2016年7月31日日曜日

フェスタサマーミューザ2016 東京都交響楽団 オーケストラの醍醐味 ドイツ2大交響曲

2016-07-31 @ミューザ川崎シンフォニーホール


小泉和裕:指揮
東京都交響楽団

ベートーベン:交響曲第2番
ブラームス:交響曲第2番

小泉+都響によるドイツ音楽の真髄2曲。
ベートーベンもブラームスもいずれも交響曲第2番ニ長調だ。
この調性は弦楽器の開放弦を活かしやすい為、弦が明るく重厚に響くとされる。まあ、僕の耳では調性の違いによる弦の響の違いを聴き分けることはできないのだけど、そう言われればそんな気もしてくる。
確かに、下手な昔チェロを弾いていた経験からは、まず、弾きやすい調性だ。ニ長調の属音G・主音D・下属音Aがバイオリンでもチェロでも開放弦に当たるため(開放弦を弾かなくとも)共鳴が得られやすく、その分響は豊かになるという次第だ。


ベートーベンの第2番はめったに演奏されない曲なのでナマで聴くことができて良かった。
しかし、ブラームスの方は、今年に入ってこれでもう6回目だ。
どこのオケも第2番ばかり取り上げるのはなぜだろう?
もちろん好きな曲だし、田園風で心地よいけど、1、3、4番も聴きたいものだ。


♪2016-108/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-19

2016年7月30日土曜日

フェスタサマーミューザ2016 NHK交響楽団 ヒーロー・ヒロイン大集合

2016-07-30 @ミューザ川崎シンフォニーホール


広上淳一:指揮

小林愛実:ピアノ*
服部百音:バイオリン:**
平井理央:ナビゲーター

NHK交響楽団

●ジョン・ウィリアムズ:映画「スーパーマン」-スーパーマン・マーチ
●伊福部昭:「ゴジラ」SF交響ファンタジー第1番から
●バリー・グレイ:「サンダーバード」から「オープニング」「トレーシー島」「サンダーバード・マーチ」
●服部隆之:大河ドラマ「真田丸」-テーマ音楽**
●ワックスマン:カルメン幻想曲**
●久石譲:映画「千と千尋の神隠し」から「あの夏へ」*
●久石譲:映画「魔女の宅急便」から「海の見える街」*
●冬木透:「ウルトラセブン」から
●J.シュトラウスII:ワルツ「皇帝円舞曲」
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アンコール
すぎやまこういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅢ」から「そして伝説へ」

N響HPから

映画やTVのスーパーヒーローもののテーマ曲など。
とは言っても、個人的には馴染みのない音楽も多かった。

NHK大河ドラマ「真田丸」の音楽(服部隆之)を娘の百音(もね)が弾いた。TVの方は見ていないけどこのテーマ音楽は何度か聴いたことがある。
小林愛実もジブリ映画の音楽をオーケストラバックで演奏。

今日のN響は、もちろん下手じゃないのだけど、盛り上がらなかった。
独奏バイオリンも小林愛実のピアノも迫力不足の感あり。聴いている席は絶好の場所なのにバイオリンは音圧が低いし、ピアノは、あのカーンと抜けるような快音が響いてこなかった。ミューザで聴くピアノは最高の音だと思ってきたのだけど、僕の体調がイマイチだったのか、あるいは、余り聴きたい音楽ではなかった為に気持ちが集中できなかったからだろうか。

毎年、夏のお子様向けN響コンサートは、どうもぱっとしない。
司会者が頼りなくて、気持ちが乗れないのも原因の一つだ。
以前は高橋美鈴などNHKのアナウンサーが進行を務めていたので安心感があったが、いつから変わったのか知らないけど民放上がりのフリーアナウンサーは、どうもプロ意識が足らないのではないかと思うよ。


♪2016-107/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-18

2016年7月28日木曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第320回

2016-07-28 @みなとみらいホール


高関健:指揮
石田泰尚:バイオリン<ソロ・コンサートマスター>*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
バーバー:バイオリン協奏曲 作品14*
ショスタコーヴィチ:交響曲第15番イ長調 作品141

ウィリアムテル序曲なんて、何度も聴いている気がしていたけど、冒頭チェロの静かな独奏で始まり、さらに4本のチェロが加わり、コントラバスが加わってゆくのを聴きながら、これはこれまでイメージしていた曲とは全然違うことにびっくり。
プログラム中の解説を読んでおけば良かったが、どうせ耳タコの曲だと誤解していたので事前勉強を怠ってしまった。

