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2025年6月6日金曜日

東京シティ・フィル第379回定期演奏会

2025-06-06 @東京オペラシティコンサートホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィル管弦楽団
合唱:東京シティ・フィル・コーア**

戸澤哲夫:バイオリン*
安川みく:ソプラノ**
大西宇宙:バリトン**

ベートーベン:バイオリン協奏曲二長調 作品61*
ヴォーン・ウィリアムズ:カンタータ「我らに平和を与えたまえ(ドナ・ノービス・パーチェム)」**




前半はCMの戸澤氏の就任30年の祝賀の選曲と独奏でベートーベンVn協。これが全般的に元気がなくてがっかりしたよ。カデンツァはベートーベンがPf協へ編曲した際の自作のVn版だったと思う。最近、このティンパニーとの対話を聴くことが多い。

後半は、熱血漢藤岡氏が大好きだと言うVウィリアムズのカンタータ。プログラムには約40分とあったが、実演は36分くらいだった。
初聴きだが、もう冒頭から漂う香りは、英国風でノスタルジックだ。ホルストやエルガーでも感ずる英国民謡風の音階なのか旋法なのか知らないけど、ドイツ音楽の長調や短調とは別の世界で、なんだか懐かしい感じがするのは、アジアにも共通する5音音階なども取り入れられているのかも…と無責任に感じながら聴いた。

どういう物語が紡がれているのかは、藤岡ちゃんのプレトークで大体分かったので歌詞を見ることもなく雰囲気を味わった。
合唱、オルガンとSp、Brの独唱も良い感じで、これはもう一度聴いてみたい。
ただ、全曲はもう少し長いだろうと思っていたのと、最後が消え入るように終わるので、不意に終わってしまったような物足りなさは残った。

♪2025-072/♪東京オペラシティコンサートホール-05

2024年12月8日日曜日

藤沢市民オペラ:モーツァルト「魔笛」

2023-12-08 @藤沢市民会館



園田隆一郎:指揮
伊香修吾:演出

管弦楽:藤沢市民交響楽団
合唱:藤沢市合唱連盟

ザラストロ⇒Bsデニス・ビシュニャ
タミーノ⇒Tn渡辺康
弁者/第一の僧侶/第二の鎧を着た男⇒BsBr湯浅貴斗
第二の僧侶/第一の鎧を着た男⇒Tn加護翔大
夜の女王⇒Sp梅津碧
パミーナ⇒Sp盛田麻央
第一の侍女⇒Sp山田知加
第二の侍女⇒Ms林眞暎
第三の侍女⇒Ms山川真奈
パパゲーナ⇒Sp内山歌寿美
パパゲーノ⇒Br大西宇宙
モノスタトス⇒Tn伊藤達人
ほか

第25回藤沢市民オペラ
モーツァルト『魔笛』全2幕
(ドイツ語上演・日本語字幕付)

予定時間 3時間30分
1幕   70分
 休憩 20分
2幕 90分(実質105分+CC15分)



藤沢オペラ「魔笛」。
中3日で新国の「魔笛」を観ることになっているのは偶然。

モツのオペラはもう長いこと苦手。
聴き慣れたアリアに救われるけど、<物語>で納得できたものはほとんどないよ。6月の「コジ@新国」が大人の演出でモツオペラ中唯一納得できたくらい。
<物語>にさえ納得できたら、音楽の魔力に惹き込まれること必至だと思っているのだけど。

今回も、何度も観ている「魔笛」なのに、どこが面白いのか分からない。退屈してしまった。

パパゲーノの大西宇宙くんが健闘していたが、この役は似合わない。2枚目か悪役が似合うと思うよ。

♪2023-169/♪藤沢市民会館-1

2024年6月4日火曜日

新国立劇場オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」

2024-06-04 @新国立劇場



【指揮】飯森範親
【演出】ダミアーノ・ミキエレット
【美術/衣裳】パオロ・ファンティン
【照明】アレッサンドロ・カルレッティ
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

