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2025年6月5日木曜日

東京都交響楽団 第1021回 定期演奏会Bシリーズ

2025-06-05 @サントリーホール



小泉和裕:指揮
東京都交響楽団
大木麻理:オルガン*

モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297(300a)<パリ>
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための<響>*(1986)
【芥川也寸志生誕100年記念】
R.
:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》op.30






帰宅後、録画済みの今日放送の「クラTV」を観た。
今日は「ブラームスを味わう」で、解説極少で断片だがブラームスの固め撃ちに痺れた。そして、サントリーで過ごした2時間がえらく空疎なものに思えてきた。

小泉氏は好感度高い。
でも、都響はイマイチだった。最初のモツ31番で出鼻を挫かれた。弦が美しくない。
芥川の<響>は意表を突くのが身上の面白くない音楽だ。
演奏はこちらの方が良い出来だったが。

まあ、楽しみにしていたツァラトゥストラは、大規模編成の管弦楽を楽しむには(オルガンも入って)もってこいの作品だが、やはり、高域弦に難あり。音楽自体、賑やかなだけで心の響く類のものではない。

余生はベートーベン、シューマン、ブラームスだけあればいいか…とクラTVを観ながら思ったよ。

♪2025-071/♪サントリーホール-06

2025年2月16日日曜日

小林美樹&小林有沙 デュオリサイタル

2025-02-16 @リリスホール



小林美樹:バイオリン
小林有沙:ピアノ

ベートーベン:バイオリン・ソナタ第5番へ長調 Op.24「春」
武満徹/森山智宏編:さようなら~恋のかくれんぼ~めぐり逢い
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
R.シュトラウス/フバイ編:4つの歌から「明日の朝」Op.27-4
R.シュトラウス:バイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18
-------------------
マスネ:タイスの瞑想曲
モンティ:チャールダッシュ




小林美樹は、2014年に神奈川フィルのフレッシュコンサートで初めて聴いて以来、オケとの共演の他にもリサイタル、室内楽などでずいぶん多く聴いている。横浜出身というせいか、市内の小ホールでも聴く機会が多い。数えてみたら今日で14回目だった。
石田組長には遠く及ばないが、よく聴いていると思っていた神尾真由子より3回多い。てことは女性Vnでは1番かも。

今日のリリスホールは彼女が初めて本格的なリサイタルを開いたところだそうだ。お姉さんの有沙さんとの共演も2回目で、前回はブラームスのソナタ全曲@文化小が素晴らしかった。

今回のプログラムは、超有名曲と初めて聴く曲が混在していたが、さらっとやってのける超絶技巧が相変わらず正確で安定感があり、艶っぽい。

♪2025-024/♪リリスホール-01

全席指定 1階 F列 14番 3,000円

2025年2月8日土曜日

NHK交響楽団2031回A定期 02月公演

2025-02-08 @NHKホール



ペトル・ポペルカ:指揮
NHK交響楽団
ラデク・バボラーク:ホルン*

ツェムリンスキー:シンフォニエッタ 作品23
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調*
ドボルザーク:交響詩「のばと」作品110
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
----------------------
ラデク・バボラーク:狩りのファンファーレ




ツェムリンスキーはオペラ以外はもっぱら都響で数回聴いたが、聴く度に初聴きばかり。いずれも面白いと思って聴いたものはない。
しかし、4日前に観たばかりのオペラ「フィレンツェの悲劇」は良かった。音楽がいいという訳ではないけど。

R.シュトラウス:Hr協第1番は素晴らしかった。
2番は何度か聴いているが1番は初聴き。

ラデク・バボラークはこれまで何度も聴いていたように思っていたけど、記録にないのが不思議に思う(後刻、記録を発見!日フィルを指揮したのを聴いていたがHrは吹いていない。)
ともかく、なんて巧いのだ!
過去、何人もの名人を聴いているが、この人はとびきりの名人だ。次元が違う。完璧に楽器を操っているのにただただビックリだ。
人柄も良さそうで、オケはもちろん、大勢の観客の心もしっかり掴んで、とても良い雰囲気だった。

