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2025年6月6日金曜日

東京シティ・フィル第379回定期演奏会

2025-06-06 @東京オペラシティコンサートホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィル管弦楽団
合唱:東京シティ・フィル・コーア**

戸澤哲夫:バイオリン*
安川みく:ソプラノ**
大西宇宙:バリトン**

ベートーベン:バイオリン協奏曲二長調 作品61*
ヴォーン・ウィリアムズ:カンタータ「我らに平和を与えたまえ(ドナ・ノービス・パーチェム)」**




前半はCMの戸澤氏の就任30年の祝賀の選曲と独奏でベートーベンVn協。これが全般的に元気がなくてがっかりしたよ。カデンツァはベートーベンがPf協へ編曲した際の自作のVn版だったと思う。最近、このティンパニーとの対話を聴くことが多い。

後半は、熱血漢藤岡氏が大好きだと言うVウィリアムズのカンタータ。プログラムには約40分とあったが、実演は36分くらいだった。
初聴きだが、もう冒頭から漂う香りは、英国風でノスタルジックだ。ホルストやエルガーでも感ずる英国民謡風の音階なのか旋法なのか知らないけど、ドイツ音楽の長調や短調とは別の世界で、なんだか懐かしい感じがするのは、アジアにも共通する5音音階なども取り入れられているのかも…と無責任に感じながら聴いた。

どういう物語が紡がれているのかは、藤岡ちゃんのプレトークで大体分かったので歌詞を見ることもなく雰囲気を味わった。
合唱、オルガンとSp、Brの独唱も良い感じで、これはもう一度聴いてみたい。
ただ、全曲はもう少し長いだろうと思っていたのと、最後が消え入るように終わるので、不意に終わってしまったような物足りなさは残った。

♪2025-072/♪東京オペラシティコンサートホール-05

2025年2月14日金曜日

東京シティ・フィル第376回定期演奏会

2025-02-14 @東京オペラシティコンサートホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア

ブラームス:交響曲第3番へ長調 作品90
伊福部昭:交響頌偈「釈迦」



好漢・藤岡ちゃんのプレトークが面白かった。
今日の2曲を指揮する幸福を熱弁したが、演奏も力が入り、リハもしっかりできたか、とても美しいアンサンブルだった。

特に、伊福部の、初聴き「交響頌偈(じゅげ)『釈迦』」の素晴らしいこと。

日本の音楽なのに、旋律が、西洋音楽に慣れた耳にはとてもエキゾチックで、土着の匂いやら哀愁やらがポコポコ立ち上る。
ほとんど単旋律で、重音も部分的にあったと思うけど、それは主要な旋律をこっそり味付けしている程度だ。
それで全曲にわたって、すっきりと掌握できる。

聴き終えて、取りこぼしがなかったとつくづく思った。
こういう経験は滅多にない。
帰りの車中ではすっかり忘れてしまっているのだけど。

前半のブラームスも大好物だが、これも良かった。
シティ・フィルとしては久々のヒットだと思ったよ。

♪2025-022/♪東京オペラシティコンサートホール-02

2025年1月25日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第404回横浜定期演奏会

2025-01-25 @みなとみらいホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
Cocomi:フルート*

武満徹:組曲《波の盆》
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314*
ルグラン:交響組曲《シェルブールの雨傘》
-----------------------------
フォーレ:コンクール用小品*





珍しいプログラムだった。
武満の「波の盆」は9年ぶり。まずまず。
Mルグランの「〜雨傘」は初聴き。これが退屈。
組曲と言っても単一楽章で30分。あの超有名な主題が繰り返し繰り返し登場するが、それを繋ぐ旋律に聴き覚えのあるものがないこともあって、全体の構成が掴めず。