つまり、よく聴いて知っている耳タコのウィリアム・テル序曲は全部で4つの部分から構成される中の第2部「嵐」以降(第3部「静寂」、第4部「スイス軍の行進」)であって、第1部「夜明け」は自覚を以って聴いたことがなかったようだ。
何と言っても「ウィリアム・テル序曲」といえば「嵐」以降、とりわけ「スイス軍の行進」が耳タコなのだ。

なるほど、「夜明け」があってこそ、「~行進」が満を持して炸裂ように構成されている。トランペットを始め金管の砲列が華々しくラストを盛り上げて気持ちがよろしい。

バーバーの作品は、多分「弦楽のためのアダージョ」が一番有名だと思うが、僕はこの曲しか知らなかったので、もちろんバイオリン協奏曲は初聴き。
最初はロマンチックというか、叙情的というか、あの「弦楽のためのアダージョ」のバーバーだな、と納得させる雰囲気で始まるのだけど、徐々に不安が頭をもたげ(第2楽章)、終楽章は調性も怪しくなり、かつ、無窮動で激しく突っ走って終わる。時間は4分程度の短い楽章だけど、独奏バイオリンは腕を休める瞬間が無かったように思う。
まあ、何度か聴いていると面白く思うようになるかもしれない、という予感はした。

ショスタコの15番も初聴き。
第1楽章がおどけた様子で始まり、やがてウィリアム・テル序曲の「スイス軍の行進」が登場する。
なるほど、今日のプログラムはこういう仕掛けがあったのか。

ほかにもワーグナーの《ニーベルングの指環》から「運命の動機」、グリンカのロマンスなどの断片を採り入れているようだが、気が付かなかった。
おもちゃ箱のような第1楽章から段々と調子が暗くなってきて重苦しくなるのだけど、多種多様な打楽器群を活用したオーケストレーションは面白い。


♪2016-106/♪みなとみらいホール-28

2016年7月27日水曜日

フェスタサマーミューザ2016 東京フィルハーモニー交響楽団 チョン・ミョンフンの情熱

2016-07-27 @ミューザ川崎シンフォニーホール


チョン・ミョンフン:指揮
クララ=ジュミ・カン:バイオリン*
東京フィルハーモニー交響楽団

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35*
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
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アンコール
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第3番BWV1005からラルゴ*

フェスタサマーのHPから
一昨日の新日本フィルも今日の東京フィルも普段はほとんど聴くことがなくて、このフェスタサマーミューザやオペラでの演奏を聴くぐらいだ。
フェスタサマーでは、同じ会場の同じ席で各オーケストラの演奏を比較できるのが面白い。
一昨日の上岡+新日本フィルが上岡氏の強い個性で隅々まで管理されていると思えたが、対してミョンフン+東京フィルはいわば野放しの感。良く言えば骨太だが弦と管のバランスに疑問を感ずる場面が何度かあった。つまり、弦の音圧が弱いように思ったのだけど。

しかし、チャイコの4番では管の鳴り過ぎがかえって絶大な効果をあげていたな。



フェスタサマーのHPから
今日のオケの配置は指揮者の右側(上手)にビオラが置かれていた(珍しくもなくむしろ普通だと思うけど。)。その首席が、ビオラ界ではちょっと有名な須田祥子だ。この人の演奏は室内楽でも聴いたことがあるし、TVの音楽番組でも何度か登場したのを聴いているが、オーケストラ演奏で聴くのは初めてだったかも(ピットに入っている場合は分からない。)。
ジェスチャーが大きいので、こちら(指揮者の右)側にコンサートマスターが座っているのか、と錯覚しそうな気合の入れ方だった。後ろの列の楽団員も思わず力が入るだろうな。


♪2016-105/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

平成28年7月歌舞伎鑑賞教室「卅三間堂棟由来」(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい) (平成28年度神奈川県歌舞伎鑑賞教室)

2016-07-27 @県立青少年センター


●解説 歌舞伎のみかた   
   坂東新悟

若竹笛躬・中邑阿契=作
山田庄一=補綴
●卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)二幕三場
      国立劇場美術係=美術

  序  幕 紀州熊野山中鷹狩の場
  二幕目 横曽根平太郎住家の場
           木遣音頭の場

中村魁春⇒お柳<おりゅう>(実は柳の精)
坂東秀調⇒進ノ蔵人<しんのくらんど>
中村歌女之丞⇒平太郎母滝乃
市村橘太郎⇒伊佐坂運内<いささかうんない>
中村松江⇒太宰師季仲<だざいのそちすえなか>
坂東彌十郎⇒横曽根平太郎<よこそねへいたろう>
  ほか

