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2024年6月15日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第21回 〜「第九」初演200周年記念公演〜

2024-06-15 @県民ホール



現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

神奈川ハーモニック・クワイア
独唱者:ノン・クレジット
ダンス:森下真横+森下スタンド ルードヴィヒ5
森下真樹/伊藤奨/黒田勇/中村駿/中村理/山口将太朗

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125




「第九」初演200年記念はいいけど、フツウーにやって欲しかったよ。

全楽章、コンテンポラリーダンスとやらがオケの前で踊るのだけど、バレエなら所作が美しいから歓迎できるけどコンポラダンスはちっとも美しくない。

終楽章の独唱・合唱も舞台の前でダンサーと一緒に歌う。

ダンスは音楽の邪魔をし、音楽はダンスと遊離し、結局自己満足に過ぎないと思ったよ。

オケの演奏だけをとっても雑だった。
特に管がピリッとしない。

第二楽章の超スローテンポには驚いた。朝比奈隆もビックリだ。
終楽章低弦のレシタも遅く独自なアーティキュレーションに加え、一部音を変えていなかったか?

感心したのは、ノン・クレジットの独唱者(合唱団メンバー)が、舞台最前列で歌ったこともあって、とても明瞭で気持ちよく聴けたことかな。

♪2024-083/♪県民ホール-4

2024年5月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第20回「嗚呼、昭和のレトロ・クラシック!」

2024-05-25 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
松田理奈:バイオリン*
松下美奈子:ソプラノ**
池辺晋一郎:司会

【第1部】
スッペ:喜歌「軽騎兵」序曲
ケテルビー:ペルシャの市場にて
レハール:ワルツ「金と銀」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」から<第2幕への間奏曲>
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」から<時の踊り>

【第2部】
ヘンデル:歌劇「セルセ」から<オンブラ・マイ・フ>**
池辺晋一郎:大河ドラマ「黄金の日日」からテーマ
エルガー:愛のあいさつ*
クライスラー:中国の太鼓*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」から<モルダウ>
-------------------------------
オッヘンバック:喜歌劇「天国と地獄」から<カンカン>




クラシック音楽自体が、そもそもレトロで”クラシック”なのだから、今回の企画は”変”ではあるけど、確かに、平成以降ほぼ聴かなくなったような音楽もあったな。

加えて、前半の<時の踊り>以外の4曲はいずれも中・高時代に吹奏楽で演奏したものなので、実に懐かしかった。

昭和マニア?の沼さんと昭和の生き字引のようなダジャレの池辺さんによる漫談擬の話も面白くて、客席も舞台も大いに盛り上がった。

後半の選曲は特に<昭和>は無理があったね。トリを飾った「モルダウ」なんて神奈川フィルで3月に「我が祖国」全曲を聴いたばかりだけど、しかし、しみじみと美しい音楽だと思ったよ。

♪2024-073/♪県民ホール-2

2024年2月23日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第19回「男の宿命ミュージカル!」 ~豪華オーケストラと魅せるドラマティックライフ〜

2024-02-23 @県民ホール



齊藤一郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
上原理生:テノール/バリトン
加耒徹:バリトン
吉田孝:ナレーター

映画「バックドラフト」からテーマ
映画「007シリーズ」からテーマ
映画「ゴッドファーザー」から"愛のテーマ"
映画「ロッキー」から"テーマ"
映画「シンドラーのリスト」から
映画「スターウォーズ」から"帝国のマーチ"、"ヨーダのテーマ"、"メインテーマ"
ベッリーニ:歌劇「清教徒」から"ラッパを吹き鳴らせ、勇敢に、私は高らかに拳を突き上げる"
ミュージカル「ㇾ・ミゼラブル」から"Stars"
ミュージカル「ラ・マンチャの男」から"見果てぬ夢"
ミュージカル「オペラ座の怪人」から"The Music of the Night"
ミュージカル「ジキルとハイド」から"This is the Moment"
プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」から"タイボルトの死"
ミュージカル「エリザベート」から"闇が広がる"
ミュージカル「レ・ミゼラブル」から"民衆の歌"



「男の宿命ミュージカル!」
なんてアナクロな副題。
本当はソプラノも呼びたかったけど集められなかったから”男っぽい”ミュージカルナンバーばかりになったのではないか?
…か、どうかは知らないけど、今時男だの女だのって大丈夫なの?