モツ:Fl協2番は良かった。
初聴きのソリストCocomiって、鶏の鳴き声みたいな名前だよ。輝かしい音色とは言えないけど健闘。何より、オケが素晴らしい。

この人、N響の神田寛明の弟子らしいが、前回この曲を聴いたのは、23年のN響定期で、Flは神田寛明だった。
それで、今回選曲したのかもしれないが、その時の弦の編成が8+6+5+4+2で驚いたことを覚えている。
それが、今日は、師匠を上回る(下回る?)さらに小さい8-6-4-3-2という超小型。

しかし、その乾いたような透明感がとても美しくてモーツァルトの時代は、このような響だったのかもなと思いながら楽しんだ。

♪2025-013/♪みなとみらいホール-03

2024年12月28日土曜日

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第九特別演奏会/「第九」⑪

2024-12-28 @東京文化会館



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア

ソプラノ:森野美咲
メゾソプラノ:林美智子
テノール:村上敏明
バリトン:平野和

ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125




今年最後(11回目)の「第九」だ。好漢、藤岡ちゃんの「第九」は初めて聴くが、ちょいと色気のある、遊び心に溢れたのを期待したが、全然変わったところもなく、実にオーソドックス。

「第九」の最後であったが、同時に鑑賞生活の最後でもあった。1年を締めるのにはこういうかっちりした音楽で良かったかも。

今年は184ステージを鑑賞した(オペラ、文楽等も含む)。鑑賞減量に努めたので、昨年より△44となった。
来年も厳選して減量に努めよう。

だいたい、いくら好きでも「第九」を11回も聴くなんて異常だよ。反省!反省!

♪2024-184/♪東京文化会館-10

2024年9月23日月曜日

東京都交響楽団 プロムナードコンサートNo.408

2024-09-23 @サントリーホール



藤岡幸夫:指揮
東京都交響楽団
山下愛陽:ギター*

吉松隆:鳥たちの時代 op.25(1986)
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲*
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
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E・サインス・デ・ラ・マーサ:暁月の鐘*





アランフェスは色んな人のギター(ハープ版も)で聴いているけど、満足できた試しがない。
そもそも2千人のホールでオケをバックに生ギターというのが無理だよ。今回もマイクで収音して指揮者の足元にモニターが置かれていたが、そこからも少しは客席に届くけど音量が小さい。

いっそ、渡辺香津美@神奈川フィルの時のようにエレキで大きなスピーカーから音を出せばいいのにといつも思うよ。

「ローマの松」はどこが演奏しても楽しめるけど、今日の都響のアンサンブルは程々の出来。

♪2024-129/♪サントリーホール-19

2024年2月2日金曜日

東京シティ・フィル第367回定期演奏会

2024-02-02 @東京オペラシティコンサートホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
神尾真由子:バイオリン*
石丸由佳:オルガン**

ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」序曲
菅野祐悟:バイオリン協奏曲(世界初演)*
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」**




◀️感想省略▶️


♪2024-018/♪東京オペラシティコンサートホール-01

2023年3月11日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第385回横浜定期演奏会

2023-03-11 @みなとみらいホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
須川展也:サクソフォン*

菅野祐悟:サクソフォン協奏曲《Mystic Forest》*
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
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グリーグ:過ぎにし春






ちょっと気分が悪く、それを引き摺って鑑賞したので音楽の聴こえ方にも悪影響を齎した。やはり、心身とも健康な状態で臨まねばならんなあ。

菅野祐悟の作品は3度目だけど、どういう訳か藤岡幸夫+日フィルが多い。

前に聴いた作品は分かりやすい映画音楽を聴いているようで、面白くなかったが、今回のサックス協奏曲は、全編モダンで難解で、今回も共感できなかった。わざわざ旋律のツボを外す事で、意表を突く事が目的みたいだ。
独奏の須川展也は名人なのだろうけど、サックスの音色の魅力が感じられず、煩いばかり。

チャイコ交響曲第4番は、冒頭のファンファーレが魅力的で、ホルン+トランペット+ファゴットから音が下がってトロンボーン、テューバが加わる節は生理的快感。ここが良ければあとは大抵好感を持てる。

