ラベル 小泉詠子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 小泉詠子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年12月21日土曜日

日フィル横浜第403回定期演奏会 「第九」⑦

2024-12-21@みなとみらいホール



下野竜也:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
東京音大合唱団

ソプラノ:富平安希子
メゾソプラノ:小泉詠子
テノール:糸賀修平
バリトン:宮本益光

ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125







昨日と同じみなとみらいで弦の編成も同じ。しかし、響が軽い。弦は何人か間引運転しているのではないかと思う程だった。軽快というのとは違う。

下野ちゃんの「第九」は4回目で、日フィル、神奈川フィル、読響、昨年はN響「第九」を振った。毎回の演奏をしっかり覚えている訳ではないけど、大体早めで、特に4楽章は疾走する。そのせいか、今年の「第九」7回目だが、低弦のレシタはこれまでのところ、一番痛快だった。

最初、軽さに不満を覚えていたが、だんだんよく鳴る何とやらで、終盤は厚く・熱く盛り上がり、終わりよければすべてよし。

声楽独唱の登場の仕方が独自で4楽章途中から。
彼は前にも読響の時にそういう登場の仕方を選んだ。
N響の時は違ったのに。
途中の拍手で緊張を解かないという考えだろうか?

その独唱者の並び方が変わっていて、下手からSp-Tn-Br-Msだ。こちらの独自にどういう効果があるのか分からない。


♪2024-179/♪みなとみらいホール-45

2023年12月9日土曜日

名曲全集194回 東京交響楽団/秋山「第九」❷

2023-12-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール



秋山和慶:指揮
東京交響楽団
合唱:東響コーラス

三宅理恵:ソプラノ
小泉詠子:メゾソプラノ
福井敬:テノール
妻屋秀和:バス

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125
-------------------
蛍の光





今年の2回目だが12月としては最初の「第九」。
少ない年でも6回、去年のように12回も聴いた年もある(今年は10回)。
その中で、指揮者とオケの組合せが唯一変わらないのが秋山「第九」だ。今季は東響の定期も名曲全集もパスした(来季も。27年度から再開予定!)けど、秋山「第九」だけは欠かせない。僕にとって聴く、というより、参加することに意義のある年中行事だ。

確か、40年以上継続されている秋山「第九」。
いつも盤石の安心感で楽しんできたが、今日の演奏は一波乱があった。
Hrの不調に加え終楽章の低弦のレシタと管楽器の受け応えで管の一部がスッポ抜けた!のは致命的エラーだった。

秋山御大の指揮ぶりもこれまでに比べて秋山節(コブシ)をよく利かせていた。
終楽章低弦のレシタがいつになく遅い気がしたが。
また、ここでVcの息遣いが揃わなかったな。

弦の編成は12型(12-10-9-8-5)とこじんまり。これでも昨年より4人増えた。この規模にしては弦セクション(Vcのレシタ以外)はいい仕事をしていたよ。

声楽陣も昨年に続き冒頭から着座した。これが良い。無駄な休止がなく、3楽章の後は計測不能なくらい瞬間の休止を挟んで4楽章に突入するのもいつもどおり。

終わってみると、昨年より28秒速い(たって、誤差の範囲だよ)だけだった。記録のある限りにおいて秋山「第九」は正味70分±30秒くらいに収まっている。もうこれ自体が”芸”だな。

合唱は112名。ひょっとしてプロオケとしては今年も最大規模になるか。P席と舞台後方に配置。
独唱者を含め、声楽には何の不安もなかった。
オケも部分的ミスを除けば良い響だった。

恒例「蛍の光」も結構。

昨年は武満MEMでの公演だったが、今年はミューザの大宇宙空間に戻った。やはり秋山「第九」はミューザに限る。

2023-213/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-28














1楽章 0時間16分18秒
2楽章 0時間11分36秒
3楽章 0時間15分35秒
     〜 0時間00分01秒
4楽章 0時間26分19秒
計  1時間10分40秒

昨年より28秒短い⇒誤差の範囲

合唱はP席と舞台後方。
独唱はオケと合唱の間。
いずれも冒頭から着座。
Brassは舞台下手

2022年11月23日水曜日

新国立劇場 開場25周年記念公演 モデスト・ムソルグスキー「ボリス・ゴドノフ」<新制作>

2022-11-23 @新国立劇場



大野和士:指揮
【演出】マリウシュ・トレリンスキ
【美術】ボリス・クドルチカ
【衣裳】ヴォイチェフ・ジエジッツ
【照明】マルク・ハインツ
【映 像】バルテック・マシス
【ドラマトゥルク】マルチン・チェコ
【振付】マチコ・プルサク