国立劇場で初日を観たが、7月の歌舞伎鑑賞教室は横浜でも公演があるので再度観にいった。

今回は、前方8列目、花道から7番目に席をとった。下手(しもて)に偏するけど、役者には近い。

国立の大きな舞台に比べると少し手狭だが、席が舞台に近かったことや客席全体もこじんまりとしているので没入感はむしろ大きかった。

芝居の感想は初日(7月3日)に書いたとおりだが、役者たちの熱演にはあらためて感心する。国立劇場で休み無しの22日間・42回の公演を終えて、中2日の休みを挟んで横浜での2日間・4公演だ。
少しは手抜きがあるかと思ったが、それは全く感じられなかった。おそらく、一度でも手を抜くと芸がダメになるのだろう。この日の午後の部で千秋楽だが、ゆっくり夏休みをとってほしいものだ。

子役(緑丸)が初日と同じ子供(2人交代)かどうか分からないけど、なかなかうまい。大先輩たちに混じって演じているうちに徐々に腕を上げてきたようだ。花道七三で短い足を踏ん張って見得を切る姿は堂々として可愛らしい。

地味な演目で、役者も花形とはいえない。
昨年の菊之助の公演の時のような熱気がなく、客席もおとなしくて大向うは全然かからない。拍手さえはばかられるような雰囲気で、多分、あまり歌舞伎を観慣れていないお客が多かったのではないか。それでも終盤に向かって徐々に拍手の和が広がっていったのは良かった。
尤も、歌舞伎鑑賞において拍手はするべきではないという意見もあるらしいが、これは少数異見だろう。


♪2016-104/♪県立青少年センター-1

2016年7月25日月曜日

フェスタサマーミューザ2016 新日本フィルハーモニー交響楽団 シェフ上岡敏之のスペイン・ラプソディー

2016-07-25 @ミューザ川崎シンフォニーホール


上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ビゼー:「アルルの女」第1組曲
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ラヴェル:ボレロ
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アンコール
ビゼー:「アルルの女」第2組曲から「ファランドール」


今日は新日本フィルによるスペイン音楽集。
といっても作曲者全員が非スペイン人というのも面白い。

全曲が耳に馴染んだ作品ばかりだし、そのいずれもが規模の大きい編成によるきらびやかな管弦楽技法を駆使した作品なのでオーケストラを聴く楽しみがてんこ盛りという感じだ。

なんといっても、本日の白眉は「ボレロ」だ。
これまでにいろんなオケ、いろんな指揮者で聴いたすべての演奏に比較して今日の演奏は最弱音から始まった。
指揮者のタクトは動いているので音楽は始まっているのだけどスネアドラムのリズムもチェロ・ビオラのピチカートもほとんど「聴こえない」のだからすごい。やがてフルートのメロディが始まって、なるほど「ボレロ」だと確認できるような具合だ。
この辺がいかにも上岡敏之のケレン味たっぷりな指揮ぶりだ。
もちろんこれはクライマックスに向けてのダイナミックレンジの広さを表現しているのだ。
果たして終盤は全楽器が荒れ狂うように盛り上がる。

館内の歓声・拍手はオープニングよりずっと賑やかだった。
こういうエネルギッシュな大曲の後はアンコールはないのが相場だけど、度々のカーテンコールで登場したマエストロはついにひょいと指揮台に上がり、予想に反して、すっとタクトを振り下ろしたのがなんと景気の良い「ファランドール」だ。
もう本当にお祭り気分最高潮を演出してみんなが気持ちよく上岡マジックに酔った一晩だった。

それにしても初日の東響は選曲を間違えたね。
ローマ三部作でも演奏してミューザの夏祭りを盛り上げるべきだったよ。


♪2016-103/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-16

2016年7月23日土曜日

フェスタサマーミューザ2016東京交響楽団オープニングコンサート ジョナサン・ノット、サマーミューザ初登場!

2016-07-23 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジョナサン・ノット:指揮
東京交響楽団

ヴィラ・ロボス:ニューヨーク・スカイライン・メロディ
アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所
ベートーベン:交響曲第6番ヘ長調 作品68 「田園」

暑いのも寒いのも苦手だが、嫌いな夏の、それでも楽しみは今日が初日のフェスタサマーミューザだ。
この時期はどこのオーケストラも定期演奏会をやらないので僕のスケジュールもほとんどが空白だ。それを埋めるのが、フェスタサマーミューザで、在京の10オケと2音大のオケが、今日から来月の11日まで日替わりで登場する。僕はこの内都合のつく9ステージを購入した。