フィオルディリージ⇒セレーナ・ガンベローニ
ドラベッラ⇒ダニエラ・ピーニ
デスピーナ⇒九嶋香奈枝
フェルランド⇒ホエル・プリエト
グリエルモ⇒大西宇宙
ドン・アルフォンソ⇒フィリッポ・モラーチェ

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間30分
第Ⅰ幕
 90分
 --休憩30分--
第Ⅱ幕
 90分




「コジ〜」を初めて観たのは40年以上前。それが初めての日生劇場オペラだった。つまらなかった。
以後、何度も観ているしビデオも数種類あるが、ほぼすべて話に腑に落ちない。どんなに演出に工夫をしても台本を変えられない以上、話が腑に落ちるはずがない。

とはいえ、実は、過去に観た中で一番腑に落ちそうなのが新国立劇場の2011年以降今回に至る演出だ。2013年から観たのだけど、11年も前の舞台を細部まで覚えていないけど基本的に同じに再現されていたと思う。

D.ミキエレットの演出だけは、やや腑に落ちるというのは、結末が、そりゃそうでしょう、そうでなくちゃ、という気にさせるから。
つまり、圧倒的多数の演出が、最後強引にめでたしめでたしで終わらせるのに対して、この演出では、4人の男女が気持ちを収めることができずバラバラに舞台をさってゆくのだ。
同じ台本を使いながらよくまあ、こんな始末の付け方が不自然さもなくできたものだと感心するが、人間ドラマとしては当然だ。

設定は、本来の18世紀のナポリから現代のキャンプ場に変更された。
それで大きな破綻はなかったものの、なぜわざわざ設定を変える必要があったかは見えてこなかった。

今回は、歌手陣が良かった。
特に大西くんと九嶋ちゃんの大健闘が素晴らしい。海外勢以上の魅力・迫力だ。
13年の公演では姉妹2人が傑出していたと記憶しているが、今回はちょっと地味だったな。

おかげで、久しぶりにモーツァルトの才能をとことん味わった気がする。なんて素晴らしいオペラだ。

しかし、演出には工夫が必要。
今後も万事めでたしなんてやっていたら、いずれ女権拡張活動家に上演禁止を求められると思うよ。

♪2024-077/♪新国立劇場-08

2023年5月20日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第387回横浜定期演奏会 【ベートーベン・ツィクルスVol.6】

2023-05-20 @みなとみらいホール



ピエタリ・インキネン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学*

ソプラノ:森谷真理*
アルト:池田香織*
テノール:宮里直樹*
バリトン:大西宇宙*

シベリウス:交響詩「タピオラ」 Op112
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125*



インキネンが首席として振る最後の定期にして、彼のベートーべン・チクルスの総仕上げ、「第九」だ。

前座がシベリウスの「タピオラ」で、この日の90分前まで音楽堂で大学オケによるシベリウス特集を聴いていたので、気分はうまく軟着陸。

なぜ、シベリウスとセットなのか?

日フィル創始者の渡邉暁雄とインキネン両者所縁の作曲家ということで、インキネン・日フィル演奏会の掉尾を飾るに相応しいプログラム、という事らしい。

で、その「タピオラ」は分厚い弦が豊かに鳴って上出来。


肝心の「第九」。オケは弦16型で重厚。インキネンの指揮は、クセのない、さらりと流れる淡白な演奏で、これも暫くは一興…だったが、3楽章のテンポがやや速い。4楽章も速い。速いだけでなく、低弦のレシタティーヴォが流水の如く、速くてえらくあっさりして、溜めもなく、見得もない。
歓喜の主題が最初に現れるところは、Vcの音が小さく、次にVaに移ったらもっと小さく、普段は聴こえないような木管の旋律を耳にした。

インキネン、そんなに急いで*どこへゆく?

テンポも疑問だが、全体に彫りが浅い。スイスイ流れるのは良いとしても、処々、クサイところも欲しい。

とまあ、インキネンが日フィルに登場以来過去15回は全て好感を以て聴いたのに、最後の16回目が残念賞だった。

声楽は良かった。4人の独唱者が舞台の一番前で歌った。コロナの前についに戻った。当然、よく声が通る。オケにも合唱にも埋没しない。東京音大合唱団は約80人。見た目は寂しいが声はよく出て満足。

*因みに、演奏時間は、予定65分に対し実測64分。
3楽章前の独唱者入場に結構時間を取ったにもかかわらず短い。楽章間休止を除くと正味62分5秒。

昨年、「第九」は12回聴いた。その時の各オケの演奏時間と比べると最速だ。昨年の最速も日フィルだったが、インキネンはこれをも更新した。トスカニーニと並んだよ!

