規模だろう。

そのコンパクトなオケを纏めたコンマスは日フィルの千葉清加の客演だ。17日の日フィル「第九」@みなとみらいでは次席に座っていた。

コンマスとしての仕事ぶりを見るのは初めてだったかもしれないが、やはりボウイングや上半身の使い方が違う。よく、リードしていたと思う。

沼さんの「第九」を聴くのは初めて…だと思うが、こちらも正統派。ケレンはつゆほどもないが、だから面白くないのではなく、安心して聴ける。

10型の編成はキビキビし、弦の透明感も確保できている。もう少し弦を増やしたら厚みが出るけどその分濁りが出る心配がある。今日は、これで良かったと思う。
ホルンのソロも安定して、とくに3楽章の4番ホルンのソロも見事に決まった。

不安だったのは、声楽陣の着座だ。

通常は冒頭から。または3楽章の前に入場着座する。
しかし、今日は2楽章が終わっても入ってこない。
そして3楽章が始まった。
てことは4楽章の前に入るのか?
ところが3楽章が終わると間髪を容れず4楽章に突入。
あれれ。

さらに低弦のレシタが始まり、歓喜の旋律が始まっても声楽陣は入ってこない!

歓喜の歌が、オケのTuttiで盛り上がったその時、合唱も独唱も入場した。確かに人数が少なく短時間で並び、大音量だから足音もかき消されてしまうのだ。

実は、神フィルには前科があり、少なくとも19-20年も同様のスリルを味わったことを思い出した。
まあ、無駄のない演出とも言える。

ともかく、演奏は見事だった。
会場の大きさや響のタイプの違いを考えてこういう編成にしたのかどうか分からないが、オケの編成は大きければいいというものではない。コンパクトの良さを活かした、快活な演奏が実に心地よし。

演奏好感度★95点

♪2022-203/♪厚木市文化会館大ホール-01

2022年7月3日日曜日

名曲全集第178回 ベルリン・フィル首席の貴公子が初登場!

2022-07-03 @ミューザ川崎シンフォニーホール



アンドレアス・オッテンザマー:クラリネット独奏*&指揮
東京交響楽団


モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K. 385「ハフナー」

メンデルスゾーン(オッテンザマー編):無言歌集から(クラリネットと弦楽合奏版)*

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲

ブラームス(ベリオ編):クラリネット・ソナタ 第1番ヘ短調 op. 120-1(管弦楽版)*




クラリネット兼指揮のAオッテンザマーは才人だ。色んな楽器で国際コンクール制覇級の腕前らしいが、あいにくこれまでクラリネットしか聴いたことがない。

今回は、加えて指揮と編曲の才能も披露したがそれが成功していたのかどうもよく分からない。

最初の「ハフナー」で僕は躓いた。

冒頭のTuttiが弦より管が大きくて違和感の始まり。
古楽的アプローチだったのかもしれないが、それでもあんな始め方は納得できないな。

そこで印象悪くして、どれも気分が乗らなかった。

無言歌はやっぱりPfで聴きたい。
Clソナタも原曲がよろしい。

彼にとっては楽しいひと時だったろうけど。

余談ながら、今回もコンマスのGニキティンの表情が冴えない。
それが気になったよ。

もう一つ。
相変わらず演奏中のマスク着用者が多い。

最近の他のオケの例では、昨今少なくなって弦奏者の1割〜多くて2割だが、東響は5割以上だ(先日の都響のマーラー6番では弦16型=60人でマスク着用は6人)。

ミューザはウィルスが飛び交っているのか?と心配になる。


♪2022-096/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22

2021年8月7日土曜日

フェスタサマーミューザ2021 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪テーマは世界史の大文豪。心憎いプログラム!≫

2021-08-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール



指揮:下野竜也
日本フィルハーモニー交響楽団
語り:宮本益光(エグモント)*
ソプラノ:石橋栄実(クレールヒェン) *

ウェーバー:歌劇「オベロン」から 序曲
ヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーヴス」による幻想曲
ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」から 序曲
ベートーベン:劇音楽「エグモント」作品84(全曲) (語り台本:藁谷郁美)*



「シェークスピアとゲーテに因んだプログラム〜」とか書いてあったが、よく読めば、「エグモント」以外は強引な関連付けで白ける。


その「エグモント」は、《序曲》を中学生の時に吹奏楽クラブで演奏して以来のお馴染みで、演奏会でも数え切れない程聴いている。しかし、劇音楽「エグモント」の全曲演奏となると、今回が初めてだった。