でも、始まってみると、耳馴染みの音楽ばかりで楽しめた。客席の様子も普段の定期とはだいぶ違ってノリが良かった。
上原理生という歌手は全く知らなかったが、ミュージカルの方では売れっ子なのだろうか?

これといって不満はなかったけど、強いて言えば、せっかく、2,500人の客席で舞台も十分広いのだから、弦は12型ではなく16型の大編成で聴きたかったよ。音圧に不足はなかったけれど、16型ならもっと迫力があったろうな、と思ったね。

♪2024-031/♪県民ホール-2

2024年1月6日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第18回「華麗なる協奏曲」

2024-01-06 @県民ホール


出口大地:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

清塚信也:ピアノ**
外村理紗:バイオリン*

R.シュトラウス:交響詩「ドンファン」作品20
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18**
--------------------------
チャイコフスキー(啼鵬編):玉響カンタービレ**+オケ
清塚信也:つながる心 NHK土曜ドラマ「路〜台湾エクスプレス」主題歌**+石田



Vn協、Pf協に交響詩と序曲と盛り沢山なプログラムに加え、ゲストがおしゃべりで、結局2時間半もかかった。

まだオケが入場していない段階で、清塚クンが1人マイクを持って登場し、デカい声で喋り出すのにはびっくらこいた。
さんざんジョーダン捲し立ててほぼ満席の客席を盛り立てたのはヨシ。

今年最初の神奈川フィル。まず以て弦が美しい。県民ホールは響がデッドだが、それだけに残響に紛れない本来の美しさに感心。

Vn独奏の外村理紗は初めて。使用楽器がストラディの「ヨアヒム」だそうな。それにしてはイマイチ音圧が不足していたな。
県民ホールで聴いたVn協といえば周防涼介のチャイコ。
メンコンといえば辻彩奈@アプリコが目下のベスト。

清塚のラフマは、コンマスの組長とソリが合わなくて大丈夫なのか、と心配しながら見ていた。
序盤なんかオケと合っていないんじゃないか、今に立ち往生するのではないか、と気が気じゃなくて、あまり音楽が入ってこなかったよ。
まあ、そのうち、ちゃんとした音楽になっていったが。

終演後のCCは無しで、つまり袖に引っ込まず、またマイクを持って喋り出し、オケ伴付きでEncを弾き、更にお喋りをしてオケが舞台を退いた後、石田組長と2人でちょいとしみじみしたのをサービスした。

石田は水を向けられても一度も喋らなかったが、両者は結構アレでウマが合っているらしく、石田のテレもだいぶ芸として笑いをとるようになってきたが、あれで武道館を乗り切れるのかな。

♪2024-001/♪県民ホール-1

2023年11月4日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第17回 「吹奏楽 in オーケストラ」

2023-11-04 @県民ホール



現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
須川展也:サクソフォン*
佐藤采香:ユーフォニアム**

バーンズ(大橋晃一編):アルヴァマー序曲(管弦楽編曲版初演)
保科洋:管弦楽のための「風紋(原典版)」
スパーク(大橋晃一編):パントマイム**
リード:アルメニアン・ダンス・パート(管弦楽編曲版初演)
挾間美帆:サクソフォン・ソナタ第1番「秘色の王国」(管弦楽編曲版-須川展也委嘱作品)*
ラヴェル:ボレロ* **
東海林修:管弦楽のための「ディスコ・キッド」


プログラムには何にも言及してなかったが、チラシには「吹奏楽 in オーケストラ」と書いてある。
大昔、中高時代吹奏楽をやっていたのだけど、その頃と今では様変わりで、近年の事情はさっぱり分からない。