♪2023-086/♪みなとみらいホール-18

2022年11月20日日曜日

新日本フィル:沖澤のどかのブラームス

2022-11-20 @みなとみらいホール



沖澤のどか:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
大西宇宙:バリトン*

モーツァルト:フリーメイソンのための葬送音楽 K. 477
マーラー:亡き子をしのぶ歌*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op. 98


一昨日のすみだトリフォニーでの定期とそっくり同じプログラムをみなとみらいホールで聴く。

すみだトリフォニーも響の良いホールだが、暗色中心のデザインが、音を曖昧にするのだろうか?


みみHの明るさと比較するとホールの明るさも聴き心地に影響するなと思ったよ。

すみだトリフォニーは、1階の傾斜が小さいので前の席が邪魔して舞台の見通しが悪い。そんな事情も響に影響しているような気もする。

これらは気分の問題だが、もっと確実な違いがあるのだろう。
設計や材料など、何が音の違いに表れているのか分からないが、確実に違う。

その違いを映像で言えば、画素数の違いかな。
2Kと4Kの画像のように遠くで見ればほぼ区別はつかなくとも近くで見れば鮮明さがはっきりする。

音も同様で、遠くで聴けばホールの違いによる響の違いをあまり感ずることはないと思うが、ある程度音源に近づくと違いが明らかになる。近づき過ぎても分からないだろう。

この違いが分かるエリアこそ「いつも聴きたい最良席」だ。

すみだトリフォニーでも素晴らしかった弦の響は、今日はもっと繊細で明瞭だった。
大西宇宙の歌唱も生々しく、言葉の末尾の息も聴き取れた。

アンサンブルも3日目で益々磨きがかかっていたと思う。

それにしても沖澤のどか。要注目!

♪2022-174/♪みなとみらいホール-06

2022年11月18日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#11

2022-11-18 @すみだトリフォニーホール



沖澤のどか:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
大西宇宙:バリトン*

モーツァルト:フリーメイソンのための葬送音楽 K. 477
マーラー:亡き子をしのぶ歌*
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op. 98



「フリーメイソンのための葬送音楽」は初聴き。
「亡き子をしのぶ歌」は6年ぶり…って初めてのようなもの。いずれも追悼曲らしい穏やかな音楽だった。

この前半で、今日の新日フィルがただならぬ音を出していたのでブラームス交響曲第4番に期待が高まったが、冒頭の旋律で、即、沖澤のどかの懐中に嬉しくも引き込まれた。

いや、これは彼女の采配も良かったのだろうけど、オケが本来の実力を遺憾なく発揮したということだろう。

ブラームスの交響曲には、旋律を幾つかのパートで繋いでゆくものが多い…ような気がするが、少なくとも4番の出だしは3パートでやり取りする。

ここで各パートがぴたりと息が合っていないと、音楽がバラバラになり気持ちが乗れないのだが、今日の沖澤のどか+新日フィルは見事な導入だった。

第4楽章の管楽器によるシャコンヌ主題も胸のすく響だ。

とにかく、今日は木管+金管の交わりが美しい。
管と弦の交わりが美しい。
特に後者はどのオケでも滅多に味わえないが、今日は管弦が溶け合って甘い響が。

最近、僕の中ではヒットを連打している感じの新日フィルだが、今日は格別だった。
しかし、不思議に包まれている。
どうしてこんなに美しいアンサンブルができるのか?
N響よりも美しく聴こえるのはどうしてか?