語りと歌(Sp)入り。

貴重な経験だったが、これがベートーベンの意図した上演方式なのか不知。


馴染みのある《序曲》と《終曲》(ほぼ序曲と同じ?)に挟まれて歌入は2曲だけ、間奏曲が4曲もあるって、どうも構成がよく分からず入魂できなかったが、収穫はソプラノ石橋栄美。

2018年の新国立劇場「フィデリオ」マルツェリーネ、今年の新国立劇場・観賞教室「カルメン」のミカエラ等で聴いていたが、間近で見るとカワイイ😍!


♪2021-082/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-023

2019年7月7日日曜日

読売日本交響楽団第218回マチネーシリーズ

2019-07-07 @東京芸術劇場大ホール


小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
アンドレアス・オッテンザマー:クラリネット*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番ヘ短調 作品73*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88
---------------
ハンガリーの民謡*
ドボルザーク:交響曲第8番第4楽章から終結部

響きに不満があるので、余程のことがない限りこのホールでは聴きたくないが、今回は、横浜定期が他の用事とダブったために仕方なく藝劇の公演と振り替えてもらった。
振替えの場合は席を選べない。同じランクの中で空いている席があれば振り替えてもらえるという仕組みなのでとやかく言えないが、その振替席は、ここでもS席かと思うような場所だった。

前から10番目はかろうじて許容できるが、Lブロックでしかも壁際から2席目だ。やや舞台中心方向に傾けて並べてあるブロックであるとは言え、それでも背もたれに背中をつけてまっすぐ前を見ると第1バイオリンの第4プルト(前から4列目)が正面だ(指揮者の背中を見るのが理想。)。つまり、オーケストラの左端近くに座っている訳だからバランスが実に悪い。

音のバランスだけでなく、目はどうしても指揮者に向かうので、身体は自然とねじれてくるし、よくまあこんな席でもS席で売るものだ、いや、買う人がいるのが不思議。

と、心中さんざの悪態をつきながら開演を待ったのだけど、ねじれはともかく、演奏が始まってみるとこれが、案外良い感じで聴こえてきた。「雨の日はホールが良く鳴る」とは僕の仮説だが、今日も、藝劇でも、正しかったようだ。

普段は響いてこない、特に弦がぼやけがちのホールなのに、10列目というせいもあったろうが、今日は弦がよく響くこと。
指揮者の右側にいるビオラは遠いというデメリットがあるが、チェロやコントラバスは指揮者越しにこちらを向いているので、見た目のせいか低域弦もそこそこ鳴っているのだ。
これで案外管楽器と弦のバランスがうまくいったようで、当初覚悟していたような悲惨な音響的経験にはならずに済んだ。
とは言え、やはり真ん中の真ん中で聴くのが一番いい。

クラリネット独奏のオッテンザマーはベルリンフィルの来日公演でも聴いているので、これでオケの独奏としては3度目か。室内楽でも聴いたように思うが記録していないな。
アンコールで吹いたのがテクニックの披露だったが、本番のウェーバーではあまり音色の美しさは感じられなかった。

ドボルザークの8番はやはりいつ聴いてもいいなあ、と感じさせる。ブラームスが賞賛したというメロディーメーカーぶりが特にこの8番では発揮されているのではないか。全篇がボヘミアぽい哀愁に満ちているのが素晴らしい。
この頃聴くコバケンは遊びを封印してひたすら正統的だ。

尤も、アンコールでは4楽章終結部を思い切り超速で振って、観客サービス怠りなし。

♪2019-096/♪東京芸術劇場大ホール-3

2018年10月27日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第341回横浜定期演奏会

2018-10-27 @みなとみらいホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

辻本玲:[日本フィル・ソロ・チェロ]*
石丸由佳:オルガン#

ウェーバー:歌劇《オベロン》序曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 op.33
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」#
---------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番からサラバンド*
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番ト短調
サン=サーンス:交響曲第3番から”終結部”

サン=サーンスのチェロ協奏曲。
ソリスト辻本玲(日フィルのソロ・チェリスト)のチェロの音色の美しいこと。ストラディバリウスだというが、普段、オケのチェロ首席として弾いている時はこの楽器使っていないのだろうなあ。もし使っておれば、彼の音だけ響きすぎると思うもの。

