ラベル フリーヘル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル フリーヘル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年9月15日金曜日

NHK交響楽団1990回C定期 09月公演

2023-09-15 @NHKホール



ファビオ・ルイージ:指揮
NHK交響楽団

ワーグナー/フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」 
 -オーケストラル・アドベンチャー-

01前奏曲
02ラインの黄金
03ニーベルング族
04ワルハラ城
05ワルキューレの騎行
06ウォータンの別れと魔の炎の音楽
07森のささやき
08英雄ジークフリート
09ブリュンヒルデの目覚め
10ジークフリートとブリュンヒルデ
11ジークフリートのラインの旅
12ジークフリートの死
13葬送行進曲
14ブリュンヒルデの自己犠牲





「指環」にはいろんな種類のオケ編曲版があり、これまで色々聴いてきたが、フリーヘルの編曲版が一番しっくりくるし、演奏機会もダントツに多い。

N響のC定期は会員ではないので、良席が取れず、いっそ遠くで聴いてみようと、初めてE席で聴いたが、家で上質のCDを聴いている感じかな。まる〜っとまとまっているが、音圧が物足りないし、各楽器の音が紗幕越しで聴くように生々しい明瞭さに欠ける。
それでも、音響的にはさほど不満は感じなかったし、値段は1Fの1/5位だから実にリーズナブルだ。

演奏の出来は、どうか?
やはり距離感から、なかなか音楽に入り込めなかった。これは慣れれば解消できるかもしれないけど…。

いつも、どのオケでも、冒頭の前奏曲で緊張を保つのが難しいようだ。それにN響らしからぬ主要管に数回ミスがあった。

今日の演奏に関しては、先月のヴァイグレ+読響@ミューザには及ばなかったか。聴いた席が天地ほどに異なるので比較は無理があるけど。

♪2023-158/♪NHKホール-07

2023年8月1日火曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 読売日本交響楽団 サマーミューザ初登場!オペラの名匠ヴァイグレ×指環

2023-08-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール



セバスティアン・ヴァイグレ:指揮
読売日本交響楽団

ベートーべン:交響曲第8番ヘ長調 Op.93
ワーグナー/フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」 
 -オーケストラル・アドベンチャー-




FSMuzaは今年は10本聴くが、中で1番の楽しみが今日の読響…というより、指環オケ版だ。

しかも、ヴァイグレも1年ぶりだが、コンマスがVn界の百済観音、日下紗矢子姫❤️だというのが誠に嬉しい。
スリムな長身で、コンマスならではのメリハリのあるボウイングが美しい。

さて、指環。
いろんな編曲ものがあり、生でもCDでもいろいろ聴いているが、中でも今日のフリーヘルによるものが一番成功している気がするし、好きだ。また、多くのオケが取り上げるのもこの版が多く、N響9月のCプロもこの版だ(楽しみ!)。

この編曲では、全4部の物語の順番に沿って音楽を選択している。
声楽部分は当然カットされているが、それを器楽で補うことをせず、ワーグナーが書いた管弦楽の美味しい部分をその楽譜のまま用いている。
フリーヘルが手を加えたのは、楽曲の接合部分だけで、これが実に自然で全く違和感がない。
全曲60分強にわたって一度も休止することなく、ワーグナーの描いた絵巻がオペラ本編をイメージしながら味わえるところがたまらない魅力だ。

で、どうだったか。
多分全曲中一番難しいのが第1曲だと思うが、最弱音から同一(分散)和音を執拗に繰り返す(5分超!)、もやもやの霧の中で世界が目覚めてゆくように管楽器が加わって増えてゆくが、ここがやや不本意な出来だった。
しかし、その後は、段々よく鳴る法華の太鼓で、一気に指環の世界を展開させた。

終曲のタクトはなかなか降りない。まあ、これだけの大曲だ、簡単には気持ちの整理がつかないのだろう。
感心したのは客席で、同じように呼吸を整えて、タクトが降りるのをずっと待った。野暮な飛び出しはなし。完全にヴァイグレのタクトが降りきって、初めて、どっとブラボーの嵐。

いつも愛想のないヴァイグレも繰り返しCCに応じ、だいぶご機嫌だったようだ。そういえば、FSMuzaは初めての登場だったな。相当良い印象を残したろう。また来年も来ておくれ。コンマスは日下紗矢子❤️で!

♪2023-136/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-16

2018年11月17日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第344回

2018-11-17 @みなとみらいホール


ロリー・マクドナルド:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

エルガー:序曲「南国にて(アラッシオ)」
ワーグナー/フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」 
 -オーケストラル・アドベンチャー-
 序夜:『ラインの黄金』
 ♪01前奏曲
 ♪02ラインの黄金
 ♪03ニーベルハイム
 ♪04ヴァルハラ

 第1日:『ワルキューレ』
 ♪05ワルキューレたち
 ♪06魔の炎

 第2日:『ジークフリート』
 ♪07森のささやき
 ♪08ジークフリートの英雄的行為
 ♪09ブリュンヒルデの目覚め

 第3日:『神々の黄昏』
 ♪10ジークフリートとブリュンヒルデ
 ♪11ジークフリートのラインへの旅
 ♪12ジークフリートの死
 ♪13葬送行進曲
 ♪14ブリュンヒルデの自己犠牲

今季・神奈川フィル定期(みなとみらい定期、県民ホール定期を通して)最大の楽しみが今日のワーグナーのフリーヘル編「ニーベルングの指環」オーケストラル・アドヴェンチャーだった。

一昨日のウィーン・フィルの「神々の黄昏」抜粋版がもたらす夢見心地は30分で覚めたが、フリーヘル版は「指環」4部作(演奏は4日間にわたり、計15時間を要する。)を網羅しているだけあって60分強のノンストップ興奮の旅だ。
この熱い期待に応えて、近年好調の神奈川フィルの演奏も緩みなくほぼ完璧だった。

高域弦の透明さ不足を除けばウィーン・フィルも吃驚の迫力。
「〜黄昏」の中で有名な「ラインの旅」のホルンソロが確実に決まって見事(Wフィルは1音外した)。

https://youtu.be/_MkMdlfl8Hg?t=3

欲を言えば、ハープ4台、ホルン9本、ティンパ2組など管打の大編成に対し、弦は変則14型?ここは各部あと1〜2プルト(プルト=譜面台。1本に付き奏者2名)ずつ増強してほしかった。

さて、余談になるが、指環の抜粋モノは数々あれど、全4部作を網羅した管弦楽版でノンストップ1曲にまとめ上げたのはこれしか無いのではないか。

2年前に都響定期で演奏したラインスドルフ版では「ラインの黄金」からは1曲も盛り込まれていなかった。尤も、この時は指揮者のアラン・ギルバートが手を加えた版だったので、彼が端折ったのか、元から入っていなかったのかは分からない(演奏時間約52分)。

4年前に東響定期では今日と同じのフリーヘル版を演奏して、これが素晴らしかった。今、プログラムを読み返したら演奏時間70分と書いてある。今日の神奈川フィルは60分と記載してあり、実演も61分だった。手持ちCDでは66分だ。すると、今日の神奈川フィルは少しテンポが速めだったのかもしれないな。

いずれにせよ、管弦楽を聴く喜びに満たされた名曲であり、名演奏ではあった。そして何より、ワーグナーがよくぞこの畢生の大曲を残してくれたものだと感謝する。

♪2018-148/♪みなとみらいホール-33