でも、どうやら、今日の演奏曲の大半は、吹奏楽の世界ではヒット曲らしい。

ラヴェル「ボレロ」以外は初聴き?だと思うが、みんな調子の良い、わかりやすい音楽で、とても楽しく聴いた。

しかし「吹奏楽」と銘打つなら、2、3曲は本当の吹奏楽編成で聴きたかったな(木管調達が大変だろうだけど。)。

(昔、N響のコンサートで、<N響吹奏楽>と称して、吹奏楽編成でヴォーン・ウィリアムスの「イギリス民謡組曲」などを聴いた。あの名人上手が演奏する吹奏楽のオリジナルで同曲を聴けたのはホンに嬉しかったよ。得難い体験。)


演奏はどの曲も見事なのだけど、特に「ボレロ」の出来には感心した。スネアも中低弦のピチカートも最初はやっと聴こえる程度の弱音から始まる。最初に主題を引き受けるのがFlだが、ここで、それまでのぎりぎり抑えた静寂の世界をいっぺんに台無しにするような音量で登場することが少なくないのだ。しかし、前にも聴いた経験があるが、神奈川フィルの江川女史は違う。よくこんなに抑えて吹けるなと思うくらい弱音でスネアに乗ってくる。もうその辺からゾクゾクしてくるよ。


今日の弦は12型だった。これが良かった。12型の「ボレロ」は初めてかも。

広々とした、特に奥行きのある舞台に12型だから、管打はゆったりと並んでいた。県民ホールは舞台の四方を頑丈な反響版に囲まれているから、音の抜けが良い。細大漏らさず客席に飛んでくる感じだ。スッキリと12型で明瞭な音楽が残響重視のホールとはまた違った味わいを見せる・聴かせる。

今日のコンマスは読響から小森谷巧氏が客演した。神奈川フィルの総大将はあちこち出稼ぎで忙しいのか。でも、いろんなコンマスを迎えるのは良いことだと思うよ。今度マロさん呼んで親子共演を聴かせて欲しいな。

♪2023-190/♪県民ホール-1

2022年12月18日日曜日

「第九」2022-❹ 横浜交響楽団 第720回定期演奏会 ”横響・第九演奏会”

2022-12-18 @県民ホール



指揮:鈴木衛
合唱指揮:泉翔士

横浜交響楽団
横響と第九を歌う会合唱団/横響合唱団

鳥海仁子:ソプラノ
高橋ちはる:アルト
土崎譲:テノール
池内響:バリトン

ベートーべン:序曲「レオノーレ」第3番
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱つき」


2019年まで横響の「第九」といえば、16型オケに合唱団が600人と、まるで「千人の交響曲」並みの規模で、2,500席の県民ホールを満席にできる数少ないコンサートだった。
コロナに倒れ雌伏2年。ようやく大規模な「合唱付き」が復活…とまではいかん。いまだ道険し。

それでも、約200名の合唱団が、舞台に並ぶ…かと思ばこれが変則で、これまで見たことも聴いたこともない合唱2分割。
卵サンドならぬオケサンドイッチだ。

舞台に並びきれなかった合唱70弱を客席前方に降ろした。
それで客席側合唱には別に指揮者が付いた。

1階客席は27列?より後ろしか客席に使えなかったので、1階の真ん中の真ん中で聴きたい!と駄々をこねることもできず、僕は2階中央に座らざるを得なかった。まあ、そこでも格別悪い席じゃないんだけど。

それにしても、眼下に合唱別動隊。
合唱本体と独唱は遥か舞台後方に。

こんな形になったのは、舞台上の合唱人数がホール側から制約を受けたからだろう。音楽堂は40名までという話も聞いた。県民ホールはせいぜい120名といった辺りで決着がついたか(ミューザは230人も並んだのに!)。

3年ぶりなので何としてもう歌いたい!という合唱人の為に苦肉の策が捻出されたのだろう。

でも、そこまでして合唱を増やす必要があったのか?
舞台だけでも120人以上居たのだから。
神奈川フィルの「第九」の合唱はプロだが39名で格別不満もなかった。日フィルはアマ合唱で80人強。それを思えば120名も居たら十分だったが、この日の第九はオケの為でもお客の為でもない。合唱団の為なんだものな。