ドボルザークまで3曲とも初聴き。「のばと」は、なるほどドボルザークらしいところもあったが、全体として共鳴できなかった。

大トリが、ヤナーチェク:シンフォニエッタ。
これは過去数回。最近ではN響+フルシャで聴いている。

管は大編成だ。そこに加えてTp11本とユーフォニアム2本の別働隊が加わり、第1曲と最終曲はこの別働隊とTympによるファンファーレ(コラールといった方が相応しい?)がとても華々しくて惹きつけられる。
もっとも、別働隊といっても、並んだのは、オケの最後列に横一列なので、本隊とほぼ一体だけど。2F左右のバルコニーから咆哮してくれたらもっとゾクゾクできたかも。

この最終曲の終わったあとの暫時静寂。フラ拍もなく、本当にGoodなタイミングで一斉に拍手が起こったのは気持ち良かった。
指揮者とオケと客席が気脈を通じた瞬間だ。

♪2025-020/♪NHKホール-02

2024年11月30日土曜日

NHK交響楽団2025回A定期 12月公演

2024-11-30 @NHKホール



ファビオ・ルイージ:指揮

NHK交響楽団

クリスティアーネ・カルク:ソプラノ*


—シェーンベルク生誕150年—
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」〜「前奏曲と愛の死」
R. シュトラウス:
 「ばらの花輪」、「なつかしいおもかげ」、「森の喜び」、「心安らかに」、「あすの朝」*
シェーンベルク:交響詩 「ペレアスとメリザンド」




◀️感想省略▶️


♪2024-165/♪NHKホール-09

2024年6月12日水曜日

横浜交響楽団 第732回定期演奏会 【アンサンブルの楽しみ】

2024-06-12 @県立音楽堂



平野桂子:指揮
横浜交響楽団

コープランド:市民のためのファンファーレ
R.シュトラウス:13管楽器のための組曲
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
 Ⅰイタリアーナ
 Ⅱ宮廷のアリア
 Ⅲシチリアーナ
 Ⅳパッサカリア
ベートーべン:交響曲第7番イ長調 Op.92
-----------------------
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ




平野桂子さんの指揮で聴くのは2回目。美形だし説明が上手なので楽しみにしていたが、今日は楽曲説明が2曲終わってからという変則だった。

そもそもプログラムが変わっている。

①金管11+打3 によるファンファーレ
②金管(Hrのみ)4+木管9 による組曲
③弦楽合奏
までが前半。
後半がベートーベン7番で、ようやく管打弦が揃った。

アンコールが
打(Tymp)+弦楽

これなら、いっそベト7やめて、ショスタコのピアノ協奏曲第1番(しか思いつかないが。独奏ピアノ+トランペット1+弦5部)のような変則編成のものばかり組み合わせたら面白かったのにな。

①はずいぶん久しぶり。
②は初聴き、だった。
この2本の出来はアマチュアらしい?仕上がりだったが、驚いたのは③で、一番ボロが出てしまうのではないかと思った弦楽合奏が、何ときれいなこと。特にビオラは終始高水準を保った。バイオリン群も一部高域に乱れがあったが、横響の弦がかくも上出来だったのは初めて…と言えば失礼かもしれないが、いつもこのレベルで聴きたいよ。

メインのベト7は、それまでに各部の直前リハを済ませてからの合奏なので?前半はとても良かった。3-4楽章のリズミカルな楽章はどうだったか。技術的にも合わせるのが難しいのかな、と思いながら聴いたよ。

♪2024-082/♪県立音楽堂-05

2024年6月8日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第761回東京定期演奏会

2024-06-08 @サントリーホール



大植英次:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
信末碩才:ホルン(首席奏者)

ベルク:管弦楽のための3つの小品 op.6
(リーア編曲:室内アンサンブル版)
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第2番変ホ長調 TrV283
ドボルザーク:交響曲第7番ニ短調 op.70 B.141



ベルクは初聴きかと思ったら、19年に東響で聴いていたよ。でも全く覚えていない。尤も、その時は管弦楽版で、今日の室内アンサンブル版ではなかった。この版では日本初演だそうだから当然聴いてはいない。

しかし、なんでこういう編曲をしたのだろう。
弦5部は各部2人ずつ(計10人)だが、管打鍵の多いこと。奏者の数だけで23人だ。各自はいろんな楽器を持ち替えるので楽器の編成としてはさらに大きい。ティンパニーは2組。大小太鼓、銅鑼にハンマーまであった。ピアノにチェレスタ、マリンバ、シロフォン等々。