メインは9日前にも都響で聴いたばかりのサン=サーンス交響曲第3番。巷では「ガン付き」とも略されているが、「オルガン付き」のこと。連弾ピアノも「付いている」が、オルガンの圧倒的存在感の前に影が薄い。

時々、指揮しながら、お客様サービスで遊ぶコバケン(小林研一郎)だが、今日の「ガン付き」では「遊び」を完全に排した正統的で堂々たる構成力を示してくれた。
テンポは遅め。
特に第2楽章は失速しそうだが、ギリギリで緊張が維持された。クライマックスへの焦らされ具合がむしろ心地良い。

弦の透明感も管の迫力も良かった。主役のオルガン・ルーシーの音色が美しい。サントリーのオルガンは重低音ではゴロゴロ唸っていたがルーシーはピュアに響く。

都響@サントリーHに比べて数段上等の出来で満足できた。

アンコールでは、久々にコバケンお得意のハンガリー舞曲5番を聴く。テンポ・強弱遊び放題も又楽し。


♪2018-137/♪みなとみらいホール-29

2018年7月29日日曜日

フェスタサマーミューザ2018 東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 ≪正統派ドイツ音楽Ⅱ≫

2018-07-29 @ミューザ川崎シンフォニーホール


高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団

シュテファン・ヴラダー:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 
ベートーベン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73 「皇帝」*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
-------------------
リスト:コンソレーション(慰め)第3番変ニ長調*
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番

東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団を聴くのは、ピットに入っている場合を除けば年に1回、このフェスタサマーミューザに於いてのみ。
過去の記録を読み返すと、いずれもあまり良いことを書いてない。
高関健の指揮ぶりは「第九」を除いてどちらかというと好感を持っている。「第九」は2度聴いたが、2度とも3楽章の後に声楽ソリストを入れるので緊張が途切れる。2度ともそうだったのは、指揮者の指示によるからだろう。この演奏の仕方が僕は好きじゃない。3楽章が終われば間髪入れず4楽章に入ってほしい。…とまあ、これは今日のコンサートとなんの関係もないし、この「第九」の演奏というか演出というか、それ以外の指揮ぶりは嫌いじゃない。現に先月の神奈川フィルのベートーベン特集は見事なアンサンブルを引き出していた。

が、高関健が常任指揮者を務める、まさにホーム・オケである東京シティ・フィルを振ったときは、あまり良い印象が残っていない。てことはやはりオケがまだ発展途上なのかもしれない。

「魔弾の射手」では弦(の編成は本日全曲14型でコンバス7本)はいい感じで出たのだけど、肝心のホルンの重奏で躓いた。その後も、どうもアンサンブルがしっくり来ない。雑な感じだ。

皇帝でもピアノは悪くなかったが、管・弦・ピアノがどうも別々の方向を向いているような気がした。

メインのブラームス第4番。冒頭の弦が、波のようにうねりながら寄せてくるロマンが足らない。事務的で即物的な印象を受けた。ここはいくら禁欲家のブラームスだって情緒を訴えたいところだろう。その後も全体としてアンサンブルが噛み合わず、感情移入できない。
特に第3楽章のトライアングルには参った。音が悪い。楽器のせいか、打ち方の問題か分からないけど、ものすごく違和感があって、全体の音楽を壊してしまった。

このトライアングルはアンコールのハンガリー舞曲第1番でも大活躍するのだけど、響が悪いので、むしろ全休止してくれた方が良かった。この楽器はもっと良いものに変えてほしいよ。たかがトライアングルと思うなかれ。

♪2018-091/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2018年2月17日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第337回

2018-02-17 @みなとみらいホール


小泉和裕(特別客演指揮者)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
小山実稚恵:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68

1曲めの「オベロン序曲」、ナマで聴くのは初めてだった。最初はぼんやりと始まるが、2分ほどして耳に馴染んだ旋律が強奏に続いて始まる。そのTuttiがとてもきれいで、ハッとさせられた。

グリーグのピアノ協奏曲も、ティンパニーのロールが1小節続いた後に全楽器の強奏とともにピアノのソロが始まるが、そのTuttiがピタリと揃って実に心地よい。
ブラームスにおいても然り。今日の小泉・神奈フィルコンビは両者の呼吸がよく合っていて最後まで乱れなかった。
こういう時は響も良くて、時にスカスカのアンサンブルに失望することもあるが、今日はしっかりと中身が詰まっている。
弦の高域もキンキンせず管・弦・打が豊かな響を聴かせてくれた。
久しぶりに聴く小山実稚恵の流麗で安定感のあるピアノもさすがのものだ。
グリーグは名曲だなと改めて思う。
しかしそれ以上にブラ1の素晴らしいこと。