今日は、打楽器群の音が明瞭。前半喧しかった弦も美しく迫力があった。終楽章、最後の盛り上がりがあっけなかったが、ここの加減は難しいね。

♪2023-043/♪みなとみらいホール-11

2022年12月3日土曜日

名曲全集第182回 藤岡幸夫のオール・フレンチ・プログラム

2022-12-03 @ミューザ川崎シンフォニーホール




藤岡幸夫:指揮
東京交響楽団
合唱:東響コーラス**

砂川涼子:ソプラノ*
与那城敬:バリトン*

フォーレ:パヴァーヌ 作品50(合唱付き)**
フォーレ:レクイエム ニ短調作品48(1893年版/ラター校訂)* **
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル:ボレロ


前半フォーレ、後半ラヴェルだが、前半だけでも良かったし、それじゃ時間が短すぎるなら前後順番を変えてレクイエムで幕を降ろす方が良かったように思うけど、オケの都合も考えるとそうもいかなかったのかな。

パヴァーヌも上出来だったが、なんといってもレクイエムが出色。

僕は今日の版(2稿1983年版ラター校訂)を聴くのは初めてで、実に新鮮な響きだった。

フォーレ・レクイエム自体が平均すれば数年に一度。
たまたま昨年も都響で聴いているがこの時は第3稿だったし、それ以前も全て3稿だったように思う。

今回の版はオケ編成が初稿と3稿の中間で、弦5部は高域から順に、1-0-8-6-4。つまりバイオリンは独奏1のほかtuttiはなし。ビオラが2部に分かれていたやに思う。
高域弦が事実上ないが、その代わりをするのが合唱だと思う。
東響コーラス約90人がNo Mask、No Scoreで良い仕事。
そしてオルガン。


これらが良く溶け合って、管・弦・声の織りなす響が美しい。
バイオリン独奏が合唱に埋もれがちだったが、あれは弱音器を付けていたのだろうか。コンマスが最後列で受け持ったが、出番が少ないしこの曲に限ってはビオラが大将だからやむを得まい。
バリトンは舞台上手前方に立ち、我がマドンナ砂川涼子❤️姫は下手後方って変なの!

しかし、さすがです。出番は「Pie Jesu」だけだが、息を呑む美しさ。この曲は、ボーイソプラノや合唱が歌うこともあるが、やはり女声ソプラノが歌ってこそありがたみも一入(ひとしお)だ。

後半のボレロ(ソロがねっとり)も良かったが、5月に「道義のボレロ」を聴いているからなあ。それに若干食傷気味でもある。

♪2022-182/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-44

2022年10月1日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第381回横浜定期演奏会

2022-10-01 @県民ホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
髙木凜々子:バイオリン*

ビバルディ:バイオリン協奏曲集《四季》op.8 -1〜4*
ベートーべン:交響曲第7番イ長調 op.92
--------------------
J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第3番から「ガボット」*
エルガー:2つの小品 Op15-1「夕べの歌」


9/22に380回定期を聴いたばかりなのに短期間で次の381回定期を迎えた。

前半は髙木凛々子の独奏でビバルディ「四季」。
弦22人にチェンバロという小振りオケ。
これなら指揮者無し、髙木の弾き振りでも良かったと思うけど、それには力不足か。

当然9/22と同じホールの同じ席で聴いたのだけど、前回の周防亮介のチャイコフスキーの独奏バイオリンの明瞭な音圧に比べると手応えがイマイチ。即興性やアクロバティックな妙味も欠けて、教科書を読んだ感じ。

何十回も聴いた「四季」でトドメめを刺すのは2016年5月。アンナ・マリア・スタシキェヴィチの独奏バイオリンとポーランド室内管弦楽団。
これは「熱狂の日」の一齣。

両者恰も戦闘モード。
彼女とオケとの丁々発止の遣り取りがとても熱く、かつてこれほどスリリングで迫力のある「四季」は聴いたことがなく、残念ながらその後もない。「四季」観を一変させる名演奏だった。
あの時、3階席で赤ちゃんが大泣きしていたよ。赤ちゃんだって感動したのだろう。


