2019-03-17 @みなとみらいホール
錦織健:テノール
多田聡子:ピアノ*
サン=サーンス:ノッテ・ステラータ〈星降る夜〉
ニーノ・ロータ:ロミオとジュリエット
ショパン:別れの曲
スッペ:恋はやさし野辺の花よ
服部良一:蘇州夜曲
多忠亮:宵待草
滝廉太郎:荒城の月
大中恩:しぐれに寄せる叙情
武満徹:小さな空
武満徹:死んだ男の残したものは
喜納昌吉:花
宮沢和史:島唄
バッサーニ:眠っているのか、美しいひとよ
カッチーニ:麗しのアマリッリ
スカルラッティ:すみれ
プッチーニ:「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”
バーンスタイン:「ウェスト・サイド・ストーリー」より “マリア”
ビクシオ:マリウ愛の言葉を
ラカジェ:アマポーラ
モリコーネ:ネッラ・ファンタジア
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ドビュッシー:月の光*
QUEEN:We will Rock you
伝説のチャンピオン
Love of my life
Don't stop me now
「輝けるテノール」と題された独唱会。相変わらず輝いていたなあ。この人は話が(様子も)おかしいのでいつも本当に楽しめる。
「第九」などのソリストでの登壇とは人格が異なるようだ。
前半日本の歌、後半伊国の歌、Encはクィーンで大サービス。あんたはチャンピオンだよ。
♪2019-031/♪みなとみらいホール-11
2019年3月17日日曜日
2017年2月14日火曜日
千住真理子の四季 スーク室内オーケストラ
2017-02-14 @みなとみらいホール
千住真理子:バイオリン*
マルティン・コス:バイオリン
スーク室内オーケストラ
グリーグ:「ホルベアの時代から」(第1〜第5曲・全曲)
カッチーニ:アヴェ・マリア*
モーツァルト:アダージョ ホ長調 K.261*
モーツァルト:ハレルヤ ~モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」から*
J.S.バッハ:2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調*#
ビバルディ:和声と創意への試み第1集(所謂バイオリン協奏曲集「四季」)全曲*
---------------
アンコール
クライスラー:愛の喜び*
まずはスーク室内オーケストラ(弦5部のみ12人)によるグリーグの「ホルベアの時代から」。前奏曲と4つの舞曲から成る。いずれも短く、民謡風で分かり易い音楽だった。
弦楽四重奏を3倍したような編成(コントラバスが1本入っているが)が生み出す透明感のある響が厚みも備えて心地良い。
この豪華な前座に続いて千住真理子の登場だ。
彼女の独奏(正しくは協奏か)にオケが伴奏に回り、ここからはハープシコードも加わった。
最初の2曲は楽器慣らしみたいなものか、特にアヴェ・マリアでは弓が上滑りした個所があったような気がした。
銘器「デュランティ」(ストラディバリウス)をしっかり鳴らすには力技も必要なのかも。
その「デュランティ」はこれまで何度か生で聴いているが、音色は鋭く、硬く、輝かしく、音量も大きくて、その魅力は、バッハの二重協奏曲ではちょっとアンバランスを感じさせた。
オケのコンマスでもありソリストでもあるマルティン・コスの柔らかい音色とは好対照で、男女役割交代しているような印象だった。
休憩を挟んで後半の「四季」は演奏前に千住真理子がマイクを握り、全4曲、全12楽章を通して演奏するので拍手はその後にお願いします。全曲終演がはっきり分かるように合図しますから、途中、楽章の数を数えないでも安心して聴いていてくださいとのアナウンス。
確かに良い心配りだ。いくら聴き慣れているとしても全12楽章もあれば、今どこ?となるのは必定だ。
さて、そうして始まった「四季」は彼女の「デュランティ」が大いに輝いた。
ホンに良く鳴る、良く響くバイオリンだ。
特に今回は前から3列目というかぶりつきだったので余計に強力な音圧を享受できたので、なるほど、銘器の実力を納得できた。
また最初に書いたように、この楽器は扱いが難しそうに感じた。その楽器と長年(14年?)格闘して、飼い馴らし、自分のものにした(しつつある?)のは並のバイオリニストではないからだろう。
ただ、バイオリン<協奏曲>としてはすごくまっとうで、もちろんこれで良いのだけど、個人的には昨年5月に聴いたアンナ・マリア・スタシキェヴィチが独奏バイオリンと弾き振りで演奏したポーランド室内管弦楽団による「四季」は、全曲、独奏とオケとの恰も戦闘モード。あの刺激に満ちた演奏が忘れられない。
*は千住真理子がソロを担当。
#はマルティン・コスが第1ソロ、千住真理子が第2ソロを担当。
無印はスーク室内オーケストラのみ。
