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2023年12月17日日曜日

NHK交響楽団2000回A定期 11月公演

2023-12-16 @NHKホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団
新国立劇場合唱団
NHK東京児童合唱団

ソプラノ:
 ジャクリン・ワーグナー
 ヴァレンティナ・ファルカシュ
 三宅理恵
アルト:
 オレシア・ペトロヴァ
 カトリーナ・モリソン
テノール:ミヒャエル・シャーデ
バリトン:ルーク・ストリフ
バス:ダーヴィッド・ステフェンス

マーラー:交響曲第8番変ホ長調 「一千人の交響曲」
 Ⅰ賛歌「来たれ、創造主である精霊よ」
 Ⅱ『ファウスト』の終幕の場




定期2000回記念の「一千人の交響曲」は実際は「三百人の交響曲」だった。

神奈川フィル@県民ホールは合唱だけでも500人、総勢650人規模だった。

N響90周年の時は合唱が300人規模だったと記憶している。オケも同じ弦16型でもCbは10本、Vc12本と低域が増強されていた。

また、今日の声楽独唱陣はオケの後ろ、合唱の前に並んだが、90周年の際は、独唱全員が舞台の最前列に並んだので、迫力が違った。

それら思うと、今日の「三百人の交響曲」は、オケ・合唱の編成が小さく物足りない点もあった。何しろ、大げさが売りの音楽だものなあ。

定期演奏会なので、いつもの席で聴いたのだけど、声楽独唱は弱い。バンダで登場した三宅理恵はオルガン席で歌ったのでこれはもう明瞭で良かったが、舞台の奥に立った独唱陣の声は十分届かなかった(なぜ、舞台前方で歌わなかったのだろう。)。


実際、前半は気持ちが乗らずに、この音楽にどう対処しようかと迷いながら聴いていた感があった。
後半、それもSpがバンダで登場した辺りから面白くなってきて、終盤のクライマックスはなかなかの聴きものであった。特筆はN響ブラス。お見事。

♪2023-219/♪NHKホール-09

2023年12月9日土曜日

名曲全集194回 東京交響楽団/秋山「第九」❷

2023-12-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール



秋山和慶:指揮
東京交響楽団
合唱:東響コーラス

三宅理恵:ソプラノ
小泉詠子:メゾソプラノ
福井敬:テノール
妻屋秀和:バス

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
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蛍の光





今年の2回目だが12月としては最初の「第九」。
少ない年でも6回、去年のように12回も聴いた年もある(今年は10回)。
その中で、指揮者とオケの組合せが唯一変わらないのが秋山「第九」だ。今季は東響の定期も名曲全集もパスした(来季も。27年度から再開予定!)けど、秋山「第九」だけは欠かせない。僕にとって聴く、というより、参加することに意義のある年中行事だ。

確か、40年以上継続されている秋山「第九」。
いつも盤石の安心感で楽しんできたが、今日の演奏は一波乱があった。
Hrの不調に加え終楽章の低弦のレシタと管楽器の受け応えで管の一部がスッポ抜けた!のは致命的エラーだった。

秋山御大の指揮ぶりもこれまでに比べて秋山節(コブシ)をよく利かせていた。
終楽章低弦のレシタがいつになく遅い気がしたが。
また、ここでVcの息遣いが揃わなかったな。

弦の編成は12型(12-10-9-8-5)とこじんまり。これでも昨年より4人増えた。この規模にしては弦セクション(Vcのレシタ以外)はいい仕事をしていたよ。

声楽陣も昨年に続き冒頭から着座した。これが良い。無駄な休止がなく、3楽章の後は計測不能なくらい瞬間の休止を挟んで4楽章に突入するのもいつもどおり。

終わってみると、昨年より28秒速い(たって、誤差の範囲だよ)だけだった。記録のある限りにおいて秋山「第九」は正味70分±30秒くらいに収まっている。もうこれ自体が”芸”だな。

合唱は112名。ひょっとしてプロオケとしては今年も最大規模になるか。P席と舞台後方に配置。
独唱者を含め、声楽には何の不安もなかった。
オケも部分的ミスを除けば良い響だった。

