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2023年7月22日土曜日

かなっく寄席

2023-07-22 @かなっくホール

 

三遊亭こと馬<落語芸術協会>
笑福亭茶光<落語芸術協会>
瀧川鯉丸<落語芸術協会>
林家つる子<落語協会>

子ほめ⇒三遊亭こと馬(前座)
手水廻し⇒笑福亭茶光(二ツ目)
瀧川鯉丸⇒皿屋敷(二ツ目)
--------仲入り--------
林家つる子⇒紺屋高尾(二ツ目)


今日の噺家は4人。前半の2人は存在すら知らなかったが、鯉丸は今日で3回目。林家つる子も3回目。

前座は前座なりの出来栄えだったが、初めて聞く茶光が二ツ目では上出来。

先輩格の鯉丸は、さらに上出来でこれまでの中では群を抜いて良かった。話ぶりに落ち着きがあり、観客の呼吸をとらえて笑いを引き出した。


さて、問題のつる子。初めて聞いたのが5年前。その頃も二ツ目だったが、下手な真打より巧い。巧すぎて良くない。


今回は4年ぶりに聞いたが、一層巧くなっている。

今年の4月に、来年3月下席からの真打昇進が決まったそうで、普通より2年早い。ほぼ満席の客席のあちこちから昇進を祝う掛け声も多く、追っかけファンが相当いた様子だ。


本日のお題は「紺屋高尾」。

ピュアな男の真心が通じ、吉原の人気花魁高尾太夫と結ばれるというまことに麗しい人情噺で、こういう話で泣かされるのはごめんだと頑張っているが、この頃涙脆い僕としては、演技過剰のつる子の話ぶりに煽られてウルっと来てしまった。


この人、巧すぎて嫌だよ。

滑舌が良く、全く噛まない。

強弱、テンポ、間の良さは計算され尽くした感じ。

それが、折伏されてしまう様な心地の悪さを残すのだ。力を抜いて8分目くらいで話せば良かろうと思うが。


まだ、36歳。

さらに芸を磨くだろうし、どこまで巧くなるのか。

枝雀みたいに一旦、自分の芸を壊さなくちゃ行き詰まるのではないか、と余計なお世話。


♪2023-127/♪かなっくホール-09

2019年4月4日木曜日

国立劇場開場四十周年記念 国立演芸場04月上席

2019-04-04@国立演芸場


落語   林家つる子⇒やかん
落語   橘家圓十郎⇒湯屋番
漫才   青空一風・千風
落語   林家たけ平⇒大師の杵
落語   橘家圓太郎⇒親子酒
      ―仲入り―
余談漫談 林家ぺー
落語   柳家小団治⇒大安売り
曲芸   翁家勝丸
落語   林家正蔵⇒井戸の茶碗

四月上席の楽しみは何と言っても林家正蔵。
いつも人情噺の大作をやるのが嬉しい。
今日は大好きな「井戸の茶碗」。
真っ正直に生きている者ばかりが登場する実におかしくて清々しい噺だ。

正蔵は感動必至の物語を敢えて、抑えて、淡々とした語り口で笑いを取る。

うっかり入れ込んでき聴いていると、涙腺崩壊しそうになるなので、努めて気分を外して聴くのだけど、やっぱり最後はやられてしまう。


二ツ目の林家つる子は1年ぶりに聴いたが相変わらず器用なもので、実力は真打並みだが、今回も「やかん」だった。もっと持ちネタはあるのだろうが、巡り合わせが悪かったようだ。

圓太郎の「親子酒」もおかしい。こんな妙な味のある噺家とは思っていなかった。何回も聴かないと分からない魅力ってあるものだ。


♪2019-041/♪国立演芸場-05

2018年4月3日火曜日

国立演芸場4月上席

2018-04-03@国立演芸場


落語     林家ぐんま⇒転失気
落語     林家つる子⇒やかん
落語     林家たけ平⇒都々逸親子
漫談     ひびきわたる
落語     三遊亭白鳥⇒マキシム・ド・呑兵衛
落語     柳家小団治⇒権助芝居
      ―仲入り―
漫才     青空一風・千風
落語     柳家はん治⇒子ほめ
奇術     アサダ二世
落語     林家正蔵⇒宗珉の滝

今日は、全体に良い出来だった。
林家ペーは楽しくない。できたら聞きたくないと思っていたら、通じたか、今日は欠場でひびきわたるに代わったが、まあ、こっちもあんまり面白くはないけど、人柄はペーほど悪くなさそうだ。

久しぶりに前座から聴いた。林家ぐんまはきっちりと話すのだけど、おかしくないのだ。どこが違うのだろうかと思いながら聴いていたけど、まあ、一本調子なのかなあ。


二ツ目の林家つる子。初めてだったが、いやー驚いた。まずは可愛らしい女性だ。とても可愛い。それだけでも十分楽しいのだけど、驚くほどの滑舌の良さ。もう、最初から観客の気持ちをきゅっと捉えて離さない。途中で、長い講談の節を披露するが、これがもうとても二ツ目とは思えない名調子だ。まったく、噛むこともなく、スラスラと出てくる。実力はもう真打ち級だ。いや、真打ちでももっと下手くそなのはいくらもいるよ。
彼女との遭遇が本日の最高の喜び。楽しみが増えたよ。

柳家はん治は前にも聴いたことがある。本格的で、味のある語り口だ。ただ、「子ほめ」はイマイチ。もっと大きな話を聴いてみたいね。

トリは正蔵だ。何と言っても彼の噺が一番の楽しみ。そして、その期待に答える良い話しぶりだった。「名人」を巡るマクラが最後のサゲ(と言っても所謂オチはないのだが。)に円環して気分良く収まった。この人は昭和の(東の)名人、志ん朝の味わいがある。このまま行けば平成の名人になるのではないかと思ったが、考えたら、平成も間もなく終わってしまうな。ま、ともかく、今が楽しく、これからも大いに期待できる噺家だ。


♪2018-034/♪国立演芸場-05