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2022年12月7日水曜日

「第九」2022-❶ 神奈川フィル/特別演奏会「第九」

2022-12-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール



三ツ橋敬子:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
プロ歌手による神奈川フィル合唱団

富平安希子:ソプラノ
山下裕賀:メゾソプラノ
村上公太:テノール
三戸大久:バスバリトン

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



今年の「第九」の嚆矢を飾るのは神奈川フィル by 三ツ橋(沼さんの「第九」は24日に)。

弦編成は12型。P席に陣取った合唱は39人、当然No Mask。
他に舞台周りの4ブロックを閉鎖していたが、そこまでする必要は全くないのに!と神経過敏な劇場側を叱りたい!

声楽陣は高域から富平安希子/山下裕賀/村上公太/三戸大久。村上は東響&都響でも聴くことになっている。

第1-2楽章はやや速目のテンポ。小振りのオケはまとまりよくシャキシャキと小気味良し。管も巧い。トランペットなんか、出番が多いが音符一つも間違えない。見事なものだ。
ホルン(4番?)の3楽章Soloにもう少し明瞭さが欲しかった。

少ない合唱団も意外と迫力。

ま、そんな程度で全体として満足度が高かった。

残念なのは弦奏者の7割近くがマスクだ。N響や新日フィルなどは16型でも5-6人だけどな。その5-6人だって着用する意味はないと思うが。

さて、ビオラ首席がどう見ても東響の青木氏のそっくりさんだったよ。
ティンパニーも客演だった。

12月、「第九」の季節。先生方は走り回っているんだ。
ま、みつばち先生も今月は25公演?なんて忙しいんだ。

今日は、小学生〜18歳を無料招待していたそうだ。どこにいたのか分からなかったが静かに聴いていたのだろう。むしろ、僕の席の前では紙袋の音や後ろからは荷物を落とす音など。おばさん達、やめてケロ。

演奏好感度★80点★/100点満点

♪2022-186/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-46

2022年6月26日日曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第378回定期演奏会

2022-06-26 @県民ホール



三ツ橋敬子:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
マルク・ブシュコフ:バイオリン*

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(原典版)
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調Op.35*
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
------------------
イザイ:無伴奏バイオリンソナタ第5番から*


要約すれば、非常に面白く充実した演奏会だった。
先ず「はげ山の一夜」に吃驚。
え!これはなんだ。僕は何を聴いているのだ?
…と事態がなかなか飲み込めなかったが、プログラムに小さく《原典版》と書いてあって得心した。
馴染みのR.コルサコフ版とは全然違う!

その謎解きに心奪われて音楽に集中できなかったが、オケの尽力にもかかわらず、バラバラ感が付き纏ったのは、やはりオーケストレーションに問題があるのではないか。R.コルサコフも手を入れざるを得なかったのだろう。

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲一段と素晴らしかった。独奏バイオリンのマルク・ブシュコフは初聴きだが、独自色をチラチラ見せながら雄弁だった。音色も美しく音圧も高い。
2013年モントリオール優勝、19年チャイフスキー・コンクール2位(同年、金川真弓4位。ピアノ部門で藤田真央2位)という実績を感じさせた。

これは要注目の期待株だ。

鳴り止まぬ絶賛拍手で長いカーテンコールだったが、1楽章の後かなり確信的な拍手が方々から起こったのも宜なるかな。

メインディッシュがボロディン交響曲第2番。だいたい2年に1回の割で聴いているが、神奈川フィルでは初めて。

なので、馴染みはそこそこあったけど、聴く度に驚かされる。
ワインガルトナーはこの曲をチャイコフシキー「悲愴」と並んでロシア人の国民性が如実に反映された作品、と言ったそうだが、西欧化と民族性の両極端において説得力がある。
厚みのある弦が、今日は特段美しく響いた。3楽章ホルンソロも良し!

♪2022-093/♪県民ホール-08

2021年4月11日日曜日

NHK交響楽団 04月公演

 2021-04-11 @サントリーホール


三ツ橋敬子:指揮
NHK交響楽団♢
ソプラノ:森谷真理♡
テノール:福井敬♠︎

◎モーツァルト:歌劇「魔笛」から
 ⚫︎序曲

 ⚫︎タミーノのアリア「なんと美しい絵姿」♠︎
 ⚫︎パミーナのアリア「愛の喜びは露と消え」♡

◎モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」から
 ⚫︎フィオルディリージとフェランドの二重唱「夫の腕の中に」♡♠︎

◎モーツァルト:歌劇「イドメネオ」から
 ⚫︎バレエ音楽 K. 367から「パ・スル(1人の踊り)」

 イドメネオのアリア「海の外なる胸の内の海は」♠︎
 ⚫︎エレットラのレチタティーヴォとアリア「ああ私の切望、怒り」~「血を分けたオレステよ」♡

◎ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」から
 ⚫︎バレエ音楽「春」


◎マスネ:歌劇「ウェルテル」から
 ⚫︎オシアンの歌(ウェルテルのアリア)「春風よ、なぜ私を目ざますのか」♠︎

◎マスネ:歌劇「タイス」から
 ⚫︎鏡の歌(タイスのアリア)「私を美しいと言っておくれ」♡
 ⚫︎「タイスの冥想曲」

◎プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から
 ⚫︎ピンカートンと蝶々夫人による愛の二重唱「夕暮れは迫り」♡♠︎
ソプラノ:森谷真理、テノール:福井敬によるアリアと序曲など12曲。



「春」がテーマらしいが、ちょっと無理な説明か。

ま、それはどうでもいいや。

才能ある人のよく磨き上げられた身体こそ最高の楽器だという日頃の思いを十分に納得させてくれた。

特に福井の声はなんとも輝かしい!