独唱は鳥海仁子Sp/高橋ちはるAlt/土崎譲Tn/池内響Br。

演奏の出来は、残念なところがポツポツ。特に一番おいしい終楽章低弦のレシタでは2-3名ツボを外している人あり。

終演後は、蛍の光の合唱でお客を送り出してくれるのが恒例だ。
ともあれ、ここまで辿り着くには大変な苦労があったのだろう。蛍の光を背中で聞いて、少しうるっとしながら、帰途に着いた。


演奏好感度★60点

♪2022-196/♪県民ホール-18

2022年10月25日火曜日

横浜交響楽団 第719回定期演奏会 ”合唱宗教曲”

2022-10-25 @県民ホール


泉翔士:指揮
横浜交響楽団
横響合唱団*

ソプラノ⇒中山美紀*
アルト⇒野間愛*
テノール⇒市川浩平*
バリトン⇒黒田祐貴*

ビゼー:交響曲第1番ハ長調
モーツァルト:レクイエム*


日本のアマオケ最古参、創立90年の横響が719回の定期演奏会…って凄いね。久しぶりに県民ホールで合唱付に臨んだ。
音楽堂では合唱人数が制限されている為らしい。今日の合唱は80人。
前半は、ビゼーの交響曲第1番。若い頃、第2楽章のObの哀愁にやられてたクチだ。

以来好きな曲だが、演奏機会が少ない。プロで聴くのは3年に1回程度か。ビゼー17歳の若作りということで、管弦楽曲としては完成度が低いのかもしれない。

演奏は慎重を期すあまり全体に音圧が低く、大舞台に負けている感じ。Obソロも上手だったがもっと泣き乱れて欲しかったな。

モツ・レクを聴くのはちょうど1年ぶり。
こちらもこじんまり収まって物足りなかった。
声楽独唱はプロで全員NoMaskだが、合唱団は全員Mask。
この為にストレートに声が出ていないのが残念だったが、中盤以降は盛り返したと思う。

12月には3年ぶりの「第九」を楽しみにしているよ。弾けて〜っ!

♪2022-159/♪県民ホール-17

2022年10月15日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第380回定期演奏会

2022-10-15 @県民ホール



ダニエル・ライスキン:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

スメタナ:交響詩「わが祖国」から”モルダウ”
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88



指揮のダニエル・ライスキンは神奈川フィル初登場。と言うより僕は初聴き。

ロシア人。ロシアとチェコの作品を振る。

同じスラブ系言語の国の音楽だから得意としているのだろうが、といって格別の、違和感を覚えるような味付けもなく、むしろ、馴染みどおりに自然で好感。

このところ快進撃の神奈川フィルが今日も良い響きを聴かせた。

曲目が弦をうまく活かしているのかもしれないが、最初から最後まで透明感を維持した。
デッドな響きの県民ホールでこれだけ綺麗な弦のアンサンブルを聴かせるのはなかなかのものだ。

団員も遠来の客を暖かく迎えている風で良い光景。

♪2022-150/♪県民ホール-16

2022年10月8日土曜日

フィリップ・グラス/ロバート・ウィルソン:「浜辺のアインシュタイン」

2022-10-08 @県民ホール




キハラ良尚:指揮
電子オルガン:中野翔太/高橋ドレミ
フルート:多久潤一朗/神田勇哉/梶原一紘(マグナムトリオ)
バスクラリネット:亀居優斗
サクソフォン:本堂誠/西村魁
合唱:東京混声合唱団

演出・振付:平原慎太郎
演出補:桐山知也
空間デザイン:木津潤平
衣裳:ミラ・エック
照明:櫛田晃代
音響:佐藤日出夫
舞台監督:藤田有紀彦/山口英峰
プロダクション・マネージャー:横沢紅太郎
サウンドアドバイザー:有馬純寿
神奈川芸術文化財団芸術総監督:一柳慧
県民ホール・音楽堂芸術参与:沼野雄司
企画製作:神奈川県民ホール