恒例「蛍の光」も結構。

昨年は武満MEMでの公演だったが、今年はミューザの大宇宙空間に戻った。やはり秋山「第九」はミューザに限る。

2023-213/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-28














1楽章 0時間16分18秒
2楽章 0時間11分36秒
3楽章 0時間15分35秒
     〜 0時間00分01秒
4楽章 0時間26分19秒
計  1時間10分40秒

昨年より28秒短い⇒誤差の範囲

合唱はP席と舞台後方。
独唱はオケと合唱の間。
いずれも冒頭から着座。
Brassは舞台下手

2023年2月15日水曜日

新国立劇場オペラ「ファルスタッフ」

2023-02-15 @新国立劇場



【指揮】コッラード・ロヴァーリス
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照 明】ペーター・ペッチニック
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】髙橋尚史

【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

ファルスタッフ:ニコラ・アライモ
フォード:ホルヘ・エスピーノ
フェントン:村上公太
医師カイウス:青地英幸
バルドルフォ:糸賀修平
ピストーラ:久保田真澄
フォード夫人アリーチェ:ロベルタ・マンテーニャ
ナンネッタ:三宅理恵
クイックリー夫人:マリアンナ・ピッツォラート
ページ夫人メグ:脇園彩

ジュゼッペ・ヴェルディ「ファルスタッフ」
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間35分
第1幕・第2幕   80分
 休憩       25分
第3幕              50分



物語は単純だが真意がよく理解できないオペラが何本かあるが、これはその一つ。
2人の女性に同文のラブレターを送ったファルスタッフが、かくも女性たちから散々な目に遭わねばならないのか。それでいて、「世の中は全て冗談」と切り上げて良いのか。

「冗談だ」は登場人物に向けられたセリフなのか、客席に向けられたセリフなのか。何度観ても分からない…というか、もうそれ以上考えるのも馬鹿らしい気になって、はいはい、冗談ですよ。と自分を納得させている。

前回18年と全く同じ演出・美術だが、その時は気が付かなかったが、今回は、劇場の作品紹介動画で舞台美術について説明をしていたのを見て気が付いたのだけど、最終幕以外はフェルメールの絵画を模した美術・衣装が、登場人物や物語に、リアリティを与えている。
それで、なおさら、この話を「冗談」で済ませて良いのか!という気にさせるのは困ったものだ。

ベルディはこの最後の作品で、ようやく到達した人生哲学を披露したのだろうか?
「冗談だ」のアンサンブルは、宗教曲で使われる厳格なフーガでできていると解説に書いてある(聴いている時は全然気づかなかった!)。
何か、ベルディに担がれている気がしてならん。

♪2023-030/♪新国立劇場-03

2022年10月20日木曜日

東京フィル第976回サントリー定期シリーズ

2022-10-20 @サントリーホール



ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(リコルディ版)(演奏会形式)
全3幕 原語(イタリア語)上演 日本語字幕付き
原作: ウィリアム・シェイクスピア「ウィンザーの陽気な女房たち」
台本: アッリーゴ・ボーイト

公演時間:約2時間35分(幕間/CCを含む)
 第1幕/第2幕第1部…60分
 休憩       …15分
 第2幕第2部/第3幕…60分

指揮・演出:チョン・ミョンフン
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団

ファルスタッフ(Br):セバスティアン・カターナ
フォード(Br):須藤慎吾
フェントン(Tn):小堀勇介
カイウス(Tn):清水徹太郎
バルドルフォ(Tn):大槻孝志
ピストーラ(Bs Br):加藤宏隆
アリーチェ(Sp):砂川涼子❤️
ナンネッタ(Sp):三宅理恵
クイックリー(Ms):中島郁子
メグ(Ms):向野由美子
合唱:新国立劇場合唱団



某響と違って、東フィルは定期演奏会なのに豪華面子を揃えてオペラだ。
舞台回りの客席を全部潰した(そこまでしなくとも合唱は十分並んだのに。)のはチケット収入より演出を重視したからだろう。太っ腹具合はファルスタッフ並みで嬉しい。

チョン・ミョンフン自らの演出だが、冒頭、第一幕の舞台である居酒屋の主人宜しく白いエプロンを付け、手には大きな箒を持って登場して大いに笑いをとった。もうこれで成功したようなものだ。
その後も指揮の傍ら歌手にお酒を注いだり小道具を渡したりと忙しい。