実は同じプログラムを20日にみなとみらいホールでも聴く。
どんな響を聴かせてくれるかとても楽しみだ。

♪2022-172/♪すみだトリフォニーホール-08

2022年11月6日日曜日

藤沢市民オペラ:プッチーニ「ラ・ボエーム」

2022-11-06 @藤沢市民会館



園田隆一郎:指揮
伊香修吾:演出

テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
合唱⇒C.ヴィレッジシンガーズ
児童合唱⇒藤沢市合唱連盟、藤沢ジュニア・コーラス、鵠沼ジュニア・コール

ミミ⇒中村恵理
ロドルフォ⇒樋口達哉
ムゼッタ⇒横前奈緒
マルチェッロ⇒大西宇宙
ショナール⇒池内響
コッリーネ⇒デニス・ビシュニャ
ベノア⇒奥秋大樹
アルチンドロ⇒小林由樹

作曲:ジャコモ・プッチーニ
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
原作:アンリ・ミュルジェール

「ラ・ボエーム」全4幕
(イタリア語上演日本語字幕付)

第1-2幕   60分
   休憩   30分
第3-4幕   60分


体調が頗る悪かった。
席も遠かった(藤沢市民オペラなんて普段チェックしていないので気づいた時は1階中央が無かった。)。
演出にもひとこと言いたい。

にもかかわらず、これまで観たボエーム中、07年藤原歌劇団と並んで、強く気持ちを揺り動かされた。

また、中村恵理はこれまでいろんな演目を聴いてきたが、今日のミミが最高の歌唱ではないか!大いに見直し、聴き直しをした。蝶々夫人より椿姫よりずっといい。

ルドルフォの樋口達哉も朗々と声が伸びて07年版の時よりずっと良かったと思う。

こんなこんな熱演を藤沢市民オペラで聴けるとは!

指揮は園田ちゃん。彼の指揮によるボエムは何度か聴いたな。特に今回演出の伊香修吾と組んだボエムはもう3回目か。手慣れたもので、安心して音楽に身を任せられる。

が、演出は若干問題。1〜4幕通してほとんど場面が変わらないのだから初めての人には混乱させた思う。ミミも冒頭から、男達の部屋にいるのも飲み込み難し。もっと普通にできなかったか?

♪2022-167/♪藤沢市民会館-1

2022年2月9日水曜日

オペラ:ドニゼッティ「愛の妙薬」

2022-02-09 @新国立劇場



指 揮】ガエタノ・デスピノーサ
【演 出】チェーザレ・リエヴィ
【美 術】ルイジ・ペーレゴ
【衣 裳】マリーナ・ルクサルド
【照 明】立田雄士

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【アディーナ】砂川涼子
【ネモリーノ】中井亮一
【ベルコーレ】大西宇宙
【ドゥルカマーラ】久保田真澄
【ジャンネッタ】九嶋香奈枝

ガエターノ・ドニゼッティ「愛の妙薬」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間30分
 第Ⅰ幕   70分
  休憩   25分
 第Ⅱ幕   55分


今月はオペララッシュで、1週間前に「さまよえるオランダ人」を観たばかりで今日は「愛の妙薬」。

指揮のデスピノーサ&東響も「オランダ人」に引き続きの登板だ。


キャストはコロナの為に(元から出演予定の九嶋以外の)主要4役が全員日本人に代わった。

でも、それで大成功…は言い過ぎとしても、とても良かった。


何がいいかって、砂川涼子が素晴らしい。

あのふくよかで明かるく美しい声は、努力だけでは獲得できない天分だと思う。


ネモリーノ役の中井亮一にとっては歌手人生最高の大役だったと思うが、期待に応えた。

1番の聴かせどころ「人知れぬ涙」もヨシ!

もうちょっとツヤがあれば憂いも出てなお良かったが。


不満を挙げれば。

演出も美術も前回2018年公演と同じだが、前回は気づかなかったが点が今回は気になった。5年間の成長?


「文字」に拘る演出は美術面でも表れているが、「トリスタンとイゾルデ」はこの物語の契機に過ぎないのに全編にわたって「トリ・イゾ」由来の作り物がさも意味ありげに登場するのは紛らわしい。


薬売りの娘が登場するがセリフはない、歌もない。にもかかわらずなぜMaskをしているのか?

