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2025年4月12日土曜日

NHK交響楽団2034回A定期 04月公演

2025-04-12 @NHKホール



パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
アントワーヌ・タメスティ:ビオラ*

ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」*
プロコフィエフ:交響曲第4番ハ長調 作品112
(改訂版/1947年)
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J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007(ビオラ版)から「前奏曲」*





期待のPヤルヴィ。常任指揮者時代はたいてい響きも音楽の構成感も引き締まった演奏に好感していた。

今日も、一部にそういう雰囲気を彷彿とさせたが、全体としては、弦が美しくなかった。これがN響?と合点の行かない響きだったが、何が問題だったか?

2曲とも演奏機会が極めて稀で、おそらく、両方とも生では過去1回しか聴いていない。

「イタリアの〜」では、驚くことに指揮者の下手に用意してある独奏者用スペースに独奏者がいない状態で演奏が始まった。え〜?どこにいるんだ?と思ったら下手のハープの右に立って弾き始めた。以下、舞台中央(本来の独奏場所)、上手コンバスの内側、下手ハープの左と変幻自在だ。
独奏者ご本人のアイデアだそうだ(各楽器との掛け合いもあったかららしい。)。

また、終楽章に弦楽四重奏が入ることは覚えていた。
前回神奈川フィルで聴いた際は、Vn2人とVcが舞台から消え、舞台上の独奏Vaと弦楽四重奏を演奏した。

しかし今回はそういうバンダ的な演奏ではなく、各楽器のうんと後ろのプルトの奏者が独奏ビオラと舞台上で四重奏を弾いたので、あれ、どこでやってるの?とうろうろしながら結局カーテンコールで気が付いた次第。

まあ、管弦楽作品としてはコリに凝った作品だけど、あいにく、面白くない。


プロコ4番。これも随分久し振りで、かつ、始まっても覚えのある旋律も出てこなくて、記憶は完全消失していた。
そして、序奏?がニョロニョロと頼りなく、もうここで、集中する気力を失った。

ま、2曲とも楽しめなかった最大の原因はN響の、特に弦の響に艶がなかったことだと思う。

タスメティのEncでバッハの無伴奏Vc組曲1番前奏曲を弾いたがこれはとても良かったな。

♪2025-047/♪NHKホール-03

2024年1月20日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第394回横浜定期演奏会

2024-01-11 @みなとみらいホール



カーチュン・ウォン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
上原彩子:ピアノ

伊福部昭:7つのヴェールアの踊り
 〜バレエ音楽《サロメ》から 
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op43*
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op14
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ラフマニノフ:音の絵 Op.39-5*




カーチュン・ウォンにハズレなし…とも最近は必ずしも言えないけど今日は当たりだった。というか、日フィルが巧い。
今日の弦はとくに良い響で、非常に満足。
昨日、喧しいのがウリ、みたいな演奏を長時間聴いたので、今日は弦の美しさをしみじみ味わった。こうでなくちゃ。

伊福部「7つの〜」は初聴きだったが、面白い。ホンに伊福部もハズレなしだ。

昨年、記念年で7回(うち1回は上原彩子)も聴いたパガ狂もやはりハズレなしの上原で大いに楽しめた。巧さが耳につかない巧さ。

幻想交響曲も昨年何故か5回も。うち最近の数回と今回では、小さな発見に驚くことが続いている。
カーチュン・ウォンは、処々に独自の節回しを聴かせていたが、それだけではなく、他の演奏では耳にしないようなフレーズが浮かんでくるのが、最近の「幻想〜」の共通体験だ。
僕の「幻聴」かもしれないが。

新年初回が秋季のフィナーレということで、1Fホワイエで記念の小宴が開催されたが、理事長の長い話の途中に退席した。

♪2024-011/♪みなとみらいホール-03

2023年11月23日木曜日

読売日本交響楽団第130回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-11-23 @みなとみらいホール



小林資典:指揮
読売日本交響楽団
HIMARI:バイオリン*

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
クライスラー:ジプシーの女*
ワックスマン:カルメン幻想曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第2番イ短調BWM1003 第3曲 アンダンテ*