【合唱指揮】冨平恭平
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団

【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
【フョードルの声】小泉詠子
【クセニア】九嶋香奈枝
【乳母】金子美香
【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
【ヴァルラーム】河野鉄平
【ミサイール】青地英幸
【女主人】清水華澄
【聖愚者の声】清水徹太郎*
【ニキーティチ/役人】駒田敏章
【ミチューハ】大塚博章
【侍従】濱松孝行
*本プロダクションでは、聖愚者は歌唱のみの出演。


モデスト・ムソルグスキー
ボリス・ゴドノフ<新制作>

プロローグ付き全4幕
〈ロシア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間25分
 プロローグ・第Ⅰ幕  70分
  休憩   25分
 第Ⅱ・Ⅲ幕        40分
  休憩   25分
   第Ⅳ幕            45分



少なくとも3つの版があり、それを上演に当たっては演出家が弄くり回すので、何が本来のボリスの姿なのかよく分からない。
版の違いを含め筋書きは理解しているつもりだったが、知っているとむしろ混乱する。さりとて知らなきゃさっぱり分からない。

今回は許容限度を超えた奇妙奇天烈な演出だった。
序幕で既にボリスが登場し、その息子フョードルは重度の障がい者だ。彼と乳母はボリスの娘クセニアの友人という設定!え?姉弟ではないのか?

フョードルは黙役で歌はMsが歌う。
と同時に彼は聖愚者でもあり、その歌はTnが歌う。

全く、何をどう補えば合理的に受け止められるのだろう。

つまり、筋書きは荒唐無稽なので、なまじ知識が邪魔して少しも頭に入らない。

ボリスは僭称王に追い詰められ息子を殺す!これも原作を大きく逸脱した演出で吃驚。

僭称王は、逆さ釣りのボリスの心臓にナイフを入れ、滴る血をグラスで飲む。なんてこった!猟奇ドラマか!

ま、オペラ観賞史上最悪の作品だった。胸糞悪し!

♪2022-175/♪新国立劇場-12

2021年10月24日日曜日

名曲全集第170回 モーツァルト没後230年。祈りを込める「レクイエム」

2021-10-24 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮

東京交響楽団
新国立劇場合唱団*

ソプラノ:三宅理恵*
メゾソプラノ:小泉詠子*
テノール:櫻田亮*
バスバリトン:ニール・デイヴィス*

デュティユー:交響曲第1番
モーツァルト:レクイエム K. 626(リゲティ:ルクス・エテルナを含む)*




指揮のジョナサン・ノットが来日できなくなった定期演奏会で、事前に指揮ぶりを収録したビデオで東響に(リハではなくお客を入れた本番で)演奏させた事は驚愕だった。


もし彼がベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮するとしたら、このような事をするだろうか?

しないだろうし、オケも受け入れないだろう。

日本のオケやお客をバカにしているのではないか。


そこからノット不信が始まった。


今回、モーツァルト「レクイエム」にリゲティ「ルクス・エテルナ」を混在させた事は、ビデオ指揮とは異なり、音楽表現上の問題だから罪は軽い。否、無罪かもしれないが、彼のコロコロ変わる思いつきがオケ関係者を振り回していることは確かで、この点は微罪処分に相当する。


当初のプログラムにはリゲティは含まれなかった。

1回目の訂正でモツ・レクの後に演奏すると発表され、

2回目の訂正で終曲前に挿入することとされた。


リゲティ「ルクス・エテルナ」は世界的に高明なペーター・ダイクストラ指揮スウェーデン放送合唱団で聴いたことがあり、精緻な和声?に驚き感心したので、モツ・レクとは独立して聴きたかった。


どうせ、モーツァルトの完全作ではないのだから、他人の、現代作品を挿入して演奏するのも、格別気にする事もないのかもしれないが、少なくとも苦労して今日の形を完成したジュスマイヤーには失礼かも。


今回、演奏中、ジュスマイヤーの手にならない2曲(「涙にくれる、その日」とリゲティ「ルクス〜」)の前には仏壇に置いてある鐘?がチ〜ンと鳴らされたのは、ジュスマイヤーよ、化けて出るなよ!というお祓いのようだ。


良い点:弦編成が8-8-6-4-3。声楽は30人程。これはスッキリと聴けた。それに演奏自体悪くなかった。


挿入場所が問題のリゲ「ルクス〜」。

当初は東響コと発表されたが、これも新国合唱団に代わって良かった…と思っていたが、瑞典放送合唱団の透明さと滑らかさには及ばず。

あゝ違うなあ〜と思いながら聴いていたよ。


ブーイングが起こってもおかしくない演奏会だったが、客席はスタンディング・オーベイションで歓迎した。


♪2021-118/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-35