後半。オケは14型でベートーベン交響曲第7番。
誰が振ってもリズミカルで元気がいい音楽だけど、漢・藤岡幸生が振ると一味違う。テンポ良し。拍の刻みは元気いっぱい。喧嘩腰で疾走するベートーベンだった。

ただし、オケは弦楽も、管弦もざわめいて、こちらも前回の「悲愴」方が上出来だった。

♪2022-140/♪県民ホール-14

2022年8月4日木曜日

フェスタサマーミューザ2022 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ≪チック・コリア トリビュートVol.1 ジャズとスペインを巡る音の饗宴≫

2022-08-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール



藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

クラリネット:リチャード・ストルツマン*
マリンバ:ミカ・ストルツマン**
ジャズ六重奏**:
 宮本貴奈(ピアノ)
 井上陽介(ベース)
 高橋信之介(ドラムス)
 中川英二郎(トロンボーン)
 本田雅人(サックス)
 小池修(サックス)

コープランド:クラリネット協奏曲*
チック・コリア:スペイン~六重奏とオーケストラのための**
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
レスピーギ:交響詩「ローマの松」


好感の好漢、藤岡幸夫の指揮ぶりを楽しみにしていたが、前半は楽しめず。
コープランドのクラリネット協奏曲は、多分技術的に相当難度の高い作品のように思うが、Rストルツマンの音が全然美しくない。特に高域は音程も怪しく聴き苦しい。

…世界の一流になんて事を!

しかし、P.メイエの独奏CDを持っていて、たまにカップリング曲のついでに聴くが、もっとずっと滑らかな音色で聴きやすい。

2曲目はなんでジャズ6重奏+マリンバ+オケなのか。
編曲者不明だが、何を狙ったのだろう。
むしろジャズプレイヤー7人だけで聴きたかった。
或いはオケと協奏するのはピアノとマリンバだけで良かったような…中途半端感に隔靴掻痒。

という事情や楽曲の性質上、前半は弦楽器の活躍が限られて東京シの実力が感じられなかった。

オケを弦14型に拡大した後半のリムススキーコルサコフの「スペイン奇想曲」とレスピーギの「ローマの松」は、前半と打って変わって本来の管弦楽の面目躍如。

十分楽しめたが、欲を言えば、弦高管低で特に木管にもう少し迫力が欲しかった。
とはいえ、バンダも2組登場し、オルガンも加わった「アッピア街道の松」は、いつもながらカタルシスを与えてくれる。

♪2022-114♪ミューザ川崎シンフォニーホール-027

2021年7月4日日曜日

日フィル横浜第369回定期演奏会

2021-07-04 @カルッツかわさき


藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

木嶋真優:バイオリン*

ハチャトゥリアン:「仮面舞踏会」ワルツ
ショスタコーヴィチ:バイオリン協奏曲第1番イ短調 op.77*
チャイコフスキー:「眠れる森の美女」ワルツ
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
-------------------------
チャイコフスキー:組曲4番「モーツァルティアーナ」と蝶々作品61から第3曲「祈り」


ロシアもの(ハチャ・タコ・チャイ・スト) 4作。

そんなに演ってくれなくとも良かったのに。


メインはショスタコーヴィチ:バイオリン協奏曲第1番とストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」。


好漢藤岡氏は、昨夜から未明の豪雨によるダイヤの乱れで碌に寝ていないはずだが、疲れは噯(おくび)にも出さず活力漲る指揮ぶりで、音楽も団員の意気も目一杯巻き上げて上出来だった。


バイオリン独奏の木嶋真優は過去に、何故かメンコンばかり聴いていて、印象が希薄だったが、今回のショスタコーヴィチは性に合っているのか、音量は大きく明瞭。3楽章の長大なカデンツァの緊張感にはゾクゾクしたよ。


最後の「火の鳥」でもオーケストラ音楽の面白さを堪能した。


この作品には改訂版が3稿あるそうで、1911年版は聴いた記憶なし。ほぼ演奏されないのではないか?