「運命の力」の冒頭のブラスが何て美しいこと。続く弦がこれを台無しにしないでくれよ…と祈るような気持ち…が通じたか、透明度の高い響が重なって、とても良い出来。
読響の実力を感ずる。9月に続いて(10月は体調不良でパス)
横綱相撲のような安心感。

メインの耳タコ「幻想交響曲」もきめ細かくて迫力があって、管も弦も美しい。ハイレベルの職人仕事だ。こういう管弦楽をみなとみらいホールで聴く幸せ。

このところN響の不調(僕の耳で。)もあって、読響の方が実力があるんじゃないかとも思わせる。

しかし、間に挟んだ小ぶりの作品2曲はイマイチだった。
いずれも独奏バイオリンが妙技を発揮する協奏曲風なつくりで、ソリストは今年8月に初めて聴いた12歳のHIMARIくん。
短期間になぜか今日で3回目。
いずれの回も同じ感想。
まだ協奏曲(風)を演るには早過ぎる。
筋力や内臓の力も十分ではないのだろう。
名器を以ってしても音が弱い。
でも、あと5-6年もすれば、自身が大器に成長する予感はある。

今回もアンコールにバッハだったが、これは受け入れ難いよ、お嬢ちゃん!
「赤とんぼ」とか「ぞうさん」とかでいいんじゃないの。

『なぜか』は続く。
「運命の力」はなぜか今年4回目。
この4回中、今日の読響が最高の出来だった。

「幻想交響曲」に至ってはなぜか今年5回目。
大植+神奈川フィル、C.デュフレーヌ+東フィルと本日の読響が拮抗する。

これら2曲はいずれも名曲ではあるが、首都圏オケ連盟(があるかどうか知らないけど)で調整して、記念年以外は同じ作品は最高3回までで調整してほしいね。

♪2023-199/♪みなとみらいホール-42

2023年10月19日木曜日

東京フィル第990回サントリー定期シリーズ

2023-10-19 @サントリーホール



クロエ・デュフレーヌ
2021年ブザンソン国際指揮者コンクール聴衆賞、オーケストラ賞)
東京フィルハーモニー交響楽団
中野りな:バイオリン*
(2022年仙台国際音楽コンクール優勝)


リリ・ブーランジェ:春の朝に
(リリ・ブーランジェ生誕130年)
サン=サーンス:バイオリン協奏曲第3番*
ベルリオーズ:幻想交響曲
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリンソナタ第2番からアレグロ



指揮者もソリストも女性、で共に初聴き。プログラムはすべてフランス音楽。

リリ・ブーランジェは他の作品は聴いたことがあったが、今日のはお初。この冒頭のアンサンブルが極上でなんて素晴らしい…と思ったが、その後、木管の高域が弦の高域と干渉して濁り始めたものの、全体として丁寧な演奏だった。
次の中野りなのVnが明瞭だ。
Encのバッハもくっきりスッキリ。

とにかく、今日のサントリーホールが1年に一度あるか!というレベルで良く響いたので驚いた。
いつも僕が悪口を言っているのが聞こえたのか。

中野りなについては3月にフィリアのリサイタルのチケットを買ってあるがますます楽しみに。

ベルリオーズ「幻想〜」はなぜか今年は当たり年で、この1年で5回目。来月も読響で聴くので6回目か。もうちょっと辟易の感あり。
でも、これも良い出来だった。
大きな鐘を使ったらしいが、袖で叩くのではなく舞台で見せてくれたら良かったのに。
本来は見えないところで鳴らすよう指示があるらしいが、音楽はすべて想像の産物。舞台にあったからと言って、邪魔になならんよ。

♪2023-178/♪サントリーホール-19

2023年8月2日水曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 東京フィルハーモニー交響楽団 俊英マエストロ&円熟のピアニスト ~ドラマティック名曲集~

2023-08-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール



出口大地:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
清水和音:ピアノ*

ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』から ワルツ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23 *
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
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ラフマニノフ(ワイルド編):「何という苦しさ」Op21-12*
ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』から マズルカ



指揮の出口大地は昨年7月の東フィル定期で聴いて以来2度目。この人のおかげで?ハチャトゥリアン指揮者コンクールなるものの存在を知った。
それで前回はハチャ~一色のプログラムだったが、今回は、最初の1曲だけ…かと思いきや、Encも同じ作品からお祭りを締めくくるにふさわしい賑やかな作品を演奏した。

