2016年7月11日月曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~毛利文香 バイオリン・リサイタル~

2016-07-11 @みなとみらいホール


毛利文香:バイオリン
日下知奈:ピアノ

プーランク:バイオリン・ソナタ
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調

5月から始まったクラシック・マチネの第2弾。
このシリーズは、毎回12時10分からの第1部と14時30分からの第2部に分かれていているが、両方又は好きな方だけ買うことができるので、僕は第2部だけの年会員になった。格安チケットなので第1部も一緒に買っても良かったけど12時過ぎに始まるというところに抵抗があって午後の部だけにした。

でも、今日に限って言えば、第1部も1回券を買って聴けば良かった。第1部ではモーツァルトの第28番ホ短調のソナタ(モーツァルトの全40曲<偽作も含む>のうち唯一の短調作品)とベートーベンの第9番「クロイツェル」を弾くと事前に知っていたら絶対にチケットを買うのだったよ。実に惜しいことをした。


さて、プーランクとのソナタは初聴き。
調性はぼんやりしているが、激しくリズミカルな出だしで惹き込まれたのは束の間、大波に揺られる小舟のようにウトウトしたが乗心地は良好。終楽章が再び荒れ狂うような掛け合いですっかり覚醒した。
ナマで聴くと面白いのだけど、CDでは余り聴きたくないな。これも何度か経験するとアジが出てくるのだろうけど。

やっぱり、なんといってもフランクがいい。
先日、石田泰尚のリサイタルで久しぶりにナマを聴いたが、聴き始めると続くものだ。
蠱惑的な洒落た感じのささやきに惹き込まれる。第2楽章はバイオリンとピアノが激しくせめぎあう。叙唱を経て終楽章はモーツァルトやベートーベンみたいな調べで古典派風に締める。とても楽しめる要素が多い。
いろんな作曲家のバイオリン・ソナタの中でも好きな5曲には入るな。

それにしても、久しぶりに小ホールでのバイオリンとピアノ。
実に豊かな響だ。
毛利文香も日下知奈も多分初めて聴く人だが、巧いし音が綺麗でボリュームもある。ピアノとのバランスもよくて素晴らしい。

先日の石田氏の場合は会場が大ホールなのでバイオリンがやや音圧に欠けたが、今日の演奏は、ちょうど音楽堂での千住真理子の演奏(響の種類はぜんぜん異なり、みなとみらいホール・小ホールは残響を効かせた豊かな響であるが)と同じく、バイオリンの魅力を十分に伝える芳醇な音空間だった。まさしく至福の時なり。


♪2016-96/♪みなとみらいホール-25