今日の東フィルは舞台にひな壇がなく、まるでピットにいるかのような配置だったが、時に応じて管楽器が立ち上がる場面も。

オペラ慣れしているオケだけあって演奏に何の不満も感じさせず、団員も楽しんでいるのがよく伝わって良かった。
最後にもオケの意外なパフォーマンスにニンマリ。

タイトルロールを歌うセバスティアン・カターナは初聴きだが体躯も声量も十分ファルスタッフ級だ。
女声主役は我がマドンナ砂川涼子❤️。
輝かしい高音が美しいが、最後の十重唱でも際立っていた。
ソプラノやテノールは言うまでもなく高い音が出れば良いという訳ではないが、ああいう声質は訓練の賜物というより天性のものではないか。


終演後は順調にカーテンコールが続いたが、ここで意外なアンコール。
終幕の十重唱が再度演奏されて大いに盛り上がった。客席は多くの人が立ち上がって拍手の嵐。

さて、「ファルスタッフ」は何度観ても聴いてもオチに納得できない。深いのか軽いのか…。この頃は考えないことにしている。全ては冗談だと思うしかないね。

東フィルは来季定期も「オテロ」だ。楽しみ!

♪2022-156/♪サントリーホール-18

2022年5月21日土曜日

グルック「オルフェオとエウリディーチェ」

2022-05-21 @新国立劇場



指 揮】鈴木優人
【演出・振付・美術・衣裳・照明】勅使川原三郎
【アーティスティックコラボレーター】佐東利穂子
【舞台監督】髙橋尚史

【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【エウリディーチェ】ヴァルダ・ウィルソン
【オルフェオ】ローレンス・ザッゾ
【アモーレ】三宅理恵
【ダンス】佐東利穂子、アレクサンドル・リアブコ、高橋慈生、佐藤静佳

クリストフ・ヴィリバルト・グルック「オルフェオとエウリディーチェ」<新制作>
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約 2時間
第Ⅰ・Ⅱ幕    60分
     休憩25分
第Ⅲ幕                  35分



新制作であり新国立劇場としても初上演らしい。
僕にとっては今回初めての生舞台。

オペラ自体がコンパクトで正味95分。
3幕構成だが実質2幕。
登場歌手はタイトルロールの2人とアモーレの3人だけ。
その代わり、ダンサーが5人登場してドラマ進行に重要な役割を果たす(物語を知っているので、ダンスの意味も検討がつくのだけど。)。

舞台美術もシンプル。
音楽は超有名なアリア「エウリディーチェを失って」以外も懐かしさに満ちた耳触りの良いものばかり。

手持ちの録画ディスクが2種ある。
いずれも原典(ウィーン)版なのでパリ版で追加された「精霊の踊り」が入っていない。

今回の鑑賞に当たって少し勉強してみて、こちらも超有な名曲が「オルフェオ〜」の挿入曲だったのを初めて知ったよ😅。

今回の演出は両方の版の組合せ(「精霊の踊り」あり)で、舞曲も自由自在の入れ替えあり。

オルフェオ役はカウンター・テナー(CTn):ローレンス・ザッゾ。手持ちの円盤を検索したら、ヘンデルを歌っている。声質からこの時代作に出番が多いのだろう。

ところが、僕はCTnが苦手。
低い音域では地声が出てしまって興醒め。
メゾ・ソプラノでやれば良かったのに。
ザッゾの問題というより、これまで内外の有名なCTnの誰を聴いても、その不自然さに満足できないでいる。

エウリディーチェ役のソプラノ:ヴァルダ・ウィルソンは魅力普通。ベルカントもののような華麗なアリアはないので。

アモーレはソプラノ:三宅理恵。
変わったところでは「ジークフリート」の森の小鳥役も聴いた。モーツァルト「レクイエム」にリゲティを挿入した迷曲にも出てたね。
先月の新国「魔笛」でパパゲーナ。
だんだん良くなる感じ。今日も良かったよ。


難をいえば、シンプルな舞台美術だが、最後の喜びのシーンはほぼモノクロでまるで告別式のよう。せめて照明で百合の大輪に色をつけられなかったか。

ダンスシーンが1/3位。
グルックが最初に「精霊の踊り」を書かなかったのは正解だと思った。この音楽・ダンス自体が魅力的で、その分物語が薄くなる。

♪2022-0746/♪新国立劇場-08

2022年4月20日水曜日

モーツァルト「魔笛」

 2022-04-20 @新国立劇場


指 揮】オレグ・カエターニ
【演 出】ウィリアム・ケントリッジ
【美 術】ウィリアム・ケントリッジ、ザビーネ・トイニッセン
【衣 裳】グレタ・ゴアリス
【照 明】ジェニファー・ティプトン
【プロジェクション】キャサリン・メイバーグ
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】村田健輔