こんな大編成にしては弦が非力すぎる。そこが狙いなのだろうが、そもそも馴染みにくい音楽ということもあって、全然楽しめず。

その他は聴き慣れた音楽だけど、振替席で2階LBだったので、落ち着いて聴くことができなかった。見える景色が違うと聴き方に戸惑ってしまう。
大植ちゃんは好きな指揮者だけど、ドヤ顔するほどコントロールしていたようには見えなかった。
秋山御大の代役だし、やむを得なかったかな。


普段は1Fのど真ん中辺りで聴いている。

今日は、家のステレオでわざわざ左スピーカーの前で聴くようなもので、落ち着かなくて困った。
ただ、心配したほど違和感はなく、視覚が補ってくれるので各楽器の音がそれぞれの位置から聴こえてくるような気がする(そんなはずはないけど。)。

普段なら、下手高域弦の鳴り方や管と弦の混ざり具合などが気になるのだけど、2階のLBではもう混ざって出来上がった音として聴こえてくるので、これでもいいか、という気になる。いや、よくはないのだけど。今日はやむを得ない。

♪2024-079/♪サントリーホール-12

2024年4月28日日曜日

横浜交響楽団 第731回定期演奏会 【ファミリーコンサート 映画音楽特集】

2024-04-28 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団

第1部:映画に使われたクラシック
R.シュトラウス:「2001年宇宙の旅」から「ツァラトウストラはかく語りき(導入部)」
モーツァルト:「アマデウス」から「交響曲第25番ト短調 K.183」から第1楽章
ワーグナー:「地獄の黙示録」から「ワルキューレの騎行」

第2部:映画音楽
A.ニューマン:「20世紀FOXファンファーレ」
J.ウィリアムズ:「スターウォーズ」メインテーマ
久石譲:「となりのトトロ」から「さんぽ」、「風の通り道」、「となりのトトロ」
久石譲:「魔女の宅急便」から「晴れた日に…」、「海の見える街」、「パン屋の手伝い〜仕事はじめ」
J.ウイリアムズ:「インディー・ジョーンズ」から「レイダース・マーチ」
ハンス・ジマー:「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ



横響定期はたいていほぼ満足。と言っても、そもそもあまり大きな期待はかけていないのだけど。
ところがどっこい、今日は大満足だった。

映画音楽特集だからお馴染みで軽快なものばかりだったということもあるが、選曲も良かったよ。
そして、演奏もとても良かった。
珍しく大編成で最大でHrは6本、Tbも5本並んでいたなあ。打鍵楽器も色々登場。

モーツァルト25番はアンサンブルに不満が残ったがその余は大きな破綻もなく楽しめた。

20世紀FOXファンファーレから間をおかずスターウォーズに入ったのも良かった。
Encの「パイ・カレ」の出来は特に良かった。

他にも、今日は子供たちも多かったので、それを意識してかMC付きで、これをVnの奏者が兼ねたのだけど、プロみたいに上手い。
そして、今日は舞台上のお姉さんたちがいつもの黒づくめではなく色とりどりのドレスを着ての演奏。やはり華やかでよろしい。
とても気分良くして帰途に着いた。

♪2024-060/♪県立音楽堂-04

2024年4月19日金曜日

東京シティ・フィル第369回定期演奏会

2024-04-19 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
バイオリン:南紫音

R.シュトラウス:楽劇「ぱらの騎士」作品59、第1幕及び第2幕から序奏とワルツ集
シマノフスキ:バイオリン協奏曲第1番 作品35
ベートーべン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」



「ばらの騎士」の音楽は他人が編曲した組曲版ではなく、シュトラウス自身の手になる作品だそうだが、そもそも違いが分からない。冒頭のホルンで、ああ、これこれとオペラを思い起こしたが。

シマノフスキのVn協は3度目なのだけど、これもほとんど記憶がない。

いずれにせよ、この前半の2曲は、弦は14型と12型の違いはあったけど、多くの管打鍵が並んで賑やかなところは共通していた。
ここまで音を詰め込むか、という感じで暑苦しいばかりだ。
まあ、それをスマートにこなしていたとは思うが、楽しい音楽ではなかった。