オープニングコンサートは、当然、ミューザをホームとしている東響が登場(8月11日のフィナーレコンサートも東響だ。)。

プログラムの前半2曲は初聴きだった。
ヴィラ・ロヴォスは知っているが、ギター曲を少々と管弦楽では「ブラジル風バッハ」がダントツに有名、というか、これしか知られていないのではないだろうか。たくさんのジャンルで多くの楽曲を残しているらしいが。
さて、その「ニューヨーク・スカイライン・メロディ」は3分ほどの小品だが、僕が聴き馴染んでいるヴィラ・ロボスとはだいぶ印象が異なった。これといった盛上がりもなく、オープニング曲としては気分高揚しない選曲だった。

東響のFBから
加えて、終曲後指揮のジョナサン・ノットは観客席に振り返らずそのまま次のプログラムに入ったので、拍手はまばらだった。僕は、当然第1曲めが終わったとおもって拍手をしたり、館内あちこちからも拍手は起こったけど、多くの人達は戸惑っていたようだ。

どうやら、切れ目なく演奏するのがノット氏の意図だったようだ(彼の指揮するコンサートでは時々こういう演出がある)それならそうと事前に何らかの形で告知しておくべきだよ。

後半の田園は、ベートーベンの時代の編成と比べて多すぎる?弦が豊かに響いて、これはこれで現代の管弦楽の味わい深し。



♪2016-102/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-15

2016年7月20日水曜日

国立演芸場7月中席

2016-07-20 @国立演芸場


落語 春風亭朝太郎⇒子ほめ
落語 春風亭朝也⇒たらちね
落語 春風亭柳朝⇒唖の釣
音曲バラエティ 東京ガールズ
落語 五明樓玉の輔⇒お菊の皿
落語 柳家三三⇒粗忽の釘
―仲入り―
奇術 マギー隆司
落語 三遊亭歌る多⇒桃太郎
紙切り 林家正楽
落語 林家正雀⇒紙屑屋

全体にそこそこという感じだったが、また聴いてみたい・見てみたいというのを拾うと、二ツ目の春風亭朝也(ちょうや)は将来有望株だと思った。若手の芸は形をなぞるばかりで間合いが取れていないというのか、呼吸が悪いというのか、名人・上手と同じ噺を同じように喋っていてもイマイチ気持ちが乗れないことが多いが、この人は結構その気にさせてしまう。2005年に二ツ目昇進しているから真打ちはまもなくだろう。

東京ガールズのHPから
「高齢化社会のアイドル」、東京ガールズは、和服を着たお姉さん(50歳代?)二人組が三味線を弾きながら漫談風に笑わせてくれる。この古風な形が楽しかったね。

柳家三三の「粗忽の釘」は有名な古典だけど彼にかかれば全く新しい作品のようで、大筋は古典をなぞりながら換骨奪胎している。それがおかしいのだけど、器用すぎるのが難点かなあ。

林家正楽の紙切り芸はテレビでは見たことがあったけど、今日は間近で見て、一筆書きのように巧みに操るハサミ使いに驚いた。リクエストにも応じてくれるのだけど、まあ、頼む方も出来そうなのを頼むのだろうが、客席から4人の声が掛かり全部きれいに仕上げてちょっとした感動モノだった。

トリの林家正雀。初めてナマで聴いた。最初のうちは上手には思えなかったが、だんだん調子が出てくる。この「紙屑屋」という噺は、単に話し上手だけでは勤まらない。新内、清元、都々逸などの古典音曲の芸も必要なので、相当ベテランでないと演れない作品だが、これが上手で落語の語りとの落差が大きくて実におかしい。


♪2016-101/♪国立演芸場-07

2016年7月18日月曜日

読響第90回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2016-07-18 @みなとみらいホール


コルネリウス・マイスター:指揮
読売日本交響楽団
バイバ・スクリデ:バイオリン*

ベートーベン:バイオリン協奏曲 ニ長調 作品61*
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
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アンコール
ヴェストホフ:バイオリン・ソナタ第3番から第3曲「鐘の模倣」*

ドイツ音楽…正しくはドイツ語圏なのか、ドイツ文化圏というべきか分からないけど、クラシック音楽の王道の音楽が好きだ。それもロマン派までが特にいい。
なので、ベートーベンやブラームスはその筆頭格に当たる。
そういうゴールデンコンビの演奏会だったが、今年に入って各オケの定期で聴いたブラームスの交響曲は全5回だが、そのすべてが2番ではいくら好きでも困る。
ブラームスの4作品の中で、一番人気は多分、第1番か第4番ではないか。次いで3番。
2番は一番地味だと思うのだけどオーケストラが好んで取り上げるのはどうしてかな。僕としては、まんべんなく4作品を聴きたいよ。