【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【ザラストロ】河野鉄平
【タミーノ】鈴木准
【弁者・僧侶Ⅰ・武士Ⅱ】町英和
【僧侶Ⅱ・武士I】秋谷直之
【夜の女王】安井陽子
【パミーナ】砂川涼子
【侍女I】増田のり子
【侍女Ⅱ】小泉詠子
【侍女Ⅲ】山下牧子
【童子I】前川依子
【童子Ⅱ】野田千恵子
【童子Ⅲ】花房英里子
【パパゲーナ】三宅理恵
【パパゲーノ】近藤圭
【モノスタトス】升島唯博


モーツァルト「魔笛」
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約 3時間
第Ⅰ幕       70分
     休憩25分
第Ⅱ幕                 85分


先週の「ばらの騎士」にように「良かったところだけ」書きたいけど、そうすれば砂川涼子のパミーナがとても良かった!で終わってしまいそう。

はっきり言って、このオペラは面白さが分からぬ。上演機会が多いから観る機会も多いけどストンと落ちない。


オペラの最高傑作とか書いてあったりすると自信を失ってしまう。

それでも敢えて言えば、ケントリッジの演出(というより美術)は単純な物語を、偉く意味深なものに見えるようにとの作為を感じてならない。

昔に日生劇場で観たパパゲーノは鳥刺の格好だった。

そんなメルヘンぽいのが好き。


夜の女王役の安井陽子は「ばらの騎士」ではゾフィーを歌ったばかり。

実は、ゾフィーは似合わないと思っていた。

夜の女王の方が余程似合っている。その有名な2幕のアリアの後はすぐ袖に引っ込ませないで拍手を受けさせるようにした方が歌手の為だけでなくお客の精神衛生上も好都合なのに。


♪2022-056/♪新国立劇場-06

2021年10月24日日曜日

名曲全集第170回 モーツァルト没後230年。祈りを込める「レクイエム」

2021-10-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮

東京交響楽団
新国立劇場合唱団*

ソプラノ:三宅理恵*
メゾソプラノ:小泉詠子*
テノール:櫻田亮*
バスバリトン:ニール・デイヴィス*

デュティユー:交響曲第1番
モーツァルト:レクイエム K. 626(リゲティ:ルクス・エテルナを含む)*




指揮のジョナサン・ノットが来日できなくなった定期演奏会で、事前に指揮ぶりを収録したビデオで東響に(リハではなくお客を入れた本番で)演奏させた事は驚愕だった。


もし彼がベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮するとしたら、このような事をするだろうか?

しないだろうし、オケも受け入れないだろう。

日本のオケやお客をバカにしているのではないか。


そこからノット不信が始まった。


今回、モーツァルト「レクイエム」にリゲティ「ルクス・エテルナ」を混在させた事は、ビデオ指揮とは異なり、音楽表現上の問題だから罪は軽い。否、無罪かもしれないが、彼のコロコロ変わる思いつきがオケ関係者を振り回していることは確かで、この点は微罪処分に相当する。


当初のプログラムにはリゲティは含まれなかった。

1回目の訂正でモツ・レクの後に演奏すると発表され、

2回目の訂正で終曲前に挿入することとされた。


リゲティ「ルクス・エテルナ」は世界的に高明なペーター・ダイクストラ指揮スウェーデン放送合唱団で聴いたことがあり、精緻な和声?に驚き感心したので、モツ・レクとは独立して聴きたかった。


どうせ、モーツァルトの完全作ではないのだから、他人の、現代作品を挿入して演奏するのも、格別気にする事もないのかもしれないが、少なくとも苦労して今日の形を完成したジュスマイヤーには失礼かも。


今回、演奏中、ジュスマイヤーの手にならない2曲(「涙にくれる、その日」とリゲティ「ルクス〜」)の前には仏壇に置いてある鐘?がチ〜ンと鳴らされたのは、ジュスマイヤーよ、化けて出るなよ!というお祓いのようだ。