音楽:フィリップ・グラス
台詞:クリストファー・ノウレス、サミュエル・ジョンソン
翻訳:鴻巣友季子

松雪泰子
田中要次
中村祥子
辻󠄀彩奈
ほか

フィリップ・グラス/ロバート・ウィルソン:「浜辺のアインシュタイン」〈一部の繰り返しを省略したオリジナルバージョン/新制作/歌詞原語・台詞日本語上演〉







県民ホールや音楽堂などを運営する神奈川芸術財団の芸術監督であった一柳慧氏が今日(10/8)逝去された。
彼の音楽にはほとんど触れてこなかったが、このオペラの制作にも尽力されたのだろう。プログラムにも巻頭言を書いておられた。
初日を見る事なく旅立たれたのは無念だったと思う。
RIP

チラシの惹句にもあるように台詞はあるが物語はない。歌詞は数字とドレミだけ。アリアもレシタティーヴォも無し。一体これは「オペラ」?

「現代音楽撲滅協会」名誉会員の僕としては、そんな怪しげな舞台作品は当然無視するところだけど、松雪泰子、辻󠄀彩奈が出るというし、怖いもの見たさもあって出かけた。

何か、感想を書こうとすると、クソミソになってしまいそうだ。

しかし、不思議なのは、終演のカーテンコールでは、みんなよくやったねえ、ご苦労さま、っていう優しい気持ちになっていたよ。

これは若い人たちの創造の活力への敬意だ。

ほぼ、制作側の自己満足にすぎない。
歴史には残らない、と思うけど。

♪2022-145/♪県民ホール-15

2022年10月1日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第381回横浜定期演奏会

2022-10-01 @県民ホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
髙木凜々子:バイオリン*

ビバルディ:バイオリン協奏曲集《四季》op.8 -1〜4*
ベートーべン:交響曲第7番イ長調 op.92
--------------------
J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第3番から「ガボット」*
エルガー:2つの小品 Op15-1「夕べの歌」


9/22に380回定期を聴いたばかりなのに短期間で次の381回定期を迎えた。

前半は髙木凛々子の独奏でビバルディ「四季」。
弦22人にチェンバロという小振りオケ。
これなら指揮者無し、髙木の弾き振りでも良かったと思うけど、それには力不足か。

当然9/22と同じホールの同じ席で聴いたのだけど、前回の周防亮介のチャイコフスキーの独奏バイオリンの明瞭な音圧に比べると手応えがイマイチ。即興性やアクロバティックな妙味も欠けて、教科書を読んだ感じ。

何十回も聴いた「四季」でトドメめを刺すのは2016年5月。アンナ・マリア・スタシキェヴィチの独奏バイオリンとポーランド室内管弦楽団。
これは「熱狂の日」の一齣。

両者恰も戦闘モード。
彼女とオケとの丁々発止の遣り取りがとても熱く、かつてこれほどスリリングで迫力のある「四季」は聴いたことがなく、残念ながらその後もない。「四季」観を一変させる名演奏だった。
あの時、3階席で赤ちゃんが大泣きしていたよ。赤ちゃんだって感動したのだろう。


後半。オケは14型でベートーベン交響曲第7番。
誰が振ってもリズミカルで元気がいい音楽だけど、漢・藤岡幸生が振ると一味違う。テンポ良し。拍の刻みは元気いっぱい。喧嘩腰で疾走するベートーベンだった。

ただし、オケは弦楽も、管弦もざわめいて、こちらも前回の「悲愴」方が上出来だった。

♪2022-140/♪県民ホール-14

2022年9月22日木曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第380回横浜定期演奏会

2022-09-22 @県民ホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
周防亮介:バイオリン*

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》ロ短調op.74
--------------------
タレガ:アルハンブラの思い出*
アイルランド民謡:ダニーボーイ(弦楽合奏版)


チャイコ2本立て。
前半は周防(スホウ)亮介でバイオリン協奏曲。
これまで何度か聴いて良い印象は一度も持てなかったのに、今日はどうしたことか、独奏バイオリンの何と明瞭で美しいこと。
昨日のJ.エーネスとN響に聴かせたい。
これぞ協奏曲の面白さ。支える日フィルのうまいこと。