なかなか好感の持てる青年だ(34歳?)。
すごく自然で、まっすぐな指揮ぶり。どの音楽も爽快に感じた。

チャイコのPf協1番の独奏は清水和音(でこの曲を聴くのは3回目。)。
圧倒的な演奏で、Pf協とはこういうふうにやるんだ、と言わんばかり堂に入っている。Pfを弾きながらオケも実質的に指揮をしているようだった。指揮者との連携が良かったのだけど。

後半の幻想交響曲は、昨日の読響を彷彿とさせた。
「指環」に比べると楽器編成の規模や多彩さはだいぶ地味だけど、「幻想」オーケストラル・アドベンチャーも、「指環」の完成に40年以上先立つ作品とは思えない程に派手な管弦楽が売り物。どこのオケがやってもたいてい満足できる(中でも5月の大植英次+神奈川フィルは大満足だった。)が、東フィルも見事なもので、これもオペラ絵巻に聴こえてくる。

ところで、3楽章のE-Hrと掛け合いをするバンダのObはどこで吹いていたのだろう?よく「舞台裏」で吹くと解説してあるが、現実には本舞台以外のことを指しているようで、多くの場合袖で吹いていると思うが、今日は舞台の真ん中あたりから聞こえてきたので不思議に思ったよ。

今日のミューザは天井からスピーカーが降りていたが、まさか、あそこから?

♪2023-137/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

2023年5月13日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第386回定期演奏会

2023-05-13 @みなとみらいホール



大植英次:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
中川優芽花:ピアノ*

ラヴェル:ラ・ヴァルス
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
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ドビュッシー:月の光*





ラ・ヴァルスはイマイチ纏まらなくて、ああいう曲なのかもしれないけど、本領発揮とはいかなかったが、初聴きの中川優芽花を迎えたラヴェルからとても良くなった。

中川の登壇の際、一瞬新人ステマネが入ってきたのかと思った。黒いズボンスーツにリボンタイでメガネもかけている。華々しさゼロ。まるで銀行の女子行員が昼休みに駅ピアノしているみたい。演奏も、およそ派手なところはなく堅実。

大植先生は曲の半分くらいはピアノの方を向いて彼女にテンポを見せていた。
そんな必要はなかったのだろうけど、その気遣いぶりがおかしい。今後も色々聴き続けたい気にさせる21歳だった。

面目躍如は「幻想交響曲」で、まず、4月就任で今回が正式コンマスデビューの大江くんが巧かった…かどうかは分からないが、どのオケでもいつも気になるVn1群がとても美しい。最後まで美しかった。

全体にゆったりめだが、細部まで大植の鑿が入っている感じで、良い緊張感が持続した。終盤は、もっと派手にできるんじゃないかと思ったが、溜めに溜めてそのエネルギーを残したまま終わった。

大植先生、暫時、時が止まったように動かない。P席からならどんな顔をしているのか見えるのだけど、まあ、あの熱を冷ますのに時間がかかったのだ。

客席に振り向いてのドヤ顔が嬉しい!

良い演奏だった。神奈川フィルがこんなに上手に聴かせてくれるんだから、今日発売のウィーンフィル@みなとみらいホールのチケット買わなくともいいな、と思ったよ😜。

♪2023-080/♪みなとみらいホール-17

2023年3月10日金曜日

東京フィル第982回サントリー定期シリーズ

2023-03-10 @サントリーホール



アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
石丸由佳:オルガン*

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
カゼッラ:狂詩曲「イタリア」
(カゼッラ生誕140年)
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」*


冒頭の「謝肉祭」。管弦がやや不揃いにスタートしたが、その響の見事な事。先日の神奈川フィルもシューマン1番の弦の強奏がN響より美しいと思ったが、今日の東フィルもこれぞ生の管弦楽を聴く喜び。N響もうかうかしておれんぞ。

が、2曲目、初聴きのカゼッラ「イタリア」は親しみやすいけど、内容は凡庸で琴線に届かない。演奏も少しバラつきが。

1番の楽しみ「ガン付き」の出来はさらに悪かった。

昨秋のN響@みみH、1月の神フィル@みみHで聴いた同曲が過去の名演を更新する良い出来だったので、これらを聴いていなければそれなりに感動したかもしれないが、つい比較してしまうと残念なり。

