ラベル 瀧廉太郎 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 瀧廉太郎 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年6月11日月曜日

東京都交響楽団 第858回 定期演奏会Aシリーズ

2018-06-11 @東京文化会館


オレグ・カエターニ:指揮
東京都交響楽団

宮田大:チェロ*

シューベルト:交響曲第3番ニ長調 D200
矢代秋雄:チェロ協奏曲(1960)*
ベートーベン:交響曲第5番ハ短調 op.67《運命》
-----------------
アンコール
瀧廉太郎:荒城の月*

指揮のガエターニは多分初めて。都響とは2009年以降4回目だと書いてあるが、縁がなかったんだな。

妙なプログラムだ。
シューベルト3番に何故か矢代秋雄のチェロ協奏曲。メインがベートーベンの「運命」ってどうにもまとまらない。

シューベルトの3番というのも実は生では初聴きだ。手持ちのCDは時々聴くことがあるが、好んで聴く訳ではない。4-5-7-8はスコアを持っているので、割と気合を入れて聴くことがあるが、どうも3番以前はもういいや、という気分だな。

演奏は、悪くなかったな。

2曲めに矢代秋雄のチェロ協奏曲。これも初聴き。
無調音楽なのか、調整拡大音楽なのか分からないけど、現代音楽で、こういうのは好きになれない。意表を突くことと芸術は別の次元ではないかという気がして入り込めない。しかし、宮田大のチェロは素晴らしかった。
冒頭、長いチェロ独奏によるカデンツァから始まり、チェロ演奏上のあらゆるテクニックを使い倒したという感じの八面六臂の大活躍で、音楽に親しみは感じなくとも彼の演奏技術や、いつもの美しい音色に聴き惚れた。実によろしい。

さて、1曲めはコンバスが4本。シューベルトの初期の作品だしそんなものだろう。
矢代秋雄が弦の構成まで指示したかどうか知らないけど、こちらは中規模でコンバスが6本だった。
こんなふうに拡大してゆくと最後のベートーベンの「運命」はコンバス8本になるのか…まさかね。
と思っていたら、そのとおり。Vn1が8プルート。以下7、6、5、4プルトという編成で、つまり第1バイオリンが16、第2バイオリンが14、ビオラが12、チェロが10、コンバスが8本だ。
僕の席からバイオリンは第1と第2が重なるし、チェロも数えにくいのだけど、終演後都響関係者に確認したから間違いはない。
つまり弦楽器だけで60人いた勘定になる。

さて、こんな大規模編成でベートーベンを演奏するのが正しいかどうかは専門家の判断に任せよう。

もし、ピタッと息が合えば、大規模合奏で聴くのは楽しいと思う。
でも、今日の都響に限れば、管弦のバランスがイマイチ。ホルンは爆音を立てていたが、木管は埋もれ勝ちだった。な訳で、今日の大層な「運命」は良しとしない。もっと小粒で引き締まった、演奏を聴いてみたい。

♪2018-069/♪東京文化会館-04

2017年5月7日日曜日

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2017前期 ≪輝けるテノール≫錦織健テノール・リサイタル

2017-05-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール


錦織健:テノール
金井信:ピアノ

日本古謡:さくらさくら
大中寅二:椰子の実
服部良一:蘇州夜曲
山田耕筰:来るか来るか、この道、松島音頭、からたちの花
瀧廉太郎:荒城の月
小林秀雄:落葉松
菅野よう子:花は咲く
ドニゼッティ:私は家を建てたい
トスティ:マレキアーレ
ティリンデッリ:おお春よ
プッチーニ:誰も寝てはならぬ(トゥーランドット)
フロトー:夢のごとく(マルタ)
ドニゼッティ:人知れぬ涙(愛の妙薬)
クルティス:忘れな草
ショパン:別れの曲
ラカジェ:アマポーラ
ララ:グラナダ
------------------
アンコール
〈ピアノ・ソロ〉
Shall we go?
哀愁のノクターン
〈テノール+ピアノ〉
カプア:オー・ソレ・ミオ
QUEEN:Love of my life、愛しのラヴァーボーイ
B.Andersson & B.Vlvaeus:thank you for the music

睡眠不足で出かけたが、前半日本歌曲その第一声「さくら」の<さ〜>で一瞬に完全覚醒した。なんという輝く声、そして大ホールに響き渡る豊かな声量。
これまでに「第九」等声楽付き管弦楽の独唱者としては何度も聴いていたがソロリサイタルは初めてでその実力、魅力を思い知った。

後半はイタリア歌曲とアリア集。日本歌曲の美しさにシミジミしていたが本領は後半だった。いずれも素晴らしくドミンゴも青くなりそうな「サンタルチア」など可笑しくて美しい。
曲間の軽妙なトーク。舞台後方席や側方席の観客にも心遣いのエンターティナーぶり。

伴奏ピアノは錦織に八王子のダ・ヴィンチと紹介された金井信。渾名のとおり才人で、演奏も見事だが作・編曲家であり東京藝大声楽科卒で歌も上々。本篇とアンコールでピアノを弾きながら錦織とのデュエットも素晴らしかった。最高に楽しいリサイタルだった。


♪2017-080/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07