「オランダ人」の時もパントマイムの役者だけがMaskをしていた。

他にも兵士達が1幕ではMaskを。同じ連中が2幕ではNoMask。

いったいどういう整理基準なのか?


ともかく、Maskはやめてくれえ!


♪2022-016/♪新国立劇場-03

2021年12月27日月曜日

かんぽ生命 presents N響「第九」Special Concert ❽

2021-12-27 @サントリーホール



尾高忠明:指揮
NHK交響楽団
合唱=東京オペラシンガーズ

オルガン:勝山雅世*

ソプラノ:森麻季
メゾ・ソプラノ:加納悦子
テノール:櫻田亮
バリトン:大西宇宙

ブクステフーデ:コラール前奏曲「輝く暁の星の麗しさよ」*
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565*

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125


オケの編成では今季最大だった都響と同じく弦14型。

東京オペラシンガーズは60名で都響の二期会より4人多い。

僕が今季「第九」を聴いた8オケの中では最大規模。

コロナ禍ではこれで精一杯?

合唱・独唱もP席。全員冒頭着座。


演奏はやはり一歩抜きん出たN響ならではの堂々の風格。


尾高の指揮はゆったり目。外連味なし、嫌味なし、遊びなし。

ま、これが大人の「第九」か。演奏時間も最長の71分強。


問題はあった。

オケも合唱も上出来だったが、独唱が気の毒な状態。

P席の前列に並び、その後ろは合唱が三重に。都響の場合と同じで、これではなかなか声が飛んでこない。


P席に合唱を置けない場合はともかく、独唱は舞台の奥・反響板の前で歌うべきだった(コロナ前は独唱が舞台前方で歌うことも珍しくなかったが、今はそれができない。)。


独唱各人の歌いっぷりに問題はないのに、オケや合唱に埋もれがちだったのが残念。



今季全8回の「第九」が終わったが、総合的にはN響がベストとも言い難し。後日、振り返ってみよう。


カーテンコールは独唱者より、指揮者より、今回で卒団する第2バイオリン首席の大林修子女史への労いの拍手で盛り上がった。


♪2021-165/♪サントリーホール-24


S席 1階 14列 21番 15,750円

2021年9月18日土曜日

名曲全集第169回 原田慶太楼が誘う、ヴォーン・ウィリアムズ

 2021-09-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール


原田慶太楼:指揮
東京交響楽団
東響コーラス*

ソプラノ:小林沙羅*
バリトン:大西宇宙*

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスによる幻想曲
ヴォーン・ウィリアムズ(ジェイコブ編):イギリス民謡組曲
ヴォーン・ウィリアムズ:海の交響曲*

「海の交響曲」は大編成を必要とする為かなかなか生では聴けない。僕の記憶では05年に秋山・東響で聴いて以来だ。


今日の弦は16型。

独唱2人に合唱が約80人(一部交代で+40人)という大所帯だった。

不満は後で書くとしてまずは見事な演奏だった。

目下のところ今年最大のイベントだ。


前座の同じヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴスによる幻想曲」と「イギリス民謡組曲」は大好きな曲だ。

特に後者は題名どおり郷愁を唆る英国民謡の旋律が心地よい。

明治時代に英国から輸入した「蛍の光」や「故郷の空」等の5音音階を中心とする旋律が日本人のDNAに染み込んでいるのかもしれない。


ただ、1-2曲目を続けて演奏したので2-1が1の終曲と勘違いした人が多く、あちこちで拍手が起こったが、「イギリス民謡組曲」も吹奏楽経験者を別とすれば一般には馴染みの少ない曲だからやむを得ない。


メインディッシュの「海の交響曲」の出来の良さには驚いた。

冒頭のオケと合唱の強奏で気持ちを持ってゆかれ、そのまま、最後まで緊張感が続いた。


この長大な歌詞を途中交代とはいえ、暗譜で歌い切った東響コーラスが最大の功績。独唱2人もよく響いた。

東響もノーミス(?)でお見事。

もちろん慶太楼氏のタクトも良かったので、この大曲を仕上げる過程で指揮者・オケ両者の信頼関係がますます深まったろう。同慶の至りだ。


不満は、相変わらずのマスク!