また、今日の1曲目「謝肉祭」でみせたまとまりの良さ・緊張感の持続・弦の透明感と比べてもイマイチだった。

いつもながら、良い演奏を聴くという事は不幸の始まりだ。

♪2023-041/♪サントリーホール-07

2023年2月17日金曜日

東京シティフィル第357回定期演奏会

2023-02-17 @東京オペラシティコンサートホール



川瀬賢太郎:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
バイオリン:郷古廉*

マクミラン:バイオリン協奏曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
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イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第2番第2楽章憂鬱*





ジェームズ・マクミラン:バイオリン協奏曲は初聴き。2009年初演だそうな。

弦編成は(幻想も)12型だが、多種多様な打楽器が繰り出され、人間の声も。
終楽章でビオラの最後列女史が楽器を持って離脱したので弦が切れたのかと思っていたが、そうではなくて、これも袖から何やら声を発する為だった…。

こういう、つまるところ、効果音の連続で、聴き手の意表を突くことを本意としているような音楽はキライである。劇伴音楽としては意味あるが演奏会には適さない。やめてケレ。

幻想交響曲は賢太郎氏得意のパターン。ハープ2台を指揮台の周りに配置するが、2楽章が終わったらもう出番のない奏者は退席し、残された楽器が管楽器奏者を見えにくくして大いに邪魔だよ。

客席前方列にはハープが異常によく聴こえるだろうけど、中程から後方の席には定位置に据えた場合と有意差はないと思うが。

タケミツメモリアルは時に鳴り過ぎるくらいのホールだが、季節のせいか、今日は、ここでも少し音が硬かった。

とはいえ、手堅くまとめて12型とは思えないくらいの迫力。

♪2023-034/♪東京オペラシティコンサートホール-02

2022年11月12日土曜日

名曲全集第181回 次世代を担う2人がベルリオーズ&ラヴェルの傑作を披露

2022-11-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール



川瀬賢太郎:指揮
東京交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op. 9
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
ベルリオーズ:幻想交響曲 op. 14
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ドビュッシー:月の光*


ほぼ1年前にカーチュン・ウォン指揮神奈川フィルとブラームスのピアノ協奏曲を聴いたのが三浦謙司の初聴き。
その時は三者の心地よい緊張感が好印象だった。
その日のピアノの音について、特に美しかった事を感想に記録している。「この音色があって初めてPf協は面目躍如だ。」と。

三浦についてはよく知らなかったけど、最近、クラシック倶楽部が取り上げた際に彼の異色の経歴を知って驚き、今日を楽しみにしていた。

演奏はカチッとして、オケともスリリングなやり取りをしていたと思うが、残念なことに、今日のミューザのピアノの音の重い事には驚いた。

前回、三浦謙司を聴いた時のピアノの印象。
「低域はジーンと響き、中域はカーンと抜け、高域はコロコロと輝かしい。」と書いている。
今日は信じられない事に「ドンドン、コンコン、トントン」だった。

ま、サントリーのピアノ程酷くはないけど。

オケも全体に重い響だったけど、こちらは、メリハリ利かせた演奏で上等。

幻想交響曲でハープ2台を舞台前方に対峙させたのは楽しくなかった。
第2楽章しか出番がないから、出番が終わったら、楽器を舞台に残して(まあ、やむを得ないけど。)2人共退出してしまった。その楽器が視界を遮り邪魔なこと!

みなとみらいホールのバルコニーは舞台上の奏者を輪切りにするが、今日のハープ2台はその奥の奏者を短冊切りにした。

それにせっかくスター扱いなのにマスクするかね…!