演奏も良かったので、名曲たちがますます輝きを放ったように思う。

♪2018-020/♪みなとみらいホール-07

2017年4月23日日曜日

読響第95回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2017-04-23 @みなとみらいホール


サッシャ・ゲッツェル:指揮
読売日本交響楽団
ユリアンナ・アヴデーエワ:ピアノ*

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16*
ドボルザーク:交響曲第7番ニ短調 作品70
---------------
アンコール
チャイコフスキー:瞑想曲(18の小品 作品72から)*

序曲「魔弾の射手」は出鼻のホルンが崩れて的を外したようだ。しかし、グリーグのピアノ協奏曲は引き締まった。
アヴデーエワのピアノが歯切れよく、オケとの絡みもスリリングで協奏曲の醍醐味を味わう。さすがに前々回のショパンコンクール覇者(女性優勝者はアルゲリッチ依頼45年ぶりだそうな。)の貫禄あり。

グリーグPf協奏曲は超有名曲の割にはナマで聴く機会が少ないが、今日の演奏で初めて「名曲」の所以を素直に納得できた気がする。
初顔合わせのS・ゲッツェルと読響もこの曲辺りから段々噛み合ってきたようだ。

最後のドボルザーク交響曲7番も8番「イギリス」、9番「新世界から」ほどには演奏されず残念だ。しかし、これらに負けず劣らずの名曲だと思う。
番号順で濃厚になるボヘミヤ色がここではまだ薄い分、独墺風の絶対音楽の雰囲気があってブラームスの延長を感じさせる堂々の作風。出鼻を挫いたホルンもここにきて絶好調。分厚い弦の響も相まって読響は今季良いスタートを切った。


♪2017-064/♪みなとみらいホール-17

2017年1月23日月曜日

東京都交響楽団 第822回 定期演奏会Aシリーズ

2017-01-23 @東京文化会館


小泉和裕:指揮
ヨシフ・イワノフ:バイオリン*
東京都交響楽団

ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲 作品81
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 作品35*
グラズノフ:交響曲第5番 変ロ長調 作品55
----------
アンコール*
ヴィエニャフスキ:カプリースNo.4

チャイコのバイオリン協奏曲。
ヨシフ・イワノフは初聴きだ。プログラムの解説にもあまり詳しいことが書いてない。NETで調べても国籍も年齢も分からない。
でも、16歳でモントリオール国際コンクール第1位、2年後にはエリザベート王妃国際コンクールでも第2位と観客賞を受賞したというから才能のある人なのだろう。

一昨年の秋に、五嶋龍+hr交響楽団で聴いたチャイコにしびれたが、その後何人もの演奏を聴いたがあれに匹敵するモノはない。
良い音楽に巡り合うのは幸福なことでもあるが、その後には不幸が続く。
今回も、五嶋龍+hr響を超えるものではなかった。
とはいってもフツーに楽しめるのだけど。

楽しめると言えば、グラズノフだろう。
交響曲第5番は昨秋、日フィルで聴いたが、西洋ロマン派+ロシア民族派の集大成と言った感じで、ドイツロマン派を含み、もちろんチャイコフスキーら先輩たちの匂いがそこここに立ち込めているようだ。
特に終楽章の強力なシンコペーションを刻むリズミカルでド派手な音楽は大いにカタルシスを与えてくれる。

♪2017-010/♪東京文化会館-01

2016年8月7日日曜日

フェスタサマーミューザ2016 日本フィルハーモニー交響楽団 オーケストラの醍醐味 バボラークの英雄

2016-08-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ラデク・バボラーク:指揮
仲道郁代:ピアノ
日本フィルハーモニー交響楽団

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
クーラウ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.7
ベートーベン:交響曲第3番「英雄」

「魔弾の射手」序曲、有名なホルンの重奏によるメロディがあまり美しくないし、次いで出てくるクラリナットのメロディーも部分的に瑕疵があったように思った。
なぜ、指揮者のラデク・バボラークがこの曲を冒頭に置いたのか。自身が元はベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者だったというから、そのホルンの聴かせどころの多いこの作品を選んだのだろうか。とすればあまり成功したとはいえないな。