今日は19年版で、今年になって2回目だ。


一番多く聴くのは45年版で、曲数が多く演奏時間も少し長いが、両方ともほぼ切れ目なしで演奏されるので正直なところ耳で区別はつかない。


藤岡氏の指揮は聴く機会が少ないが、これまで聴いたものはラフマ〜等ロシアものにシベリウス、ドボルザークが多く、多分得意としているのだろうけど、そろそろ正統派独墺音楽を聴いてみたい。


今日の日フィルの演奏はとても良かった。

ただ、カルッツは響きが悪い。やはりみなとみらいホールで聴きたかった!



♪2021-067/♪カルッツかわさき-01

2019年8月6日火曜日

フェスタサマーミューザ2019 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ≪人気作曲家の意欲作を今ふたたび!≫

2019-08-06 @ミューザ川崎シンフォニーホール


藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*

シベリウス:「レンミンカイネン組曲」作品22から第4曲『レンミンカイネンの帰郷』
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104*
芥川也寸志:交響曲第1番
-----------------
ソッリマ:ナチュラル・ソング・ブック第4、6番*
エルガー:夕べの歌

好漢・藤岡幸夫の采配が楽しみだったが…。
チェロ独奏のソッリマのドボルザークの協奏曲はスリリングで良かったが、むしろアンコールに弾いた自作の無窮動風超絶技巧曲が床を足でふみ鳴らし、お客に手拍子を求めて大いに盛り上がった。

芥川也寸志の交響曲第1番は初聴きだったが、懐古和風の興趣があって面白かった。
客席には芥川夫人もおられた。

藤岡氏は今年4月に首席客演に就いたそうだ。
今後、情熱的な演奏を聴かせてくれる事を期待するよ。

今日に限っては、オケのは元気はあったが、仕上がりが荒っぽい印象を受けた。
また、今日のミューザは珍しくお客の入りが悪くキャパシティの半数に少し届かなかったようだ。気の毒な気がしたよ。


♪2019-117/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2018年8月10日金曜日

フェスタサマーミューザ2018 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪音の風景〜北欧・ロシア巡り≫

2018-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

反田恭平:ピアノ*

ラフマニノフ(ヴァレンベルク編):ピアノ協奏曲第5番 ホ短調
(交響曲第2番ホ短調の編曲版)-日本初演*
シベリウス:交響曲第1番ホ短調 作品39
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アンコール
E.エルガー:夕べの歌

ラフマニノフのピアノ協奏曲<第5番>は気鋭の若手、反田恭平による”日本初演”だった。

正確にはラフマニノフの交響曲第2番をヴェレンベルクという人が換骨奪胎してピアノ協奏曲に編曲したものだ。
ラフマニノフはピアノ協奏曲を4番まで作曲しているので、このマガイモノは<第5番>という訳だ。

元の交響曲全4楽章を協奏曲らしく3楽章に仕立て直すために小節数で4割カットしたという。それでも演奏時間は40分となかなかの大作で、有名な第3番についで演奏時間が長い。

交響曲の主要な旋律はだいぶ残っているようで、有名な3楽章のきれいな旋律も残されている。
それだけに聴いていて妙な気分だ。ま、邪道でしょう。

メインは、シベリウスの交響曲第1番。
超有名な第2番の陰に隠れて目立たないが、全7曲あるシベリウスの交響曲の中では第2番についで聴く機会が多い。この第1番の中には、後の第2番やバイオリン協奏曲等で特徴的なシベリウス印の素がそこここに散見(散聴?)されるので、知らずに途中から聴いてもシベリウスの作品だということは多くの人が分かるのではないか。クラシック音楽というより、娯楽音楽のような気楽に楽しめる音楽だ。
もう少し演奏機会が増えるといいが。でないと、シベリウスは第2番だけの作曲家みたいだ。