♪2022-169/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-39

2022年8月28日日曜日

ミューザ川崎 市民交響楽祭2022

2022-08-28 @ミューザ川崎シンフォニーホール


石﨑真弥奈:指揮
川崎市民オーケストラ2022
(幹事オーケストラ:高津市民オーケストラ)
バイオリン:小西健太郎*

ディーリアス:夏の夕べ(ビーチャム編)
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
----アンコール-------------
E.エルガー:エニグマ変奏曲作品36から第9曲「ニムロッド」


川崎市のアマオケ合同なのか、うち1つが輪番制で舞台に立つのか知らないけど、ここ数年聴いていて満足できるので、特段義理もないけど出かけた。

指揮が石﨑真弥奈というのも興味を惹いたので。
彼女は今日で3度目だ。
2012東京国際音コンで田中祐子と1-3位なし入賞(沖澤は18年1位)。
2人は顔つきも似ているような気が。

今日は、アマオケの弦を美しく鳴らそうと丹精したのか、奏者に実力があるのか、ミューザのマジックなのか、それらが全部うまい具合に作用したのだろう、変則編成だが綺麗な響きを聴かせた。

アマオケにありがちだが、Vn29(16+13?)、Va8、Vc10、Cb9という中抜けみたいな編成だったので、流石にVaにソロが回ると弱い。また、低弦は大所帯なのに音圧が伝わらなかったが、それでもとても綺麗に纏まっていて心地良かった。


今日の席は滅多に選ばない2CB3列目正面。
見た目のバランスもいいし、万事綺麗に流れやすいので要注意だ。やはり、シビアにオケと対峙するには遠い。

♪2021-122/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-33

2022年8月9日火曜日

フェスタサマーミューザ2022 昭和音楽大学 ≪恋と妄想のフランス音楽名曲集≫

2022-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール



田中祐子:指揮
昭和音楽大学(昭和音楽大学管弦楽団、テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラによる合同オーケストラ)

フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」から「前奏曲・シシリエンヌ・メリザンドの死」
シャブリエ:楽しい行進曲
シャブリエ:ハバネラ
シャブリエ:スラヴ舞曲
ベルリオーズ:幻想交響曲


フォーレが組曲「ペレアスとメリザンド」を書いたのは1898年。ドビュッシーがオペラ「ペレアスとメリザンド」を初演したのは1902年。
僅か4年の違いだけど音楽はかくも異なるのか、とフォーレの分かりやすく美しい音楽を聴きなが思った。

田中祐子が指揮するフランス音楽特集のメインディッシュは「幻想交響曲」。

破綻なく纏まった演奏だったが何か足らない。
同じ場所で一昨日聴いたエッティンガー/東フィルのメリハリの効いた明るく熱い演奏を思い出しては、だいぶ差があるなと思わざるを得ない。

特に、幻想〜はそのエッティンガー/東響@Muzaで聴いていてこちらも強烈な印象を残しているから余計だ。

やはり、セミプロとプロの差か。
当然楽器も違うんだろう。

管弦ともに輝くような明るさ、軽ろやかさに不足して今一歩の惜しい出来。

もし、一昨日の東フィルを聴かなければ、やはり音大オケは巧いなあと感心したに違いないのだけど。

こう言っちゃ申し訳ないが、オケの聴き方の勘所の一つを勉強したよ。

♪2022-116♪ミューザ川崎シンフォニーホール-029

2021年9月26日日曜日

東京交響楽団川崎定期演奏会 第82回

 2021-09-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ユベール・スダーン:指揮
東京交響楽団
メゾソプラノ:加納悦子

フランク:交響詩「プシュケ」より第4曲“プシュケとエロス”
ショーソン:愛と海の詩
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14


前半の2曲はいずれも初聴きで、親しみやすい音楽とは言えなかったけど、思いのほか良い演奏だった。

代役を務めた加納悦子の歌唱にも好感。


問題は後半。

スダーンというと「爆音・轟音」のイメージが付き纏うが、今回もすダーン節が炸裂した。


これを好意的に取れる人には、極楽の1時間だったかも。

僕は、第1楽章始まって間もないホルンの旋律に違和感を感じた時点で、《疑問》のスイッチが入ってしまった。


結局、終始独自色が強すぎ、強弱も甚だしく、そもそもが断片の集積のような音楽が一層まとまりを欠いて「幻想」は「幻滅」に変わった。


♪2021-103/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-31

2020年1月23日木曜日

東京フィル第130回東京オペラシティ定期シリーズ

2020-01-23 @東京オペラシティコンサートホール


アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

阪田知樹:ピアノ*

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op30*
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op14
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ラフマニノフ(阪田知樹編):ここは素晴らしい場所 Op21-7