指揮のコルネリウス・マイスターも独奏バイオリンのバイバ・スクリデも初聴き。
コルネリウス・マイスターはハノーファー出身の1980年生まれというまだ若手だ。来季から読響の首席客演指揮者に就任するそうだ。今後、何度も接することになるだろう。

バイバ・スクリデって耳慣れない名前だがラトヴィア出身だそうな。
G・クレーメルから貸与されたストラディバリウスだそうだ。不満のない音量と音色。
前回の読響定期は気分が悪くなって途中リタイアしたが、今日は体調も良く、安心してドイツ音楽の真髄を楽しんだ。


ちょっとショックだったのは、バイバ・スクリデがアンコールに弾いた曲だ。初めて聴く音楽で、当然に無伴奏の独奏曲。かなり早いテンポのアルペジオが続く無窮動の感じだったが、調性はあるけど現代風で、誰の作品か見当がつかないし、いつ頃の音楽家さえ分からなかった。

アンコール曲名の掲示版を見て、ヴェストホフという作曲家の作品であることは分かったけど、現代の作曲家だろうかと思いながら帰宅後調べたら、なんと、J.S.バッハより11年前に生まれた人で、当然バロック時代だ。
ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ - Johann Paul von Westhoff (1656-1705)
こういう人の存在を知らなかったのは無理は無いとしても、時代の見当もつかなかったのが情けない。多少言い訳すれば、演奏された第3番ソナタの第3曲だけが特別に変わっていると思うけど…。

NETで作品を探してみるもなかなか見当たらなかったが、NAXOSのサイトでバイオリン・ソナタと無伴奏バイオリン・ソナタを見つけた。
http://ml.naxos.jp/album/ZZT050201
http://ml.naxos.jp/album/C67083

CDがほしいが少なくともAmazonでは見当たらないのが残念。

♪2016-100/♪みなとみらいホール-27

2016年7月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第8回

2016-07-16 @県民ホール

現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
横浜少年少女合唱団*
神奈川フィル合唱団**

三宅理恵:ソプラノ♡
中井亮一:テノール♭
吉江忠男:バリトン#

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から
・序曲
・酒が回ったら今度は踊りだ#
・ぶってよ、マゼット
・私の幸せは彼女にかかって
・お互い手を取り合おう#

オルフ:カルミナ・ブラーナ#**

神奈川フィルfacebookから
待望の「カルミナ・ブラーナ」。
編成が大きいのでなかなか取り上げられない。
ようやくにして初めてナマ演奏を聴くことができた。

3人の独唱に児童合唱と成人の混声四部合唱に三管編成(とはいいながら打楽器・鍵盤楽器は数も種類も多く、ティンパニ<5>、グロッケンシュピール、シロフォン、カスタネット、クレセル、クロタル、トライアングル、アンティーク・シンバル3、シンバル4、タムタム、鐘3、チューブラーベル、タンブリン、小太鼓、大太鼓にチェレスタ、グランドピアノ2を含む大掛かり)のオーケストラという編成だ。

映画音楽などでよく使われている冒頭の「運命の女神」が始まった途端、オルフの描く奇妙な世界にいっぺんに惹きこまれてしまう。
重厚で荘厳な響あり、自然賛歌あり、官能的な歌、清らかな世界を描く歌など聖俗混淆のごった煮が、次から次へと繰り出され、原始脳を刺激する狂乱の60分。

声楽、合唱も素晴らしかったが、神奈川フィルにとっては恩師ともいうべき現田マエストロの期待に応えんとしたか、オケの出来栄えも素晴らしいものだった。

前日のN響には随分がっかりしていたが、今日の神奈川フィルは昨日のN響を凌ぐ力演・熱演・怪演だった。
たまにやってくれるんだよな。こういうホームラン級の演奏を。


♪2016-099/♪県民ホール-02

2016年7月15日金曜日

N響「夏」2016

2016-07-15 @NHKホール



クリスティアン・アルミンク:指揮
NHK交響楽団
ポール・メイエ:クラリネット*

モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲
モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622*
ドボルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界から」
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アンコール
ドボルザーク:スラブ舞曲 作品72 第2番ホ短調「マズルカ」

空調のせい?
冒頭の弦の音がえらく硬い響きだった。こんなに硬い響のN響は初めてだ。なんか、違うなあ、と思いながら1曲めが終わった。
次はクラリネット協奏曲だ。
奏者のポール・メイエは、現代クラリネット奏者の中ではトップクラスだと聞く。僕が日頃聴いているモーツァルトほかのクラリネット協奏曲もメイエが吹いているものだ。
その彼がオケの準備は整っているのに舞台袖からなかなか出てこない。袖にいるのはクラリネットの調子を確かめている音が聴こえてくるので分かるのだ。