県民ホールのやや硬めの反響が余計に周防のバイオリンを引き立てたかもしれないが、こんなに独奏バイオリンが見事なのはなかなか例がない。

休憩中に日フィル君に、ありゃマイクで集音して拡声しているのではないか!と詰め寄ったら、とんでもニャアですと否定された。ま、そうでしょ。ちょっと言ってみただけ。


後半の「悲愴」も上出来。
コバケンせんせは体調を壊して申し訳なかったと言っていたけど、黙ってりゃ分からないのに。

前半12型から超拡大の16型。
広い舞台の両翼まで弦が並んだ。
弦は多けりゃいいってもんじゃない。むしろ少ない方が安全。
しかし、今夜の日フィルは16型ならではの迫力を聴かせた。ほぼ、終始透明感を保った。

管部門(ホルンの出来はイマイチ)も良かった。特にオケにおける木管の良い働きを再発見した思い。分けてもフルートが柔らかく他の木管や弦との混ざり具合も絶妙な響きだった。そうそう、シンフォニー(交響)ってこうでなくちゃ。

今季からN響と共に終演時カーテンコールの”静止画”撮影OKになったが、お嬢さん方、マスク外してね。

♪2022-135/♪県民ホール-13

2022年8月30日火曜日

横浜18区コンサート 第Ⅱ期 河村尚子(ピアノ)×読売日本交響楽団メンバー(弦楽五重奏)

2022-08-30 @県民ホール



河村尚子:ピアノ*
読売日本交響楽団メンバー(弦楽五重奏)
 バイオリン1:長原幸太[コンマス]
 バイオリン2:川口尭史[首席代行]
 ビオラ:鈴木康浩[ソロビオラ]
 チェロ:室野良史
 コントラバス:瀬泰幸

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525から第1楽章
ドボルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調 OP.77から第3楽章、第4楽章 
(以上、弦楽五重奏 )

シューマン : ピアノ協奏曲イ短調 Op.54*
(弦楽五重奏伴奏版)
----------------
シューベルト:即興曲 変ト長調 作品90-3*



18区コンサートの最後は河村尚子+読響弦楽五重奏団でシューマンのピアノ協奏曲とは誠に嬉しい組合せ。
そして、有終の美を飾る素晴らしい演奏会だった。

最初に五重奏で断章2曲。
いずれも確実なアンサンブル。
が、できればアイネクライネ1楽章をやめてドボルザーク弦楽五重奏曲を全曲聴きたかったよ。

河村ちゃんの話では、県民ホールは2度目で、前回もシューマンPf協だったと言う。
はいはい覚えていますよ。
去年の日フィル4月定期で、本編よりアンコールのシューマン「献呈」が心に沁みたよ。

今回は弦楽五重奏版だ。
いうまでもなく、オケ版より全パートが明瞭そのもの。Pfと弦楽のバランスも良し。

室内楽の丁々発止でPf協奏曲を味わうスリリングな面白さ。

ちょっと残念だったのは長原くんに隠れて河村ちゃんの愛嬌のある表情が良く見えなかった事だ。しかし、こういう編成だとどこに座れば良いか決めようもないからその時の運だ。