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、全4曲の協奏曲中一番有名だろうか。聴く機会が多いが、今日は全然身が入らなかった。
阪田くんの演奏に問題がある訳ではない。集中できなかった。体調不十分もその原因の一つだが、演奏もあまり噛み合っていなかったように思う。

メインはベルリオーズ「幻想交響曲」。
熱い音楽を見た目も熱いバッティストーニが熱く振った。しかしこちらもその熱はあまり伝わらなかった。

今季から席を(全13定期・セット券での指定席中最後方)に変えてみたのだけどその響きに馴染めなかったのかも。このままずっと馴染めないのでは困ってしまうが、多分、その場所なりの聴き方ができるようになるだろう。

それにしても、今日の東フィルは管楽器の賑やかさに比べ16型にも関わらず弦が薄かった。これまで聴いてきたなかで一番がっかりさせる演奏だった。この点は席を変えたこととは関係ないと思う。

♪2020-010/♪東京オペラシティコンサートホール-01

2019年9月27日金曜日

新日本フィル:#25ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>

2019-09-27 @すみだトリフォニーホール


ミシェル・プラッソン:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
小松亮太:バンドネオン*

シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ピアソラ:バンドネオン協奏曲*
ベルリオーズ:幻想交響曲 op. 14
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ビゼー:「カルメン」前奏曲

今季から新日フィルの愛称?Rubyの定期会員になった。
新日フィルはみなとみらいホールでも聴いているけど、ほとんど失望することがないので、聴く機会を増やしてみた次第。

で、今日はその第1日め。
念入りに選んだ席は他に替えようがないくらい好みのロケーション。
すみだトリフォニーホールは(今春の室内楽コンサートを別にすれば)数年ぶりだった。かねてから響きの良いホールだという印象を持っていたが、あらためて実感した。

尤も1階席はスロープが緩くて前席の頭が邪魔でしょうがない。音楽は目で聴くところあり。見えないのは聴こえないに等しい。
前の席の人も定期会員ならこれからあのデカイ頭と1年付き合うことになるが、これは辛い。

さて、肝心の演奏も、巧い…と言うか、文句の付けようもないものだった。
が、こういうのは危険。
もう少し前列を選んで、原音の割合が強い目の方がオケの実力が出て良かったかもしれない。

本日の演目のどれを聴いても、管も弦も美しい。
技術的な面でもまったくどこにも破綻がなく(気がつかなかっただけかもしれないが。)、まるでCDを聴いているようで、これはこれで困ったものだ。

このホールのこの席、美しく響くが音楽の生々しさに欠ける…そんな気がした。気のせいだったらいいが。

♪2019-145/♪すみだトリフォニーホール-02

2019年6月22日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第349回

2019-06-22 @みなとみらいホール


小泉和裕:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

クララ・ジュミ・カン:バイオリン

ドボルザーク:序曲「謝肉祭」作品92
グラズノフ:バイオリン協奏曲イ短調 作品82
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14

僕の記録が正しければ9回めを数えた特別客演指揮者・小泉和裕との共演で、息の合った好演だった。
ジュミ・カンのグラズノフ:バイオリン協奏曲も楽しめたが、メインの大曲「幻想交響曲」がノーミスで堂々と仕上がっていた。

神奈川フィルのここ3、4年の演奏技術の進歩に手応えを感ずる。
財政赤字脱却、労使紛争の解決など、団員が演奏に打ち込める環境が整ってきたのだろう。川瀬賢太郎の就任も刺激になったか。同慶の至りだ。

が、演奏に関して、欲を言えば、今日の金管は燻っていた。

15日の日フィル定期(@みなとみらいホール)、20日東フィル定期(@タケミツメモリアルホール)がともに金管が明るく輝くように鳴り響いたのが耳に残っているので、それらに比べると今日の神フィルの金管はどうも紗幕越しに聴いたような気がした。もっと実力はあると思う。

「雨の日はホールが良く鳴る」は僕の仮説だが、今日に限っては外れたか。まこと、響は微妙也。

♪2019-087/♪みなとみらいホール-24