ようやく出てきて協奏曲が始まった。
序奏が2分ほど続く。その間、手に持ったクラリネットのマウスピースを時々咥えては最後の調整をしていたようだが、いよいよ独奏部分が始まると、アレレ。音が硬い。滑らかさがない。クラリネット独特の甘くて柔らかで官能的な音色とは無縁だ。
素人にも分かる変調だ。これはおかしいな、と思っていたら案の定。メイエは演奏を止めてしまったので、オーケストラも止まった。
こんな経験は初めてのことだ。

マウスピースを外し、楽器は指揮者に預けて袖に引っ込んでしまった。受け取った指揮者も吹けないし、肩をすぼめてマイッタの様子。クラシックコンサートには珍しくここで館内に笑いが起こった。

別のクラリネットを手にして再登場したメイエ氏は、今度は最後まで吹き終えた。
確かに細かい芸など巧いなあと思うけど、やはりそれでもクラリネットの音は硬質だった。オケも同様なので、これは楽器のせいでも彼の特質でもないはず。

後半は「新世界から」だった。
この今日は何度も何度も聴いているけど、何度聴いてもやはり面白い。ドボルザークの最高傑作だとは思わないけど好きな方だ。
でも、今日のは乗れなかった。演奏が悪いとも思えない。

結局、終始弦が硬いのが僕の気分を憂鬱に支配してしまった。
でも、どうしてだろう。
今日は定期演奏会ではないので、普段の聴き慣れた場所とは異なるけど、定席より前に4列動いただけでほぼ同じような場所だ。この程度の場所の違いが音に影響するとも思えない。
自分なりに推測するなら、演奏会が始まった時点では既に晴れていたけど、その少し前までは首都圏は豪雨に見舞われた。
それで、館内の湿度が高まり、それを抑えるための空調がむしろ館内を乾かせすぎたのではないか…。などと思ってみるが、それも自分で得心はゆかない。

僕の体調のせいもあったのかもしれないけど、決して集中力に欠けた訳ではないので、耳の具合が一時的に変調をきたしたのかもしれない。

メインディッシュも終わって、何度かのカーテンコールの後に定期演奏会じゃまずやらないアンコール演奏があった。アルミンクが指揮台に上りオケの方に向いたので「演るな」と分かったが、その瞬間、僕の頭の中にはドボルザークのスラブ舞曲72-2(番号を憶えているのはこの曲だけ!)に違いないと思ったら果たしてそのとおりだったので少し驚いたけど、ドボルザークの大作を演奏した直後のオマケとしてはよくあるパターンだし、何より、僕が「新世界から」に満足できないという精神的飢餓状態でせめて干天の慈雨の如くこの曲を欲していたのだと思う。

それでも音の硬さは変わらなかったのだけど、まあ哀愁に満ちた名曲で締めてくれて良かったのかな。


2016-098/♪NHKホール-06

2016年7月13日水曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート 別刊 小林愛実 ピアノ・リサイタル

2016-07-13 @みなとみらいホール


小林愛実:ピアノ

ラヴェル:水の戯れ
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」から
 3つのペトラルカのソネット第47番、第104番、第123番、  
 ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲
ショパン:24の前奏曲 作品28 全曲
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アンコール(いずれもショパン)
マズルカ 作品17-4
夜想曲第20番嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッショーネ」 遺作


開演前のピアノの調整
昨年のショパン国際ピアノコンクール-ファイナリスト。
ということは順位をつけると7位~10位に相当する訳か。
まあ、どうせ、僕には1位と10位の差も分からないと思うが。

5月下旬にシャルル・リシャール=アムラン(同コンクール第2位)の演奏を同じホールの同じ席で聴いた(セット券を買ったので)。
小林とは演奏曲目が一つもかぶっていないし、2ヵ月近く経っているから印象はぼやけているけど、音量に差があったかなあ。もちろん、アムランの方がダイナミックレンジは広かったような気がする。

開演時間が5分位遅れるのはごく普通のことだけど、彼女の場合は8分も遅れた。観客は完全沈黙で登場を待っているのだけど、5分も過ぎるとさすがに何かあったのかと不審感が拡がり会場が少しざわつき始めたところでようやくのご登場だ。
僕は、少し気分を害して歓迎の拍手を惜しんだのは大人気なかったかも。