先日、砂川涼子を目の前で聴いてその声の美しさに震えるような思いをしたばかりで、加えて今日の福井の輝きと併せて比べると、森谷にはその輝きが不足しているように思うが、これはもう天性のもので仕方がないのか。年齢とともに磨きがかかるのだろうか。

とはいえ、両者の歌唱もN響の演奏にも大満足。

いつか、ワーグナー作品で企画して欲しいな。

♪2021-037/♪サントリーホール-04

2014年9月27日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団第300回横浜定期演奏会

2014-09-27  @みなとみらいホール


三ツ橋敬子:指揮
菊池洋子:ピアノ
千葉清加:コンサートマスター(日フィル・アシスタント・コンマス)
菊地知也:ソロ・チェロ(日フィル)
日本フィルハーモニー交響楽団

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番≪戴冠式≫
-------
プッチーニ:オペラ≪マノン・レスコー≫から第3幕への間奏曲
レスピーギ:交響詩≪ローマの松≫
------------------
アンコール
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス(Pfソロ)
レスピーギ:≪ボッティチェリの3枚の絵≫から第3曲「ヴィーナスの誕生」


7月の定期演奏会も、指揮者・ソリスト・コンマスが女性で固められたが、今回も主要キャストは女性ばかりだ。

写真で見る限り美形が揃っているというのに、こういう日に限って、こういう日のために(野鳥を見るためではなく)買った単眼鏡を忘れていったのは残念だった。



盛りだくさんのプログラムだったが、イタリア・オペラの巨頭2人の序曲(ロッシーニ)と間奏曲(プッチーニ)。
この先輩たちの後塵を拝して登場した近代イタリア管弦楽のパイオニア、レスピーギの「ローマ三部作」から≪ローマの松≫。
以上イタリア尽くし。

そこになぜかモーツァルトが挟まれた。

27曲あるピアノ協奏曲の中では「戴冠式」という名前が付いていることから、一番有名かもしれないしれない。僕も好きだけど、一番好んで聴くのは第23番かな。
大げさな表題がついた割にはとても軽やかで分かりやすい。

菊池洋子さん。何度かのカーテンコールの後、アンコールに応えて弾いてくれた曲が、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」だった。本来は合唱と弦楽器、通奏低音による賛美歌だが、リストがピアノ用に編曲したものが演奏された。ピアノ版は初めて聴いたが、やはりきれいな曲だ。

休憩を挟んでプッチーニの間奏曲は聴いたことがあるような無いような曲だったが、さすがにプッチーニ。甘いメロディーだ。
ヒロインが恋人に抱かれて息を引き取る場面の音楽だそうでなるほど納得。

最後は、いよいよ、今日のメインディッシュ「ローマの松」。
去年の日フィル定期でも「ローマの祭」に圧倒されたが、ローマ三部作の中でも一番好きなのが「松」だ。

ありとあらゆる楽器を総動員し、弦楽の規模も大きく、パイプオルガンも交え、バンダ(別働隊ホーン・セクション)もトランペートが4本にトロンボーンが2本。ステージとは一段高いパイプオルガンのそばに位置して咆哮していた。

このバンダの「定位置」というのは決まっていないようで、演奏会場の構造の違いで、いろんな場所に出没することがある。
前にすみだトリフォニーで「ローマの松」(金聖響+読響)を聴いた際は1階客席に6人が登場したのにはびっくりした。
今回も2階バルコニーとかでやってくれたら面白かったのに。

4部構成だけど、切れ目なく演奏される。
特に最後のアッピア街道の松が圧巻で、オーケストラを聴くことがこんなにも幸福かと思わせる。

指揮者にとってもやりがいのある曲だろう。


もう、これを聴いてお腹いっぱいなのに、アンコールが準備されていた。300回記念ということもあったのかもしれない。

初めて聴く曲だったけど、同じレスピーギの作品で、「ローマの松」の余韻を引き伸ばすような音楽で、違和感がなかったからこれなら良かった。
が、途中に長い休止があったために、一部のお客さんが終曲と勘違いして拍手をし、その一帯に追随する人が出たのはちょっとまずかった。

聴衆マナーとして居眠りも良くないけど、終曲の判断は、指揮棒が完全に降りるかどうかだ。よく知っている曲であっても、慌てて拍手してはいけない。指揮者の感性を尊重すべきだ。

ま、その後も何事もなかったように音楽が続き、大きな拍手に包まれて終わったので良かった。

♪2014-88/♪ @みなとみらいホール-36