小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
辻本玲:[日本フィル・ソロ・チェロ]*
石丸由佳:オルガン#
ウェーバー:歌劇《オベロン》序曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 op.33
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」#
---------------
アンコール
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番からサラバンド*
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番ト短調
サン=サーンス:交響曲第3番から”終結部”
サン=サーンスのチェロ協奏曲。
ソリスト辻本玲(日フィルのソロ・チェリスト)のチェロの音色の美しいこと。ストラディバリウスだというが、普段、オケのチェロ首席として弾いている時はこの楽器使っていないのだろうなあ。もし使っておれば、彼の音だけ響きすぎると思うもの。
メインは9日前にも都響で聴いたばかりのサン=サーンス交響曲第3番。巷では「ガン付き」とも略されているが、「オルガン付き」のこと。連弾ピアノも「付いている」が、オルガンの圧倒的存在感の前に影が薄い。
時々、指揮しながら、お客様サービスで遊ぶコバケン(小林研一郎)だが、今日の「ガン付き」では「遊び」を完全に排した正統的で堂々たる構成力を示してくれた。
テンポは遅め。
特に第2楽章は失速しそうだが、ギリギリで緊張が維持された。クライマックスへの焦らされ具合がむしろ心地良い。
弦の透明感も管の迫力も良かった。主役のオルガン・ルーシーの音色が美しい。サントリーのオルガンは重低音ではゴロゴロ唸っていたがルーシーはピュアに響く。
都響@サントリーHに比べて数段上等の出来で満足できた。
アンコールでは、久々にコバケンお得意のハンガリー舞曲5番を聴く。テンポ・強弱遊び放題も又楽し。