2018年10月21日日曜日

名曲全集第141回 二つのロマンス

2018-10-21 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ダン・エッティンガー:指揮
東京交響楽団

エドナ・プロホニク:メゾソプラノ*

ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
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アンコール*
R.シュトラウス:8つの歌曲から「献呈」作品10-1
F.シューベルト(レーガー編):「音楽に寄せて」作品88-4 D547

ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」は初聴き。家まで与えられて保護してくれた富豪のヴェーゼンドンクの好意を裏切って氏の奥方と相思相愛になったワーグナーは、「トリスタンとイゾルデ」の作曲と並行して、その奥方が書いた5つの詩に音楽をつけた。その為に全体が「トリスタンとイゾルデ」の世界が凝縮されているという。そういえば、オーケストレーションなどにその雰囲気を感ずる。
それにしても奥方の亭主殿はこの事情を知らなかったのだろうか。僕は、気の毒な亭主に同情しながら聴いたよ。

メゾ・ソプラノのエドナ・プロホニクは新国立にもかなり出演しているようだが、あいにく記憶にも記録にもない。
東響はかなり控えめで繊細な伴奏に徹しているようだったが、それでも少し声量不足を感じた。
本番5曲にアンコールが2曲。「献呈」は初聴き。「音楽に寄せて」は馴染みのあるもので、昔は「楽に寄す」と呼ばれていたと思う。

メインが「幻想交響曲」。これは聴く機会が多いし、いつでも満足できる好感度の高い作品だ。
指揮のダン・エッティンガーも初めてだったが、「ヴェーゼンドンク〜」では、歌曲という性格からだろうが、特段変わった指揮ぶりではなかったが、「幻想〜」ではかなり特徴のある指揮ぶりだった。
強弱、テンポの早い遅いの差が大きい。それだけ音楽にメリハリを付けながら、たっぷり歌わせるという感じで、これが嫌味と取る向きもあるだろうけど、僕としてはギリギリのところで、バランスを取った指揮だったと思う。
特に、これまで何度も聴いているにもかかわらず、こんなメロディが潜んでいたのか、という発見もあって、少々驚いた。

プログラム記載の予定時間は49分とあったが、実演奏時間は56分弱だった。しかし、手持ちのCDの演奏時間を見ると54〜57分程度だから、標準的な長さだ。プログラム記載の時間は繰り返し部分を省略した場合の時間だったのかもしれない。

♪2018-134/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-21