マルティン・コスは、#以外はコンサートマスターとして参加
♪2017-023/♪みなとみらいホール-07
千住真理子:バイオリン*
マルティン・コス:バイオリン
スーク室内オーケストラ
グリーグ:「ホルベアの時代から」(第1〜第5曲・全曲)
カッチーニ:アヴェ・マリア*
モーツァルト:アダージョ ホ長調 K.261*
モーツァルト:ハレルヤ ~モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」から*
J.S.バッハ:2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調*#
ビバルディ:和声と創意への試み第1集(所謂バイオリン協奏曲集「四季」)全曲*
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アンコール
クライスラー:愛の喜び*
まずはスーク室内オーケストラ(弦5部のみ12人)によるグリーグの「ホルベアの時代から」。前奏曲と4つの舞曲から成る。いずれも短く、民謡風で分かり易い音楽だった。
弦楽四重奏を3倍したような編成(コントラバスが1本入っているが)が生み出す透明感のある響が厚みも備えて心地良い。
この豪華な前座に続いて千住真理子の登場だ。
彼女の独奏(正しくは協奏か)にオケが伴奏に回り、ここからはハープシコードも加わった。
最初の2曲は楽器慣らしみたいなものか、特にアヴェ・マリアでは弓が上滑りした個所があったような気がした。
銘器「デュランティ」(ストラディバリウス)をしっかり鳴らすには力技も必要なのかも。
その「デュランティ」はこれまで何度か生で聴いているが、音色は鋭く、硬く、輝かしく、音量も大きくて、その魅力は、バッハの二重協奏曲ではちょっとアンバランスを感じさせた。
オケのコンマスでもありソリストでもあるマルティン・コスの柔らかい音色とは好対照で、男女役割交代しているような印象だった。
休憩を挟んで後半の「四季」は演奏前に千住真理子がマイクを握り、全4曲、全12楽章を通して演奏するので拍手はその後にお願いします。全曲終演がはっきり分かるように合図しますから、途中、楽章の数を数えないでも安心して聴いていてくださいとのアナウンス。
確かに良い心配りだ。いくら聴き慣れているとしても全12楽章もあれば、今どこ?となるのは必定だ。
さて、そうして始まった「四季」は彼女の「デュランティ」が大いに輝いた。
ホンに良く鳴る、良く響くバイオリンだ。
特に今回は前から3列目というかぶりつきだったので余計に強力な音圧を享受できたので、なるほど、銘器の実力を納得できた。
また最初に書いたように、この楽器は扱いが難しそうに感じた。その楽器と長年(14年?)格闘して、飼い馴らし、自分のものにした(しつつある?)のは並のバイオリニストではないからだろう。
ただ、バイオリン<協奏曲>としてはすごくまっとうで、もちろんこれで良いのだけど、個人的には昨年5月に聴いたアンナ・マリア・スタシキェヴィチが独奏バイオリンと弾き振りで演奏したポーランド室内管弦楽団による「四季」は、全曲、独奏とオケとの恰も戦闘モード。あの刺激に満ちた演奏が忘れられない。
*は千住真理子がソロを担当。
#はマルティン・コスが第1ソロ、千住真理子が第2ソロを担当。
無印はスーク室内オーケストラのみ。
マルティン・コスは、#以外はコンサートマスターとして参加
♪2017-023/♪みなとみらいホール-07
2016年12月22日木曜日
みなとみらいアフタヌーンコンサート ≪天使のクリスマス≫パリ木の十字架合唱団 クリスマス・コンサート
2016-12-22 @みなとみらいホール
ヴァンサン・カロン:指揮
ユーゴ・ギュティエレス:芸術監督
パリ木の十字架合唱団
グレゴリオ聖歌:キリエ第4番
ペタロン:主を
クープラン:歓喜し、歓声をあげよう
リュリ:神の力
セヴラック:かくも偉大な秘跡
デュリュフレ:グレゴリア聖歌の主題による4つのモテットから「いつくしみと愛のあるところ」
ギュティエレス:アニュス・デイ~神の子羊~
カッチーニ:アヴェ・マリア
フォーレ:ラシーヌ賛歌 Op11
グノー:モテット”おお、救い主なるいけにえよ”
J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 第40曲
グレゴリオ聖歌:幼子が生まれた
シャルタヴォワーヌ:ひとりの若い乙女
グティエレス編:クリスマスは来たれり
ダカン:クリスマス・カンタータ
グル―バー:きよしこの夜
トラディショナル:神の御子が生まれた
ラモー:夜の賛歌
トラディショナル:荒野の果てに
リュリ:三人の王の行進
トラディショナル:神の御子は今宵しも
サン=サーンス:クリスマス・オラトリオから「いけにえを捧げよ」
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アンコール