登場の際は少し笑顔を見せたが、その後は観客に対してはほとんど無表情だ。
プログラムの節目には頭を下げてくれるのだけど形ばかりで観客との間に共感は広がらない。
それというのも、演奏態度が終始入魂の真剣勝負のようで恰も求道者の如し。コンサート映像などで感情過多の八の字眉毛は知っていたが、そんなに気合を入れなくちゃいけないものか、と不思議に思うくらいだ。だから聴衆のことはなかなか思い至らないのだろう。


素人に彼女の技量のほどは分からないが、7歳でオーケストラと共演し、9歳で国際デビュー。2005年には全国学生音楽コンクール小学校の部で史上最年少(小学4年)で優勝。その後いろんなコンクールで好成績を上げ、14歳でCDデビューも果たしている事情から、非凡な才能の持ち主であることは間違いないだろう。

演奏は、全く手抜き無しの一音一音に気持ちを完全に乗せて弾いているのが良く分かる。彼女の音楽への集中度が観客席にも伝播して、聴いている方も気がつけばかなりの緊張感を強いられているのが分かる。

そういう意味で、中身の濃い演奏会であった。
本篇全曲を弾き終えて退場する際にようやく二度目の笑顔が出た。もう少しゆとりが欲しいが、これでまだ20歳というからこの先どんな傑物に成長してゆくのだろう。


♪2016-097/♪みなとみらいホール-26

2016年7月11日月曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~毛利文香 バイオリン・リサイタル~

2016-07-11 @みなとみらいホール


毛利文香:バイオリン
日下知奈:ピアノ

プーランク:バイオリン・ソナタ
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調

5月から始まったクラシック・マチネの第2弾。
このシリーズは、毎回12時10分からの第1部と14時30分からの第2部に分かれていているが、両方又は好きな方だけ買うことができるので、僕は第2部だけの年会員になった。格安チケットなので第1部も一緒に買っても良かったけど12時過ぎに始まるというところに抵抗があって午後の部だけにした。

でも、今日に限って言えば、第1部も1回券を買って聴けば良かった。第1部ではモーツァルトの第28番ホ短調のソナタ(モーツァルトの全40曲<偽作も含む>のうち唯一の短調作品)とベートーベンの第9番「クロイツェル」を弾くと事前に知っていたら絶対にチケットを買うのだったよ。実に惜しいことをした。


さて、プーランクとのソナタは初聴き。
調性はぼんやりしているが、激しくリズミカルな出だしで惹き込まれたのは束の間、大波に揺られる小舟のようにウトウトしたが乗心地は良好。終楽章が再び荒れ狂うような掛け合いですっかり覚醒した。
ナマで聴くと面白いのだけど、CDでは余り聴きたくないな。これも何度か経験するとアジが出てくるのだろうけど。

やっぱり、なんといってもフランクがいい。
先日、石田泰尚のリサイタルで久しぶりにナマを聴いたが、聴き始めると続くものだ。
蠱惑的な洒落た感じのささやきに惹き込まれる。第2楽章はバイオリンとピアノが激しくせめぎあう。叙唱を経て終楽章はモーツァルトやベートーベンみたいな調べで古典派風に締める。とても楽しめる要素が多い。
いろんな作曲家のバイオリン・ソナタの中でも好きな5曲には入るな。

それにしても、久しぶりに小ホールでのバイオリンとピアノ。
実に豊かな響だ。
毛利文香も日下知奈も多分初めて聴く人だが、巧いし音が綺麗でボリュームもある。ピアノとのバランスもよくて素晴らしい。

先日の石田氏の場合は会場が大ホールなのでバイオリンがやや音圧に欠けたが、今日の演奏は、ちょうど音楽堂での千住真理子の演奏(響の種類はぜんぜん異なり、みなとみらいホール・小ホールは残響を効かせた豊かな響であるが)と同じく、バイオリンの魅力を十分に伝える芳醇な音空間だった。まさしく至福の時なり。


♪2016-96/♪みなとみらいホール-25

2016年7月9日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽堂シリーズ第9回定期演奏会

2016-07-09 @県立音楽堂


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
郷古廉:バイオリン*

バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント Sz.113
ハイドン:バイオリン協奏曲ハ長調Hob.VIIa:1*
ハイドン:交響曲第92番ト長調Hob.I:92「オックスフォード」


バルトークとハイドンの組合せ。
前半2曲は弦楽のみで、ハイドンのバイオリン協奏曲にも木管も金管も一人も入らないのにはちょっとびっくり。
この曲では郷古のストラディバリウスがよく響いた。
オケも小編成の良さを活かして音楽堂らしい乾いた乙張の効いたアンサンブルが小気味良し。