後半。
シュトラウスと同じ弦編成(14-12-10-8-7)で「英雄」。これが実に良かった。
前半に厚ぼったいのを配したのは、軽快な「英雄」を聴かせたかったからか、と勘ぐりたくなるほど、気持ちの良い演奏で、何十回も聴いている「英雄」のオーケストレーションの巧さに、初めて気がついたものであった。
簡潔で無駄がなくすべての楽器が効果的に使われていて新鮮な驚き。これが高関健せんせいの今日の新工夫だったのだろうか。

♪2024-055/♪東京オペラシティコンサートホール-03

2024年1月6日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第18回「華麗なる協奏曲」

2024-01-06 @県民ホール


出口大地:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

清塚信也:ピアノ**
外村理紗:バイオリン*

R.シュトラウス:交響詩「ドンファン」作品20
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18**
--------------------------
チャイコフスキー(啼鵬編):玉響カンタービレ**+オケ
清塚信也:つながる心 NHK土曜ドラマ「路〜台湾エクスプレス」主題歌**+石田



Vn協、Pf協に交響詩と序曲と盛り沢山なプログラムに加え、ゲストがおしゃべりで、結局2時間半もかかった。

まだオケが入場していない段階で、清塚クンが1人マイクを持って登場し、デカい声で喋り出すのにはびっくらこいた。
さんざんジョーダン捲し立ててほぼ満席の客席を盛り立てたのはヨシ。

今年最初の神奈川フィル。まず以て弦が美しい。県民ホールは響がデッドだが、それだけに残響に紛れない本来の美しさに感心。

Vn独奏の外村理紗は初めて。使用楽器がストラディの「ヨアヒム」だそうな。それにしてはイマイチ音圧が不足していたな。
県民ホールで聴いたVn協といえば周防涼介のチャイコ。
メンコンといえば辻彩奈@アプリコが目下のベスト。

清塚のラフマは、コンマスの組長とソリが合わなくて大丈夫なのか、と心配しながら見ていた。
序盤なんかオケと合っていないんじゃないか、今に立ち往生するのではないか、と気が気じゃなくて、あまり音楽が入ってこなかったよ。
まあ、そのうち、ちゃんとした音楽になっていったが。

終演後のCCは無しで、つまり袖に引っ込まず、またマイクを持って喋り出し、オケ伴付きでEncを弾き、更にお喋りをしてオケが舞台を退いた後、石田組長と2人でちょいとしみじみしたのをサービスした。

石田は水を向けられても一度も喋らなかったが、両者は結構アレでウマが合っているらしく、石田のテレもだいぶ芸として笑いをとるようになってきたが、あれで武道館を乗り切れるのかな。

♪2024-001/♪県民ホール-1

2023年9月10日日曜日

NHK交響楽団1989回A定期 09月公演

2023-09-10 @NHKホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団
マルティン・ヘルムヒェン:ピアノ*

R.シュトラウス:交響詩 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R.シュトラウス:ブルレスケ ニ短調*
R.シュトラウス:交響的幻想曲 「イタリアから」作品16
------------------------
シューマン:森の情景 Op.82 第7曲「予言の鳥」*





昨日はN響新楽季のスタートだったけど、日フィルとダブったので、2日目に変えてもらった。席替えをするとひどい場所に当たることが多いが、今回は、本来席とほぼ同じという幸運!
そして、14時開演という、眩しい時刻にNHKホールに入るなんて、ずいぶん久しぶりだった。
1日目なら舞台上に林立するマイクが全く見当たらず、とてもスッキリしている。なんとなく、お客の様子も違って、自己表現に控えめな紳士淑女が多いような気がしたよ。

今日はRシュトラウス尽くし。個人的には、ブラームスの好感度を100としたら、25くらいの作家だけど、5年ぶりに聴いた「ティル~」の「安心・安定」の風格に、やはり、他のオケは時に名演もあるけど、これほど安定して美しいアンサンブルを聴かせるオケはないな…と喜んでいいのか複雑だ。

続く2曲とも、文句の付けようのない演奏で、ひょっとして2日目の方が美演奏をしているのではないかという疑いも…そんな筈ないけど。


「ブルレスケ」は正式には「ブルレスケ Dm ~ピアノと管弦楽のための」というらしいが「ピアノとティンパニーのための」と言ってもいいくらい。ブラームスに心酔していたRシュトラウスが、ブラームス交響曲第4番に触発されて書いたと、前に聴いた時のプログラムに書いてあるが、どこがブラームスぽいか分からない。とにかく難しいらしく、チャイコPf協の初演を弾けないと断ったピアニストに代わって引き受けたくらいの腕前であるHVビューローでさえ、この曲の初演は断ったというから、相当難しいらしいが、聴いている限りではそんな感じはしなかった。