彼女のfacebookから
続いて、ソナチネ・アルバムで有名なクーラウのピアノ協奏曲だが、これは初聴き。
仲道郁代にとっても初めて弾くのだそうで、協奏曲のソリストにしては珍しく楽譜見ながら、当然に譜めくり付きでの演奏だった。
プロなら暗譜して臨むべきではとも思ったが、初めての作品で大して練習量も取れなかったのだろうな。やむを得ないか。
カデンツァは自作のものを弾いたようで、その楽譜、というより落書きのような覚書は(彼女のfacebookで)公表していた。

クーラウは、ベートーベンより16歳年下(1786年生まれ)でこれは「魔弾の射手」を書いたウェーバーと同い年だ。
ベートーベンを尊敬していたそうで(この時代の作曲家はまあ、誰も同様だろうが)、このピアノ協奏曲は意図的かどうか知らないけどベートーベンのピアノ協奏曲第1番ハ長調に出だしがそっくりだ。全体が、彼自身のソナチネを複雑巧緻にした感じで、ベートーベンのような構成力や重々しさはない。まあ、軽快な音楽というべきか。ソナチネ・アルバムと違って、技術的には相当難しそうだったが。

トリはベート-ベンの交響曲第3番「英雄」。
まずは、スローに始まったのに少し驚いた。第2楽章はさらに遅い。何と言っても「葬送行進曲」だから当然とも言えるが。
第3楽章のスケルツォくらいは早いテンポかと思ったが、これも聴き慣れたものより遅い。さらに第4楽章も相当遅く、結果的に実演時間は55分だった。もっとも第1楽章の提示部を楽譜通り繰り返したのかどうか記憶に無い。この長さだと繰り返したのだろうな。すると反復省略時に比べて4分位は余分にかかる。
すると今回の演奏が格別長いとも言えないのかもしれないが、まあ、聴いている時は遅い!と感じた。
テンポが遅い場合、演奏する側にも聴く側にも高いテンションを要求する。さあ、それが今回の演奏ではどうだったか。
僕の耳にはテンションに欠けたように思った。どうもイマイチまとまりが悪かったな。

余談だけど、帰宅して家のCDを確かめたらトスカニーニの第3番は47分、朝比奈隆のは61分。前者が提示部を繰り返したかどうか調べていないけど、とにかくテンポが早いので繰り返したとしても全体に短いのは理解できる。朝比奈はテンポが遅い上に確実に繰り返しているから長い。


♪2016-110/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-20

2015年11月16日月曜日

NHK音楽祭2015 極上のオーケストラサウンド -真価を発揮する指揮者たち- hr交響楽団演奏会

2015-11-16 @NHKホール



アンドレス・オロスコ・エストラーダ:指揮

五嶋龍:バイオリン*
hr交響楽団(旧称フランクフルト放送交響楽団)

ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 作品35*
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」
-----------------
アンコール
イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第2番から第1楽章*
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番 ニ長調(管弦楽版)


チケット購入に逡巡したために、ちょっと不安な席(1階Rブロック前から5列目内側)しか買えなかったので、音は期待できないな、と覚悟して出かけたが、もう第一声から頼もしい響が聴こえてきて安心した。

「オイリアンテ」ではまだ腕鳴らしみたいなものか、音の響きも最初はモヤッとしていたけど、は徐々に輪郭線が決まり輝きを増していった。これでもう気持ちは掴まれて前向きの姿勢で音楽を楽しむことができるようになる。

hr交響楽団という名前に覚えはなかったが旧称フランクフルト放送交響楽団といえば、若い頃はFM放送でよく聴いたオーケストラだ。2005年にhessischen・rundfunk(ヘッセン州・ラジオ)のイニシャルに改称したという。

旧称時代から、世界のトップレベルとまではいかないとしてもドイツの名門オケであったことは間違いないだろう。
指揮者インバルが残したCDマーラー交響曲全集は名盤の誉れが高い。
脱線するが、Amazon MusicではPrime会員用には無料で多くの音楽をストリーミング再生できる仕組みを作っているが、このインバル+フランクフルト交響楽団のマーラー交響曲全集も無料で聴くことができる。


