2016-07-25 @ミューザ川崎シンフォニーホール
上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
ビゼー:「アルルの女」第1組曲
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ラヴェル:ボレロ
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アンコール
ビゼー:「アルルの女」第2組曲から「ファランドール」
今日は新日本フィルによるスペイン音楽集。
といっても作曲者全員が非スペイン人というのも面白い。
全曲が耳に馴染んだ作品ばかりだし、そのいずれもが規模の大きい編成によるきらびやかな管弦楽技法を駆使した作品なのでオーケストラを聴く楽しみがてんこ盛りという感じだ。
なんといっても、本日の白眉は「ボレロ」だ。
これまでにいろんなオケ、いろんな指揮者で聴いたすべての演奏に比較して今日の演奏は最弱音から始まった。
指揮者のタクトは動いているので音楽は始まっているのだけどスネアドラムのリズムもチェロ・ビオラのピチカートもほとんど「聴こえない」のだからすごい。やがてフルートのメロディが始まって、なるほど「ボレロ」だと確認できるような具合だ。
この辺がいかにも上岡敏之のケレン味たっぷりな指揮ぶりだ。
もちろんこれはクライマックスに向けてのダイナミックレンジの広さを表現しているのだ。
果たして終盤は全楽器が荒れ狂うように盛り上がる。
館内の歓声・拍手はオープニングよりずっと賑やかだった。
こういうエネルギッシュな大曲の後はアンコールはないのが相場だけど、度々のカーテンコールで登場したマエストロはついにひょいと指揮台に上がり、予想に反して、すっとタクトを振り下ろしたのがなんと景気の良い「ファランドール」だ。
もう本当にお祭り気分最高潮を演出してみんなが気持ちよく上岡マジックに酔った一晩だった。
それにしても初日の東響は選曲を間違えたね。
ローマ三部作でも演奏してミューザの夏祭りを盛り上げるべきだったよ。
♪2016-103/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-16