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2022年8月7日日曜日

フェスタサマーミューザ2022 東京フィルハーモニー交響楽団 ≪名コンビとともにアラビアンナイトの世界へ!≫

2022-08-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール



ダン・エッティンガー:指揮(東京フィル桂冠指揮者)
東京フィルハーモニー交響楽団
バイオリン:服部百音*

ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲*
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
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パガニーニ:無窮動*
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲から スイス軍の行進


ダン・エッティンガー、ワンマンショー!
3曲演ったが最後のリムスキ〜「シェエラザード」が圧巻。
彼の指揮を聴くのは3回目だが、今回を含め、毎回テンポ・強弱・フレージング…etcが大袈裟で独自だ。
これを嫌味にとる人もいるだろうけど、僕は、毎回楽しんでいる。

前回が19年のフェスタサマーミューザで同じく東フィルだった。
やっぱり相性がいいのか。
それに最近の東フィルは実に素晴らしい。管・弦とも美しく、繊細な弱音から最大音圧のtutti迄非の打ち処なし。驚くような歌わせ方にもオケはぴったりついて行ってエッティンガーと共に高級な遊びを楽しんでいる風だ。
(尤も、ベートーベンやブラームスでこんな指揮をしたら強制送還だな。)

前2曲では”ほぼ”正統的だった。
メンコンでは服部百音がこれまでにない力強さ。
面白いのは、オケも協奏するというより、競争しているみたいに自己主張して遠慮がない。
それでVnのフレーズの末尾がオケに飲まれる部分もあったが、どちらも、自己主張した結果なのでこれはこれでヨシと思う。

メンコンも上出来だったが、Encで弾いたパガニの無窮動(初聴)は最後の2小節を除き全曲超速♬♬の連続で圧倒されたね。腱鞘炎にならねば良いが。

オケもびっくりのEncサービス。
ウィリアム・テル序曲からスイス軍の行進〜冒頭のトランペットの音色の美しさに思わず惹き込まれた。これも超速で駆け抜けた。

ロッシーニに始まってロッシーニに終わる。心憎し。

♪2022-115♪ミューザ川崎シンフォニーホール-028

2019年8月11日日曜日

フェスタサマーミューザ2019 東京フィルハーモニー交響楽団 ≪感動を呼ぶマエストロと劇的な「悲愴」を≫

2019-08-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ダン・エッティンガー:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

高木綾子:フルート*

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から 第1幕 前奏曲
モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K313*
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」
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ドビュッシー:シランクス*

最初のワーグナーの冒頭の金管が見事でいっぺんに惹きつけられたが中盤以降に少しざわつきを感じた。

2曲めは弦の編成を10型に迄縮小したモーツァルトのフルート協奏曲が爽快。フルート独奏によるアンコールはドビュッシーの「シランクス」。昔は「パンの笛」と覚えたのだけど。

休憩を挟んで後半チャイコフスキーの「悲愴」は16型に復帰。
第1バイオリンと第2バイオリンを対向配置したがこれが効果的で、大所帯にも関わらず各パートが明瞭に響いた。

エッティンガーの微妙に揺れるテンポも嫌味なく、アンサンブルは厚いが、かなりの透明感を維持。

惜しむらくは終楽章。
情感に任せたエッティンガーの棒に対し、弦パートのためらいを感じた。揃わせるより勢いを大事にして欲しかった処が数カ所感じた。

とはいえ、流石の東フィルが遺憾なく実力を発揮。
近年稀な心に染みる「悲愴」になったと思う。

今季フェスタサマーミューザは残り1回だが、読響のブルックナー8番、仙台フィルのチャイコフスキー4番と並ぶ3大名演に認定!

♪2019-119/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14

2018年10月21日日曜日

名曲全集第141回 二つのロマンス

2018-10-21 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ダン・エッティンガー:指揮
東京交響楽団

エドナ・プロホニク:メゾソプラノ*

ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集*
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
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アンコール*
R.シュトラウス:8つの歌曲から「献呈」作品10-1
F.シューベルト(レーガー編):「音楽に寄せて」作品88-4 D547

ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集」は初聴き。家まで与えられて保護してくれた富豪のヴェーゼンドンクの好意を裏切って氏の奥方と相思相愛になったワーグナーは、「トリスタンとイゾルデ」の作曲と並行して、その奥方が書いた5つの詩に音楽をつけた。その為に全体が「トリスタンとイゾルデ」の世界が凝縮されているという。そういえば、オーケストレーションなどにその雰囲気を感ずる。
それにしても奥方の亭主殿はこの事情を知らなかったのだろうか。僕は、気の毒な亭主に同情しながら聴いたよ。

メゾ・ソプラノのエドナ・プロホニクは新国立にもかなり出演しているようだが、あいにく記憶にも記録にもない。
東響はかなり控えめで繊細な伴奏に徹しているようだったが、それでも少し声量不足を感じた。
本番5曲にアンコールが2曲。「献呈」は初聴き。「音楽に寄せて」は馴染みのあるもので、昔は「楽に寄す」と呼ばれていたと思う。

メインが「幻想交響曲」。これは聴く機会が多いし、いつでも満足できる好感度の高い作品だ。
指揮のダン・エッティンガーも初めてだったが、「ヴェーゼンドンク〜」では、歌曲という性格からだろうが、特段変わった指揮ぶりではなかったが、「幻想〜」ではかなり特徴のある指揮ぶりだった。
強弱、テンポの早い遅いの差が大きい。それだけ音楽にメリハリを付けながら、たっぷり歌わせるという感じで、これが嫌味と取る向きもあるだろうけど、僕としてはギリギリのところで、バランスを取った指揮だったと思う。
特に、これまで何度も聴いているにもかかわらず、こんなメロディが潜んでいたのか、という発見もあって、少々驚いた。

プログラム記載の予定時間は49分とあったが、実演奏時間は56分弱だった。しかし、手持ちのCDの演奏時間を見ると54〜57分程度だから、標準的な長さだ。プログラム記載の時間は繰り返し部分を省略した場合の時間だったのかもしれない。

♪2018-134/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-21