今回の独奏はM.ヘルムヒェンで、以前、都響でベト「皇帝」を爽快に聴かせてくれたので良い印象を持っている。その時にEncで弾いたのが、今回と同じくシューマン:森の情景から「予言の鳥」だった。Rシュトラウスの作品を聴きたかったよ。

最後「交響的幻想曲」が今日の3作中1番初演が早い。21-22歳頃の作品。そして1番の長尺。イタリア旅行での印象を綴ったそうだが、そのせいか、全編、レスピーギの三部作を彷彿とさせる。それでいて、ブラームスぽいところも顔を覗かせて興味深い。最終楽章が「フニクリ・フニクラ」の盗用!で、困ったことになったらしい。
Fルイージとしては誠に得意分野だったのでは。快演だった。

演奏機会が少ないようで、以前これも都響で聴いた1回だけ。専門家の耳には分かり易いのがむしろ物足りないのかもしれないが、もっと演奏機会が増えたもいいと思ったよ。

♪2023-154/♪NHKホール-06

2023年8月10日木曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 辻井のショスタコと熱狂の『英雄の生涯』

2023-08-10 @ミューザ川崎シンフォニーホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
辻井伸行:ピアノ*

オネゲル:交響詩「夏の牧歌」
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102*
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」Op.40(Vn独奏 石田泰尚)
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ショパン:夜想曲第20番嬰ハ短調(遺作)*




オネゲル「夏の牧歌」は初聴き。20世紀の作品と思えないほど、分かり易くて親しみやすく、文字どおり「牧歌」的な小品だった。

ショスタコのPf協2番は珍しく、僕は2回目だった。
1番も最近初めて聴いた。2曲とも自作のVn協やVc協曲のような重みはなく、軽くて短くて面白くて冗談のような音楽だ。ショスタコの作品とは思えないけど、よく聴いているとショスタコ印が浮かんでくる。

終曲後は、本編よりCCとEncの方が長かったのでは(そんなことないけど)と思わせるような、辻井くんに向けられた盛大な拍手喝采。Encはショパン:夜想曲第20番C#mで満員の管内を唸らせた。

後半の「英雄の生涯」は、オケとしては相当力が入っていた。沼さんがプレトークで「auの障害」とかダジャレ飛ばして受けていたが、冒頭の低弦から一気に駆け上がり、リズムを刻むとHrが英雄のテーマを朗々と歌う。坂東女史が今日も巧い。もう、この辺でかなり気持ちを掴まれた。

気になる部分もあったけど、全体としては、神奈川フィルの高水準ぶりを聴かせてくれた。

チケ完売というだけでなく出席率も極めて高く、オルガン横の左右の最上層までお客が入っていた。
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今年の、僕のFSMuzaのオケ・コンサート全10本は今日で終わった。
チケット完売になったのは、東響・N響・新日フィル、そして今日の神奈川フィルだそうだ。
東響はMuzaがホームだし、開幕・閉幕を受け持つのだから、まあ、そうだろうな。
新日フィルはミッキー人気だったか。
神奈川フィルは…沼さん、石田組長。何より神奈川フィルの人気…と言いたいけど、ま、それもあったろうけど、なんといっても辻井くん目当てなんだろうな。その彼がチャイコ、ラフマ、ショパンなどの定番ではなくショスタコを選んだのが面白かった。

何が一番だったか?
読響の「指環アドベンチャー」か。音楽もいいが読響の底力を感じた。
次点⇒カーチュン・ウォンの「展覧会の絵」、東フィルの「幻想交響曲」、神奈川フィル「英雄の生涯」かな。

今年はN響がダブリで聴けなかったのは残念だった。

♪2023-143/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-22

2023年7月19日水曜日

東京都交響楽団 第979回 定期演奏会Aシリーズ

2023-07-19 @東京文化会館



アラン・ギルバート:指揮
東京都交響楽団
シュテファン・ドール:ホルン*

ウェーベルン:夏風の中で―大管弦楽のための牧歌
モーツァルト:ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495*
R.シュトラウス:アルプス交響曲 op.64