前半のピアノ協奏曲<第5番>は、当然、ピアノが大活躍なので(反田恭平はこの曲を5年前から弾きたくて機会を求めていたそうだが、それにしては楽譜が頭に入っていなくて、譜面を見ながら弾いた。協奏曲で独奏者が譜面を見るというのは非常に稀な例だ。)、弦の響があまり効果的に発揮されなかったが、シベリウスではアンサンブルの心地よさが目立った。


♪2018-097/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-13

2015年9月19日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第310回横浜定期演奏会

2015-09-19 @みなとみらいホール


藤岡幸夫:指揮
ソヌ・イェゴン:ピアノ(第5回仙台国際音楽コンクール優勝)*
半田美和子:ソプラノ
鈴木准:テノール
浅井隆仁:バリトン
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:日本フィルハーモニー協会合唱団

【輝け!アジアの星 第10弾】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番*
グノー:聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス
--------------------------
アンコール(ピアノ)
メンデルスゾーン(リスト編曲):結婚行進曲

ラフマニノフのピアノ協奏曲はオーケストラの定期演奏会でも取り上げられることが多いが、そのほとんどが第2番で、第3番は記憶にある限り1回しか聴いていない。さらに第1番、第4番となると一度も聴いていない…と思う。

第2番の人気が圧倒的に高いのは、映画「逢びき」や「7年目の浮気」などで使われたせいもあるのだろう。

それにしてもプロのピアニストにとって第1番や第4番は面白く無いのだろうか?
普通のオーケストラコンサートではピアノ協奏曲が単独で演奏されることはない。交響曲など大規模曲と抱き合わせなので、お客に人気がない曲だって取り上げることは可能なのにどうして演奏されないのか。
時々それらをCDで聴くが、この2曲は第2番や第3番のような哀愁に満ちた甘いメロディーはほとんど出てこないけど、ラフマニノフらしい華麗なピアニズムは十分魅力的だけどな。


で、今日の第3番。
第2番に比べても遜色のない叙情性が溢れていると思うけど、この曲も何故か演奏機会が少ない。
一つにはあらゆるピアノ協奏曲中ピアノにとって最難関だとも言われているからかもしれない。それに他の3曲に比べて演奏時間が長い(プログラムに記載された演奏予定時間は38分だったが、手持ちのCDでは47分<アシュケナージ>)のも一因かもしれない。

…なんて心配してもしようがないが、初めて聴くソヌ・イェゴンはまだ26歳という新進気鋭。この難曲を堂々と弾きこなして…当然なのだろうけど…十分の満腹感あり。

グノーの「聖チェチリア祝日のためのミサ・ソレムニス」という作品は、その存在すら知らなかった。この曲が演奏されることは当然前もって分かっていたけど、予習するゆとりもなくて、いわば、白紙状態で臨んだ。
もっとも、グノーの他作品もバッハの平均律第1曲前奏曲が伴奏になる「グノーの<アヴェ・マリア>」以外はオペラの作品名だけいくつか知っているくらい縁の遠い作曲家だったが。

さて、このミサ曲は、演奏時間が長い(約50分)というだけではなく、管弦楽に3人の声楽独唱と混声合唱(200名位並んだ。)、さらにパイプオルガンまで加わるという、大規模曲だ。

ミサ曲ではあるけど、普通に聴き慣れた楽曲構成とはちょっと違っていたし、全体の雰囲気が妙に明るい。メロディも抹香臭さがなく、親しみやすいものばかりで、「キリエ~」と歌いださなければミサ曲とは思わないだろう。聖俗混交オラトリオ風味かな。

「ミサ・ソレムニス」と言えば、ベートーベンの作品を思い出す。
これは「荘厳ミサ曲」とも呼ばれているので「ソレニムス」には「荘厳」の意味があるのかと思っていたけど、本来は「大掛かりな」といった意味で、教会用語では「盛儀」ミサと呼ぶらしい。
確かにこのグノーの「ミサ・ソレニムス」は大掛かりなことこの上ない。再度ナマで聴く機会は当分ないと思うが、いずれもう一度聴いてみたい。

https://youtu.be/CZgV2eiEFv4

♪2015-90/♪みなとみらいホール-25