日本古謡:さくらさくら
ロッシーニ:猫の二重唱
ピエールポン:ミュージック・ユニバーサル
日本古謡:さくらさくら
ロッシーニ:猫の二重唱
ピエールポン:ミュージック・ユニバーサル
木の十字架少年合唱団は、随分たくさん歌ってくれたが、取り立てていうほどに巧いとも思えない。このレベルの少年合唱団なら日本にもいくらでもあるのではないか。
ほとんどニコリともせず、舞台上での隊列の組み直しなども指揮者の合図通りに機械的に従って動くので、まるで鎖につながれた囚人合唱団みたいだったな。
歌そのものはとても心地良かったが、ちとがんばり過ぎ。
どの曲も短いけど次から次と歌ってくれるので、2時間近い演奏会になった。全部暗譜だったと思う。これは大したものだ。
最近ちょっと流行りのカッチーニの(真実はウラディミール・ヴァヴィロフ作)「アヴェ・マリア」をナマで聴いたのは初めてだったかも。
♪2016-182/♪みなとみらいホール-49
2014年11月22日土曜日
日本フィルハーモニー交響楽団第302回横浜定期演奏会
2014-11-22 @みなとみらいホール
ピエタリ・インキネン[首席客演指揮者]:指揮
舘野泉:ピアノ
日本フィルハーモニー交響楽団
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー:交響詩《海》
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ラヴェル:《ダフニスとクロエ》第2組曲
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アンコール
カッチーニ(吉松隆編曲):アヴェ・マリア(ピアノソロ)
ピエタリ・インキネンはフィンランド出身の若手指揮者。
インキネンとフランス音楽との関わりはプログラムに何ら説明はなかったが、3年半前の企画が東日本大震災で流れたのを、今回実現したということらしい。
ドビュッシーとラヴェルの作品だけでプログラムを組むというのは近代のフランス音楽の粋を楽しもうということだろう。
ドビュッシーの音楽史上の位置づけとか功績についてもっともらしいことを書けるほど詳しくないけど、手法的には調性を自由に拡張した旋律や和声を用い、表現においては幻想、情感など、それまでのロマン派音楽とは一線を画している。
時代は20世紀初頭。
まさに新世紀の音楽がドビュッシーによって開かれた。
ラヴェルはドビュッシーと同じフランス人で13歳若いだけだから、ほとんど同じ場所で同じ時代の空気を吸って生きた人だ。
御本人はどビュッシーからの影響を否定しているそうだが、彼が18歳の頃に発表された「牧神の午後への前奏曲」を聴かなかったはずはなく、聴いた以上大いに触発されたはずだ。
ところで、今月は(というより今年はというべきか)「ダフニスとクロエ」第2組曲がこの日で3回めだった。
東響(11月1日)、神奈川フィル(11月15日)、日フィル(11月22日)だ。実は16日のN響も当初は予定していたので、急遽の変更がなければ短期間に4回も立て続けに聴くことになっていた。
そこで不思議なのは、どうして、2014年11月に少なくとも4つのオケがそれぞれの定期演奏会で「ダフニスとクロエ」第2組曲をこぞって取り上げようとしたのかということだ。
今年はC.P.E.バッハの生誕300年に当たるというので、夏までに何度か作品を聴く機会があったが、ラヴェル(1875年-1937年)の生没年や「ダフニスとクロエ」の初演などの年のどれをとっても2014年が記念となるようなキリの良い数字にはならない。
偶然にしては重なりすぎで、気になってあれこれ調べてみたがまったく手がかりがない。
牧神の午後への前奏曲はフルートのソロで始まる。まずは4小節だけどその間息を継いでいないように見える・聴こえるのだけど本当は上手に息継ぎしているのだろうか。
あの長さを一息で吹き切るって自分の年齢分のローソクの火を消すより難しいな。まずはそこに感心した。
それはともかく、ドビュッシーもラヴェルも木管・金管・打楽器をフルに活用している。当時は古典は以前から存在した管楽器も改良が進んだという背景もあったろう。また、できたばかりの楽器を進んで取り入れたりしている。
管楽器奏者は、腕に自身があれば、そりゃモーツァルトやベートーベンを演奏するよりずっと楽しいだろう。
しかし、奏者には高い技量が求められるようで、特に「ダフニスとクロエ」ではピッコロ~フルート1~フルート2~アルト・フルートの連続技があるのに今回初めて気がついた。
近代ロマン派までの音楽を革新した旋法や和声を存分に活かすにはやはり新しい革衣(管弦楽技法)が必要だったのだなと納得した。
「左手のためのピアノ協奏曲」については、片手で弾いているとは思えない名人芸だったという感想にとどめておこう。
♪2014-106/♪みなとみらいホール大ホール-42