指揮・独唱・コンマス・管以外…つまり弦と打の全員がマスク。合唱もマスク。マスクだらけだ。さらに、その為か、合唱は生ではなく電気増幅を使った。これがもう残念無念。40人もいるのだから拡声する必要はなかったのではないか。マスクも必要性が分からない!


♪2021-099/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-31

2020年12月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第363回横浜定期演奏会「第九」❹

 2020-12-19 @みなとみらいホール


飯森範親:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学合唱団

ソプラノ:中村恵理
アルト:富岡明子
テノール:城宏憲
バリトン:大西宇宙

ハイドン:交響曲第9番ハ長調 op.21
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」op.125


弦の編成は10型!

古楽編成ならもっと小規模の「第九」を聴いたことがあるが、モダンオケでこの編成は初めて。
しかし、響は驚くほど明瞭でパワフル。

飯森氏はいつもながら正統的な音楽を聴かせる。

ただ、第4楽章には若干違和感を覚えた。
荒々しさがなくえらく上品だ。物足りない。

とはいえ主題が出てくる頃からはダイナミックに盛り上がった。

一昨日同じホール、席も1列違い同番号で新日フィル「第九」を聴き、健闘ぶりを好感したが、日フィルの”音”は段違いの素晴らしさだった。

声楽独唱陣は指揮者より客席側に立ち、ビンビン響く。
特に中村恵理の声量は強烈・爽快。

ここまでは見事なくらい上出来。

問題は合唱だ。
P席に男女22+26人。
なんてこった!
全員がマスクをして歌う!

ここで白けてしまった。

どんなに頑張っても声は内に籠る。
発声語尾の明瞭さに欠ける。

終演後、日フィルスタッフに「彼らは全員コロナ感染者かね」と尋ねた。
 ~学校(東京音大)で陰性確認していると思います。
じゃあなぜマスクして歌ったの?
 ~飛沫が…
え!ステージにコロナの飛沫が飛んでる?
 ~いえ、そうではなく…

要するに答えられない。
そして過剰防御が音楽を損ねている。

指揮者もよくこれを受け入れたものだ。

舞台に立つ者の陰性確認を断固やるべし。
そして制約なしにのびのびと音楽をやってくれ!

合唱団のマスクを別にすれば、オケと独唱の演奏は素晴らしいものだった。
終楽章の音楽造りは僕の趣味とは異なったけど、これはこれで楽しめた。

評点80点!

♪2020-095/♪みなとみらいホール-29

備考:
弦の編成:10-8-6-4-2
合唱:女声26/男声22

2019年12月14日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第353回横浜定期演奏会<第九③>

2019-12-14 @みなとみらいホール


広上淳一:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学

ソプラノ:中村恵理
アルト(カウンターテナー):藤木大地 
テノール:吉田浩之
バリトン:大西宇宙

J.C.バッハ:シンフォニア変ロ長調 作品18-2
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125

ソプラノ独唱が中村恵理。何度かオペラで、昨年の秋山「第九」でも聴いたのにあまり印象に残っていなかったが、新国立劇場「トゥーランドット」のリューのアリアで僕はこの人に覚醒した。
男子3人(Altはカウンターテナーの藤木大地)の独唱相手に一歩も引けを取らず歌い上げたのはさすが。

肝心のオケだが、なんてうまいんだ。
東響も良かったが、今日の日フィルは格違いのうまさだった。管、特にホルンの抜群の安定感。弦は透明感を終始保った。オケはこうでなくちゃ。

多少の不満は、広上淳一の指揮はメリハリがはっきりしすぎ。それは聴きやすいのだけど、聴き手の集中力を削ぎ易い。

一音も聴き逃すまいと集中しなくとも、適度なメリハリ感が音楽を心地よく伝えてくれるので楽なのだけど、提供されるだけの喜びの様な気もして、一体感は得にくい…とこれは贅沢な不満。3⇒4楽章も一息で入って欲しかったな。

独唱者が舞台前に立った(東響は後方)。それだけに独唱が鋭く響き渡った。


♪2019-206/♪みなとみらいホール-57