チャイコフスキーで登場した五嶋龍は最近「題名のない音楽会」の司会に就任したが、まだ若いのだから余計なことをせずに演奏に専念すればいいのにと思うが、才能が有り余っているのかもしれない。
巧いとか上手とかの判断は付けかねるが、もちろん、大変な技量を持っているように見える(プロはたいていそう見えるし、聴こえる)し、<演奏>を<見せる>芸も達者だ。ここぞという場面での歌舞伎役者が見得を切るようなオーバーアクションも、彼くらいのカリスマ性があれば嫌味も通り越えてゆく。

<以下の写真は後日クラシック音楽館で放映されたもの>

五嶋龍の渾身の熱演も良かったが、やはり、オケが素晴らしい。ナマでも何度となく聴いている曲が、今回は、僕の中で新しく甦った気がした。ソロとオケとの終盤の激しいやり取りなどを聴きながら、チャイコフスキーが実に精緻なオーケストレーションを構築しているの感じた。

チャイコフスキーが終わった時点で、もう大満足で、この先にまだマーラーの「巨人」が待っているなんて、なんという幸福なことかと思った。


そして、大きな期待に存分に応えた演奏だった。
弦の響の透明さと粒立ちの良さは、やはり、普段聴いているオケとは残念ながら次元が違うような気がした。
そして管楽器もなんてうまいのだ。
ホルンなど7本も繰り出して作る和音のきっちりと噛み合った鮮やかさも、これはめったに聴けるものではないと思った。


どの楽章も心地よい。
どのパートも心憎い巧さだが、例えば、第3楽章のコントラバスのソロもこんなにピタッと音程が正確で全く崩れないのはすごいな。

ラストの1分強。
盛り上がった中で、ホルンは全員が立ち上がって(マーラーの指示らしいが)、ファンファーレ?を強奏する。
僕の席からも立っているのが分かったが、この視覚効果も手伝ってか、気分はいやが上にも高揚し、絶頂を迎え、狂奔のうちに終曲した。もっと続いて欲しいようでもあり、これ以上続くと身が持たんかなという風でもあった。


磨き抜かれた管弦楽の響と技を以って、マーラーをこうも格調高く、情熱的に演奏されては、長年保ってきたマーラーへの距離感が一挙に埋められてしまった思いだ。

やはり、オーケストラ曲としての面白味を満載したマーラーの交響曲は、素直に楽しむに限るか。
でも、今後もいろんなオケで巨人のみならずいろんな作品を聴くだろうけど、今回を超えるものが当分期待できないのがさびしくもある。

hr交響楽団首席指揮者のエストラーダの前任が今季からN響の首席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィで、エストラーダが首席指揮者を務めていたウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の後任が「題名のない音楽会」で司会をしていた佐渡裕であり、同番組の佐渡裕の後を継いだのが五嶋龍という関係が今日のNHKホールに凝縮していたのが偶然とはいえ面白かった。

♪2015-114/♪NHKホール-12

2015年10月27日火曜日

MUZAナイトコンサート10月 東京交響楽団メンバーによる弦楽四重奏+クラリネット

2015-10-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール


第一バイオリン:水谷晃(東京交響楽団コンサート・マスター)
第二バイオリン:福留史紘(東京交響楽団第二バイオリン フォアシュピーラー)
ビオラ:青木篤子(東京交響楽団首席ヴィオラ奏者)
チェロ:伊藤文嗣(東京交響楽団首席チェロ奏者)
クラリネット:吉野亜希菜(東京交響楽団首席クラリネット奏者)*

モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 K.428(ハイドンセット第3番)
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581*
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アンコール
ウェーバー:クラリネット五重奏曲作品34 第4楽章*


ミューザで室内楽を聴くのは初めてだ。音響に不安はないが、弦楽四重奏が大ホールにどう響くのか、興味があった。

全席自由席なので、早い目に出掛けて開場を待ち、好みの席をゲットした。オーケストラなら2階か3階正面を選びたいけど、室内楽だから1階席8列目を選んだ。良く分からないけど、なんとなく、この辺が小規模編成には適当な気がしている。
ま、どこで聴いてもさほど響に変わりのないのがミューザの素晴らしいところなので、神経質に席を選ぶ必要はないとも思っているのだけど。

東京交響楽団の各パートのエースで構成された四重奏団プラスだ。
特に有名な人もいないが、各人の経歴を読むと錚々たるキャリアだ。まだみんな若いながら各パートの首席を占めているのもうなずける。
にわか作りの四重奏団なのか、オケとは別にこのメンバーでも活動をしているのか知らないけど、気心の知れた仲間のアンサンブルらしい良い雰囲気だった。


