2022年10月20日木曜日

東京フィル第976回サントリー定期シリーズ

2022-10-20 @サントリーホール



ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」(リコルディ版)(演奏会形式)
全3幕 原語(イタリア語)上演 日本語字幕付き
原作: ウィリアム・シェイクスピア「ウィンザーの陽気な女房たち」
台本: アッリーゴ・ボーイト

公演時間:約2時間35分(幕間/CCを含む)
 第1幕/第2幕第1部…60分
 休憩       …15分
 第2幕第2部/第3幕…60分

指揮・演出:チョン・ミョンフン
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団

ファルスタッフ(Br):セバスティアン・カターナ
フォード(Br):須藤慎吾
フェントン(Tn):小堀勇介
カイウス(Tn):清水徹太郎
バルドルフォ(Tn):大槻孝志
ピストーラ(Bs Br):加藤宏隆
アリーチェ(Sp):砂川涼子❤️
ナンネッタ(Sp):三宅理恵
クイックリー(Ms):中島郁子
メグ(Ms):向野由美子
合唱:新国立劇場合唱団



某響と違って、東フィルは定期演奏会なのに豪華面子を揃えてオペラだ。
舞台回りの客席を全部潰した(そこまでしなくとも合唱は十分並んだのに。)のはチケット収入より演出を重視したからだろう。太っ腹具合はファルスタッフ並みで嬉しい。

チョン・ミョンフン自らの演出だが、冒頭、第一幕の舞台である居酒屋の主人宜しく白いエプロンを付け、手には大きな箒を持って登場して大いに笑いをとった。もうこれで成功したようなものだ。
その後も指揮の傍ら歌手にお酒を注いだり小道具を渡したりと忙しい。

今日の東フィルは舞台にひな壇がなく、まるでピットにいるかのような配置だったが、時に応じて管楽器が立ち上がる場面も。

オペラ慣れしているオケだけあって演奏に何の不満も感じさせず、団員も楽しんでいるのがよく伝わって良かった。
最後にもオケの意外なパフォーマンスにニンマリ。

タイトルロールを歌うセバスティアン・カターナは初聴きだが体躯も声量も十分ファルスタッフ級だ。
女声主役は我がマドンナ砂川涼子❤️。
輝かしい高音が美しいが、最後の十重唱でも際立っていた。
ソプラノやテノールは言うまでもなく高い音が出れば良いという訳ではないが、ああいう声質は訓練の賜物というより天性のものではないか。


終演後は順調にカーテンコールが続いたが、ここで意外なアンコール。
終幕の十重唱が再度演奏されて大いに盛り上がった。客席は多くの人が立ち上がって拍手の嵐。

さて、「ファルスタッフ」は何度観ても聴いてもオチに納得できない。深いのか軽いのか…。この頃は考えないことにしている。全ては冗談だと思うしかないね。

東フィルは来季定期も「オテロ」だ。楽しみ!

♪2022-156/♪サントリーホール-18