良い点:弦編成が8-8-6-4-3。声楽は30人程。これはスッキリと聴けた。それに演奏自体悪くなかった。


挿入場所が問題のリゲ「ルクス〜」。

当初は東響コと発表されたが、これも新国合唱団に代わって良かった…と思っていたが、瑞典放送合唱団の透明さと滑らかさには及ばず。

あゝ違うなあ〜と思いながら聴いていたよ。


ブーイングが起こってもおかしくない演奏会だったが、客席はスタンディング・オーベイションで歓迎した。


♪2021-118/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-35

2017年5月17日水曜日

オペラ:「ジークフリート」ハイライトコンサート ―邦人歌手による―

2017-05-17 @新国立劇場


オペラ:ワーグナー「ジークフリート」ハイライトコンサート全3幕
〈ドイツ語上演/字幕付〉

城谷正博:指揮
エレクトーン:西岡奈津子&小倉里恵
パーカッション:高野和彦&古谷はるみ

ジークフリート:今尾滋
ミーメ:青地英幸
さすらい人:大塚博章
アルベリヒ:友清崇
ファフナー:志村文彦
エルダ:石井藍
ブリュンヒルデ:橋爪ゆか
森の小鳥:三宅理恵


6月の本公演を前にした特別企画で、邦人歌手によるハイライト版。中劇場での公演。
オケピの中には指揮者のほかにエレクトーン2台、ティンパニ2組を含むパーカッション2人。ところがこの4人オケが素晴らしいのにまずはびっくり。

長らくエレクトーンの音を聴いていなかったが、楽器も進歩しているのだろうな。もちろん何より2人の奏者の腕前を褒めるべきだろう。編曲も素晴らしく、僅か4人でも大編成のオケと錯覚する音量と響きだ。ティンパニの2組も大活躍。

本篇は正味4時間位のところ、今回は上手に端折ってあって、ほとんど違和感ないまま正味2時間の短縮版だった。
舞台装置は簡素だったが不満はない。何しろ、ワーグナーの音楽がオケもそれらしく、歌もナマで聴けるのだから。

歌手のレベルは分からないが、既にオペラの舞台経験を積んだ人達で素人の耳には驚くばかりに上手だ。特にタイトルロールやブリュンヒルデなど歌いきるのも容易ではない難役のようだが見事だった。
6月、10月の本公演が楽しみだ。

♪2017-086/♪新国立劇場-5

2016年7月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第8回

2016-07-16 @県民ホール

現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
横浜少年少女合唱団*
神奈川フィル合唱団**

三宅理恵:ソプラノ♡
中井亮一:テノール♭
吉江忠男:バリトン#

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から
・序曲
・酒が回ったら今度は踊りだ#
・ぶってよ、マゼット
・私の幸せは彼女にかかって
・お互い手を取り合おう#

オルフ:カルミナ・ブラーナ#**

神奈川フィルfacebookから
待望の「カルミナ・ブラーナ」。
編成が大きいのでなかなか取り上げられない。
ようやくにして初めてナマ演奏を聴くことができた。

3人の独唱に児童合唱と成人の混声四部合唱に三管編成(とはいいながら打楽器・鍵盤楽器は数も種類も多く、ティンパニ<5>、グロッケンシュピール、シロフォン、カスタネット、クレセル、クロタル、トライアングル、アンティーク・シンバル3、シンバル4、タムタム、鐘3、チューブラーベル、タンブリン、小太鼓、大太鼓にチェレスタ、グランドピアノ2を含む大掛かり)のオーケストラという編成だ。

映画音楽などでよく使われている冒頭の「運命の女神」が始まった途端、オルフの描く奇妙な世界にいっぺんに惹きこまれてしまう。
重厚で荘厳な響あり、自然賛歌あり、官能的な歌、清らかな世界を描く歌など聖俗混淆のごった煮が、次から次へと繰り出され、原始脳を刺激する狂乱の60分。

声楽、合唱も素晴らしかったが、神奈川フィルにとっては恩師ともいうべき現田マエストロの期待に応えんとしたか、オケの出来栄えも素晴らしいものだった。

前日のN響には随分がっかりしていたが、今日の神奈川フィルは昨日のN響を凌ぐ力演・熱演・怪演だった。
たまにやってくれるんだよな。こういうホームラン級の演奏を。


♪2016-099/♪県民ホール-02