弦楽四重奏曲の16番は、モーツァルトの全23曲中でも19番<不協和音>と並んで異質な感じがする。陽気さを封印しているのではないかと思うけど浅薄な見方かもしれない。

クラリネット五重奏曲は、モーツァルトとブラームスが双璧で、僕が若かりし頃、初めて買った室内楽のLPが確かジャック・ランスロのクラリネットで、この両方の五重奏曲がカップリングされていたことを覚えている。
そういう次第でこれらの曲の観賞歴は随分と長いけど、生演奏は初めてだった。やはり、ナマで聴くクラリネットの柔らかくて甘い音色が弦楽四重奏という本来溶け合わないと思われる響だけど、弦に乗っかったソロとしてはむしろ良い対比で心地良く聴くことができた。次はブラームスのクラリネット五重奏曲をぜひとも生演奏で聴いたみたい。


♪2015-106/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22

2015年2月20日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団第306回定期演奏会

2015-02-20 @みなとみらいホール


川瀬賢太郎(常任指揮者)
アンドレアス・オッテンザマー (Cl)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番へ短調
チャイコフスキー:交響曲第2番ハ短調 小ロシア
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アンコール(Cla+管弦楽)
レオー・ヴィネル:2つの楽章から第2曲"Barndance"


ウェーバーの協奏曲を吹いたクラリネットのアンドレアス・オッテンザマー(墺)はマルチプレイヤーというか、マルチタレントというか、クラリネットのみならず、ピアノ、チェロでも国際コンクールの優勝経験があるそうだ。

エージェント?らしいプロアルテムジカの紹介ページをそのまま引き写しておこう。
「1989年、ウィーンにて音楽一家に生まれる。4歳でピアノのレッスンを始め、1999年よりウィーン国立音楽大学にてチェロをヴォルフガング・ヘルツァーに師事。11歳のときにクラリネットに転向し、2003年よりウィーン国立音楽大学にてヨハン・ヒンドラー~に教えを受ける。

 オーストリア青少年音楽コンクールではクラリネット、チェロ、ピアノ、室内楽部門で12度の優勝。2007年、Musica Juventutisコンクールに優勝し、コンツェルトハウスでの受賞者演奏会に出演。

 アメリカ・ハーヴァード大学にてリベラルアーツの勉学に励む中の2009年、ベルリンのカラヤン・アカデミーに入学、ほどなくベルリン・ドイツ交響楽団首席奏者に就任。

2011年3月、22歳の若さでベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者に就任。父エルンストは83年より、兄ダニエルは09年よりウィーン・フィルの首席奏者を務めるという、クラリネットの超名門一家。ソロ・クラリネット奏者としては史上初めてドイツ・グラモフォンとの専属契約を結んだ若きカリスマ。」



ということで、大した才人だ。
「音楽性」はどんな楽器(奏者)にも共有できるけど、各楽器の演奏技術はそれぞれに異なるのだから、彼が「天才」かどうかは別にしても、相当な努力家…くらいにはとどまらない霊感の持ち主なのだろう。


ウェーバーのことはほとんど知識がない。
考えてみると中学時代に「音楽」で学んだ知識を一歩も出ていない(苦笑)。
ドイツ・ロマン派のオペラ様式を打ち立てた作曲家として重要な位置にあるらしいが、オペラはもとより他の器楽曲もあまり演奏されないようだ。我がCDコレクションにも小品3曲数えるのみ。

クラリネットは好きな楽器だったのか、協奏曲が2曲。ほかにクラリネットを含む室内楽作品もいくつかある。

で、この協奏曲第1番。
まるでオペラのようなドラマチックな出だしだったな。
ほかには、低音域と高音域の間を急上昇したり急降下したりの名人芸が駆使されていたやに思う。


チャイコフスキーの交響曲第2番は生で聴くのは初めて。CDでもまず聴くことはないので、コンサートの前に2、3度聴いてみたけど、いまいち楽しめないので本番が不安だったが、やはりナマの音楽は全然違うね。冒頭からすんなりとその世界に入れた。

4番以降の交響曲のような馴染みの旋律は出てこないけど、「小ロシア」のタイトルの理由になったウクライナの民謡が中心に据えてあるので、土着的というか、素朴な味わいだけど、終楽章はその民謡によるお祭り騒ぎのようだ。

♪2015-16/♪みなとみらいホール-06