昨年9月から始まった横浜18区コンサート最後の大物登場とあって、433席の小ホールだがほぼ満席。
禁を破って歓声を上げた人もいたが、気持ちは大いに分かる。

♪2022-123/♪県民ホール-12

2022年8月23日火曜日

キエフ・クラシック・バレエ「白鳥の湖」全2幕

2022-08-23 @県民ホール



原振付:M.プティパ、L.イワノフ
改訂:V.コフトゥン

録音音源

◎キエフ(キーウ)・クラシック・バレエ
オデット/オディール⇒長澤美絵
ジークフリート王子⇒コスチャンチン・マイオロフ
ロットバルト⇒コスチャンチン・ツァプリカ
道化⇒北口雅人
パ・ド・トロワ⇒アナスタシア・ロマニツカ
 アンナ・レズニチェンコ
 タラスコフシュン
小さい白鳥⇒クセーニャ・マリウティナ
 アンナ・レズニチェンコ
 ユリア・ユルコヴェツ
 カテリーナ・ヤロシチュク
スペインの踊り⇒オレクサンドル・リプコ
 アナスタシア・プラヴディワ
 マルガリータ・クズネツォーワ
ナポリの踊り⇒北口雅人
 ポリーナ・マカレンコ
 カテリーナ・ハルラモワ
 オリハ・シチェルビナ
 ユリア・シチェルビナ
ポーランドの踊り⇒オレクサンドルコステンコ
 ボーダナ・ボンダール
 スヴァトスラフ・リプコ
 タラスコフチュン
 ユリア・ユルコヴェツ
 カテリーナ・ヤロシチュク
ハンガリーの踊り⇒マルガリータ・クズネツォーワ
 エフゲニー・ペトレンコ

チャイコフスキー:「白鳥の湖」全2幕

予定上演時間:約2時間
第Ⅰ幕 60分
  休憩20分
第Ⅱ幕 40分


キエフ・クラシック・バレエ日本公演だが、最近キエフ・バレエとかいうのも来日していたと思うが、その違いは知らない。

今日のプログラムは「白鳥の湖」。

世界に散らばったダンサーが艱難辛苦を経て日本に結集した様子がプログラムに書いてあったが、それを読むだけでもう感動準備完了だ。
それに、いつぞやTVで取り上げられていた、目下日本に避難中の日本人プリンシパル長澤美絵が白鳥・黒鳥を踊った。彼女の亭主殿も同バレエ団のダンサーで今日はハンガリーの踊りに登場していた。

8/19-10/1に全国で37公演というから偉く強行軍だ。
その為か、音楽は生オケではないし、20分位短縮版で、舞台装置も書き割り主体だったが、始まれば次々と繰り出される耳馴染みの名曲とバレエの妙技を十分楽しんだ。

白鳥といえば4人の白鳥の踊りが好き。
黒鳥の片脚32回転も素晴らしい。

気になった点。
CDや放送など電気再生に共通するが、何十本ものマイクで収録した音をミキサーで編集しているので、電子的に整えられた擬似立体音響はソロ楽器も明瞭でパートの定位も明確そのものだ。しかし、家では小音量故に余り感じないが、今日の県民ホールのようなキャパ2,500人の大空間に響きわたる大音響だと非常に不自然な響きだ。生演奏とは似て非なるものだと痛感した。

♪2022-121/♪県民ホール-11

2022年7月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第379回定期演奏会

2022-07-16 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65


「つぼ八」ならぬ「タコ8」か。
前回聴いたのが16年インバル+都響だから随分久しぶり。この間CDなどでも全く聴いていなかった。

ショスタコの作品には大好き!と言うものが少数あるけど、それ以外は積極的に聴こうともしないので、定期演奏会はお仕着せで聴く良い機会だ。

とはいえ、交響曲に限定すれば演奏されるのはその4割が5番なので、例えば8番など6年ぶりと言うことになる。

こと程左様に馴染みが薄いのに、そこここにショスタコの独特の旋律がひっきりなしに顔を出す。文字で言えば書き癖のようなものか。

帰宅後作業しながら…途中居眠りも…彼の弦楽四重奏曲全15曲を掛け流して気付いた。

SQ8番の第3楽章はチェロ協奏曲1番の第1楽章と一緒!
9番の第2楽章も酷似している。

…てな具合に、ショスタコの音楽ってJazz組曲のようなメロディックなものを別にすれば、調性の外れ具合が同じように聴こえる。

は、ともかく。
神奈川フィルの演奏は力強かった。
1週間前の音楽堂定期も素晴らしかったが、今回も力が入っていた。

4月に音楽監督に就任して以来、沼さんは短時間で神フィルの人心を収攬したようだ。隅々までコントロールして、団員の気持ちが一つになっているように見える。

惜しむらくは、個人的好みかもしれないが、高域管の出番が多いがこれが耳障りだった。ま、他のオケでも似たようなものだが。

♪2022-106/♪県民ホール-10