郷古のアンコールはなかったが、後半のハイドンの交響曲では第1バイオリンの最後尾に陣取って神奈フィルのメンバーと一緒に演奏したのが、サービスか。


♪2016-95/♪県立音楽堂-07

2016年7月7日木曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート ベルリン・フィル バイオリンアンサンブル

2016-07-07 @みなとみらいホール


ベルリン・フィル/バイオリンアンサンブル

アルビノーニ:アダージョ
J.S.バッハ:2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調  BWV1043
J.S.バッハ(メンデルスゾーン編):シャコンヌ
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲
ベートーベン:ロマンス第1番 ト長調 作品40
ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番、第5番、第6番
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン 作品20 
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アンコール
エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
スヴェトラーノフ:アダージョ

ベルリン・フィルの弦パートの有志から成るアンサンブルかと思い込んでいたけど、当日会場で受け取ったプログラムの表紙にベルリン・フィルのバイオリン・アンサンブルと書いてある。
アレレ…、そうなのか。でも、バイオリンだけではいくら10本集まっても表現力に乏しいだろうなあ、と思ったが、そこは心配無用で、ピアノが1台入った。

このピアノが1台入ることで、バイオリンだけという単調なアンサンブルに音域の幅が出て、まるでチェロやビオラも入っているような錯覚に陥る。それだけ表現力が豊かになる。
つまりは室内オーケストラ風に聴こえてくるのだ。

まあ、そうでもなくちゃ二十数年もこういうスタイルで音楽を続けることはできないだろう。

バイオリン10本+ピアノという変わった編成の魅力を十分に発揮していたとは思えないけど、さすがにベルリン・フィルメンバーだけにバイオリンの発する音色の透明感の美しさに加え、バイオリンとも思えない中音域の音圧の強さもーこれはピアノとの良い呼吸が作り出しているのだろうがー迫力があった。

とはいえ、演奏された曲のすべてが(アンコールの2曲は初聴きだったが、これらも多分…)このスタイルに合わせた編曲なので、オリジナルを聴き馴染んでいるものだから、どうしても良くできた編曲とか、珍しい編曲モノという印象を拭えない。何か、オリジナルを1曲でも聴いてみたかった。


♪2016-094/♪みなとみらいホール-24

2016年7月6日水曜日

国立演芸場7月上席 真打昇進披露公演

2016-07-06 @国立演芸場


落語 三遊亭馬ん長⇒元犬
落語 橘ノ双葉⇒タケダ君へのラブレター
落語 三遊亭遊雀⇒堪忍袋
漫才 宮田陽・昇
落語 三遊亭圓馬⇒高砂や
落語 桂歌丸⇒つる
<仲入り>
真打昇進披露口上
落語 瀧川鯉昇⇒粗忽の釘
落語 三遊亭遊三⇒親子酒
奇術 北見伸&スティファニー
落語 橘ノ圓満⇒壺算


今日は満員御礼の大盛況。和服姿のご婦人も多くて驚いた。お目当ては歌丸師匠だろう。

今月の上席では3人の新・真打ちの昇進披露が行われていて、今日はその一人、橘の圓満のお披露目だった。
この人、若い頃から寄席に入り浸りで好きが高じて30歳を過ぎてついに入門したので、真打ちになったのは既に五十路を過ぎという変り種。家は上野の料亭で自身3代続く江戸っ子だが、家業を継がずに噺家になったという。この経歴自体が落語のようでもある。

圓満のブログから
祝儀の意味があるのだろう、今日は園満がトリを務めた。
出し物は有名な「壺算」だ。
瀬戸物屋のオヤジを言いくるめて水瓶大小をタダで持ち帰るというハナシだが、語り口が硬くてまだ修行半ばの感があるが、計算が分かったようで分からないオヤジの心境をなかなか上手に演じていた。

今日の出し物では、遊雀、圓馬の落語が上出来。
宮田陽・昇の漫才もおかしかった。
北見伸&スティファニーの奇術も巧いものでありふれたものだけども全くタネが分からない。助手のピチピチギャルたちも眼福である。

しかし、なによりも誰よりも歌丸の飄々としたおかしさ・巧さには実に驚かされた。昔、TVで観ていた頃はあまり上手いとも思わなかったけど、落語芸術協会会長は伊達じゃないね。
演じた「つる」は、よく知っているハナシだし、ここ演芸場でも前座や二ツ目で何度か聴いたが、おかしさが違う。質が違う。
展開も、オチも、セリフまで分かっているハナシなのに、歌丸がひょうひょうと演ずるともうおかしい。おかしくなる前からおかしい。
館内は大爆笑の渦だ。一緒に行った友人はおかしすぎて泣いていたよ。


♪2016-093/♪国立演芸場-06