ウェーベルン:「大管弦楽のための〜」という割にはおとなしい音楽で、うとうとしている間に終わってしまった(13分)。

本日の白眉はモーツァルト:Hr協4番だ。独奏はシュテファン・ドール。彼の演奏でモツHr協全曲を聴いたことがあるので、彼の4番を聴くのは2回目。というより、他の人の演奏で4番は聴いていない。
モツのHr協奏曲というとほとんど3番ばかりで、N響6月のBでも福川名人が3番を吹いた(つい先日クラ館で放映)。しかしその演奏はあまり芳しくなかった。放映録画を確認してもスッキリしない。

そういう経験をしたばかりで聴いた今日の演奏にはびっくりした。
音圧高く、音色も豊かだ。オケに埋もれるなんて心配は全く無用。朗々と響き渡る。
それほど福川氏と技量の差があるとも思えないしバックのオケはN響と都響ではだいぶ違う。
しかし、今日の都響は弦10型に絞って(N響は12型だった)、キリリとしてよくサポートしていた。
ま、Hrを鳴らす技術に特別のものがあるのかもしれないが、半分はホールの違いだろう。文化会館はサントリーと違って無駄に音を逃さない。


メインが、最近やたら多い「アルプス~」。これにもシュテファンドールが参加して大サービス。

弦は「運命」でも16型でやる都響だもの当然に16型。金管はHr8-Tp4-Tb4-Tub2計18本にバンダがHr12-Tp4-Tb4計20本と舞台より多い超特大。まるで音大の合同オケみたいだ。
その超特大バンダがどこで吹くか?興味があったが、舞台裏から聴こえてきたね。これじゃ20本揃える意味がないだろう。どうしてバルコニーでやらなかったのだろう?

オルガンもパイプオルガンじゃないから迫力はないし、全体として賑やかではあったが、P.ヤルヴィ+N響や特に沼尻+神奈川フィルが聴かせた緻密さと巨大さには及ばす。

♪2023-126/♪東京文化会館-08

2023年5月30日火曜日

新国立劇場オペラ:R.シュトラウス「サロメ」

2023-05-30 @新国立劇場



【指揮】コンスタンティン・トリンクス
【演出】アウグスト・エファーディング
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【サロメ】アレックス・ペンダ(アレクサンドリーナ・ペンダチャンスカ)
【ヘロデ】イアン・ストーレイ
【ヘロディアス】ジェニファー・ラーモア
【ヨハナーン】トマス・トマソン
【ナラボート】鈴木准
【ヘロディアスの小姓】加納悦子
【5人のユダヤ人1】与儀巧
【5人のユダヤ人2】青地英幸
【5人のユダヤ人3】加茂下稔
【5人のユダヤ人4】糸賀修平
【5人のユダヤ人5】畠山茂
【2人のナザレ人1】北川辰彦
【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】金子慧一
【2人の兵士2】大塚博章
【カッパドキア人】大久保光哉
【奴隷】花房英里子

R.シュトラウス「サロメ」
全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:
約1時間40分(休憩なし)






「サロメ」は2015年、デュトワ+N響の演奏会型式以来だ。凄い音楽だったと言う記憶があるが、今回、舞台を観て、やはり、何よりもRシュトラウスの音楽の凄まじさに圧倒される思いだった。帰宅後MET版ビデオを観直してみたが、ナマの迫力とは次元が違う。
この音楽を聴きながら、音楽は完全に物語に奉仕していると強く思ったことだ。

全1幕100分というコンパクトな作りだが、過不足なくまとまっていると言う印象。これ以上長いと歌う方も聴く方もしんどい。

完全な漆黒の闇から始まった。普通は指揮者の登場と拍手という手順を踏むが、いきなり暗闇から音楽だ。

主要な歌手の演唱は見事。といっても、ほとんどサロメの独り舞台だが。

そして、オケの見事なこと。
ピットの東フィルは、いつも安定感があるが、今回は最初から最後までオケが主役と思わせるような熱演だった。

欲を言えば、サロメ役(アレックス・ペンダ)はいくらなんでもおばさんだろ!実年齢52歳。サロメは12歳だったと言う説もあるのだもの。

それでも七つのベールの踊りはヒヤヒヤしながら見ていたが、文字どおりベールを1枚ずつ剥いでゆく演出はスリリング。

♪2023-096/♪新国立劇場-09